政権交代の成果を強調し、夏の参院選に向け、気勢を上げるはずだった16日の民主党定期党大会は、小沢一郎幹事長の資金管理団体の土地購入事件が重大局面を迎えたことを受け、暗転した。小沢氏の強気の続投宣言に異論もなく淡々と議事を進行したが、鳩山政権にカタストロフィー(破滅的結末)がジワジワと迫りつつある。

 小沢氏が演壇に上がると約2千人がひしめき合う日比谷公会堂は水を打ったように静まり返った。

 「党大会に合わせたかのように逮捕が行われた。それがまかり通るなら、日本の民主主義の将来は暗澹(あんたん)たるものになる」

 小沢氏の激しい検察批判に会場からは「そうだ!」と同調する声が上がり、最後は大きな拍手がわいた。この演説を意気に感じた議員も多く、森裕子選対委員長代理は「検察をトップとする官僚機構と国民の代表である民主党政権との全面的な戦争です。一致団結して最後まで戦う」とまくし立てた。

 民主党は野党時代に自民党の「政治とカネ」問題を追及してきたが、小沢氏にさらなる説明責任を求める声は皆無。多くの議員は記者団の取材にも応じず、閉会後はそそくさと会場を立ち去った。

 連立与党も困惑の色を隠さない。来賓の社民党党首の福島瑞穂消費者・少子化担当相は「国民は真摯な説明を求めている」と言葉少な。国民新党代表の亀井静香郵政改革・金融相は「民主党は困難を乗り越え、鳩山政権を力強く支えていただくことを心からお祈りする」と述べただけ。ただ、新党大地の鈴木宗男代表は「検察の暴走はいけない」と気勢を上げた。

 小沢氏は15日夜に党有力議員らに次々に電話をかけ、続投のコンセンサスを得た。これが奏功し、表だった批判は封印された。

 だが、参院選第1次公認候補の壇上での紹介は事件のあおりで取りやめとなった。党内では内閣支持率や参院選を懸念する声が絶えない。ある衆院若手は「最悪だ。普通に考えたら幹事長は辞めるべきでしょ。きょうの説明では参院選は持たない」と焦りを隠さない。「このままいったら首相も小沢氏もおしまい」(中堅)との声も漏れる。

 そんな中、小沢氏に距離を置く渡部恒三元衆院副議長、仙谷由人国家戦略・行政刷新相、枝野幸男元政調会長らは16日夜、仙谷氏の誕生祝いを名目に東京・赤坂の日本料理店に集まった。政変を見据えた動きは早くも始まっている。

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