全国小規模多機能型居宅介護事業者連絡会は1月22日、「自治体の戦略―小規模多機能型居宅介護で今後のまちづくり」と題して自治体職員向けの研修会を開いた。この中で講演した同会の川原秀夫代表は、「(介護保険)施設は本当に足りないのか」と疑問を呈した。

 川原氏は講演で、「(介護保険)施設が足りないから、もっと施設を作ろう」という声があると紹介し、「本当に足りないのか」と疑問を呈した。その上で、「施設が足りないのではなく、在宅で24時間365日暮らすことが困難になっている」と指摘し、小規模多機能型居宅介護によって、在宅で24時間365日の安心を提供する介護の必要性を強調した。
 また、小規模多機能型居宅介護を理解していない事業者が存在すると指摘。「通い」の回数を制限したり、「訪問」や「宿泊」を断ったりする事例を挙げた。その上で、事業者は利用者の暮らしを地域の中で支える必要があると訴えた。さらに、小規模多機能型居宅介護について「自治体も理解し、バックアップしてほしい」と呼び掛けた。

 このほか、同会副代表で高齢者総合ケアセンターこぶし園総合施設長の小山剛氏は、家族構成について、かつては同居家族の中に介護力があったが、現在は家庭内での介護は困難になっており、週に数回の通所介護や、訪問介護サービスだけでは対応できないと指摘。家族がいなくても、連続した介護で生活を支えられる政策を取るべきと主張した。また、介護を受ける人の人生は、これまで築いてきた地域との関係の中に存在するとし、郊外の大規模施設ではなく、地域の中で介護を行うことの重要性を強調した。

■自治体担当者が小規模多機能の整備状況を報告
 また研修会では、全国の自治体の担当者が小規模多機能型居宅介護の整備状況を報告した。横浜市の担当者は、第3期(2006-08年度)に、日常生活圏域にそれぞれ1か所ずつ合計150か所を整備する計画だったが、事業者の参入が進まず38か所と計画を大きく下回ったと述べた。要因については、市民やケアマネジャーへの周知不足を挙げた。
 また、鹿児島県霧島市の担当者は、第3期に10の日常生活圏域にそれぞれ1か所以上整備する目標を達成したと報告。毎年度の介護給付費の推移を示し、小規模多機能型居宅介護を整備しても「介護給付費にはあまり影響はない」と述べた。
 石川県加賀市の担当者は、「大規模施設を作っても、将来的に高齢者がそこには入らないのではないか」と指摘。郊外の大規模施設の整備を促進してきた第2期(03-05年度)までの計画から一転、第3期以降は日常生活圏域の中に小規模の事業所を整備する方針に転換したと報告した。


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