阪神大震災で家屋やビルなどが倒壊した約10万カ所のうち、昨年4月の時点でも約1万2千カ所で建物が建設されることなく、更地や駐車場として残されていることが16日、奈良大学の碓井(うすい)照子教授(地理学)の調査で分かった。全体の復興率は5年前から0・3ポイント増の79・5%にとどまっている。碓井教授は「震災10年からの5年間で変化はほとんどなく、建物再建の見込みのないところばかりが残されたのではないか」と話している。

 碓井教授の研究室を中心にした防災調査団が震災1カ月後から定期的に実施しており、今回で38回目。神戸市のうち被害の大きかった須磨区から東灘区までの沿岸6区と芦屋・西宮両市で現地調査を行い、がれきの撤去状況を記録。プレハブや仮設住宅から恒久的な住宅が建つ過程を記録し、地理情報システム(GIS)を活用して独自の復興データベース作成を進めてきた。

 今回の調査では、約6万4400カ所で建物が建てられていたが、更地は約5100カ所、駐車場は約6800カ所にのぼった。自治体の仮設住宅はなくなったが、個人の仮設はまだ約100カ所以上あった。

 5年前と比較すると、更地が約4千カ所減少し、建物が建てられた場所は約1300カ所増えてはいたものの、駐車場が約900カ所増加した。また、重点復興区域の再開発や区画整理事業が進み、道路や公園などの公共用地も約1300カ所増加したことから、更地は減ったものの、多くは駐車場や道路、公園に代わっている実態が浮き彫りになった。

 碓井教授は「再開発や区画整理はほぼ終了したのに、建物の再建はこの5年でほとんど進んでいなかった。残された更地は、個人による再建がもはや望めないのでは」と話している。

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