2009年01月23日(金) 00時00分22秒
教育署名(6247人が署名) 議会委員会で不採択に
テーマ:議会活動・議員活動
1月20日、市議会文教福祉常任委員会で、「教育格差をなくし、子どもたちにゆきとどいた教育を求める請願」の審査が行われた。
自民・民主・公明などが「(請願内容は)多額の財源が必要。30人学級を市が独自での実施は時期尚早だ。就学援助は(改悪で)就学困難になっているか検証すべきだ(自民委員)」などとして反対。賛成少数で少数で不採択すべきものとなった。
この請願審査に先立ち、請願人の意見陳述を田中さんがされた。いい話だったので紹介したい。
ーーーーー以下、田中氏の意見陳述ーーーーーーー
今回提出させていただきました請願書について補足的に意見を述べさせていただきます。
昨今、子どもの学力の低下が指摘されています。格差と貧困の広がりを受けて学力の2極化が進んでいます。よく取り上げられるPISAの調査では、成績下位層「レベル1未満」の割合がフィンランド1.1%に対し、日本は7.4%、また「レベル1」ではフィンランド4.6%に対し日本11.6%と高くなっています。学力世界1のフィンランドは学力下位層を減らすために徹底して個別、少人数学習をしています。学力向上のためには言うまでもなく、少人数での学習が有効なのです。
学級編成の規準は諸外国は25人以下がほとんどですが、日本は40人です。1学級当たりの児童数はOECD平均で21.7人なのに対し、日本は28.3人。(宇治市はほぼ30人。16093人÷537クラス)ご存じのとおり、京都府では平成20年度より小学校3年生から6年生まで30人程度(30人~35人)学級編成が可能になるように2年間で教員配置をしていくことが決まりました。来年度がその完成年度になります。来年度の教員配置でこの数字がさらに改善されることを期待しています。
ところが、よく誤解をされているようなのですが、京都府の制度は小学校1,2年生はTTの配置、3年から6年は少人数学級編成の保障というもので、中学校には適用がありません。今年度はこの制度で宇治市の11の小学校に少人数学級ができましたが、まだ35人よりも多いクラスが、こちらの試算ですが、小学校で61クラス、中学校で85クラスあります。これは全体の約30%です。お隣の城陽市ではこの割合はぐっと減って17%、久御山町は25%ですが「30人学級を実施する」と町長が表明しています。
宇治市では少人数学級よりも少人数授業を優先する方針をとっているため、このようなことになりますが、少人数学習のためのフリーの教師を学級担任に回せば、少なくとも小学校における35人学級は今すぐにでも実現は可能です。ただ、それをするとフリーの先生の数が足りなくなったり、教室が足りなくなったりするため、現在の制度では実現に踏み切れないでいるのです。ここに府の制度と国の制度の違いによる矛盾が現れています。
これを解決する一番の近道は国が30人学級に踏み切ることです。多くの自治体が声を上げていくことで国の姿勢を変えていくことができると思います。宇治市議会として、国に対し一刻も早く30人学級を実現するよう、強く求めていただくよう、お願いいたします。
次に父母負担軽減についてのお願いです。
家庭における教育費は増加の一途をたどり、年収400万円未満の家庭で教育費が年収の50%を超えています。(2007年の調査)派遣労働の自由化や、昨今の世界同時不況で雇用状況が悪化する下でますます深刻な状況が広がり、子どもたちにも影響が出ています。
生活貧困家庭では父母が子どもをかまう余裕がない、塾に行かすお金もないという状況が生まれ、充分な学力が身に付かないために公立高校には入れない、ましてや学費の高い私立高校には通えない、ということが実際に起きています。結果として格差社会をますます固定化してしまうことになります。
小中学校でも、給食費の滞納家庭が増えたり、修学旅行などの学校行事に参加しない、部活動が続けられないといった深刻な事態が起こっています。義務教育は無償が建前ですが、実際には様々な経費を保護者負担に頼っています。そうした矛盾を少しでも解消するために就学援助制度があります。児童・生徒数はここ数年、どんどん減ってきていますが、就学援助を受ける家庭は逆にどんどん増加し、2006年度で全国で141万人に達しました。2002年から2006年の5年間だけを見ても児童・生徒数は31万人減少しているのに就学援助受給者は26万人も増加しています。
これには国の政策が大きく影響しています。OECD加盟28ヵ国中、教育への公的支出比率は日本は28位、つまり最低です。ほとんどの国では高校授業料は無償ですが、日本では上がり続けています。中・高等教育の無償化を定めた国際人権A規約の批准を政府は留保していますが、これは世界中でルワンダ、マダガスカルと日本の3カ国だけです。
また、子どもの貧困率の問題点として特徴的なのが、母子家庭の貧困率が国際的に突出して高くなっているという点です。日本の母子家庭では就労率が高いにもかかわらず、貧困率が高いのです。これは日本の社会保障と税制にも原因があります。児童手当や児童扶養手当制度、扶養控除などの社会保障と税による所得の再分配の制度がありますが、普通はこうした制度による効果で貧困率は下がるわけですが、制度自体があまりに貧弱な日本だけは逆に上昇しています。(OECD平均20.5→12.2、日本12.9→14.3)
憲法は国民に「ひとしく教育を受ける権利」(第26条)を保障しています。この教育の公平性、平等性の原理は社会発展における重要な基礎をなすものですが、それが崩れかけているのです。貧困が子どもの学ぶ権利、ひいては生存を脅かしているときに、自治体の果たす役割は何でしょうか。そこに4点上げさせていただきましたが、宇治市として何か1つでもできることはないか、真剣に考えていただきたいと思います。
その他、子どもたちに行き届いた教育を保障するための図書館司書の全校配置と教職員の増員、校舎の耐震補強の早期実施、教室へのエアコン設置を切に要望致します。よろしくお願いします。
ーーーーー以上、意見陳述ーーーーーーーーーーーーーー
自民・民主・公明などが「(請願内容は)多額の財源が必要。30人学級を市が独自での実施は時期尚早だ。就学援助は(改悪で)就学困難になっているか検証すべきだ(自民委員)」などとして反対。賛成少数で少数で不採択すべきものとなった。
この請願審査に先立ち、請願人の意見陳述を田中さんがされた。いい話だったので紹介したい。
ーーーーー以下、田中氏の意見陳述ーーーーーーー
今回提出させていただきました請願書について補足的に意見を述べさせていただきます。
昨今、子どもの学力の低下が指摘されています。格差と貧困の広がりを受けて学力の2極化が進んでいます。よく取り上げられるPISAの調査では、成績下位層「レベル1未満」の割合がフィンランド1.1%に対し、日本は7.4%、また「レベル1」ではフィンランド4.6%に対し日本11.6%と高くなっています。学力世界1のフィンランドは学力下位層を減らすために徹底して個別、少人数学習をしています。学力向上のためには言うまでもなく、少人数での学習が有効なのです。
学級編成の規準は諸外国は25人以下がほとんどですが、日本は40人です。1学級当たりの児童数はOECD平均で21.7人なのに対し、日本は28.3人。(宇治市はほぼ30人。16093人÷537クラス)ご存じのとおり、京都府では平成20年度より小学校3年生から6年生まで30人程度(30人~35人)学級編成が可能になるように2年間で教員配置をしていくことが決まりました。来年度がその完成年度になります。来年度の教員配置でこの数字がさらに改善されることを期待しています。
ところが、よく誤解をされているようなのですが、京都府の制度は小学校1,2年生はTTの配置、3年から6年は少人数学級編成の保障というもので、中学校には適用がありません。今年度はこの制度で宇治市の11の小学校に少人数学級ができましたが、まだ35人よりも多いクラスが、こちらの試算ですが、小学校で61クラス、中学校で85クラスあります。これは全体の約30%です。お隣の城陽市ではこの割合はぐっと減って17%、久御山町は25%ですが「30人学級を実施する」と町長が表明しています。
宇治市では少人数学級よりも少人数授業を優先する方針をとっているため、このようなことになりますが、少人数学習のためのフリーの教師を学級担任に回せば、少なくとも小学校における35人学級は今すぐにでも実現は可能です。ただ、それをするとフリーの先生の数が足りなくなったり、教室が足りなくなったりするため、現在の制度では実現に踏み切れないでいるのです。ここに府の制度と国の制度の違いによる矛盾が現れています。
これを解決する一番の近道は国が30人学級に踏み切ることです。多くの自治体が声を上げていくことで国の姿勢を変えていくことができると思います。宇治市議会として、国に対し一刻も早く30人学級を実現するよう、強く求めていただくよう、お願いいたします。
次に父母負担軽減についてのお願いです。
家庭における教育費は増加の一途をたどり、年収400万円未満の家庭で教育費が年収の50%を超えています。(2007年の調査)派遣労働の自由化や、昨今の世界同時不況で雇用状況が悪化する下でますます深刻な状況が広がり、子どもたちにも影響が出ています。
生活貧困家庭では父母が子どもをかまう余裕がない、塾に行かすお金もないという状況が生まれ、充分な学力が身に付かないために公立高校には入れない、ましてや学費の高い私立高校には通えない、ということが実際に起きています。結果として格差社会をますます固定化してしまうことになります。
小中学校でも、給食費の滞納家庭が増えたり、修学旅行などの学校行事に参加しない、部活動が続けられないといった深刻な事態が起こっています。義務教育は無償が建前ですが、実際には様々な経費を保護者負担に頼っています。そうした矛盾を少しでも解消するために就学援助制度があります。児童・生徒数はここ数年、どんどん減ってきていますが、就学援助を受ける家庭は逆にどんどん増加し、2006年度で全国で141万人に達しました。2002年から2006年の5年間だけを見ても児童・生徒数は31万人減少しているのに就学援助受給者は26万人も増加しています。
これには国の政策が大きく影響しています。OECD加盟28ヵ国中、教育への公的支出比率は日本は28位、つまり最低です。ほとんどの国では高校授業料は無償ですが、日本では上がり続けています。中・高等教育の無償化を定めた国際人権A規約の批准を政府は留保していますが、これは世界中でルワンダ、マダガスカルと日本の3カ国だけです。
また、子どもの貧困率の問題点として特徴的なのが、母子家庭の貧困率が国際的に突出して高くなっているという点です。日本の母子家庭では就労率が高いにもかかわらず、貧困率が高いのです。これは日本の社会保障と税制にも原因があります。児童手当や児童扶養手当制度、扶養控除などの社会保障と税による所得の再分配の制度がありますが、普通はこうした制度による効果で貧困率は下がるわけですが、制度自体があまりに貧弱な日本だけは逆に上昇しています。(OECD平均20.5→12.2、日本12.9→14.3)
憲法は国民に「ひとしく教育を受ける権利」(第26条)を保障しています。この教育の公平性、平等性の原理は社会発展における重要な基礎をなすものですが、それが崩れかけているのです。貧困が子どもの学ぶ権利、ひいては生存を脅かしているときに、自治体の果たす役割は何でしょうか。そこに4点上げさせていただきましたが、宇治市として何か1つでもできることはないか、真剣に考えていただきたいと思います。
その他、子どもたちに行き届いた教育を保障するための図書館司書の全校配置と教職員の増員、校舎の耐震補強の早期実施、教室へのエアコン設置を切に要望致します。よろしくお願いします。
ーーーーー以上、意見陳述ーーーーーーーーーーーーーー





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