「1票の格差」が最大2.3倍となった09年8月30日投開票の衆院選は、法の下の平等を定めた憲法に反するとして、広島市中区の有権者の男性が広島1区の選挙無効を求めた訴訟の判決が25日、広島高裁であった。広田聡裁判長は「選挙全体が2.3倍の格差で行われた違憲選挙であり、この格差は憲法の基本理念から容認できない。その中であった広島1区も違法」と指摘したうえで、選挙無効とすれば公共の福祉に反するとして選挙自体は有効とし、請求を棄却した。

 8月の衆院選小選挙区の「1票の格差」をめぐる訴訟では、09年12月の大阪高裁判決に続く違憲判断。同衆院選小選挙区の1選挙区当たりの有権者数は、最小の高知3区と最大の千葉4区との間に2.3倍、広島1区とは1.47倍の格差があった。東京の弁護士グループらが全国8高裁・支部に提訴していた。

 衆院選挙区画定審議会設置法(94年2月施行)によると、小選挙区の区割りは、定数300のうち47を各都道府県に一つずつ割り当て、残りを人口比で振り分ける「1人別枠方式」を採用。最大選挙区の人口が最少区の2倍以上にならないことが基本とされる。02年8月の定数是正で2倍以上の選挙区は95から9に減ったが、今回は45に増えた。

 広田裁判長は「投票価値の平等は憲法の基本理念で、国会が定めた具体的仕組みがこの憲法理念に反するため是認できない場合は違憲、違法となる」と判断。さらに、「1人別枠方式は08年の選挙の前に合理性、正当性を失っていた。国会が格差の是正を行ってきたことから、広島1区の選挙は違法である」と国会の責任を強く指摘した。

 公職選挙法により、国政選挙の無効確認訴訟の1審は高裁で行われる。最高裁判例は、衆院選で格差が3倍を超えた場合、違憲か違憲状態と指摘しており、最大2.17倍だった05年衆院選について最高裁は07年6月、「合憲」と判断していた。【寺岡俊】

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1票の格差:4.986倍 前年より拡大

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