みずのこえ ことばこころほどき

ことばこころほどき、とは
あなたのかたくなった部分をほどくメッセージです。


テーマ:
今日もお話です。

たったひとりの人のセラピーとして始まったこのお話。
今はわたしも含め、数多くの人は確実にセラピーになってます。

人に言えない嗜好や秘密、官能
人間はそれをどう思うか
自分でどう対処していくのか。


トーチカ~神楽シーン⑥のテーマ、パートナーシップ、そして逢えない長い夜を越えて。


今回で神楽シーン⑥の最終回!

当初、神楽シーン⑥の終わりを瑠璃チカの結婚式にしていたのに、結局、神楽の高校の入学式まで伸びました。
予定より、かなり長くなっちゃったなあ。
2015年末には終わる筈だったのに。


寂しさもありますが、別れじゃない。

次へのステップ。

このトーチカ~神楽シーン⑥を書いている半年以上、様々なことがわたしにも起こりました。


私が知らないことをも、その癒やしの術も、物語は教えてくれました。

ありがとう、この物語が世に出てくれて。

一筋縄ではいかない、綺麗事だけでは済まない、感情が乱れまくった生き様であった人たちに、それはダメだよ、で諭しても、ただ辛いだけ。

ただ、ただ、ここには癒やしが発生する。



番外編も入りましたので、この状況も個々に考えてみてください。


トーチカ~神楽シーン⑥後編32
神楽の入学式で、担任に改めて事情を伝えた神楽。
担任は神楽の入学には反対であったが、その理由も当然で、それに対しても学園長の心理的な指導があったと神楽は知る。
二花と合流し、みんなで昼ご飯を食べに行く。
かつての二花の想い出の店でもあった。




わたしが書く小説というのは映像で見えてくるのを文章化しているのですが、この文章で女性の(もちろん男性もね)オ ーガズムのお手伝いにもなればいいな、とも思っています。

ゆくゆくは様々なプロのお力で、映像化も出来たらいいですね。



未来を知っている、
でも、現実での恋愛を味わい始めた神楽は、どう成長していくのでしょう。


トーチカ神楽シーン①
東三河に住む、未来を知っている少女
神楽の眼線
↑もう東三河じゃないんだよお。

トーチカ~瑠璃シーン①
神奈川に住む、モデルの美少女
瑠璃の眼線

交互に同時期を書いていきます。
どちらにも童顔の二花(つぐはる)が絡んできます。

トーチカのこれまでの話のリンクはこちらから


トーチカ以前の物語はこちら↓

来る潮帰る波
神楽の母が亡くなったことを、その兄(神楽の父になった人)が回顧する話

実になる花~追伸
モデル瑠璃の母、女優実花と、父、アーティスト椎也の物語。


神楽シーン⑥のBGMは
globeの"Wanderin' Destiny"
これまでの二花さえいればいいという、神楽っぽい曲。

松山千春さんの"長い夜"
「長い夜を乗り越えてみたい お前だけにこの愛を誓う」
これが神楽シーン⑥のテーマでした。

ビリー・ジョエル"Just The Way You are"
二花が時折口ずさんでいるのは、この曲。

"the cardigans" "carnival "
「来て あたしを愛して」

TOKIO "swith"
「遠く離されても きっと叶えてく」


プリンセスプリンセス"ムーンライトストーリー"
歌詞の全体的なロマンチックさはともかく、最後の一節が神楽と二花っぽいのです。




まさしく神の眼線の配置、
神の遊びなトーチカ。

この小説トーチカに於ける神とは
一体、誰のことなのか。

誰だったのか?




トーチカ~神楽シーン⑥後編33



楽しく四人で会話をし、楽が泣いて目覚めてから、授乳とおむつ替えと服も着替えさせて、また車に乗った。
新横浜駅まで、三人を送る。
夕食も一緒に、と思っていたが、遅くなると楽が夜中にぐずるからと、三人は新幹線で帰っていった。

また、ね。
すぐに逢えると信じているから、気軽に別れる。
時間が合えば、ゴールデンウィークに少し帰ろうと、神楽は考えていた。
それも二花の仕事次第、だが。

「寂しいね、なんだか。」

さっきまで、楽が騒いでいたのだから、ふたりの間がシーンと静まり返ったようだ。

「俺たちも早く、子ども作ろう!」

二花は駅で、制服からワンピースに着替えている神楽の両手を、ガシっと握った。
変な風にスイッチが入ったみたいだ。

「うん。作ってね、早く。」

その真剣度がおかしくて、神楽は、くすっと笑う。

「勿論!さ、神楽、何食べる?」

「外食続きよ。ホントに、さっぱりがいい。根菜たっぷり食べたいわ。」

「長芋?」

「精 力つけ過ぎると、大変だよ、二花。明日もレコーディングなんだから、寝ないと。」

にへらと笑っている二花に、神楽は焦った。
この人、本当にどうしちゃったんだろう。
あたし、身体持つかな?
持たせなきゃ。
これが二花の妻の勤めだわ。
二花が、もう他の女がダメだというなら、全部あたしが受けないと。

「長芋でも、いいけど。あたし、今日は怠いから早く寝るわ。」

「いいよ。今日はしたくないんだろ?俺、自分で出すから。」

「イヤよ。そんな勿体無い事せんで。あたしがするんだから。襲 ったげるって、今朝言ったでしょ。」

あたしは体内に二花の血を摂り込む。
それがあたしの血肉となる。
あなたの血で、あたしも胎児も作られる。

「いや、ヤバいって。」

二花は神楽のその眼を見て焦りつつ、神楽の手を握り、小走りで駐車場に戻った。

「あなた、元気良すぎよ。」 

「だから、ヤバいって。」

車に乗り込む前に、その膨らみを発見していた。

「ごめん。さっと軽く食べて、帰ろう。」

「立ち喰い?」

「ああ、そうだよ。立ち喰いだよ。」

二花はヤケになってそう言い、車を動かした。

「入学おめでとう、神楽。」

少し走らせてから、二花はそう改めて伝えてきた。

「ありがとう、二花。」

「お前がこっちに来てくれて、俺は本当に助かったよ。仕事にも練習にも集中出来るから。弾きまくりたいんだ。」

他の男も女も、誘惑を考えずに済む。
毎日、神楽の温もりに安心する。
気持ちに左右される繊細な仕事に安心して打ち込める。

「二花の手助けになれるなら、あたしはとても嬉しい。」

神楽は、じわっと熱くなる胸に手を当てた。

「あなたの支えになりたかったの、あたし。」

「神楽は俺の大事な支えだよ。」

二花の優しい少年の声に、神楽は涙を落とす。

「神楽、本当にありがとう。一生、俺の隣りにいろよ。」

「はい。」

「離れるな。」

「はい。」

「他の男はダメだ。」

「はい。」

「俺に尽くしてくれ。」

「はい、尽くします。」

真剣な眼差しで前を見て運転している二花の、そう言うだけの覚悟をしっかりと感じ取れた。
神楽を誠意込めて守るから。

だからあたしは安心して全身全靈で、あなたに尽くし続ける。
熱い涙が流れ落ちていく。

「学校の勉強と奥さん業の両立は大変だろうけどね。絶対に無理はしないで。」

「うん。あたしが倒れちゃ、意味ないもんね。程々に手を抜くわ。」

「そうだよ。」

二花は、くすっと笑った。

「だから、今日も無理しなくていいよ、寝てよ。」

「ダメだよっ!」

シートに身を沈めてた神楽は、ガバッと起き上がった。

「あたしの楽しみを取らんでっ!」

「それは……ごめんなさい。」

神楽の勢いに、二花は謝った。

「レコーディングの時は、攻められてばっかなんだから。よおやく、二花に出来るんだよ?もお、楽しみなのっ。」

「そ、そう?」

ウキウキしている神楽に、二花は慄いていた。
一体、何をされるのやら。





………………………………………………………………………



「もう、ダメ ぇ!ダメ ぇ、いや ぁ!やめて ぇ!」

「やめない。」

二花が身を捩って悶 えるが、神楽は悦びに笑む。
中を刺激する指と、先 端を擦 る作業を止めなかった。

「あっ、」

飛び出てくる透明なそれに、神楽は嬉しそうにしている。

「もお、勘弁してぇ。」

小刻みに震えている涙眼の二花に、神楽はごくんと唾を飲み込む。

「まだだよ、二花。」

ぺろ ぺろと、そこを舐 めた。
舌先で つん つんと、敏感な 部分を突 く。

「まだ、出して。まだ、イ ケ る。」

「ムリ……ムリっ、」

「どおかな?」

神楽は意地悪げに二花を見つめながら、舌も指も動かしていた。

「かぐ……ダメぇ、」

「二花、涎垂れとるよ。」

「あ ふっ、」

二花が恍惚の表情で仰け反った。

「あ っ、あ っ、あ っ、」

「ほら、また、スゴいね、二花。何回出した?」

飛び出てきたそれを、口中で受け止めた神楽は、ぺろりと舌なめずりをする。

「もお、ダメ……」

二花はガクンと落ちるように畳に背中をつける。

「じゃあ、あと一回ね。イ け。」

「やっ……」

二花はもう力が入らず、抵抗も出来なかった。
神楽の為すがままにされている。
中 の指の 突 き具合が強まる。

「あ あ あーっ!」

ゾクゾクゾクと、二花の痺れがそこから伝わる。
仰け反って、また飛び出たそれを神楽が受け止める。

「なあんも、味せんわ。」

ぺろ ぺろと舐 めて、神楽は泣いている二花の顔を嬉しそうに眺めている。

「絞り……取られた。」

「絞り取ったの。」

ぐったりとした疲労感が二花を襲う。

「二花、あたしじゃとても運べんよ。お風呂入りたきゃ、自分でおいで。」

「そうやって、いつも俺を放置して……」

「だって、ムリだもん。」

神楽は、ふふっと笑い背中を向けて、風呂場に行った。
数分してから、二花は重い上半身を起こす。

「ぐ ち ゃ ぐ ち ゃ……」

身体のあちらこちらについた自分の体液を見廻す。
また激しく愛され続けたもんだ。
二花はおかしくなって、ひとり笑った。

神楽に玩 ばされている。
それが、満足。

「男より、いい。」

そう、口に出して呟いた。
あの女の子に、尻も前も刺激されて何回も果てる快感。
神楽は当たりだ。
大当たりの俺の女だ。
俺だけの。
欲しくて欲しくて、俺が理想の花嫁を創った。

二花は、ぶるっと震えて、身体を起こした。
風呂場に入り、頭を洗っている神楽に近づく。

「大丈夫?」

顔を上にして大きな眼をぱっちり開けて見てきた神楽に、二花はキスをした。

「明日、覚えとけよ。」

「―楽しみにしとるわ。」

神楽の身体が、ぶるっと震える。
明日はいじめてやる、神楽。
ひー ひー 泣かせてやるよ。
覚悟しとけ。

泣かせて、二花。
その意地悪で深く優しい眼を見ると、子宮がぎゅうんと鳴くの。
明日も氣持ちよく、いじめてね。

「ねえ、二花、前髪伸ばしとるでしょ?」

ふたりで湯船で身体を温めて、二花の濡れた髪に触れる。

「うん。伸ばしてるよ。」

「やめてよ。お揃いにせんで。」

「どうしてだよ!俺、お前と同じ髪型にしたいんだよ。」

「二花って女子っぽいよね。キモい、却下っ!」

「キモい……。」

二花はショックを受けていた。
髪型がお揃いなんて、イタすぎて並んで外を歩けない。
神楽は絶対に阻止しようとした。

風呂から出て神楽の身体を拭いている。
神楽は濡れた二花の頭に手を伸ばした。

「二花、ピアノ弾いて。」

「今?俺、流石に疲れてるよ。」

二花は呆れた声を出した。

「うん、でも今、聴きたいの。」

「仕方ない娘だね。一曲だけだよ。」

二花は笑いながら、下着をつけた神楽にキスをする。

「裸で弾くってね。」

二花でも躊躇する、その光景。
だが二花はピアノの前に座り、指を鍵盤に降ろした。
途端、顔つきが変わる。

この顔が好きなの。
神楽は惚れ惚れと二花を見つめる。

生きる喜び、生きる苦しみ。
悲しみも楽しさも、全ての感情を音で表現する。
十本の指が素早く動いていく。
よく指同士が絡まらないものだと、神楽は感心する。

最初の大きな波のような、飛沫がかかるような激しい感情の揺れ動きから、穏やかな旋律に変わった。
眼を閉じて氣持ちよさそうな顔で指を動かしている二花を見て、神楽は涙が溢 れ落ちてくるのを抑えられずにいた。

大好き。
二花、大好きよ。
あなたを愛してる。
生涯、あなたを愛するの。

「神楽、俺と共に生きてください。」

涙が止めどうもなく流れるので眼を閉じていたら、二花は指を動かしながら、神楽の方に顔を向けていた。

「はい。」

泣きながら返事をして、頷いた。

「この曲、神楽に捧げるね。アルバムの中の曲。"bloom"、どんどん綺麗になってくお前を想って作ったよ。」

「あたしの?ありがとう。」

神楽は泣きながら微笑んだ。
二花は立ち上がり、神楽の濡れた頬を両手で押さえ、唇をつけてくる。

「俺には勿体無いくらいの奥さんだけど、俺だけの、なんだ、神楽は。」

「ヘンな表現。」

神楽は笑って、キスを返した。

「俺だけの為に用意された花嫁、だって言うんなら、俺は余す事なく、それを享受する。お前は一生、俺だけのもんだ、神楽。」

「うん。」

二花の為に用意された花嫁。
あたしは、そう。
自らが、そう願って生まれてきた。

この男が、いい。
ずっと、あなたを想ってきた。
二花に抱かれたくて、あなたの肌の温もりが欲しくて欲しくて。

「でも、やっぱり裸で弾くと落ち着かないよ。ぶらぶら揺れるんだ。」

二花は困ったような顔をする。

「だから、いつもキツく押さえてんだ?」

神楽は、おかしそうに笑う。

「そうだよ。押さえるなって言うけど、ぶらぶらしてると落ち着かないんだ。切実な男の問題だよ。」

「男になった事ないから、判らんわ。」

「俺も女にはなってないけど。」

「女の子の氣持ちは、いつも味わっとるでしょ?」

「うん。」

二花は笑いながら、またキスをする。

「神楽、またしてね。限界まで、俺を氣持ちよくして。」

「もちろんよ。あたしの可愛い子。」

こんなにぴったり合うふたり。
もう、離れようがないのだ。

あなたの死の瞬間まで、あたしはあなたの傍らにいる。
そしてあなたの肉体が朽ちても尚、あたしは永遠にあなただけのものだ、二花。

あたしは、二花の為だけに用意された花嫁、なのだから。

そして、ベッドで話しながら、ふたりで手を繋いで眠りについた。

二花が夜中にうなされる事は、今後もう無かった。
複雑な恨みは昇華しきれずに胸の深くにあるにせよ、それでも父母を愛していたし愛されていたと、心底から判ったのだから。

明日は、どんな遊びをしようか。
どんないじめられ方をするかな。
二花は何食べたいかな。
学校で、どんな風に過ごすのかな。

神楽の意識が途切れる前に、頭を撫でられたような氣がしていた。

あたしの神さま。
二花に繋いでくれて、ありがとう。
この人の花嫁として、あたしを用意してくれて、ありがとう。

なんて、至福だろう。

二花、大好きよ。
奥さんにしてくれて、ありがとう。



…………………………………………………………………………


slipping through time


喧騒の朝の街市を歩いていると、眼の前に白のハンカチが落ちてきた。
レースのついた上品なハンカチだ。
前を歩く少女から落ちたと判ったので、男は声を掛けた。

「小姐、」

振り向いたブルネットの少女の顔を見て、息を飲んだ。
気の強そうな白人の美少女だ。
彼女が振り向いてくるその瞬間だけ時の流れが変わったのように、スローモーションになった。

「あ、ごめんなさい、Sorry. You dropped your handkerchief.」

途端、彼女の整った顔に微笑が表れた。
嬉しい、というよりも、条件反射のような笑顔だった。

「Thank you, boy. 」

彼女の伸ばした細く長い腕が、黒髪の男からハンカチを受け取る。
隣にいた、彼女よりも背の低い小学生くらいの、顔立ちは東洋人らしき少年が、じっとその光景を眺めていた。

「Japanese?」

彼女のふっくらとしたピンク色の唇が、そう動いた。
さっき、咄嗟にごめんなさい、と口から出たからだろう。

「Yes. 」

「Oh! His father is a Japanese. 」

彼女は嬉しそうに、前よりも感情を露わにして、隣りの少年の頭に指環の着いた手を置いた。
発音が綺麗だし口調も上品だし、よく観察すると、この少女は高級ブランドのワンピースを着ている。
身に着けているアクセサリーも明らかにゴールドや大粒の宝石だ。

気の強そうな美少女に、こんなにも金や大粒の宝石が似合うとは想像していなかった。
だから、余計に見惚れる。

日本人の父親だと言われた少年は、無表情でこちらを見ていた。
品定めをしている、そう感じた。
この少年の着ているスーツは、仕立も生地も良い。
ハイクラスな少女と少年のふたりはどういう関係なのかは判らなかったが、わざわざ彼の父親は日本人だ、と告げるならば、彼自身は日本人ではない、という意味合いだ。

「What a coincidence! 」

そうとだけ、男は言った。
見つめてくる少年の眼は、陽に透けて美しい薄い緑の輝きを見せていた。
少女の眼も緑だし、血縁なのかもしれない。
彼女たちが何気に結んでいる手を見て、男はそうも感じていた。

「Did you come by sightseeing?」

そう聞かれたので、男は笑って答えた。

「Yes. I go to the Central Asia after this. 」

「Fantastic! 」

その受け答えに彼女は更に喜んだ。

「And yours? Where did you come from? 」

「We came from London, U.K. 」

「I like!  London has good taste in the fashion. 」

「Do you come well? 」

「 I have been to London many times. I like Europe. 」

「Brilliant! 」

彼女にもよく観察されている、と男は気づいた。

「I hope that we can meet again! 」

「I really think so too.」

「I wish you will have a good trip.」

「You too. 」

男は右手を上げて笑顔で足早に去って行った。
その細い後ろ姿を、少女と少年は眺めていた。

「How cute that boy! 」

少女は頬を紅潮させ、ほうっと甘い息を吐いた。

「Mum, please no longer increase sexual servers. (マム、これ以上性的な奉仕者を増やさないで下さい。) 」

少年は無表情で少女の顔を見上げていた。

「You are always calm, Chicca!  (お前はいつも冷静ね、チカ!)」

少女は少年のウェーブのある黒髪をぐしゃぐしゃと撫でつけた。

「If time comes, you understand it. 」

「No way.」

少年はあけすけな少女を困ったように見ていた。

「If you become reach puberty, you understand my sexual desire . (お前が女を欲しがる年頃になれば、あたしが男を欲しがる気持ちが判るわよ。)」

「No way! 」

激しく否定してくる少年に、声を揚げて少女は笑った。

「I know you're very ladies' man. (あたしは知ってるわ、あなたはとても女にモテる女好きよ。)」

少年の顎を持ち上げて、少女は艶やかに微笑んでいた。

「You let a lot of women cry. But you suffer because you are very kind. (あなたは多くの女を泣かせるの。だけど、あなたはとても優しいから、苦しむわね。)」

「I think it is unlikely. (有り得ません。)」

少年は舌をベーと出して、否定した。
くるっと背を向け、男が去った方向を見る。

「…He was a very pretty boy. (とても可愛い少年でしたね。)」

「Do you want him? 」

少女は後ろから少年を抱きしめた。

「I'm not saying those kinds of things. But,
(そういうのではありません。だけど、)」

「But? 」

少年の頬に、後ろからキスをしてきた。

「I have got the feeling that I am going to meet him somewhere.(いつかまた、彼に逢える気がします。)」

少女は更に笑って、少年を力強く抱きしめた。

「I think so, too. 」

少年も顔の緊張を緩めて笑った。

「Mum, let's go to eat Yum cha early. 」

「Certainly. 」

少女は少年の腕を組んだ。
少年は少女の腰に手を置く。

「I wanted to see Noboru, I contact him. 」

「Then, please take the room of the hotel another one. (では、もう一室取ってください。)」

「With one parent and child are good.(親子一室でいいじゃないの。)」

「No, I will not. I don't want to hear the indecent conversation.(イヤですってば。卑 猥な会話は聞きたくありません。)」

少年は平然と首を横に振った。

「You have to study. 」

少女は嬉しそうに少年の頬をちょんちょんと突付いた。

「Even if such a thing doesn't study, I can do it.(そんなものは勉強しなくても出来ます。)It's a 本能, dad said. 」

しらっとした眼で、少年は少女を見ていた。

「Yes! 」

少年の頬にチュッチュッとキスを何回もしてきた。

「Chicca is my gem, my best art! 」

「Mum is the highest grade. 」

少年は少女の頬にくちづけた。
そして歩いていく。
男の姿が消えた方向へ。

「Surely I can meet him again.(きっと、また彼に逢える。)」

少女は輝かせた緑の眼で真っ直ぐを見つめ、そう言った。

「You liked him very much, aren't you? 」

鼻息を吹きながら、呆れたように少年は呟いた。

「Yes indeed! (ええ、とても!)」

そして、ふたりで喧騒の中を歩いていく。
これが、親子ふたりで香港を訪れた、最後の旅となった。



トーチカ~神楽シーン⑥終


トーチカ~瑠璃シーン⑥に続く

……………………………………………………………………………


お、わ、り。

さあ、今度は瑠璃目線の瑠璃シーン⑥です。
一体、どんな流れになるでしょうね。

瑠璃は?チカは?幹也は?二花は?
神楽シーン⑥では見えなかった、意外な事実が飛び出します。


長い間、神楽シーン⑥をお楽しみくださり、ありがとうございます!

神楽の、二花の、成長はまた、わたしの成長でもありました。
おかしなふたり。
だけど、最高にマッチングされたふたり。


瑠璃とチカも、また別目線でお楽しみ下さいませ。

余談。
チカは最初の設定で眼鏡をかけさせるか物凄く迷いましたが、結局、眼鏡をかけさせませんでした。
カメラ構えるのに邪魔になるしね。

眼鏡、スーツ、黒髪、高身長、高圧的!

↑これぞパーフェクトドS男子なのですが(←ナニその独断的な)、敢えて眼鏡を外しました。

眼鏡していたら、かえって緑眼が目立ったろうから、眼鏡無しにしてよかった…

とはいえ、何年後かには眼鏡かけてたりして(笑)


では、母性溢 れる瑠璃ちゃんと、ドSなのにMも敢えて楽しむチカ、これからお楽しみ下さいませ。


その前に、次回は閑話休題的に、全然違うお話をアップします。
去年、小説賞に応募して落ちた作品です。

幸福って何だろう?
ふと、考えてしまうお話です。




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ありがとうございますキラキラ


お読みくださり、真にありがとうございます♡




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