みずのこえ ことばこころほどき

ことばこころほどき、とは
あなたのかたくなった部分をほどくメッセージです。


テーマ:
小説です。

リトライ!

人に言えない嗜好や秘密、官能
人間はそれをどう思うか
自分でどう対処していくのか。


半年以上続いたトーチカ~神楽シーン⑥が終わりました。

トーチカ~瑠璃シーン⑥始まりです。
トップモデルとなった瑠璃の真骨頂とも言える、瑠璃シーン⑥となります。

神楽シーン⑥が男眼線のエロならば、
瑠璃シーン⑥は女眼線のエロとなるでしょう。


神楽と二花に慣れ過ぎてしまって、瑠璃チカが書けないかと思いきや、書き出すと、いきなりのめり込む!

瑠璃の魅力、瑠璃チカの結婚式、そして妊娠までを書きます。

神楽シーン⑥での、瑠璃シーン側では、何が起こっていたのか?
真実は、こんなだったという意外性満載!


トーチカ~神楽シーン⑥のテーマは、パートナーシップ、そして逢えない長い夜を越えて。

瑠璃シーン⑥でも、テーマはパートナーシップ、でしょうね。


わたしが書く小説というのは映像で見えてくるのを文章化しているのですが、この文章で女性の(もちろん男性もね)オ ーガズムのお手伝いにもなればいいな、とも思っています。

ゆくゆくは様々なプロのお力で、映像化も出来たらいいですね。



未来を知っている、
でも、現実での恋愛を味わい始めた神楽は、どう成長していくのでしょう。


トーチカ神楽シーン①
東三河に住む、未来を知っている少女
神楽の眼線
↑もう東三河じゃないんだよお。

トーチカ~瑠璃シーン①
神奈川に住む、モデルの美少女
瑠璃の眼線

神楽シーン瑠璃シーンの同時期を書いていきます。
どちらにも童顔の二花(つぐはる)が絡んできます。

トーチカのこれまでの話のリンクはこちらから


トーチカ以前の物語はこちら↓

来る潮帰る波
神楽の母が亡くなったことを、その兄(神楽の父になった人)が回顧する話

実になる花~追伸
モデル瑠璃の母、女優実花と、父、アーティスト椎也の物語。


瑠璃シーン⑤のあと、
神楽シーン⑥前編4の、
チカが神楽の実家に行き、二花にお返しで殴られ、寿司を食べまくった日、

さあ、瑠璃シーン⑥の始まりです!




トーチカ~瑠璃シーン⑥前編①


「おかえりなさい。お疲れさま。」

家のドアを開けたら華やかな香りがして、ワンピースのパジャマ姿でノーメイクの瑠璃が笑顔で待ち受けていてくれた。
チカは胸を大きく打たれたかのように感動して、すぐに瑠璃を抱きしめる。

「いいっ!もっかい言って!」

「何を?」

「おかえりなさい、お疲れさま、だよ。言って、瑠璃。」

チカは瑠璃の両頬を大きな手のひらで包み、潤んだ薄い緑の眼で、瑠璃の褐色の眼を見つめる。
瑠璃は、くすりと笑う。

「おかえりなさい、お疲れさまでした。登規さん。」

「ただいま、瑠璃。いいっ!いいっ!逢いたかったよお!瑠璃ちゃあんっ!」

そして、唇を唇で覆う。
長い間、抱きしめ合って玄関でキスをしていた。

「やー、妻におかえりなさいって待ち受けられるのに、こんなに萌えるとは。」

はしゃぐかのように瑠璃の腰を抱きながら、リビングに行った。
チカはすぐに頭が疲れるから穏やかになるように、華やかなローズオットーのアロマオイルをデュフューザーで焚いてある。

「そういえば、この家でチカを待つのって初めてだったかしら?」

「そうだよ。」

いつも、ふたりは一緒に行動をしてきたのだから。

「それより、ツッコんでいいの?そのほっぺた。」

最初から気になっていたが、チカの右の頬が少し赤く膨れ上がっているからだ。

「悲しいけどな。二花にやられたんだよ。」

スーツのジャケットを脱いでいるチカは、そう言って苦笑した。
瑠璃はそのジャケットを無言で受け取る。

「二花くんに?」

「ああ、お返しって。アイツも、かなり逞しい男だよな……当たり前だけど。」

瑠璃はチカのジャケットをハンガーに被せてコート掛けに置いた。

「逞しい身体はずっと見てたのに、ついついアイツが可愛い、ヤ られるだけの男だって、思ってんだよな。面白い事に。」

面白そうに言い、椅子に座った。

「二花のパンチ、凄かったよ。」

「嬉しいのね?」

にこやかなチカに、瑠璃も可笑しくなった。

「ああ、嬉しかったよ。」

チカの満足げな微笑みに、瑠璃も笑い返した。

かつての受け身の恋人が、自分に殴ってくる。
その二花の意外性にも、同じ男として親近感が湧くのだ。
それは決して恋ではないが、外れない縁の親しみだ。

「お腹空いてる?」

「うん、空いてきた。途中、トイレに寄っただけだから。」

「空くと思って。」

瑠璃はキッチンに立ち、自分の夕飯の残りの豆腐の煮浸しを電子レンジで温めた。

「そんな顔だから、食べてこれなかったんでしょ?」

「それに、お前に早く逢いたくて。」

「だから、思ったより早かったのね。」

「ああ。」

チカは東三河の神楽の家まで、車で行っていたのだ。
二花の浮氣相手の、マネージャーだった高山奈美子を連れて。
高山は先に帰ったが、チカは神楽の家で夕飯を食べさせてもらってから、瑠璃に帰るコールをしてきた。
二花の浮氣の成り行きは途中、チカから報告を貰っていたので、少しは瑠璃も判っていた。

あの二花ならばマネージャーと浮氣するのも充分有り得るし、ロンドンでそんなような仕種もありありと見えていた。
ホテルに入っていく後ろ姿が、身体の関係のある男と女、の光景だったからだ。

だが、果たして本当に記憶のないまま、二花は高山を抱いたのか。
て嘘くさい、判りやすい嘘。
相変わらず他の存在との関係を隠そうとする二花に、瑠璃は呆れていたのだ。
高山の言う通り、地方のホテルに泊まる度に、二花は自身が意識のあるまま、何度も高山を抱いたろうに。
瑠璃は鼻息を吹いた。

瑠璃とつきあっている時に、二花は絶対に男と別れるとも口にしなかったし、男の事は公然の秘密として話してこなかった。

俺の彼女なら、俺が男ともつきあうのは我慢してよね。
それ、最初から判ってて、俺を好きになったんだろ?

口には出さない、そんな圧力があった。

「チカはどんな気持ちなの?二花くんの浮氣は。」

温めた煮浸しと箸を、チカの前に出した。

「多分、お前ほど複雑じゃない。相手は女だし。」

「でしょうね。」

チカの向かいの椅子に座る。

「高山を責められないしな。あの二花にロックオンされて抗えるかよ。」

「うん。」

高山は瑠璃が、かつての二花の恋人だと見抜いた。
当然だ。
愛してしまった二花の眼の動きを、よく観察していたのだろう。 

瑠璃の顔をよく見て、そこから胸元にじっと固定されてから、股 に一瞬集中し、また逸らして脚を舐 め廻すように見て、股 を再度見ては胸を見るを繰り返す。
それを観察する側の嫉妬。

その嫉妬、よく判る。

「なら、まだあたしが誘っても、二花くん、手を出してくるかしら?」

「瑠璃、殺すぞ。それが冗談でも。」

台詞は恐ろしいが、チカは顔を上げずに食べ続けていた。

「そんな事するなら、お前が二花を誘う前に、俺が二花をヤ ッちまうね。二度と足腰を立たせなくしてやる。俺がヤ ッた後は、アイツ立てなくなってたからな。」

「じゃあ、それを見学してるわ。」

「お前な。」

手を伸ばして、瑠璃の長い黒髪を握り、軽く引いた。
緑の眼の色が薄さを増す。

「判った。見てろよ、俺が二花を犯 すところを眼の前で。アイツ、女みたいに喘 ぐぞ。乱暴にしてやると、もっと してって、悦ぶんだ。あ?どうだ?お前を 悦ばした男を犯 してやるんだよ、お前の眼の前で。」

瑠璃がぶるっと大きく震えたのを見て、チカは満足した。
その髪に唇を置いて、瑠璃を見据えた。

「激しくお仕置きして欲しいんだな?帰ってきた時の眼で判ってるよ。」

どうしてだが、今日はそんな気分になっている。
二花の浮氣がはっきりと判明したからかもしれない。
それにチカがわざわざ高山を二花の元へ連れていったのも、何処か嫉妬心がある。
夕べは幹也がいたから、ただ抱き合って寝ていたのも火を着けている。
だから実家に帰らず、この家でチカの帰りを待った。

「瑠璃をお仕置きしてくださいって、おねだりしろよ。ん?」

チカのそのキツい眼、最初から大好きだ。
瑠璃は、はあっと熱い息を吐く。

「瑠璃を……お仕置きして、ください……」

チカは立ち上がって、涙眼の瑠璃の顎を摑んだ。

「ああ。スゴいお仕置きが必要だな。もっと瑠璃を登規さんの好みに調 教してくださいって言え。」

くらくらする。
強い雄。
この男が、好き。

「も……もっと、調 教して、くださぁい。瑠璃を登規さんの好みにしてくださぁい。瑠璃を躾けてくださぁい。」

「よし、イイコだ。」

チカは立ち上がって激しくキスをしながら、一気に瑠璃のパジャマを脱がす。
震えている瑠璃をテーブルに手をつかせた。
ベルトを外して用意してから、瑠璃の腰を後ろから摑む。

「俺も今日一日、瑠璃に早くぶち 込みたくて堪らなかったんだよ。」

「あっ……、」

「いきなり 欲しいのか?こんなに垂 らして。濡 らしてたのか?今日は、ずっと。」 

焦らすように尻の上の方を、つんつんと突 く。

「早く!欲しいっ!いれ て ぇっ!」

瑠璃の艶めかしい叫び声に、チカは求められるまま、衝動的に動く。
しかし、激しくはしないで、ゆっくりと挿 し込んでいった。
瑠璃の動きに沿うようにする。

仰け反った瑠璃の大きな色氣ある声に、チカは満足げに息を漏らし、豊満な両胸 を手に抱えた。
この声が聴ける快感が堪らない、いつも。




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そのままで後ろから抱きしめていたが、つっと離れると、裸の瑠璃はテーブルに突 っ伏す。

「はあっ、気持ちいぃ……」

ハートマークが飛び交っているような喋り方と、瑠璃の、満足で弛み笑んでいる蒸気した顔を見て、チカはすぐさま、ぐんっと立ち上がりを覚えた。

「ね、チカ、次はこっち、して。」

瑠璃の指を廻した先を見て、チカは興奮しつつも面白そうに瑠璃を見る。

「すっかり、やみつきになっちゃったね、そっちが。」

「だって、チカが教えたのよ?」

瑠璃は可笑しそうに笑う。

「ちゃんと最初に触った時に反応見たろ?本気でイヤなら、激しく拒否るからな。」

「触られたら、気持ちよかったんだもん。チカが教えたのよ、あたしに。チカ、ホントはこっちの方が好きなんじゃないの?」

瑠璃は尻を 突 き出し、笑いながらそう言った。

「まさか。まあ、五分五分カモネ。今はそっち限定で中に 出せるし。」

チカは溜め息混じりで、外して持ち上げ、瑠璃に見せるように自分の出した量を確認している。

「ほら、やっぱり。時間の余裕ないと、あんまり出来ないし、こっちは。だから、ねえ。」

「ダロウネ。俺はこっちの良さを、二花に教えてもらったんだ。まあ、前から興味はあったよ、スゴく。けど、俺は案外怖がりで女にしていいか聞けなかったし、ちゃんとした知識が無かったからな。普通のmake loveは教えがなくても、本能で出来るのに。」

チカの初めての時も本能でしたのね。
瑠璃は、くすっと笑った。
チカは背後から、また瑠璃に近づき、唇を重ねて舌を乞う。

「全然、違うよ。二花より、もっとずっといい、瑠璃は。膣 でこんなに締めてるからかな?膣があるって、実にイイネ。だから俺は別に、二花以外の男にしたいとも思わないよ。男の醍醐味は、前立腺 刺激の氣持ちよさと、自分とおんなじモンがフル 勃 起 してんのを弄 れる事だよ。」

「んっ……舐 めるのも大好きなんでしょ?」

前にそれを、嬉しそうに語り上げていたから。

「大好きだね。男のをただ、弄 りたい、舐 めたい、発 射されたい。愛がなくていい。いや、要らない。」

要するに、男性 器もチカの発情の象徴なのだ。

「そういう風 俗があったら、いく?」

どうしてだか、それなら許せる氣持ちになった。
愛は要らない、とチカが本氣で言ったからかもしれない。

「さあね。」

右の指がゆっくりと、湿りきったそこに入ってくる。

「あ……、んっ、」

瑠璃は自分の指を口に咥 えた。

「瑠璃はさ、最初の時から、ホントいい声出してたよ。声だけで 抜けちゃいそうなくらい。けど、俺の触り方に驚いてた。俺の顔を、じっと見てスゴく喘 いでたね。」

「だって、」

チカの耳元での囁きに、瑠璃はさらに乱れた。

「アイツはもっと、荒々しかったんだよな?」

「そんな事、今更……」

何故、今、言い出すのか。

「俺の方がいいだろ?ん?」

「そう、だけど、」

高山奈美子が二花に惚れた事が微妙に氣に入らない。
そして、そんないい加減な二花に夢中な神楽を見ると、腹立ちも出てくる。
俺以外の男と、どうにかならぬようと見張っていたが、二花は女に傾倒していた。
そんな、嫉妬だろうか。
瑠璃は恋人の深層を探るのが得意となった。

「こっちに欲しかったから、もう、ちゃんとしてあるんだろ?」

「うん……」

辺りを左指で押してきた。
瑠璃は、もっと震える。
チカが一回離れて、ローションを持ってきた。

「たっぷり、お前の中に 注いで やるからな。」

瑠璃の耳の中に舌を入れ、低い声で、そう囁く。

これは堪らなく甘美な生活。
日本に帰ってきて、夜が寂しかったのは自分の方だ。
瑠璃は日本にいる時も、結婚前でもこうして時折、チカの家に泊まろうと決めていた。


……………………………………………………………………………



向かい合って抱き合いながら湯船に浸かっていた。

「どうしようか?何回しても飽きないね、瑠璃は。澄んでいるのに底が見えない泉みたいだ。」

首筋に唇を置きながら、チカはそう囁いた。

「二花くんだって、飽きなかったんでしょ?」

一回別れを自分から切り出したのに、結局、手放せなかったのだから。

「二花の言ういちばんなんて、不義理だ。俺が大好きだって言いながらも、瑠璃に惹かれていったんだし、瑠璃を抱きながらも、俺を求めてたんだからな。」

「でも、それはあなたもいっしょよ?二花くんを放せないのに、あたしをどんどん好きになっていったわ。」

瑠璃は愛しい恋人の頬を手で挟んだ。
少し膨れた右頬を擦る。

「瑠璃もね。俺に夢中になってるのに、二花に抱かれて悦んでたんだから。」

「あたしたち、みんな不義理なの。」

瑠璃はチカの唇にキスをした。

「恋って確証がなくて、随分あやふやね。チカがこんなに好きなのに、また、格好いい人が現れたら、氣持ちが変わるのかしら?」

「やめろよ。」

チカは瑠璃の顔を自分の首に抱き寄せた。

「殺すぞ?俺から氣持ちを離したら。」

「どう殺されるのかしら?」

もう、あんな氣持ちはごめんだ。
愛しい人、恋しい人とのふたりに心がブレて、どちらも選べない極限状態は。
それにきっと、永遠にチカにドキドキするのだ。
この優しく強い男に。

「内から壊してやる。侵食してやる。お前の脳に、俺を全て転送してやる。発狂させて、身体の機能を 損なわせて、拘束して、俺はお前の身体を永遠に弄 んでやる。只の性欲 発散人形だ。」

「ホント、怖そう。」

この男なら本当にそうするだろうし、刺して、だとか血を見ない分、余計に現実的ではなく、想像の範疇で実に恐ろしい。

「そうされたくなければ、他の男に手を出させるなよ?」

「そうしたいわ。ねえ、神楽ちゃんは大丈夫そう?」

それも、瑠璃はとても心配なのだから。

「んー。神楽もまだ、実感が湧かねえってゆーか、無意識に抑えてんな。感情が偏って育ったから、情緒面の成長はこれからだ。後から爆発タイプだな、ありゃ。折角、眼の前に浮氣相手が現れたんだ。高山に悪態つけば良かったのに。」

「あたしも、最初は出来なかったじゃない?」

瑠璃は、うふふと笑った。

「理子か?別に俺は理子に浮氣してねえぞ。」

「でも、その氣にもなったでしょ?あたしにバレなきゃいいかって。」

チカは一瞬、押し黙った。

「ちゃんと理性が働いたろ?」

「そうねえ。」

だけど、あやふやなチカを、ちゃんと瑠璃は知っている。
女から迫られると弱い。
もうチカは自分から一生離れないにしろ、あくまで瑠璃が本妻、という事だ。

仕事も順調で、結婚前の今、互いにとても落ち着いているのに、どうしてか、危険信号が発せられているのを、瑠璃は嫌な予感で受け取っていた。

そして、結局、似た者夫婦なのではないか、とも感じていた。
迫られると、弱い。
それはきっと、自分もそうだから。

「それよりな。俺が二花のマネージャーすればいいって言ってくれて、ありがとな、瑠璃。」

「うふふ。だって、チカはそうしたかったんだもん。ウズウズしてたのよねえ?二花くんの売り方を。」

「だけど、瑠璃に迷惑掛けるからな。瑠璃以外に、俺は二花の事で動かないといけなくなるから。」

「多分もう、ずっと一緒でなくても大丈夫よ。あたしは、チカがついてなくても。」

「あ"?」

瑠璃の氣を遣った一言が、チカの火を着けた。

「瑠璃、お前は撮られる時、俺が見てねえとダメじゃねえか。俺の眼で犯 されて 感じてねえと、動けないだろ?」

薄い緑の鋭い眼で、至近距離で睨まれる。

「さ、撮影の時はチカは、勿論いて欲しいけど。そうじゃない取材なら……」

「何?」

起 立したそれを、瑠璃の敏感な 部分に当ててきた。

「あっ、」

「まだ、お仕置きが足りないんだな?」

平行に当てながら擦 ってきた。

「ああっ!あっ、」

「もし、これで出来ても、いいよな?早く、俺の子を産めよ。」

意地悪な声が耳元で囁く。
瑠璃の首を優しく舐 め廻していた。

「い……い れてっ!いいのっ!このまま、い れてっ!」

「い れたら、お仕置きにならないだろ?我慢しろ。これも氣持ちいいだろ?」

「あっ、うっん。いやっ!中がスゴく疼 くぅ!欲しいのおっ!」

そう叫びながらも瑠璃の腰は動き、声が揺れていた。

「後でまた、ゴ ム 着けていれてやるよ。な?お前の仕事の時は、俺が必ず付くんだからな。いいな?」

「はい……ごめんなさい、登規さん。瑠璃の傍にいてね、ずっと。」

「当たり前だ。」

あたしを見ていて、チカ。
あたしだけを見ていて、チカ。

だけど、チカはマネージャーとしての仕事を全うする。
それが優先だ。
瑠璃を、こうして煽るのも、仕事の一貫。
瑠璃をより美しく見せる為の手段。
満たされているのに寂しくなって、瑠璃はチカにしがみついていた。


………………………………………………………………………


都内での取材の後、少しチカといちゃついて、深夜に帰宅した。
リビングに入ると、幹也はお笑い番組を観ていた。

「おかえり。」

「ただいま。」

瑠璃の顔を見ずにそう言うのは、幹也のいつもの事。
猫の翠も、にゃあとだけ鳴いて、足音を立てずにリビングダイニングを歩いていた。

「二花くんの彼女に逢った。」

「神楽ちゃんに?」

また、前置きもなく唐突に本題を切り出すもんだ。
それが幹也らしいのだが。
瑠璃は浄水器の水をグラスに入れて、ソファの幹也の隣に座った。

「帰りの電車で偶然に。二花くんの家に行くって言うから、送ってった。」

「そう。」

二花の浮氣騒動の後なのに。
神楽は、すっかり二花を許したんだ。
瑠璃は、なんとも言えない苦しさを覚えていた。
そして、幹也は去年一回、神楽に逢っただけなのに、神楽の顔を覚えていた。

「学校は休むのかしら?」

「明日から連休だよ、姉ちゃん。」

「そっか。学校行ってないし、お休みなんて、もう判らなくなったわ。」

カレンダー通りの生活をしてないから、連休と言われれば、そうなのかと知る。
明日の午後はテレビ番組でのインタビュー収録だし、連休だと道路が混むが、チカの事だから勿論それも計算済みだろうが。

「神楽ちゃん、元氣だった?」

「俺、あの娘の元氣さ加減なんて判らないけど。スゴく綺麗になってたし、フツーなんじゃね?けど、家まで送ってったら、二花くん、イラついてた。嫉妬だ、アレ。」

二花、と口にする時に、幹也は少し照れていた。
一昨日、二花にキスをしたばかりなのだ。

幹也は去年、神楽が性別を超えて可愛いと言っていた。
今も綺麗だというし、満更でもないのかもしれない。

「まあ、二花くんは独占欲は強いわね。自分は浮氣したクセに。」

二花の独占欲は、つきあっていた時は嬉しさもあったが、かなり鬱陶しかった。

「俺、明日、あの子と遊ぶんだ。暇だし、俺、今ぼっちだし。女の子って何処行くと喜ぶかなあ?」

「そんなにいきなり、仲良くなったの?うーん。神楽ちゃんは賑やかな処とか好きそうじゃないしねえ。」

神楽が二花以外の男に興味を示すとは以外だ。
しかも、幹也が二花にキスした事を、神楽は知っているのか?

「甘いもんでも喰いに行くか。」

「甘いモノが好きなのは幹也でしょ?」

「なら、ラーメン喰うか。」

「あのラーメン?店長無愛想だから、女の子連れてくのはやめなさいよ。」

小さい頃から二花がよく連れて行ってくれた、最寄り駅近くのラーメン屋。
美味しいけれど、仕事やらで忙しくて、もう三年も行っていない。
瑠璃は慣れているし、男勝りだから、無愛想さも気にしないが。
今度、チカと行こうと瑠璃は考えていた。

「じゃあ、何処行くんだよ?玉蹴りとかしないだろ?神楽は。」

神楽。
いきなり、呼び捨てに出来るくらいの仲。
これは、意外だ。
幹也も、神楽も。

「気を遣ってうるさいトコ行くより、そこらへん散歩でいいんじゃない?ラーメン屋より、まだ、海の方がロマンチックよ。」

「別に俺、友だちと遊ぶのに、ロマンチックさを求めてないけど。」

瑠璃は弟の顔を、じっと見た。

「幹也は神楽ちゃん、可愛いって言ったじゃない?そういう氣にはならない?ゲイだからって悩むくらいなら、神楽ちゃんもちゃんと視野に入れたら?」

「は?神楽は二花くんの彼女だぞ?」

抑揚もなく、幹也はそう言った。

「どうせ、ふらふらしてるような人よ。それよか、まだ幹也の方が神楽ちゃんにお似合いかもしれない。」

「俺?まあ、俺が女好きなら、神楽、いいよね。綺麗だし、頭良さそう。」

幹也は神楽より二つ下だ。
年齢も、寄り添ったふたりの美麗さも、ぴったり合う。
二花は神楽より二十八歳も上なのだ。
尋常ではない。
しかも二花相手だと、今後も苦労するだろう。

「幹也がゲイだって事に悩んでるくらいなら、神楽ちゃんで試してみたら?」

「は?試す?どうやって?」

幹也は少し慌てているのが顔に出ていた。

「手を握ってみるとか、抱き寄せてみるとか。」

「は?いきなり、そんな事出来るかよ。あんた、おかしいよ。」

声が上擦っている。
考えてみれば、一昨日、初恋の二花に自分からのファーストキスをしたばかりなのだ、幹也は。

「そういう雰囲氣に持ってけばいいのよ。それで、幹也はどんな感じになるのか知ればいいわ。」

「つか、あんた、おかしいし。」

あんた、あんたと、姉に向かって。
瑠璃は軽く苛立っていた。
久し振りに日本に帰ってきて弟に逢えば、前より更に可愛くなくなっていた。

「おかしいのは、親譲りだし。」

「親の所為にするなよ。あー、そうやって、二花くんに、姉ちゃんからしたんだな?」

二花が余りに可愛くて、我慢出来ずにキスをした。
二花から手を出すのは、二花自身が禁じていたから、自分からするしかなかったのだ。

「あたしの事は、いいの。今は幹也の大事な時、でしょ?そんなに悩んでるなら、はっきりしちゃいなさいよ。」

「確かに、はっきりしたいよな。女でいけるなら、悩まなくて済むんだし。」

幹也は納得したようだった。

「でも俺、遊びでそんな事、出来ない。」

「遊びじゃなきゃ、いいのよ。そうなったら、本氣で神楽ちゃん、奪いなさいよ。」

「奪うって。サイアクだね、あんた。」

テレビでは笑いが最高潮だったが、よく聞いてもいないので、瑠璃は笑えもしなかった。

「別にサイアクでもいいわよ。幹也、ファスナー降ろして。」

瑠璃はカーディガンを脱いで、幹也に背中を向けた。
長い髪をまとめて前に流し、キャミソールドレスのファスナーを示す。

「こんな事、弟にさせるかよ?」

「弟だからじゃない。瑠璃は後ろに手を廻すの苦手なの。」

チカは何も言わずとも、黙ってファスナーを上げ下げするが。
文句を言いながらも、幹也はファスナーを下げた。

「ありがと、幹也。」

「エロいブラ着けてんだ、あんた。」

立ち上がろうとした瑠璃の背中を見ながら、幹也はそう言った。

「エロい……お洒落と言ってよ。」

ロイヤルブルーのシルクの下着上下だ。
去年の、チャスからの誕生日プレゼントの品である。

「チカのプレゼント?」

「贈り物よ。デザイナーからの。」

瑠璃は立ち上がり、シャワーを浴びようとリビングから出ようとする。

「他の男からのプレゼントを、よりにもよって肌に密着させてるなんて、よくチカ許せるな。」

幹也のその台詞が、瑠璃の胸に背中から刺さった。

「デザイナーは、あたしを映えて見させるセンスが、いちばん優れてるもの。」

「俺なら有り得ない。常に他の男に抱かれてるのといっしょだぜ。」

そんな事、微塵にも考えなかった。
チカは、どう考えているのだろう。
妬けるけれど、よく似合う、と褒めていた。
もし、言葉で言う程、チカはそこまで瑠璃に執着してないとしたら?
マネージャーとして、瑠璃を大切に育てているとしたら?
瑠璃の奥底の不安を幹也に言い当てられた氣がしていた。

「あんたも、それで満足してんだ?その男に抱かれたいんだよな?いつも抱かれた氣分になってんだろ?」

「何言ってんの?」

瑠璃が睨んで振り返ったら、幹也が後ろに立っていた。
ロンドンから帰ってきて、いつの間にか幹也は背丈が瑠璃と同じくらいになっていた。
眼線が真っ直ぐに合う。
ギラギラした眼だった。

しかも、幹也は自分よりも遥かに体格がいい。
もう、男だ。
そして、幹也はこれからも背がどんどんと伸びるだろう。
見下される日が近い内に来る、必ず。

「つか、もっと見せて。」

「は?」

肉食獣の眼だ。
父のように、光る肉食獣の眼だ。

「その下着も、中も、脱いで見せて。」

「は?何言ってんの?」

獲物を捕らえて離さない、その鋭い眼。
瑠璃は微かに怯えて震えた。

「俺、今、ヘンな気分。スゲえ、ムラムラしてる。」

母親の裸にも、何も反応しなかったのに。
鋭い男の眼で、姉を見ていると気づいた。

「脱いで。俺、Mっ氣のあるヤツの反応、堪らない。あんたの反応、そ そるよ。」

こいつは!
瑠璃は幹也を平手打ちにしようとしたが、チカに手を傷めると禁止されていると思い出した。
ぐっと、自分の腕を押さえる。

「つか、簡単に押さえられるんだけど、今の弱いお前なんて。よく、男にムリヤリされなかったな、今まで。チカがくっついてたからか、いつも。」

そうだ。
チカは常に傍にいて、瑠璃を他の男から守っていたのだ。
そして、瑠璃の裸を見ても、チャスも我慢してくれたのだ。
チャスの作ってくれた服、チャスのプレゼントしてくれた下着。
それを喜んで身に着けていた。
尊敬と友愛の証、だから。

チャスを見ていると、とても切ない。
もどかしさの中でチャスも生きていると判るから。

幹也が腕を伸ばしてきたので、その腕に噛みついた。

「ってえなっ!」

幹也が腕を払い怒鳴り、瑠璃を睨みつけた。
瞬間、瑠璃は自分の耳を押さえたが、すぐにきっと睨み返した。

「好きにしなさいよっ!」

瑠璃はキャミソールドレスを脱ぎ捨てた。
豊満なバスト、くびれたウエスト、形良く上がったヒップが、よく見える。

「脱いだわよ、よく見て。好きにしたら?」

瑠璃はもう、怖くなかった。
何をされたとて、抵抗はしない。
それで幹也の悩みが解消するならば、瑠璃の身体すら好きにしたらいいと受け入れた。

「何言ってんだ?俺。」

泣きそうな眼で瑠璃の身体をよく見てから、瑠璃にキャミソールドレスを掛けてきた。

「ごめん。どうかしてる、俺。」

腕で自分の顔を隠す。
テレビのお笑いの声が、無駄に空間に冷ややかに響いていた。

「幹也、ねえ。本当に女の人、ダメなの?今の感じじゃあ、大丈夫そうだけど。」

幹也に雄を感じた。
強く発情した雄の匂いだ。

「フツーに女は多分、ムリ。」

幹也は瑠璃に背を向けた。
じゃあ、今のは何だったのか。
瑠璃は途端、ゾクッと身体を震わせた。

あたし、幹也を勘違いしてたの、かも。
自分をいつも見る眼つきを。

「じゃあ、神楽ちゃんへの反応で決定打ね。」

「ああ。」

幹也を見ずに、リビングを出ようとした。

「ごめん、姉ちゃん。スゲえイライラしてたし。ごめん。」

そう、静かに告げてきた。

「次は、ないからね。」

「次なんてあったら、抑えねえよ。」

ゾクッとした。
押し殺した声。
それが幹也の本音、だ。

そして。
何故、瑠璃の周囲にゲイやバイセクシャルが集まるのか、その理由を想像する以上に瑠璃は思い知っていく事になる。



トーチカ~瑠璃シーン⑥前編2に続く


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瑠璃シーン⑥が始まって、いきなり発情話ばかり(汗)

瑠璃へのあれこれは次回、として、

イライラした状況の時に、神楽シーン⑥前編4で、神楽と電車で再開した幹也。
それを今回、姉の瑠璃に語っている。

そして、姉とのやり取りで激しくムラムラした状態で、翌日、神楽シーン⑥前編5、砂浜で神楽にそれをぶつけようとする。

幹也がお年頃とはいえ、何故にあの時あそこまで発情していたのかという経過が、ここで判ります。


トーチカ~神楽シーン⑥後編4
クリスマス前の椎也ライヴの前に

「俺、正直言えば、姉ちゃんにその気になった事、あるよ。俺でも、だよ。あんな色気出し過ぎの女だし。だから、もしかして女、本当はイ ケるんじゃないかって思ってた。」
「抱きしめたのが神楽じゃなくて、姉ちゃんだったら、俺、もしかしたら、」

と神楽に語る幹也のそれが今回、という訳だ。

瑠璃シーン⑥の全体的なストーリーのエッセンスがぎゅっと凝縮された、瑠璃シーン⑥前編1でした。

結局、瑠璃シーン⑥でも、バカップルのラブラブさ加減を見せつけられるんですが。

この後、瑠璃の母性は、どのように発揮されていくのか?

幹也が現れると、ロッド・スチュワートの"Da Ya Think I'm Sexy?"が流れてきます!

セクシー!


お読み下さり、真にありがとうございます!


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