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近鉄蟹江駅から午前8時10分の名古屋 線の急行に乗車し一路名張を目指します。途中の伊勢中川駅で下車し、大阪 線のホームへと乗り換えです。上手く行けばこのホームで急行同士の連絡があるのですが、生憎、この時間には、大阪方面へと向かう急行がありませんでした。仕方が無く普通列車で名張へと向かうことにします。目の前を移動する方々、どう見ても今回のハイキングに参加されるような雰囲気の方々ばかりでしたよ。

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伊勢中川で乗り換えて約1時間半ほどかかり、午前11時前に名張駅へと到着しました。予定だともっと早く到着するつもりでしたが、中川駅構内で悲劇が。(>_<)。。これについては次回に紹介することにします。何とか受付時間に間に合いました。「酒蔵みてある記名張編」ハイキングのスタートです。

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受付番号は381番、それほど多くの方が参加されている訳では無いようです。駅西口をスタートし暫く狭い路を進み、やがて大通りに入りました。この間下り坂、駅は小高いところにあるのですね。そして再び狭い通りに入ります。道の横に沿って水路があり綺麗な水が流れていました。

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なにやら香ばしい臭いが漂ってきます。近付くと牛舎がありました。この地方は伊賀牛の産地、こんな牛舎があちこちにあるようですね。牛君達がのんびりと食事を摂っていましたよ。三重 県の肉牛と言えば「松阪牛」が有名ですが、この地方で産する「伊賀牛」も高い評価を受けているブランド牛です。ちなみに三重県は、「松阪牛」・「伊賀牛」の他、「鈴鹿山麓牛」など、各地域ごとにブランド名が異なっています。岐阜県が県内で産する高級牛を「飛騨牛」と統一しているのとは対照的ですね。

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大阪から奈良 桜井・宇陀、三重名張を経由し、津、伊勢へと結ぶ昔からの街道「初瀬街道」に入りました。

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街道の両側には、昔ながらの町並が続いています。かつての栄華を理解できる証という感じです。落ち着いた雰囲気が何とも良いですね。それでも、こんなイベントが開催されているのにちょいと寂しすぎる雰囲気です。

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街道沿いの途中にこんな祠がありました。旅の途中の方々もこの祠の前で旅の安全を祈り参拝されたことなのでしょうね。そして初瀬街道を外れてたどり着いたのがこちらの白壁の建物、藤堂屋敷です。

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昨年の3月に名張まち探検でも紹介させていただきましたが、この時は残念ながら休館日でしたから入館することが出来ませんでしたので、ゆっくりと見学させていただくことにしました。庭園から屋敷全景を撮影するとこんな感じになります。

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ハイキング参加の方も結構、屋敷内を見学されているようです。入館料200円を受付で支払い屋敷内部を見学することにします。

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落ち着いた雰囲気の名張藤堂家邸宅中庭です。名張藤堂家は織田信長の重臣丹羽長秀の三男高吉が、藤堂高虎の養子となって寛永13年(1636)に屋敷を構えたとのことです。

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代々その子孫がこの地に居を構えてきました。現在残されている屋敷は、宝永7年(1710)の名張大火以降に再建されたもので、三重県の史跡に指定されているとのことです。

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館内には、名張藤堂家に関する歴史資料などが数多く展示されています。

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藤堂家縁の甲冑(未具足)や豊臣秀吉筆による古文書が興味深いですね。

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屋敷自体は、そう大きな物ではないのですが、現在でも残っている上級武家屋敷の数少ないものであり、表の部分でなく日常生活の場である中奥部分の歴史浪漫を感じさせるものが多くあり、見応えはありました。

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屋敷を出て再びハイキングコースを進むことにします。かつての街の中心、旧市街地へと進んできました。旅館も古き良き時代の雰囲気を残していますね。水路沿いに旧市街特有の細い路地などが縦横に走っています。坦々と説明していますが、賑やかさに欠けるような気が。。気を取り直して名張「まち探検」を進めていきます。

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モクモクと煙突から黒煙をあげているのは、お風呂屋さんのようです。それにしても大きな建物ですね。こんな建物が今でも健在で、それを間近に拝見するとちょいと元気になって来るような気がしてきます。

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途中に大きな鳥居がありました。再び街道に戻って来たようです。この鳥居はインパクトが充分にありますね。この街の氏神様へと続く道なのでしょうか。

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今日は土曜日、沿道沿いのお店はお休み状態のところが多いようで、ひっそりした感じです。

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ハイキングに併せて一部では「1シート:500円和菓子食べ歩き」などの企画に参加されている和菓子屋もあります。それにしても蟹江で行われるハイキングと比較すると活気が今一つという感じです。

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初瀬街道中心部へと入りました。かつての栄華を理解できる街並みが続きます。

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ここは造り酒屋さんでしょうか。玄関には杉玉が飾られていました。如何にも造り酒屋さんという感じです。

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ハイキングコースを外れてこちらへとお邪魔しましたよ。名張と言えば、まず思いつくのがこれでしょうね。探偵小説の大家、江戸川乱歩の誕生の地です。江戸川乱歩、本名平井太郎は、明治27年(1894)10月21日、名賀郡役所書記の平井繁男・きくの長男としてこの地に生まれました。病院跡地にかつて乱歩の生家があったとのことで、敷地内には「江戸川乱歩生誕地」の碑が建立されています。

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細い路地を通り再び初瀬街道に戻ります。間もなく見えてくる「やなせ宿」は、奈良県宇陀市(旧大宇陀町)で薬商を営んでいた細川家が、幕末から明治にかけて名張に支店を開いたのが始まりで、約150年ほど前の商家住宅 を名張市が寄付を受けて「名張まちなか再生プラン」によって市民交流施設として再整備されたものです。建物は歴史的建造物として国登録文化財になっているとのことです。屋敷内は当時の薬商として繁盛した面影が残っていました。それにしても街中は閑かですね。近鉄さんと酒屋さんが勝手にハイキングを行っているという雰囲気で他人事、盛り上がりに欠けてますね。こんな立派な施設があるのですから、もう少しこんな時には活用できても良いような気がしてきます。勿体ないですね。宝の持ち腐れのような気になります。街中に良い素材タップリだと思うのですが。その点が残念だなと思いました。

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それはさておき、いよいよハイキング最大の目的地酒蔵へと到着です。今回酒蔵開放の北村酒造さんは、清酒の他、「伊賀流ビール・四季のビール」など地ビールも醸造(伊賀麦酒醸造所)されているとのことです。また、「酒蔵空間」としてコンサート、作品展示など、文化的なイベントも開催されています。

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酒蔵内部へと入ります。この建物も国登録文化財になっているようですよ。写真 右は、多分、清酒を搾るための漉布袋を熱湯で消毒されているところなのでしょうか。

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今回のハイキング参加の方が受付で大渋滞でした。飲み放題ではないので一杯をいただき酒蔵をサッサと退散いたしました。原酒はコクがありますが甘みが強い感じがしました。感想はシブチン。。今回の酒蔵開放を通して、何故蟹江シリーズのハイキングが人気があるのかを実感させられましたよ。

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酒蔵を後にしてハイキングの方を楽しむことにします。新町橋へ進むと街並みの裏には名張川があります。蟹江同様、物流の大動脈として川沿いに蔵が築かれて発展した町と言うことが理解できます。

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昭和になり参宮急行電鉄(現近鉄)名張駅が開設され、それ以降、都市開発が進んだ郊外に大阪 へのベットタウンとしてニュータウンが造成され、都市機能の中心部はそちらの方へ移転しているようですね。東海地方の三重県に所属しながら関西への玄関口として発展しているようです。

余談ですが、この街では、日清「どん兵衛」の西日本味(昆布だし・薄口醤油:Wマーク:スープの袋は赤と銀色)と東日本味(鰹だし・濃口醤油;Eマーク:スープの袋は青と銀色)の両方が購入できるそうですよ。

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名張一帯は、日本食文化の分水嶺に位置するのです。これだけでも店頭などに並べると面白く興味深いです。お土産にも良いですね。そう言えばハイキングを終えてランチをいただきましたが、東海地方独特の赤味噌(豆味噌)では無く、白味噌(麦味噌)のお味噌汁でしたよ。関西のお味をヒシヒシと感じさせられました。もっともランチの量は全国故郷共通、愛情一杯、ボリュームタップリの大盛りで食べきれませんでしたよ。(@_@)。。量を減らして安くして欲しいです。(^^;)。。

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最後に先程の鳥居の参道が続く宇流富志裲神社に参拝しハイキングの〆となりました。

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そこから暫く歩いて名張駅西口へと到着です。今回のハイキング距離は約4㎞ほどですから、蟹江で行われる近鉄ハイキング(8キロ前後)と比較すると約半分程度、あまり疲れませんでした。来月には蟹江でハイキングが開催されるので、他町村はどうなのかと参考にお邪魔してみましたが、いろいろ参考にもなりましたよ。帰路は、名張駅から大阪上本町発宇治山田行き急行(別名宇治急)に乗車し、伊勢中川駅で名古屋行き急行に乗り換えて順調に蟹江へとたどり着きました。