みずのこえ ことばこころほどき

ことばこころほどき、とは
あなたのかたくなった部分をほどくメッセージです。

ことばこころほどき


 ことばこころほどき、とは
あなたのかたくなった部分をほどくメッセージです。


その人の、心の中、
もしくは、身体の凝り固まった部分を
ほどくメッセージが、ずばりと訪れます。
  
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人間だれしも
ほんとうは悩むことへの答えを自分で持っていて

ただ、それが深層にあるもので
見えにくかったり
聴こえづらかったりするものです。


ことばこころほどきで、ほどかれますように。

あなたを言祝ぎ(ことほぎ)ます。


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NEW !
テーマ:
小説です。 

たったひとりの人に伝えたくて始めた、この綴り。
人に言えない嗜好や秘密、官能
人間はそれをどう思うか
自分でどう対処していくのか。

瑠璃シーン⑥のキャッチコピーは、
俺とお前の攻防戦。
じわじわ迫りくるサスペンス劇場。

トーチカ~瑠璃シーン⑥の中編、
神楽シーン⑥中編1からの流れの瑠璃側の視点です。
事件多発事件的で、ごった煮のように大勢の人が出てきます。

瑠璃シーン⑥中編は、
不貞、不倫、禁忌の闇を傍観する旅。

神楽シーン⑥よりも実は闇を見る!
けれど、笑いと呆れが混在としている脱力系。

男の嫉妬、男のトラウマの癒やしも、神楽シーン瑠璃シーンともに⑥のテーマですね。

瑠璃シーン側では、何が起こっていたのか?
真実は、こんなだったという意外性満載の答え合わせ。
二花くんの動向も楽しみです。
神楽には見せない面が、どう出てくるのか?



トーチカ〜瑠璃シーン⑥中編7
母の実花は女優業を縮小して、椎也が望むように、また新たに子を得る決心を娘の瑠璃に伝える。
父母の夫婦の絆を想い知った瑠璃。
チカは電話で実の父親と九月のロンドンでの食事の予約を取り付け、久しぶりに親子が他愛もない会話を楽しんだ。


トップモデルとなった瑠璃の真骨頂とも言える、瑠璃シーン⑥。
瑠璃の魅力、瑠璃チカの結婚式、そして妊娠までを書きます。


神楽シーン⑥が男眼線のエロならば、
瑠璃シーン⑥は女眼線のエロとなるでしょう。

わたしが書く小説というのは映像で見えてくるのを文章化しているのですが、この文章で女性の(もちろん男性もね)オ ーガズムのお手伝いにもなればいいな、とも思っています。

トーチカ神楽シーン①
東三河に住む、未来を知っている少女
神楽の眼線
神楽シーン⑥で、東三河から神奈川に嫁入りしました。

トーチカ~瑠璃シーン①
神奈川に住む、ティーンズモデルの美少女
だった瑠璃の眼線
今は世界に立つスーパーモデル

神楽シーン瑠璃シーンの同時期を交互に書いていきます。
どちらにも童顔、永遠の少年の二花(つぐはる)が絡んできます。


トーチカのこれまでの話のリンクはこちらから
トーチカ以前のお話もこちら↑

BGM
"カルメン組曲"。

つるの剛士"You're the only shinin' star"。 

華原朋美"I'm proud"

TM network "ELECTRIC PROPHET -電気じかけの予言者" 

そして、篠原涼子
"恋しさと せつなさと 心強さと"



トーチカ~瑠璃シーン⑥中編8


完成したペアの結婚指環を見た時に、瑠璃は、ああ、この人と本当に結婚するのだ、と実感が増した。
思わずチカの手を握る。
互いに顔を見合わせ、微笑む。

「如何ですか?出来上がりは。」

担当者がふたりに声をかける。

「とてもーステキです!予想以上だわ!」

ピンクゴールドにラピスラズリとアレキサンドライトが一粒ずつ埋め込まれている。

「是非、手に取って頂いて、着けてサイズを確かめてください。あ、お互いにはめるのは、本番の時まで取っておいてくださいね。」

そう忠告され、瑠璃は顔を赤らめる。
十二月の瑠璃の誕生日に、結婚式でこの結婚指環をお互いに着けるのだ。
それがもう、現実の事なのだ。

自分の、その結婚指環を手に取る。
ふたつのうちのリングの径が小さい方だ。
内側には、"I'm always on your side." と刻印されている。

最初からの、ふたりの約束。
今までもずっと、叶えてきた約束。

「ぴったり。」

左の薬指に、それがはまっている。
その指や胸が熱くなり、瑠璃は涙を落とした。
この人と、結婚するのだ。
しかし、肝心の隣の人は焦っていた。

「ちょ……嘘っ。」

第二関節で止まり、そこから動かそうとして四苦八苦していた。

「大丈夫ですよ。焦らなくても、大丈夫です。」

彼女にはこんな事例は慣れているのだろう。
にっこりとゆったりと構えている。
しかし、チカは益々焦り出した。

「関節太いですものね。下の方を押さえて、上の方を浮かすようにしてください。」

「え?嘘、入んない、どうしよう。」

瑠璃は思わず手を貸そうとしたが、そのチカの左腕に結婚指環を着けた左手を添える。

きっと、大丈夫よ。

そう、微笑んで見上げる。
その様子も、撮られていた。

「あ、入った!動いた!」

いきなりするっと動き、定位置にきた。

「やった!入った!」

チカは嬉しそうにその手を自分の顔に近づけて、そして、その手で瑠璃の左手を握った。

「入った。」

泣きそうな眼で、瑠璃を至近距離で見つめていた。
この場でなければ、キスをしたろう、きっと。

「良かったわね。」

瑠璃も泣きながら、愛しいチカを見つめている。

「少し浮腫んでいたかもしれませんね。結婚式の前夜は緊張して眠れなかったという新郎さまも多いんです。そうすると、新婦さまが苦労されています。」

本番では、どうなるだろう。
チカの指にはめるのに、瑠璃が苦労するのだろうか。
それもきっと、いい想い出になるだろう、と、瑠璃はその時が楽しみとなった。

「確かに、昨夜は余り寝ていないかもしれません。」

チカは瑠璃を見つめ、そう話した。
少ししか寝ていないのは、チカが収まらなかったからなので、致し方ない。
きっと、瑠璃が盛 れば、チカもさらに盛 るのだ。

「結婚したみたいだ。」

チカは瑠璃の左手の甲に唇を置く。

「そうね。」

このままでいけば、間違いなくふたりは結婚する。
その、先取りだ。

「I'm always on your side. 」

「Me too. 」

そう、見つめあって、ふたりの世界に入り込んでいた。

「吉田さん、発音もとてもいいし、日本人らしからぬ処、ありますよね。」

担当の彼女も編集者もカメラマンも苦笑していた。

「ああ。この人、ハーフなんです。」

瑠璃はチカと恋人繋ぎをしながら、微笑んでいた。
日本人との、ならばハーフだが、チカは多種の国の血が入っている。

「そうなんですね。」

「申し訳ありません。こんな平凡な日本人顔で。」

「いえ、そんな。」

謝られても、向こうも困るだろう。
そうですね、とも言えないし。

「どちらのお国の?」

「イギリスです。僕は九歳までロンドンで暮らしてました。」

「ああ、だから、瑠璃さんの拠点がロンドンなんですね。」

「まあ、偶然ですけどね。」

あながち偶然でもない。
チカの昔馴染みのAmelieが社長のブランドなのだから。

「実際に結婚指環を着けられて、どうですか?違和感はありますか?きつくないですか?」

「いえ、あたしは何も。とても馴染んでます。」

「僕も。馴染みました。最初は焦りましたけど。」

ずっと手を繋いだままで、ふたり見つめあっている。
結婚指環を着けた状態でいるから、もう結婚したかのような錯覚がある。

「お氣持ちは如何ですか?傍から見ていても、おふたりともお似合いですよ、とても。」

編集者からの問いに、瑠璃はにっこりと笑う。

「本当に結婚するんだなって、実感が湧き上がっています。この、ステキなお揃いのリングで、これからを過ごせるのね。」

最後はチカの顔を見て、問い掛けた。
チカも嬉しそうに頷く。

「そうだね。僕も、ここまで演出的に結婚指環を作れるとは想ってなかったんです。喜びを噛みしめています。こんなにステキな指環、とても似合っている。」

チカは自分の指環よりも、手に取った瑠璃の左手の指環を、じいっと眺めている。
見入っているかのようだ。

「あなたのその肌に、よく合います。この質の良いピンクゴールドが波打つかのように、あなたに同調している。ラピスラズリの煌めきは、あなたの中の地球のよう。アレキサンドライトの鮮やかな輝きは、地球のこれまでの歴史を覆す美女にときめいているかのようだ。」

すっかり瑠璃だけを見つめている、チカの世界観だ。
スタッフが若干引き気味になっているのが、瑠璃には判る。

「僕は、あなたという美しい瑠璃色の惑星に惹き寄せられた隕石だ。あなたにぶつかり、優しく吸収されてしまう。あなたに溶け込む。柔らかいあなたの中に。」

もはや、結婚指環など無関係になっている。
それ以上はきっと卑 猥な隠語になると、瑠璃はチカの口を手で、そっと押さえた。

「吉田さんは、いつもそんなロマンチックな台詞を瑠璃さんに贈っているのですね。」

かなり引くが、それでも女子からしたら、これほどに熱烈に、浪漫を感じる台詞が貰えるのが羨ましいのだろう。
担当も編集者も、涙眼になっている。

笑いを堪えて、じゃなきゃいいけど。
瑠璃は、少々心配になった。

「いえ、まだ足りません。この柔らかな肌という吸収材に、マリッジリングは標識のポーラースターかのように、旅人の目印になります。僕という飢えた旅人は、喩え人生からはぐれたとしても、この煌めきに遠くから反応して、ようやくここに辿り着ける。」

もはや、意味が判らない。
チカは瑠璃の左手の甲にキスをした。

「僕は長い旅の末に、安住の地を見つけた。あなたは果てを知らない泉かのよう。乾いた僕を癒やしてくれる。この僕の揃いの指環が認証となり、いよいよ門が開かれる。あなたは僕を受け入れる。永遠の伴侶として、迎え入れられる。」

面白いから、放っておかれているのだろう。
チカは瑠璃の指環の正面から、自分の指環の正面を、軽くつけ合う。
そこをよく撮られていた。
何枚も撮られている。
このアップの写真が、実際に連載で使われた。

「瑠璃。」

この緑の眼に、褐色の眼を真っ直ぐに見つめられている。

「僕と結婚してください。」

何回目のプロポーズだろうか。
瑠璃は頬を赤らめ、はにかんだ。
チカの手を取り、頷く。

「ええ、darling、もちろん。あたしと結婚してください。」

「良かった。」

涙眼のチカは、瑠璃の手の上から、さらにぎゅっと握ってくる。

「人生を、共に歩んでいこう。もう、僕をひとりにしないでね。」

「あたしもよ。ひとりにしないで、もう。」

あたしから離れないで。
嘘をつかないで。
本音で話して、全部、あたしに。
そして、共に生きていきましょう、永遠に。

「プロポーズがいつも、こんな風に日常茶飯事で繰り広げられているって言ったら、呆れてたじゃない。」

車中、瑠璃は楽しそうに話す。

「別に呆れられたっていいよ。」

スーツのジャケットを脱いだチカは高速道路を運転しながら、しれっとしている。

「プロポーズなんて、結婚前にしか出来ないんだぞ?存分にしておきたいね、俺は。」

マリッジリング作成ストーリーは、これで最終回を迎えた。
実際は、十一月発売の雑誌で披露されるが。
そして結婚式後、後日談として、その後のふたりの様子をまた一回だけ取材される。

「そうね。チカにプロポーズされる度に、あたしも胸が高鳴るの。嬉しいわ。」

「僕もだよ。断られないかと、毎回、ドキドキしてるんだ。良かったよ、今日も受け入れて貰えて。」 

「じゃあ、プロポーズしてくれなくなったら、あたしも危機ね。チカの氣持ちが逸れてしまった、のね。」

実際はそうではないのに、口にしながら瑠璃は落ち込んだ。

「そんな事、ある訳無いじゃないか、瑠璃、僕のPrincess。結婚の直前まで、君にプロポーズし続けるよ、僕は。」

「そうしてね。」

それが、瑠璃の喜びだ。

「瑠璃の誕生日の零時ちょっきりに、役所の夜間窓口に、僕たちの婚姻届をふたりで提出する。」

「ステキ……!」

瑠璃はうっとりとして、夫となる男を見つめている。

「実際は、受理は本窓口が開いてからなんだけどね。提出した日が休日でも、遡ってその日付の受理となるんだ。不備がなければね。」

「あら、そうなの、じゃあ。」

夜中に提出した時は、まだ夫婦ではないのだ。

「いや、だから、届ってのは、過去に遡れるんだ。物理学で言うと、僕たちは瑠璃の誕生日になった瞬間に、戸籍上も夫婦になってるんだよ。」

「SFみたいね、ややこしい。」

瑠璃は、よくある時間軸の映像を頭に描いていた。

「なんにしろ、瑠璃の誕生日になった瞬間に僕たちは結婚してるし、法律だけじゃなくて氣持ちも、夫婦なんだよ。」

「そうね。」

これはもう、現実がすぐ傍まで来ているのだ。
始まりのあの時の、遠すぎる未来の夢の話ではない。

「だからさ、婚姻届を提出したら家に帰ってさ。」

チカはうっとりとした表情をしている。

「瑠璃の中に、僕をそのまま受け入れてよ。」

瑠璃は、かあっと全身が熱くなる。
子宮が瞬時に煮えたぎるようだ。

「そして、僕は瑠璃の中に放 出するよ、ようやくね。」

どうしてか、教会の鐘の音が聞こえたような氣がした。
おめでとうと、祝福されている、その時を。

「大量に。てー事は、前日は控えなきゃな。」

「逆にダメなような氣がするわ。ちゃんと出しとかないと。」

毎日多発可能なチカだ。
溜めてしまうと、チカの場合、緊張もあり、瑠璃の中に 入る前に出しかねない。
只でさえ、初回は早いのだから。

「お前は俺の性質を、よく理解してるよ。」

「当たり前よ。」

ずっと一緒にいて、毎日のように抱き合っているのだから。

「もう、二年か、あの夏から。」

「そうね。二年ね。」

二花に呼ばれて行った、夜の海。
そこで、瑠璃とチカは互いに二花と終わった。

「瑠璃の中に入り続けて、一年六ヶ月。未だに、一発目が早すぎる。そして、きっと初 夜は、僕の方が先にイ ッてしまう。ごめん、瑠璃。」

未来の事を、もう謝られた。

「花嫁をイ かせないで、夫は先に出してしまう。なんて不甲斐無い夫だ。」

「その妄想は、いいわよ。」

実際にそうだとしても、きっと、そのままで第二回戦なのだから。
逆に、瑠璃がもうやめて、と言っても、チカが延々終わらない氣がするのだ。
何回でも、中に 出され続ける。
それを想像して、熱くなった。

「あれ?濡 れちゃった?」

そんな瑠璃に、チカはすぐに氣づく。
明るく楽しそうに指摘した。

「そうだよ。俺は出し続けるよ。瑠璃の中、たぷ たぷになるよ、きっと。」

自虐ネタから結局、そう、煽るのだから。

「マジい、興奮する、そんなの妄想したら。」 
 
「元氣ね。」

最近は、そういう話をしていると、すぐに膨らんでくる。

「瑠璃がちゅるっと 濡 れると自動的に俺も反応するんだ。これは子孫を残す為の本能だ。仕方が無いな。」

「……でも、そうなのかもしれないわね。」

眼に見えなくとも、番いの身体が発情すれば相手も反応する、この動物の本能。
鼻で感じないフェロモンを嗅ぎ取っているのだ。

「瑠璃も、やたらと俺の匂い好きだよな。匂いっていえば、二花は嗅覚が尋常じゃなくてね。俺が何食べたか百パーセント当てたし、液も匂いで今日出したかどうか当ててた。」

「そうね、そうだわ。今日は安全だから大丈夫だって言い出すし、」

「皆まで言うな、瑠璃。」

制止された。

「ちきしょう、アイツ。躊躇もなく、中で 出しやがって。呪ってやる。」

チカが言うと、本当に呪っていそうだ。

「外に出しとけば 妊娠しないっていう、アイツの持論は鬼 畜だ。確かにアイツに子 種は無かったけど、病氣が怖いんだよ。余所で遊ぶだけ遊んどいて、フツーなら、大事な女に 生 って有り得ねえ。」

「うん、確かに有り得ないわね。」

瑠璃は、にっこりと微笑む。
この人で、よかった。
結婚するのが、この人でよかった。
そして、チカが二番目でよかっだ。
二花の天然の非人道さが判ったから。

チカとつきあい始めて、チカも一緒にHIV検査を受けてくれた。
とても心配してくれていたのだ。

優しい男。
だからこそ、瑠璃の望みも全て受け入れてくれる。
瑠璃が望む激しさも、全て叶えてくれる。

「あたし、初めての時、お腹にかけられたの。」

「言うな、瑠璃。」

チカは明らかに苛立っている。

「お前は今後、俺以外、絶対に 生で 男を受け入れるな。」

口調が荒くなる。
目つきが厳しくなる。
その、チカの怒りの様の顔も、大好きだ。
瑠璃の胸が子宮が、ぎゅうんと鳴る。

「約束しろよ。でねーと、俺はお前の産んだ俺の子だけを連れていく。お前を見限る、いいな。」

前も約束させられた。
この嫉妬の怒りが、とてつもなく心地好い。
ああ、この男にこうして束縛され続けたい。
この強い縛りがいちばん肌に喰い込んでくるようで、氣持ちがいい。

「あ、ん……約束します、ご主人さま。」

瑠璃は眼を潤ませ、息を甘く荒くさせる。

「だから、何でこれでとろけてんだ。怖いよ、この超ドM。」

チカは呆れながらも、落ち着いていたそこを再度反応させていた。

「もう、我慢出来ません……ご主人さまぁ。」

瑠璃は口に指を入れて 喘 いでいる。

「なんでだよー!なんでだよー!なんでここで、こんなに発情してんだよーっ!」

チカは半ば絶叫していた。
真夏の昼間の恐怖だった。



……………………………………………………………………



ラブホテルは瑠璃の素性が見つかったら危険すぎるので、チカの地元の、人が来ないという山奥に車を止めて、急いで事を為した。
そちらの方が危険だと瑠璃は思ったが、もう身体の火照りを抑えられなかった。

「まさか、瑠璃と車でしちゃうなんて。」

瑠璃の頭を撫でながら、汗だらけのチカはシャツのボタンを止め、泣いていた。

「すごおい。」

瑠璃は満足そうに余韻に浸っている。

「癖になっちゃう。」

「お前はいいなあ。そのケダモノ度、freedomだな。」

貶されたのは判っているが、充実しているので、いい。

「チカだって、スゴい興奮してたじゃない。」

「そりゃ、興奮するよ。こんな処で明るい昼間にするなんてな。」

瑠璃にキスをして、チカは瑠璃と自分にシートベルトを着けた。

「した事あるの?ここで。」

「ねーよ。お前が初めてだよ。俺は本来、こういう事するようなタイプじゃなかったよ。」

チカは恥ずかしそうに怒鳴った。

「お前、ほんっと盛 ってる、ヤバいよ。」

「メスになってるのね、今。」

きっと、結婚に向けて、子宮が整うようになっている。
だから今、とてつもなく発情する。

「ぜってー、俺から離さねーからな、もう。」

運転を始めて、しばらく前を凝視していた。

「俺が決めた時に、俺が決めた男に、だけだ。貸し出すのは。」

ぼそっと、そう言う。

「ねえ、チカ、そろそろ笠田さん―」

「ああ。でも、本番はまだだよ、瑠璃。焦らされろよ。」

チカの低い声だ。
これにも震える。

「判ってるわ。チカの命令だもの。」

今、満足したばかりなのに、すぐにチカの嫉妬に反応してしまう。
嫉妬して、いっぱい嫉妬をして。
あたしを縛って。

「あたし、言いなりだもの、登規さんの。」

身も心も、あたしをしっかり束縛してね。

「あ、ん、ご主人さまに乱暴にされたい…っ、」

「もう、明日帰ってからにしろよー。」

チカは半泣きだった。
今日はチカの実家に泊まるのだ。

「お久しぶりです、お義父さん、お義母さん。今日はお世話になります。」

化粧を車内でしっかり直した瑠璃は、チカの日本の実家で両親に微笑む。

「まあ、まあ!瑠璃ちゃん、また綺麗になったね!」

養母は頬を赤らめ、瑠璃の背中を軽く押す。
早く座りなさいと急かしてくれる。

「父と母が六月に訪れた時に、大変お世話になりました。ご親切にして下さり、ありがとうございますと申しておりました。」

瑠璃は、ふたりに軽く頭を下げる。

「あらあら。こちらこそ、わざわざ来て頂いて恐縮です。わたしたちが行かなきゃいけないのに。」

「いいえ。父と母の都合ですもの。」

スケジュールの空いている時に、父と母ふたりで、このチカの実家に挨拶に来たのだ。
瑠璃は若くて氣が利かない点も多々あるでしょうが、どうか温かい目で見てあげてくださいと、ふたりで頭を下げたそうだ。

チカの両親も、こちらこそ、お若いお嬢さんに息子が手を出してしまい、申し訳ありませんと、平身低頭だったそうだ。

それでも堅苦しいのはそこでやめて、和やかに過ごした。
と、父は言ったが、こちらの親は緊張していたかもしれない。
何せ、椎也も実花も有名芸能人だ。

「久しぶりに実花とふたりきりで出掛けられたから、新鮮で楽しかったよ。デートさせてくれて、ありがとな、瑠璃。」

椎也の母の元子が家に来てくれたそうなので、知愛の心配もせず、ゆったりと深夜に帰宅したそうだ。
恋人氣分を満喫してきたのだろう。
椎也と実花は何年経っても相変わらず、互いに恋をしているのだ。

昨日聞いた、父の告白、母の告白。
どちらも結局、夫と妻のベタ惚れ告白合戦なのだ。

「瑠璃ちゃんも忙しいのに来てくれて、ありがとう。」

養父の言葉に、瑠璃はにっこりと微笑む。

「いいえ。ずっと来たかったんですよ。今日も登規さんにお願いしたんです。」

ちょっと顔出すだけでいいよ、とチカは言ったが、チカはこの家でも一人息子だ。
瑠璃が、というよりも、チカがこの家でゆっくり過ごした方がいいと考えた。

「いや、嬉しいねえ。瑠璃ちゃんが来てくれて、一氣にこの家も明るくなったよ。」

「て、元から充分明るいと思うけどー?」

チカはツッコミを入れる。

「ねえ、夕飯、何?」

「もう、登規は食べる事ばかり、なんだから。」

養母はあきれたような声を出しながらも、嬉しそうだった。

「だって、腹減ったよ。我慢してたんだよ。夕飯があるからって、瑠璃に買い喰い止められたんだから。」

「相変わらず子どもだねえ、登規は。瑠璃ちゃんも登規の世話が大変だわ。」

実際は既にソフトクリームを食べたのだが、それ以上を欲しがったので我慢させたのだ。

「そうだよ。瑠璃は俺のお世話係だ。」

「可哀想に。ちゃんと自分で洗濯物出しなさいよ。」

「出してるよ。ーうん。」

瑠璃の方が明らかに世話をされているのだが、もしかしたら確かにチカの世話を甲斐甲斐しくやいているのかもしれない。
瑠璃は、改めて氣づいた。

洗濯をするのはチカだが、ソファの上に散らばっている使ったハンカチや脱いだ靴下など、瑠璃は何氣に洗濯機の前に持っていっている。

「コタツの中から、よく登規の靴下が出てきたな。」

義父も笑いながら、思い出話をしてきた。

「だって、コタツって最高じゃん。気持ちいく寝れるし。コタツ考えた人、マジ天才!足、熱くなるんだよなー入ってると。寝ながら脱いで、で、忘れちゃうんだよ。」

几帳面なのに、この人の少しずぼらな面は、生まれてから九歳まで使用人が日常の世話をしてくれたから、なのか、それとも大らかな性格から、なのか。
日本は靴を脱いで家の中で生活する文化という違いもあるだろう。
それが心地好いから、日本はいい国だと、チカは以前に言っていたが。

「家にコタツなくて、よかったわ。」

瑠璃は、にっこりと微笑む。

「そりゃあ、瑠璃は正座もお姉さん座りも禁止だからね。」

脚に跡がつく座り方は、チカに禁止されている。
だから、床に座る生活をしないのだ。

「モデルさんは色々制約があって大変ね。」

養母は心底、同情をしてくれたらしい。

「でも、その代わり、とてもいい想いもさせて貰ってます。」

撮影でカメラを向けられる。
ステージでみんなの注目と喝采と恋情と羨望の眼差しを浴びる。
その快感は、何の苦労にも代えられない。

また、来月にはロンドンでファッションウィークが始まる。
多くの人にいっぺんに見られる緊張感と期待感が、瑠璃を身の内から弾かせていく。

「それに、あたしがロンドンで活躍出来るって、登規さんのおかげなんです。あのブランドの社長は登規さんの昔馴染みですもの。」

「まだ、そんな事を言ってる。瑠璃の実力なのに。」

チカは呆れていた。
夕食は出前の寿司だった。
正月に訪れた時に連れて行ってくれた馴染みの寿司屋製だ。
まだ瑠璃がチカの婚約者だとは大々的に知らせられないから、外食は無しなのだろう。

「えー?パリコレの?凄いじゃない!瑠璃ちゃん、凄い!」

寿司を食べながら、麦酒を飲みながら、養母はとても興奮していた。

「パリコレのブランドからオファーがあって、それを蹴ったっだなんて、瑠璃ちゃん、凄い!流石!」

「そんな格好いい事じゃないんです。あたし、やっぱり今のブランドが好きだから、見せて売る仕事の役割なら、今のままがいんです。」

「格好いい!」

格好だとか、そんな理由で続投を選んだのではない。
だから、氣恥しかった。
格好つけて強いて言えるのだとしたら、潔さ、だ。

母の実花もそうだ。
潔く、また妊娠すると決めたのだ。
この、女優業のノリに乗っている時期に。

潔さ。
女の、この潔さがとてつもなくゾクッとする。
だから自分も、潔くありたい。

「その事は、世間にはずっと秘密にしてるの?登規。」

「んー。そういうオファーがあった、でも断ったって端的なら、来年のコレクションで密着が入るから、その時についで話的で出せばいいかと思ってるよ。」

密着。
チカは、それを受ける事としたのだ。
日本人は密着番組が好きだ。
スーパーモデルの瑠璃の、新婚で順風満帆で何も苦労がないように視聴者には見えているだろう分、今までの苦労も成功もチラ見させる事で、老若男女の日本人の心を摑む。

「密着?」

「うん、密着取材ね。大変だけど、スーパーモデルもハイブランドの舞台裏も、日本人は興味津々だから。瑠璃自体も、ブランドももっと売り出せるよ、きっと。」

「大変ねえ、密着取材なんて。」

「瑠璃のストレスになり過ぎないようにして貰うよ。」

チカはビールを飲みながら、何処か嬉しそうに養父母に説明していた。

「でさ、父さん、母さん。」

チカは隣りの瑠璃の肩を抱いた。

「そんな色々大変な時期だけど、結婚したらすぐに、俺たち子どもを作るから。」

その堂々な宣言は、恥ずかしい。
瑠璃は酔ってはいないが顔を赤らめた。

「登規、お前なあ。それじゃあ、大変だろう、瑠璃ちゃんが。」

義父は呆れたように言う。

「そうだね。だけど、俺たち早く子どもが欲しいんだ。」

この、子どもが誕生しなかった夫婦の前で、敢えてはっきりと子作り宣言をする。
普通の人間が子作りをすると言っても、実際に子宝が授かるとは限らないので、周囲も頑張って、としか言えないだろう。

この人たちは、チカを実際に育てたのだ。
だから、チカが普通の人間ではない事を、理解しきっているのだ。

彼が子作りをする、と宣言するならば、高い確率でそれは叶うと、これまでの実績で知っている。

「あたし、早く登規さんの子どもが欲しいんです。」

両親の前でも手を繋いだり、見つめ合ったりのふたりのいちゃいちゃ振りに、もはや人は何も口を出せない。

「まあ……それは当人同士の問題だしな。」

義父も渋々、といった感じだ。

「だからさ、妊娠中も産後も、手助けしてくれたら嬉しいよ。」

「あら、そんなの。喜んでお手伝いするよ。だけど、わたしがしゃしゃり出たら、瑠璃ちゃんにも向こうにも迷惑だろうからって、考えるよ。」

義母は瑠璃の負担にならないようにと、氣を遣っているのだ。

「ああ、そんなのは、瑠璃の精神的負担になりそうだったら、俺、容赦なくやめろって言うし。」

「登規は容赦ないけど、確かに。」

これはイヤ、これはいい、チカはこの家に来た時から素直に氣持ちをはっきり表してきたのだろう。

「瑠璃も父さんと母さんに氣を遣い過ぎんなよ。パパとママに接するくらい、ドライでクールにつきあえよ。」

自分の両親と接するようには、まだいかないだろう。
遠慮が互いにある。
そんなのは乗り越えなさいと、チカは簡単に言う。
実際、チカは森下家にすぐ溶け込んできたのだから。

「うん。ウチの親はツッコミどころ満載だから、ドライになるんだけど。」

夜の声がうるさいという事さえ、氣づかなかったのだ、あのふたりは。
もっと早くに注意すればよかったと、瑠璃は後悔したのだ。

「パパとママは普通じゃないから、あーゆー業界でタフに生き残れてるんだよ。」

貶しつつ褒めるのは、チカの得意技だ。
そう言われた方は愛されていると実感する。

この人の独断的な部分も、反面優しすぎる部分も、大好きだ。
瑠璃はチカの腕をぎゅっと胸元で抱きしめる。
ふたりのそんな様子を、養父母は微笑ましく見ていた。

「瑠璃ちゃんのご両親も、ホント仲良いよね。嫌味なく自然にふたりで寄り添いながら、掛け合い漫才してるし。」

「うん。ママがぶっ飛んだ事言うからパパが窘めるんだけど、そのパパも常識からかけ離れてるから、それをママがツッコむんだよね。」

チカはそう、補足説明する。
掛け合い漫才だと思ってみてくれたら幸いだと、瑠璃はただ微笑んでいた。

何せ、娘に火遊びを勧めるような父だ。
チカに踊らさせれるな、踊らせろという、その氣持ちも判らないではないが。

「瑠璃ちゃん、先にお風呂入っちゃって。」

「はーい!」

夕食の片づけを、と思ったが、まだみんなビールを飲んでいる。
瑠璃は遠慮せずに風呂に入った。
この家の風呂に入るのも二回目で、これからはそれも普通になるのだ。

結婚して、妊娠して、子どもが生まれて。
実際にはどういう状況になるのかは、まだ判らない。
しかし確かに、瑠璃の新しい家族なのだ、この父母も。
意見の相違も出てくるだろうが、チカの言うように遠慮なしにつきあっていきたい。

のんびりと湯船に浸かった。
今日も汗をかいたから、身体がさっぱり出来て爽快だった。
エアコンを効かせているとはいえ、車内で張り切って汗だくになったのだし。

あれは実に氣持ちよかった。
また、あそこでしたい。
瑠璃は身体をタオルで拭きながら、じんわりと身体で興奮と快感を想い出していた。 
頭をタオルで拭きながら、居間に戻った。

「お先に頂きました。」

「ああ、瑠璃ちゃん。登規、寝ちゃったよ。」

チカはテーブルに突っ伏して顔を横に向けて、座ったまま寝ていた。

「ホントだ。楽しかったんですねえ。」

可愛い寝顔を見せている。

「お義父さんとお義母さんと飲めて、嬉しかったんですね。」

瑠璃の実家でも、春に酔っ払ったのだ。
今日も、あの日も、疲れがあったのだと思う。
だから酔いやすかった。
本当は毎日クタクタになっている筈だ。
だから、こうして無防備になっているチカの姿を見るのは、嬉しい。

「瑠璃ちゃんを連れて来れて、嬉しいんじゃないかねえ?綺麗な彼女を自慢出来て。」

「なら、あたしも嬉しいですけど。」

「俺も、嬉しい。綺麗な娘が出来て。」

まだビールを飲みながら、養父は笑っていた。

「あなたの嫁じゃないんだけどねえ。瑠璃ちゃんの名前出せないけど、登規が美人の嫁を貰うって、いつもいろんな処で自慢してるのよ。」

それも微笑ましい。
ノーメイクの瑠璃は、嬉しそうに笑う。

「自慢だよ。こんな綺麗な娘、嫁にくるなんて有り得ないだろう?奇跡的だよ。」

「そうねえ。登規の顔からしたら、雲泥の差よね。」

「ああ、どうしようか。孫が登規の顔に似ちゃったら、実に申し訳ないね。」

「そんな。」

大体、チカの顔の作りは養父には責任がないのだが、しかももう孫の顔まで心配をしている。
瑠璃にとっては、チカによく似た男の子が生まれたら幸福なのだが。

「そうそう、あれよ。芸能人の美男美女カップルの子って、ほんっと綺麗な顔立ちしてるもの。瑠璃ちゃんみたいに。やっぱり両親の顔って大事よね、綺麗な子を生むには。相手をよく考えてから結婚しないと。瑠璃ちゃん、本当に大丈夫?登規の顔で。」

「そんな。」

お宅の息子さんを、そんなにディスらないでください。
瑠璃は苦笑した。

「椎也さんも実花さんも、眼の前で見たら人間じゃないみたいだったもの。綺麗すぎて。そりゃあ、瑠璃ちゃんがこんなに絶世の美女になるよね。」

「ウチの父と母の顔は確かに整ってますけど。あたし、登規さんの顔、大好きなんです。色氣があって、ステキです。」

本当に大好きだ。
チカ自身も、平凡な顔、日本人顔と揶揄しているが、色氣とは顔の作りとは異なるのだと、チカを見ていると、よく判る。

「そう言ってくれると有り難いよ。この顔なのに、なあんでか登規、よくモテたよ、小学生の時から。まだ、背も低かったのに。」

「判りますよ、それ判ります。帰国子女だし、頭いいし、運動神経いいし。なのに、いたずら好きだし、でも優しくて。女の子が男に求める条件、物凄く満たしてますもの。」

少年登規に出逢いたかった。
きっとチカにいたずらをされ、瑠璃も怒ってやり返して、そんな日々を毎日過ごし、季節が巡っていく。
いつしかチカは、いつものようにいたずらをした後で抵抗する手を摑み、真面目な顔で少女瑠璃を見つめ、好きだよ、と告白するのだ。

少女も突然の告白に驚きつつも、ときめきながら涙を流すだろう。
あたしも、好き、と。

そんな風にチカは初めての彼女を作ったのだ。
密かにチカに恋をしていた他の娘にとっては、面白くない話だ。
なんとか、チカを奪おうとするだろう。
それからやたらとモテ出した、とチカは以前、語っていた。

他の誰かの男が、とてもセクシーに見えるものだ。
あの唇が、あの指が、どう愛を紡ぐのか体感したくなる。
女とは、そういう生き物だ。
恋愛とキスとsexの上手な男に惹かれる。

だけど、この人はもう、あたしだけのものよ。
他の女には渡さないわ。
瑠璃はまた、嫉妬の炎を身の内に感じていた。

登規さんの子を産むのは、あたしだけ。
他の女には、その権利を一切与えない。

母は、父が子どもを作る事を求めれば、結局、自分の身体もそうなると言った。
あたしも、そうだ。
登規さんの子どもを、あなたが求める限り産むわ。
だから、他の女には手を触れないで。
あたしだけを調 教して。
あなたが望むように、他の男にも抱かれてくるから。 
もっと感度を良くして帰ってくるから。

あたしを、離さないでね。

養父は風呂に行き、瑠璃は養母からチカの子どもの頃のアルバムを見せてもらった。
今の長身のチカからは想像もつかない、まだ小さい無邪気なチカ。

ロンドンのエレナの家にある、すました顔のチカの写真からは、到底想像出来ない、豊かな顔つきだ。

チカはここに来て、自由を得た。
好きに運動が出来る、好きに遊べる自由だ。
友だちとの写真も多くある。
愉快できっと、クラスの人氣者だったろう。

中学に入ると、ぐんぐん背が伸びた。
あっという間に、いちばん後ろに並ぶようになったという。
体格も逞しくなった。
サッカーで活躍したけれど、思うような成績を残せなかった。
それが高校でバスケットを始めたら、あっという間にレギュラーの座を勝ち取った。
県大会も優勝して、インターハイも良い成績を残せた。
それでもチカは納得がいかなかったという。

「二年で準優勝したんだけどね。物凄く悔しがってたよ、登規。八つ当たりで、うちのブロック塀を壊すぐらいだったよ。」

壊したんだ。
瑠璃は微笑んで、養母の話を聞いていた。
そんなチカの、バスケットをしている写真は、真剣な顔そのものだった。

脳内の演算処理での高確率通りにはいかない。
自分だけではない、他人の言動によって、予定調和ではなくなる。
チカは生きていく上で、それを知っていく。

「瑠璃…love me. I want you more than now. 」

そう、チカは呟いた、寝言で。
これ以上、さらに。
もっと、求める。
寝言ですら、こんなに求められている。
瑠璃は震えた。

「情熱的だよね、登規は。」

養母は苦笑している。

「しかも真っ直ぐだし。相手の娘は疲れちゃうんじゃないかって、わたしはいつもハラハラしてたよ。」

俺の女なら、俺だけを見ろ。
余所見をするな。
それは、心地の好い束縛なのだ、ドMにしてみたら。
喩え、チカが浮氣をしても。

「そういう登規さんが、とても好きだったんだと思います。今までの彼女は。あたしは、そうですから。」

「瑠璃ちゃんも情熱的だね。」

養母は嬉しそうにしている。

「でないと、ムリです。登規さんの嫁なんて。」

この人に吊り合うくらいの、いやそれ以上の激しさがなければ、到底相手は出来ない。
あたしのご主人さま。
どうかずっと、あたしに命令していて。

「登規はここに放っておいて、瑠璃ちゃんは寝て頂戴。誰も登規をベッドに運べないし。」

「はい。」

後片づけを少し手伝って、瑠璃はチカの頬にキスをし頭を撫でて、二階のチカの部屋にひとりで入った。

エアコンの程よく効いた室内のベッドのタオルケットがひんやりとして心地好い。
疲れもあったのか、電氣を消してすぐに寝入っていた。

身体を弄 る熱に、眠りから醒めた。
寝ている処を誰かに 襲 われている。
口を大きな手のひらで覆われた。

「んっ、くぅっ、」

もう充分に愛 撫されていたのか、その指が奏でる音が激しく立っている。

「んくっ、んくっ、」

口の中に入っている指を噛んでしまいそうだ。
この熱さや、感触でもう、これが誰の指か胸か吐息かなんて、すぐに判っていた。

上も下も、口の中で激しく動かされている。
ぐっと身体を持ち上げられ、ベッドから降ろされ、立たされた。
後ろからずっと、その指が動いている。

「はあっ……ふっ、あっ!」

その後ろの逞しい身体に身を預け、震えながら達した。

「俺を放置しやがって。」

低い声が耳元で唸る。
濡れている髪の毛が、瑠璃の首に肩に頬に当たる。

「ご……ごめんなさい。」

酔いつぶれたあなたが悪いのだけど。
それでも、ここは謝っておく。
これが、あたしたちのプレイだからだ。

「少し触っただけで、寝ながら声を出しやがって。」

「あ―はっ、」

声、出していたんだ。
だって、仕方がない。
あなたの指、何処を触られても氣持ちがいいのだから。



トーチカ〜瑠璃シーン⑥中編9に続く
…………………………………………………………………………

 

夫の実家編。
そこらへんはチカが奇譚なく宣言してるので、瑠璃に実家での手伝いはさせ(たく)ない。
日本の嫁姑問題を予習しているらしい。



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こんにちは。
みずのこえ まき です。


雨の音、ウチの中で聴いているの
好きです。

ウチの中で。


家に閉じこもりたいわたしと
外に出かけ倒したいわたしとが、います。
どちらも。

外に出たくない
誰にも逢いたくない

ってとき
用事のない日の雨って最高。




今日は車での出張でしたが

この数ヶ月混んでなかった処が大渋滞!

思えば、春休みの雨の日のことじゃった。
こんな渋滞加減は。


やはり、長い子どもの休みのときと雨って
条件が重なって渋滞起こりやすいですね。

お仕事、お出かけの際にはご注意を。


逆に言うと
いつも混んでる処が混んでなかったのか



知立バイパス走ってて
あれ?いつものインターより先に進んでる氣がする

と思ったら
降りたのが一つ先のインターでした。


ちなみにいつも降りるインターの名称
覚えてませんから。


あら、ここ初めてねって

グーグルマップ先生の
間の抜けたバカ娘の(機械音声が※課金できて音声変えれるなら変えたい。)
おっしゃる通りに進んでたら

いつも通る道に出ました。


なんだ、このインターからなら近いじゃん。


と、初めて知りました。

今まで、散々遠回りさせられてたのか。

 

先日も、行き先を知らぬとこに行くのでグーグルマップ先生にお任せして着いたのだけど

帰りに案内標識どおりに帰ればいいやと
走ってたら
あっという間に国一浜松バイパスに連結
真っ直ぐやん。

行きは相当遠回りさせられてたのか。



それでもナビの中で
渋滞予想、到着時刻が完璧なのは
グーグルマップだわ。


道路という事実しか読めないナビ故に、
余りに細い道とか
時間優先で、すごい遠回りさせられたりとかだけど。



あ、わたしすごい方向音痴なので
地図が読めない女なので
ナビ必須です。

GPS見失いが多かった前のスマホより
今のスマホのグーグルマップ先生は
大概すんなりGPS感知してくれるので
技術の進歩。

現時点でのGPSがグーグルマップ先生でもわからないと
わたしは反対方向とか進んじゃいますから。



で、ですね
(つながりはない)


『せいせいするほど、愛してる』

原作のいいところを使いこなせず
かといってドラマ脚本がさらに秀逸でもなく


とりあえず、ティファニーってやはり
女の子の憧れだなって感想です。

オープンハート、欲しかったもん。

ベタだけど、そのベタが欲しい。



光臣くんの、普通でありながら、ちょっと変わってる人、怖い演技は好きです。


そもそもに於いて
演技の上で変人は好きなんです。




今日も番宣で長谷川博己さんをテレビで見ましたが

わたし的には普段の長谷川博己さんはイケメンではなく、

ぬぼーっとした平凡顔です。


なのに、彼、変態役が最高なんです!
 


変態の演技

色氣ある、迫る男の演技のとき

彼はとても、表情が綺麗です。
ぞくぞくするくらい、セクシー。



思えば、この一年
今まででいちばん映画を観てますが
(試写を含み)


MOZU

この国の空

LOVE & PEACE


長谷川博己さんを、スクリーンでいちばん観たのではないでしょうか。




高橋光臣が好みといいながら

実際は長谷川博己系の男が好きなんでは?



それはさておき





寒い日にかき氷画像。


今年も先週
河合屋のかき氷食べてきました。

二川の…あそこは多分、大岩町だけど。


水曜休み
夜9時まで、やってます。


どうして毎回
コーヒーミルクかレモンミルクか
なんだろう、わたし。


オチはありません。


ナニがどうでもないけど

生きていてよかったなあ

と、じわじわ感動した日でした☆



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こんにちは。
みずのこえ まき です。


息子のプレゼンがひつこくて
ラーメン屋行きました(泣)

生きるってこういう事かと
息子に教えられている。

彼は欲しいものを手に入れる。

ただ、ひつこい。



(ワザとデス、ひ※つこい、は。)


徒歩圏内に2軒、ラーメン屋がある。


ずっと、ここに越してきた時からファミレスが欲しいと願っているのに

結構、いろんなお店はできたのに

初歩的なファミレスがないのよね。

わたしはアルコールとおつまみ程度でよろしくても、腹減った病がいるからね。


ファミレスは引き寄せられない。
何故か。

(原因を考えるつもりもないけれど。)



せいせいするほど、愛してる
(原作の漫画のほうね。)

も、そうなんだけど
最近、きゅんきゅんする漫画をよく読む。


この、きゅんきゅんって
女子的に

えーきゅんきゅんしてるし

って簡単に受け流されそうだけど

大事、だ。


日頃、恋愛などできゅんきゅんしてるならいいけれど。


きゅんきゅんする現実がなければ
二次元で求めればいいのに。

(マリー・アントワネット風に。)


ドラマでも映画でも演劇でも小説でも漫画でも

題材は、なんでもいい。
媒体はお好みで。


日頃、きゅんきゅんしているつもりでも

漫画などできゅんきゅん度合いが高まると


あ、足りてなかったわ、きゅんきゅん。

と氣づいた。



二次元きゅんきゅんが
三次元きゅんきゅんを呼ぶ。


これはまた記すけれど。

確かに、なのです!


きゅんきゅんは、きゅんきゅんを呼ぶ!


恋をしたければ、実際にきゅんきゅんしよう!




また、北川みゆきさんマジックに引っ掛かって
きゅんきゅんしてもうて
違う漫画も買ったーっ。

でも、パターン同じだった、
せいせいするほど、愛してる、と。

わたしはこの方の漫画をこれまで読んだことなくて、でもこのパターンが王道なのかな。


やはり、禁じられた恋
障害のある恋って燃えるのね。

覗き見する方も燃えるのね、

どきどき、きゅんきゅん、と。



最近、こんなに漫画ばかり読んでて
自分でもどうかと、思ってたんだけど



これが、マーケティングだろ?


という声が今日、ふと大きく聞こえてきて


ああ、これもマーケティングなんだ

と、知った。

マーケティングって大切だ。



漫画『エア彼』、のツトムくんみたく

妄想なのにリアの仕事へのアドバイスが
物凄く的確なのは


自分の中から湧き上がる

第三者的な声ってやはり

自分の妄想だけ、

なんじゃないんだろうな。



妄想って
何処かで何かにリンクしてるんだよ。



自分に自信のない妄想族には
エア彼、オススメです。

読み返しても、いろんなシーンが泣ける
(いや、笑えもするけれど。)



あ。
独自な笑いが入ってない作品は苦手です。


だから、映画の『秘密』も、どうなのかなあ、と不安。

スポットCM見る限り、
映画には清水玲子的な間のある笑い、
が表現されてないような氣がする。



で、漫画読むって
きゅんきゅんするし
大好きなんです!

日本の漫画文化、最高!


昨日の出張帰り
豊橋駅構内のプロントで。


バータイムは3回目なのに

お店に入ってるのに
店員さんの前なのに
声かけられなくて、寂しかった。
スルーか。

(昼間はセルフだけど、バータイムは席に案内してくれます。)


プロントじゃなくて
ラーメン餃子ビールの女だと思われたのかな。



で、事故かなんかで
在来線も少し乱れてたし

混むのヤダし
ま、ここでゆっくりすればいいや、と
氣楽でいたら

プロントにいる30分くらいの間に
浜松方面は
乱れが解消されていた。


そう願ったら、そうなった。


小さいことで最近これ、多いですよ。




お読みくださり、ありがとうございます(*^^*)


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みずのこえ
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小説です。 

たったひとりの人に伝えたくて始めた、この綴り。
人に言えない嗜好や秘密、官能
人間はそれをどう思うか
自分でどう対処していくのか。

瑠璃シーン⑥のキャッチコピーは、
俺とお前の攻防戦。
じわじわ迫りくるサスペンス劇場。

トーチカ~瑠璃シーン⑥の中編、
神楽シーン⑥中編1からの流れの瑠璃側の視点です。
事件多発事件的で、ごった煮のように大勢の人が出てきます。

瑠璃シーン⑥中編は、
不貞、不倫、禁忌の闇を傍観する旅。

神楽シーン⑥よりも実は闇を見る!
けれど、笑いと呆れが混在としている脱力系。

瑠璃シーン側では、何が起こっていたのか?
真実は、こんなだったという意外性満載の答え合わせ。
二花くんの動向も楽しみです。


トーチカ〜瑠璃シーン⑥中編6
椎也の出生の秘密を知った瑠璃は「パパに孫を抱かせてあげる。」と伝える。
父の助言通り、チカを試そうとしたら、逆にやり返された。
しかし、チカの深い愛を知る。

そんなんで、登規くんは追い詰められていくのですね。


トップモデルとなった瑠璃の真骨頂とも言える、瑠璃シーン⑥。
瑠璃の魅力、瑠璃チカの結婚式、そして妊娠までを書きます。


神楽シーン⑥が男眼線のエロならば、
瑠璃シーン⑥は女眼線のエロとなるでしょう。

わたしが書く小説というのは映像で見えてくるのを文章化しているのですが、この文章で女性の(もちろん男性もね)オ ーガズムのお手伝いにもなればいいな、とも思っています。

トーチカ神楽シーン①
東三河に住む、未来を知っている少女
神楽の眼線
神楽シーン⑥で、東三河から神奈川に嫁入りしました。

トーチカ~瑠璃シーン①
神奈川に住む、ティーンズモデルの美少女
だった瑠璃の眼線
今は世界に立つスーパーモデル

神楽シーン瑠璃シーンの同時期を交互に書いていきます。
どちらにも童顔、永遠の少年の二花(つぐはる)が絡んできます。


トーチカのこれまでの話のリンクはこちらから
トーチカ以前のお話もこちら↑

BGM
"カルメン組曲"。

つるの剛士"You're the only shinin' star"。 

華原朋美"I'm proud"

TM network "ELECTRIC PROPHET -電気じかけの予言者" 

そして、篠原涼子
"恋しさと せつなさと 心強さと"


トーチカ〜瑠璃シーン⑥中編7


今朝はジョギングのあと、父は忙しく家を出ていった。
レコーディングの難関があるらしい。

瑠璃は家族と朝食を摂り、幹也は部活に行った。
母は保育園に知愛を送ってきたあとに家に戻ってきたのだ。
今日は午後から撮影らしい。

母とふたりきりで話をするのは、とても久し振りだ。
だから瑠璃は、思い切って、忍の母親について尋ねてみたのだ。

「あたしは彼女を直接知らない。だけど、椎也から聞いた彼女の印象は、"白い悪魔"だったわ。」

白い悪魔。
言い得て妙だと、瑠璃は笑った。

「あっ、だけど、あたしは彼女を敵対視しとるとかじゃないよ。別にいい子ぶるつもりもないけど、嫉妬は、ほぼないねえ。ちゃんと、妊娠からを椎也に聞いとったからかもね。」

美しい母は、笑って珈琲を飲んでいた。
父と母がつきあい出す以前の話だ、長澤静との一夜は。

「大丈夫だからって、騙されたって。しーや、遊ぶ時はいつもちゃんと避 妊しとったのに、その時だけ魔が差したって。柔らかいのに、一見優しいのに、まるで何もかもを奪う悪魔みたいだって。」

性に対してあけすけなのは二花だけじゃない、片割れの実花も同じだ。
瑠璃は少し頬を赤らめる。

「良かったわ、せめて、他にきょうだいがひとりだけって。」

「あたしは他にも、もしかしたら椎也の子がいるかもって考えると楽しいけどね。」  

母は達観してしまっている。
もはや、夫の浮氣にはたじろかないのだろう。

「あたしはもう、いいわ、きょうだいは。」

そう言ってしまってから、慌てて人形みたいな母を見た。
いつまで経っても、ふんわりとした印象の可愛らしい母。

「ううん。ママがまた産むなら、きょうだい増えてもいいんだけど。」

娘のその言葉に、実花は面白そうに微笑んだ。

「しーやはきっと、もうひとり欲しいんだ。」

母はやはり、判っていたのだ。

「ママはどうするの?」

知愛の時に、貧血で大変だった。
しかも二花が落ちきった時と産後が重なり、共鳴している実花は精神的にも乱れた。

「パパにねだられたら、ママはきっとまた、子どもが欲しくなる。そうなっとるんだ。瑠璃の時から、ずっとそうだもん。最初はイヤだイヤだって受け入れられんかったの。……自分の子どもなんて、怖かった。それに、仕事を長期で休むって、あたしには有り得んかった。けど、いつの間にか、子ども欲しくなっとるの。」

実花は悟っていたのだ。
そして、全て受け入れているのだ。

「あとね、」

楽しそうに珈琲を飲んでいる。

「もう、いいのかなって、最近感じとる。頑張らなくても、いいかって。」

「何を?」

瑠璃は珈琲を口にしながら、首を横に傾けた。

「女優。楽しいし、これが天職だって、命張ってやっとったけど。」

「―女優、やめるの?」

娘の驚愕な表情に、実花は美しく微笑む。

「やめるって決めんでもいい。ちょこちょことはやるわ、きっと。連続物もあるしね。けど、もう、濡 れ場とかは、やらない。」

これはもう、決心してしまった顔だ。
その、母の華麗な美しさに見惚れた。

「ひたすら頑張らんと、芸能界で生き残れん氣がして、裸を晒 して濡 れ場も受けとったけどね。それはそれで経験になったし、でも。」

実花の眼は先日家で撮って飾った、チカも含めての家族での写真を見ていた。
チカのカメラで撮った、その光景。
みんな、笑顔だ。
珍しく幹也も笑顔だ。

「ずっと、しーやは嫌がっとった。それなのに続けとった。」

どれほど年月が経とうとも、この夫婦は互いにとても愛し求めあっている。
瑠璃は涙を落としていた、感動で。

「苦しい想いをさせてきたわ。今更だけど、もう、苦しませたくない。」

その、互いが互いを敬い、譲歩しつつも仕事を成し遂げていく過程は、勿論、笑顔だけでは済まなかったろう。

不貞もあった、どちらも。
それはきっと、何処かで何かを我慢してきた代償だったのかもしれない。

「あたしは、しーや以上に大切なものなんかないのに、見失っとったね。眼が眩んでたっていうかや。」

「でも、ママはあたしの誇りだわ。女優のママは、あたしの一生の憧れなの。」

娘のその声に、実花は嬉しそうに笑う。

「ありがとう、瑠璃。」

瑠璃の顔を優しくティッシュで拭いてきた。

「あ、いちばんはパパなんだけど、もちろん、瑠璃も幹也も知愛も、ママの宝物だよ。」

この人の堂々と、いちばんは夫と、子どもの前で言える強さが大好きだ。

「それに、忍くんもね。あたしにとっては秘宝な感じ。向こうが嫌がっても。」

そして、夫のもうひとりの子どもも大切にしている柔軟な強さ。

「忍くんを、ずっとしーやとふたりで見守っとったんだよ。逢えなかったけど、しーやはとても、大切に愛しとった。」

愛しそうに、実花は瑠璃の頬を手のひらで包んだ。
この母の温かい手のひらが、大好きだ。
余計に泣けてきた。

「けど、瑠璃に怖い想いをさせたのは許さんよ。あたしの大事な娘に何してくれたのって、」

実花は、そこで言葉を探っているようだ。

「けど、怒りながらきっと、忍くん、抱きしめちゃうかなあ。」

自分でそう言いながらも、可笑しそうに笑った。
そんなママが大好きだ。

「瑠璃ともっと、遊びたかったなあ。こんなに早く、瑠璃が仕事で忙しくなるなんて思わんかったから。」

実花も、笑いながら涙を溢した。

「あたしも。ママとふたりで買い物とか、もっとしたかった。」 

いちばんの年頃を、仕事とチカとで費やした。
それはそれで、後悔はしない。

「これからだわ、瑠璃。また、ふたりでランチとか買い物しよう。」

「うん!しようよ。」

まだ、これからだ。
人生は、これからだ。
自分も、母も。

そんな、母との会話を思い返しながら、瑠璃はチカの家でホットケーキを焼いていた。

なんてタイミングだろう。
父から妻自身すら知らない不貞を告げられ、そうしたら母は女優業を縮小すると言ったのだ。
夫婦の互いの愛を見せつけられた。

しかも、きっと来年か再来年には、森下家に第四子が生まれるのだろう。

そしてチカは、瑠璃に浮氣をしろと催促してきた。
そこには、瑠璃も想像し得なかったチカの深い愛があったのだ。

ぼーっと考えを巡らしていたら、少し焼きすぎた。
慌てて火を止め、フライパンから取り上げて皿に乗せる。
そしてまた、次のホットケーキを焼き始めた。

鼻歌を唄いながらノートパソコンに向かっていたチカは、その香りに立ち上がろうとした。
その時に、インターホンが鳴った。

「あ、届いたな。」

チカはそのまま玄関に向かい、荷物を受け取る。

「瑠璃さま作のホットケーキを賞味させて頂きたい処だが、まずは開けようか。」

とうとう日常でも、さま、になったなと瑠璃は苦笑しながら、その光景をぼんやり眺めていた。
中身は美麗に淡いブルーの包装紙で包まれ、リボンで結ばれていた。

「あー、こりゃ、瑠璃さまが開けた方がいいね。」

「あたしに?今頃、何のプレゼントかしら?」

ホットケーキはチカに任せて、瑠璃はその包装を開けた。
出てきたのは、黒の、おそらくワンピースだ。

「まあ!」

何故、わざわざこれを?
不思議がりながらも、瑠璃はそれを取り出すと、氣づいた。

「あら、前よりも背中がかなり空いてるし、胸元も強調されるわね。」

Ameliaの父親の葬儀の時のワンピースよりも、セクシー路線だ。
素材はおそらく同じで、またこれもブラジャーを着けずに済むように胸が収納される仕組みだ。

「どうして?わざわざまた作って、送ってくれたの?」

「さあな。多分、前の出来が良かったから、チャスは改良したんだろ。シーズンだから、早く着せたかったんだろうな。」

「忙しいのに……。」

それでも瑠璃は、そのチャスの気遣いが嬉しかった。

「あ、あとでそれ着て、買い物行こう。」

チカは瑠璃がそのワンピースを纏っているのを想像したのか、興奮していた。

「取り敢えず、喰おうよ。美味そうだ。」

「ええ。」

チカが少し甘いものが食べたいと言うから、すぐに作れるホットケーキにしたのだ。
チカはバターの上に、たっぷりとメープルシロップをかけた。

「うん!美味い!瑠璃さまの甘さが、たっぷり詰まってる!」

チカはナイフとフォークを使い、にこやかに食していっている。

「あたしの何も入れてないわよ。」

「そ、そういうのもいいな。あ、汗とか、ちょびっと入ったかも。瑠璃の体液入り……想像しただけで、ばっき ばきや。瑠璃、大量に入れて作って。」

「いやよ。」

「仕方無いな。あとで直接摂取しよう。」

「いつもの事じゃないの。」

いつもの事、瑠璃は、はたっと氣づく。
それが日常になる前には、衛生的にとても瑠璃には超えられない一線だった。

チカもそうだ。
眼の前で嬉しそうに笑っているこの人も、瑠璃の欲求を受け入れるまでに凄まじい葛藤があったのだ。

夫婦それぞれの欲求を互いに譲歩しつつ受け入れていく。
そして、悦びを共有するまでになる。
今年は意図せずとも、そんな作業をふたりで始めた。

恋から始まり、ふたりが価値観や好みをすり合わせていく。
喧嘩もあるが、だからこそ、想いが深まる。

「熱いな、瑠璃は。」

食べ終わったチカは、瑠璃の肩を抱き寄せる。

「瑠璃の体温は、すっかり上がったね。」

「夏だからもある、とは思うの。だけど、体調いいわね、前よりも。」

撮影後の疲れが出なくなった、と感じる。
チカは座っている瑠璃のドレスを脱がしていく。

「いけん。着替えさせる為だったのに、瑠璃さまのこの吸いつくような美麗な柔肌を見たら、僕の唇はこの生地の味を求めてしまう。きっとホットケーキよりも甘くて虜になるんだよ。この突 起も、僕に触ってと訴えてきてるね。プリンのカラメルのように、僕を誘っている。」

指で乳 首を優しく撫で廻してきた。
瑠璃の吐息に、チカはそれを口に含む。

「ああ……美味しい。瑠璃たんの甘くてしょっぱい味だ。熱い、この身体。」

結局、そのままそこで瑠璃の全身を味見し、チカは中に入ってきた。

「熱い……火傷する。」

テーブルに手をついていた瑠璃の左脚を上げ、足裏をテーブルに載せる。

「あっ、ダメ……テーブルに足なんて、」

「お行儀悪いね。だけど、これがいい。」

「ダメ……」

「ダメなんて言って、腰振ってるじゃないか。」

深くまで入り、奥に当たるのだ。
瑠璃が甘い吐息とともにダメなんて口にする時は、もっとして、なのだから。

「ああっ!」

奥に当たるから、乱れる。

「いいよ、我慢しないで、いっぱい声出しなさい。ここは素直だ。こんなに僕に蜜をかけてくれる。」

左指で弄られている。
それを時にチカは自分の口に入れる。
そして、尻を叩かれる。

「あっ……んっ、」

「あ、いい。……いい、溶ける。叩いた後に、ひく ひくして、きゅーっと僕を持ち上げてくんだ。瑠璃は、尻を 叩かれるのが大好きだな。」

そう指摘されるとまた、自分の中が動いていくのが判る。

「そう、瑠璃はいじめられると嬉しいんだよね。熱いよ。」

「もっと……、」

「もっと、何?」

瑠璃の口の中に指が入ってくる。

「もっほ、いひめてくらはい、」

自分がそれを懇願しても、ぎゅうっと動く。
チカは瑠璃の口内の指を動かしながら、ぱしんと、尻を強く叩いた。

「あふっ!」

「あー……来る、来る!」

チカの動きが止まる。
瑠璃に奥へと引っ張られた動きに達しそうになり、堪えているのが判る。

「はっ……瑠璃ん中、前よりもっと動くようになった。あちぃし。」

チカの汗が瑠璃に大量に落ちていく。
チカは瑠璃の口から指を離し、手で自分の額の汗を拭う。
まるで、雨のようだ。

「床に垂 らしてるよ、瑠璃。蜜が垂 れてるよ。勿体無いから、後で、俺舐 めるね。」

「もっと お、もっと……」

「もっと、いじめて欲しいのかな?」

チカはまた、瑠璃の口に指を入れてきた。
チカの汗の味が口の中に拡がる。

「ふぁ……い、いひめれくらはい、るひをいひめてくらはい。」

瑠璃の涎を垂 らした顔を見て、チカは喉を鳴らし、尻を ぱしんと叩いた。

「あっ!ふっ……あふっ、」

「ああ……あつっ。ほら、叩くと ひく ひくして、僕が奥まで持ってかれる。瑠璃はホントに、いじめられるのが好きだね。」

くいっくいっと、痙攣したかのように何回も中でチカを引っ張る。

「い……ふき、いひめはれるの、らいふき。」

口の中で指を動かされている。
この、どっちも刺激されるのが瑠璃の好みだ。

「あ、ふーんっ!」

強くぱしんと叩かれ、瑠璃は仰け反った。

「あ、スゴ……そんなに、ダメ、瑠璃、」

ぐに ぐにと チカが中で 動かされているのが判る。
瑠璃が意識しなくとも、勝手に動いている。

「は……ヤバかった。瑠璃、俺焼けちゃうよ、熱いよ。」

掠れた声を出し、キスをして舌で絡 めてくる。
瑠璃の左脚を摑み、さらに上げて、瑠璃をテーブルの上に横向きにさせる。

「ふぐうんっ!」

キスをしながら、瑠璃は小刻みに震える。

「この当たりがいい?いい?好きだね、瑠璃はこの向きが。」

チカの熱い吐息が瑠璃の顔にかかり、そしてまた唇を覆われた。
また、びくんと震えがきた。
今度は激しかった。
震えながら仰け反る。

「あ……ダメ、イ クよ、そんなにしたら、ダメ。」

ダメと言われても、勝手に動いているのだ。
止められない。
痙攣のように震え続ける。

「あ、俺もイ ッちゃう、ああっ!」

この時のチカの声が大好きだ。
可愛らしい声になる。
耳にしただけで、さらに震える。
そのまま強烈な眠氣が襲ってきた。
チカに身を委ねる。

うとうととしながら、氣がつくとソファに裸のまま寝ていた。
眼を徐々に開けていくと、チカは誰も見ていないのに本当に這いつくばって床を舐 めていた。

そんなに、好きなのだ。
チカは瑠璃の体液を心から欲して愛しているのだ。
その姿を見ていたら、涙が出てきた。

こんなにも愛されている。
もう、それで答えが出ているではないか。

「ああ、瑠璃、眼が醒めた?」

立ち上がって口を手の甲で拭ったチカは、瑠璃に氣がついた。

「瑠璃は満足してイ クと寝落ちするね。」

瑠璃の前に跪き、その涙を舌で拭う。

「どうしたの?また、後からしようね。」

頷く瑠璃の頭を、チカは愛おしそうに撫でている。
汗をだらだらと溢 している。
瑠璃はその胸に唇を当て、吸った。

「キスマーク、ありがとう。俺は瑠璃さまの所有物だよ。」

チカは嬉しそうに、その跡を指先で撫でている。
これが幸福のカタチだ、あたしたちの。
瑠璃は穏やかに笑む。
チカも安心して笑っていた。

チカに抱えられバスルームに行き、頭と身体を洗われた。
夏はすぐに汗をかく。
今年は自分も大量の汗をかくと感じていた。
洗うと、この量の多い長い髪を乾かすのが時間がかかるが、致し方ない。

身体をタオルで拭かれつつ、リビングに戻るとチカのスマートフォンが点滅している。
業務連絡もあるから、チカはいつもスマートフォンをよくチェックする。
持ち上げて画面を見て、固まっていた。

「どうしたの?」

瑠璃がそのスマートフォンを覗くと、篠下登氏からの着信があったと画面は知らせている。

「あら、間が悪いわね。」

少し時間が逸れて、交わっている時にかかってきても、出られなかったが。

「ほら、すぐかけ直しなさい。」

瑠璃がそう急かしても、チカは固まったままだった。

「もうっ!」

瑠璃はスマートフォンを奪い、すぐさまかけ直した。

「ちょっ!」

慌てるチカにスマートフォンを返す。

「逃げても、どのみち、ちゃんと向き合わないとダメよ。」

チカは小さな子どものように瑠璃を涙眼で見ている。
そんな時に限って、すぐに繋がってしまうのだ。

「登規か?」

聞き覚えのある声が聞こえてきた。
相手には見えないのにチカは頷いた。

「Yes. 」

掠れた声を出した。

「悪かったな。研究室に籠もっていたんだ。何か用か?お前から掛けてくるなんて珍しいな。」

「そうだと思ってました。用……といえば、用かもしれませんが。」

そこで口籠る。
瑠璃はチカの左腕を組んだ。

「僕の―彼女の瑠璃が、お父さんと食事がしたいそうです。」

瑠璃の所為にされた。
まあ、いいわ、ダシに使えば。
瑠璃は微笑んで、チカを嬉しそうに見上げる。
氣がつけば、この見上げ具合の角度が最初よりも開いている。
今のチカの身長はどのくらいだろうと、瑠璃はふと考えた。

「食事か。そうだな。改めて話していないな、瑠璃さんとは。」

あたし、より、息子と会話してね。
瑠璃は黙って微笑む。

「だが悪い、登規。暫くは無理そうだ。」

「いえ、お忙しいのは判っています。僕たちも今、日本に帰ってますが時間が取れませんし。」

そこで折れるな、挫けるな。
瑠璃は大きな胸でチカを押す。

「九月なら、時間が出来るんだが。」

「……九月は僕たちはロンドンにいます。」

ホッとしたのか、残念なのか、チカは声を落とす。

「いや、九月には俺もロンドンに行こうと思っていた。丁度、いいな。」

そのDadの言葉に、チカの眼が見開く。

「そう……ですか、そうなんですか。」

放心しながら、返事を返す。

「クロエの命日じゃないか。」

「そう……ですが。」

その言葉で、Dadが毎年九月にはロンドンを訪れているのだと判る。
そしてクロエの墓標の前で、ひとりじっと何かを考えるのだろう。
赤薔薇と白百合の花束を供えて。

ああ、そうだ。
去年の九月も、ロンドンコレクションの見学に行ったじゃないか。
あの天使のような銅像の前には、古くなった花束が置かれていたではないか。

「ロンドンに着いたら、また連絡する。レストランは何処でも好きな場所を予約してくれ。」

「判りました。」

この時、チカはとても嬉しそうな表情を見せた。
父が母の命日には墓に訪れていた事と、食事の約束が取れた事が、とても嬉しいのだ。

「ああ、フレンチ以外で頼むよ。」

「長いコースじゃなくて、カジュアルならいいでしょう?Dad。」

ここで、ようやく砕けた。
Dadはフレンチの正式なコースで長く時間を取られるのが苦手なのだと、チカも知っているのだ。

「判断はお前に任せる。ああ、何処でもいいが、茄子は出すなよ。」

「茄子が美味しい店にしようかと思ってました。」

チカは軽く笑う。

「俺は食べんがな。」

Dadはきっと、茄子が嫌いなのだ。

「家に行けば、エレナはよく、茄子を出させたな。あの人は本当に嫌がらせが、あからさまだ。」

「Nanaは人をからかう事が生き甲斐なんです。」

楽しそうに笑った。

「登規。」

「はい?」

一瞬の沈黙が生まれた。

「いや、Ameliaの父親が亡くなったそうだな。」

「何処で、その情報を?珍しいですね、世間に疎いDadが。」

「たまたまワールドニュースを観ていて知ったんだ。」

「僕たちも葬式に出ました。Ameliaは氣丈でしたよ。」

「画面に映されたAmeliaの顔を見たら、懐かしくなった。老けたな。」

「当たり前です、あれから十九年ですよ。だけど、Ameliaは相変わらず綺麗です。ロンドンに行くなら、Ameliaとも逢ってください、Dad。」

「そうだな。」

クロエが亡くなって、十九年なのだ。
九歳だったチカは、今年二十八歳になった。

「Ameliaの顔を見たら、葬式の時のお前の顔を想い出した。」

「……ですか。」

父もまた、ふと、息子の事を考えるのだ。

「涙を流しながら、棺に土が掛かっていくのを見ていたな。」

「……」

最後のお別れの時、チカはどんな氣持ちでいたのだろう。
瑠璃はチカの腕を、ぎゅっと強く抱く。

「僕はあの後……Dadが日本に行く事を勧めてくれたのを、よく想い出します。」

「一緒に暮らせずに、姉さんに任せた事は非情だと、我ながら思うがな。」

「それは致し方ありません。……いえ、むしろ、それで良かったんです。」

心が解けていく。
チカの表情が緩んでいくのが、判る。

「Dadの家に入っても、Dadと顔を合わす事は稀でしょうし、そんな事、ご家族の誰もが望みません。」

「だろうがな。」

「僕は結局、ひとりっことして温々と甘やかされるのが、心地好かったんですから。」

「姉さんも義兄さんも、お前を大事にしてくれているからな。」

「はい。僕は家族が多くて、しあわせ者です。」

チカは穏やかに微笑んでいた。
おそらく、チカとDadがここまで踏み込んで会話したのは、かなりの年月振りなのだろう。
春のロンドンのエレナの家で、チカは日本に連れて行ってくれて嬉しかったと、ようやく本音を父親に吐露出来たのだ。

「Dad、良かったんですよ。僕にとって、吉田の家に入る事は、いちばんの最適でした。本当に、父さんと母さんという両親が出来て、良かった。いい意味で甘やかされました。」

愛を実感して育ち、また日本でも、新たな家族の愛を知った。
チカは親が多い。
生みの親、育ての親、そして瑠璃の親。
その誰からも愛されている。

「登規、お前は時々、日本語を間違える。『最適』に『いちばん』は必要無い。」

いや、ツッコむ処は、そこかい!と、瑠璃は呆れた。

「そう言うならDadも、時々Englishを間違えてます。」

「通じているから、いいだろう。」

この親にして、この子あり、だ。

「僕も日本語は全然、通じてます。」

「『全然』は否定に使う副詞だ。」

「これは、若者言葉です。母さんが最初に綺麗な日本語を教えたから、崩すのに苦労したんですよ。僕がどれだけ、学校で浮いたか。」

「それで、溶け込む為にわざとスカートめくりをしていたのか?」

「いえ、スカートめくりは純粋に趣味の、好きな女の子に対する日本の古典的な男子の手法です。」

スカートめくりもしていたのか。
瑠璃は苦笑した。

「困った奴だな。」

Dadは笑っていた。
笑い声を初めて聞いた。

「理屈を捏ねるお前はきっと、医師か研究者か法学を目指すと予想していたが、まさか芸能マネージャーとはな。」

理屈を捏ねているのは、Dadも同じだと思うと瑠璃は感じていた。
きっと瑠璃の喋りも内心、用法が間違えていると指摘されるのだろうな、と可笑しくなった。

「理屈を捏ねてみたんです。Dadが挙げた職業は、どれもきっと、矛盾に躓くんです。情と正義と現状の有り様との相違に、疲弊したでしょうね。」

「そうだな。まさしく、そうだ。」

こういう時に、チカの天才性を実感する。
普段は多いにおちゃらけているが。

「人に仕える、というのは面白いですよ。多様性がある。僕はそうでなければ、執事に成りたかった。」

「お前の言う執事とは、単に女に仕えたいだけだろう。」

「その通りです。」

だから、執事キャラが出てくるのだな、と瑠璃は納得した。
医者キャラも教師キャラも、現実にそうならなかったからこそ、遊んで楽しんでいるのだ。

「女好きめ。」

「Dadの子ですから。」

「佳明は、そんなに女好きでも無い。」

「見せないだけですよ、兄さんは。ムッツリなんです。」

掛け合いも、聞いていて楽しいし、何氣なく親子でそんな会話が出来る事も、ふたりとも嬉しいのだ。

「そうだな。」

「判ってらっしゃる。」 

チカも笑った。

「尤も僕は、そんなに兄さんという人を知りませんが。」

「登規は、相手のその人なりを些細な言動から認識し、読めていたろう、幼い頃から。」

「そうですね。細部に渡り、言動をパターン化して認知すれば、組み合わせにより特定は容易です。」

つまりは瑠璃がドMだという事を、チカは容易に氣づいていた訳だ。
瑠璃は顔を赤らめる。

「お前は、一介の凡夫では終わらんよ。これは親の欲目かもしれないがな。」

「欲目ですよ。でも、何処にいて何をしていようと、僕は―」

チカは窓の外の夏の夕焼けを眺めていた。
その夕陽に眩しそうに、薄い緑の眼が輝いていた。

「世界を動かします。」

これが、チカの本当の姿だ、本音だ。
瑠璃はそんな眩いチカを、胸を高鳴らせ、惚れ惚れと見つめている。

「存分に動かしてくれ。いや、もう動かしているのか。」

「なんとも言えません。僕はただ、瑠璃の執事ですから。」

「そうだな。」

この人は間違いなく、世界を今、動かしている。
瑠璃を表にして。
瑠璃は感動に打ち震えていた。

「登規、九月を楽しみにしているよ。」

「僕もです。茄子が自慢の店を探しておきます。」

「それならせめて、和食にしろ。」

「茄子の美味しい季節ですね。」

「俺は食べんがな。」

「承知致しました。」

そうして、通話を終えた。

「冷えてない?」

エアコンの効いた室内の、髪の濡れた裸のままの瑠璃を心配して、チカは笑顔で瑠璃の身体をさすった。

「暑いわ。」

「本当だ。瑠璃、僕に似てきたのかな。」

「そうよ、きっと。」

チカの身体も、こんなに熱い。
この汗かきの熱い身体が、大好きだ。

「登規さん。」

瑠璃はチカの両頬を手のひらで押さえた。

「あれだけ、Dadと話し合えたわね。」

「ああ。」

チカは穏やかに微笑んでいる。

「おめでとう、darling。」

「瑠璃のおかげだよ。」

瑠璃の額に唇を置いた。

「瑠璃が急かしてくれなきゃ、僕は逃げたままだった。」

夕焼けに室内が染まる。
茜の中に、ふたりは裸で抱き合っている。

「ただ、息子が父親を好くという当たり前の事を、アイツは不義理だと理屈を捏ねて、見ないようにしていたんだ。」

「似てるからね、チカとDadは。」

だから、チカが大人になってきた時に、氣不味くなったのだ。
Dadはチカに、自分の不貞を責められていると肌で判ったから、息子と距離を置いた。

「ねえ、チカ。」

抱き合ったまま、その差してきていた茜が無くなるまで、そうしていた。

「DadはMなの?」

突然の瑠璃の問いに、チカは眼を瞬かせた。

「MumはSでしょ?なら。」

予てからの疑問のその映像を想像すると、少し怖いものがあった。

「ああ……Dadはノーマルだよ。僕が小さい頃、よく行っていた香港のホテルの隣りのベッドで、夜中に普通にmake loveをしていた。だから、朝に僕を他の部屋に移してくれと頼んだんだ。」

「MumはDadには、その氣にならなかったの?」

「そういう対象じゃ、無かったんだろうね。Mumは積極的にはしていたな、Dadに。でも、ノーマルだった。」

「不思議なものね。」

それぞれの愛のカタチがあるのだ、夫婦には。

「瑠璃は好きだなー。そういう話が。」

チカは面白そうに笑っている。

「だって、あたしたちはSとMだもの。」

だから、惹き合ったふたりだ。

「そうだね。僕は瑠璃をいじめる事が生き甲斐だよ。」

「あたしはdarlingにいじめられる事が生き甲斐なの。」

強烈に惹き合ったこの人を離せないし、離したくない。
あなたの命令は、何でも聞きます。
だって、必ずあたしを絶 頂に導いてくれるから。

髪を乾かされ、ワンピースを着させられる。
新しいワンピースは胸を押さえる素材が、さらに快適だった。
前よりも薄さを感じる。

「いいわ、これ。好きよ。」

ブラを着けないで済むから、背中が大きく開いていても安心だ。
肩も出ているし、谷間も強調されている。
丈も、よりミニだった。

「うん、セクシーだね。瑠璃のラインが。とても綺麗に表されるよ。」

チカもご満悦だった。

「裸みてえ。」

抱きしめた時の感覚が、生地の薄さもあり、裸に近く感じられるらしい。
髪を整え化粧をして、車に乗る。
近いスーパーに行くだけだが、人前に出る時は、いつでも身なりを整える。
それが専属モデルとしての役割でもある。

スーパーに着いて、買い物カートを引いているチカの腕をしっかり組むと、ノーブラの胸がチカに当たる感覚に、思わずびくっと震えた。
人前だから、異様に興奮してしまう。

そんな瑠璃に氣づいているチカは、並んでいる大根を指差した。

「瑠璃の好きなのだな。」

瑠璃は不思議そうに、背後のチカを仰ぎ見た。
チカは瑠璃の腰を抱き、大根を一本、手に取った。

「そうねえ。おろして豚冷しゃぶにかけて食べましょうか。きっと、さっぱりして美味しいわ。」

そんな的外れな返事に、チカはニヤニヤとしている。

「お前の好きな、だん こんな。」

耳元でささやかれた。
それで瑠璃は、はっと氣づく。
からかわれているのだ。
赤くなった。

「これは……大根よ。」

「そう、お前の好きなのな。」

「もうっ!違うって……。」

その大根をチカは買い物かごに入れた。

「何?お前の好きなの、言ってみてよ。」

こんな人前で、意地悪をされる。

「大根、好きよ。美味しいもの。おろして食べるのも、煮るも焼くも漬けるも、万能な野菜ね。」

だから、はぐらかした。

「ふうん。よっぽど好きなんだな、だん こん。」

「だから、これは大根よ。」

「立派だな、これ。長くて太いな。」

チカは買い物かごの中の大根をさすっている。

「そうね……食べ応えがあるわ。」

「瑠璃、お口で食べるの好きだもんね、だん こん。」

もはや、反論する氣も失せた。

「す……好きよ、立派な大根は。」

こうして日常も、チカに遊ばれる。
赤い顔のままで、スーパーで品定めをしてまわった。
瑠璃が豆乳のパックを手に取ると、チカはその瑠璃の手ごと摑んだ。

「白い液体、好きなんだね。」

耳元で、そう熱い吐息とともにささやかれる。

「好き……。」

瑠璃のその息も、熱い。

「濃くてとろみのある白い液体が、瑠璃のお好みだよね?」

値段の高めの、その濃厚な豆乳が好きなのだ。

「ええ。濃くてとろみのある、し、白い液体、好きなの。」

「そうか、瑠璃はそんなに、濃いのが好きなんだね。」

「好き……濃いの。」

スーパーですら、make loveは始まっている。

「ぐち ゅ ぐち ゅするの、いいんだね。」

わらび餅が眼に入った瑠璃に、チカはとどめをさす。

「俺の舌と歯で、瑠璃の好きなこれを、ぐち ゅ ぐち ゅして欲しいんだな?」

「ぐ……ぐち ゅ ぐち ゅ、して。」

もう、チカに摑まっていないと歩けなかった。
会計して、すぐに家に帰った。
買い物客にジロジロとよく見られているのは別段いつもの事なので、慣れていた。

家の前の駐車場で、チカはそこに手を置き、確かめる。

「こんなに熱く、ぐっ しょり下着に沁みてるぞ。」

指摘されると、どうにも抑えが効かなくなる。

「ぐち ゅ ぐち ゅ、して。」

「何処で?」

チカは瑠璃の股に辺りを顔を置き、すんすんと嗅いでいる。

「登規さんの舌と……歯で。」

「噛んでいいの?」

意地悪な顔つきと質問だ。

「噛んで……ください。」

「判った。」

瑠璃をお姫さま抱っこして降ろし、部屋の中に運んだ。
そして、荷物を車から持ってくる。

「だけど、夕食が先な。俺も手伝う。」

「いや……先に食べて……あたしを、」

瑠璃は自分の指を口の中に入れた。

「俺も食べて欲しいよ。瑠璃の大好きな、俺のだん こんも。」

「食べます……だん こん、大好き。」

美味しく食べるから。

「いや、俺は腹が減った。まずは腹ごしらえだ。」

そうして焦らされるのだ。
息の荒い瑠璃の指示通り、チカは豚肉を茹でたり、胡瓜を切った。
瑠璃は茄子の味噌汁を作っていた。

「胡瓜、太いわよ。」

薄切りを頼んだのに、かなりカットが分厚い。

「いいんだよ、食べたら同じだ。」

大根をおろしながら、チカは偉そうにしている。

「違うわ、食感が。」

「マアネ。でも、俺の料理に繊細さを要求するな。それに、」

チカは赤く長い舌を出して、舌なめずりをした。

「瑠璃は太いのが、好きだろ?」

その仕草と表情と言い方に、瑠璃はぶるっと震える。

「ぶ、豚しゃぶの時の胡瓜は、薄い方が好きよ。」

「何?切らないで丸ごとがいいって?」

「言ってない、そんな事……」

どうしようもなくて、シンクに手をつく。

「瑠璃のお口は、胡瓜を丸ごと食べたいって?」

こんなに意地悪をされている。
この煽りが、大好きだ。

「スゴいだろうなあ。瑠璃に胡瓜が生えてたら。想像するだけで、エロいなあ。」

「た、食べてくれるの?その、胡瓜……」

「美味いだろうね。瑠璃の味付けの胡瓜丸ごと一本なんて。」

もう、我慢出来ずに、尻を突 き出した。
チカはニヤニヤしながら、胡瓜を一本、丁寧に洗っていた。

…………………………………………………………………………


「そう、胡麻を掛けるの。」

白胡麻を擦らせ、冷しゃぶの上の大根おろしの上に掛けさせた。

「うっまそー!」

チカはその一品を見て、喜んでいる。
瑠璃はソファで気怠そうに長い髪をかき上げ、ワンピースを上から着た。
背中が開いていて襟ぐりが広いので、ファスナーが無くとも、上からすっぽりと着る事が出来る。
後ろ手の苦手な瑠璃に、これは重宝だった。
チャスの意図は、そこにもあったのかもしれない。
他の男にファスナーを上げ下げさせないように。

また、ウトウトとしていたのだ。 
強烈に眠氣が押し寄せてくる前に、チカに白胡麻を擦る事を寝言かのように頼んでいたそうだ。

チカのその姿を見て、瑠璃は何回も吹き出していた。

「そそるかしら?この姿は。」

チカはわざとらしく、しなっと身体をくねらせる。
裸にエプロンをしていた。
なので、後ろ姿がとてつもなく間抜けだ。

「今年最大の大笑いをしたわ。」

「これからだよ。今年はまだ、五ヶ月あるじゃないか。もっと笑わせてあげるよ。」

白飯と味噌汁を盛り、チカはその姿のまま、椅子に座った。

「喰うぞ!いただきますっ!」

チカはすぐに、がっついていた。

「美味いっ!美味いっ!冷しゃぶ、美味いっ!」

「チカはホント、飽きないわ。」

瑠璃はまだ軽く笑いながら、その姿を眺めている。

「瑠璃たんこそ、飽きないよ。お前をからかうのは、マジ楽しいな。」

「でしょうね。」

今後もからかわれ続けるんだろうなと予想される。

「いやー、茄子の味噌汁って美味いんだね。」

チカは感動して味噌汁の具を食べている。

「でしょ?あんまり茄子茄子言うから、茄子が食べたくなったの。」

「うん、美味いっ!」

「こんなに美味しいのに、Dadは嫌いなのね。」

瑠璃は箸で茄子を摘んで、じっと見ている。

「多分、ぐにゃ っていう食感が苦手なんだと思う。」

チカは汁を飲んで、ニヤニヤして瑠璃を見る。

「俺はぐにゃ ぐにゃしたのも、ぐち ょ ぐち ょしたのも、好きだよ。」

「知ってるわ。」

また、そうやって煽るのだ。

「茄子は胡瓜より、太いよな。」

嬉しそうに瑠璃の反応を見ている。

「そりゃ……太いわ。」

「茄子、太いよな?」

「……チカの方が、太いわ。」

誘導されて迂闊にそう言ったが、こういう返事は肯定を表していると、瑠璃は放った後で氣づいた。
恥ずかしがって、赤くなる。

「じゃあ、大丈夫か。」

ニッとして、長い舌を出す。

「大丈夫、じゃない……」

「茄子は流石に、新鮮じゃなきゃ、そのまま丸ごとは食べれないね。」

「ムリよ。」

瑠璃は、はあっと甘い息をついた。

「じゃあ、瑠璃の味付けをしてから、そのまま丸ごと焼くかな。」

瑠璃は聞こえない振りをして、冷しゃぶに添えてある、カットの太い胡瓜を口にした。

「茄子、残ってたよな?」

「あるわよ、でも、」

「茄子って、下は太いけど、上の方は細いんだよね。」

「だから?」

「アクセントで、いいかもね。」

「何の?」

チカは舌を出して曲げ、くいっくいっと動かしている。
その動きが卑 猥だ。

「瑠璃、見てご覧。」

チカが指したそこは、エプロンが盛り上がっていた。
瑠璃はそれを見て、ごくっと飲み込む。

「茄子が食べたい?それとも、こっちが食べたい?」

「そっち……」

そんなのは、決まっている。

「判った。じゃあまず、茄子を食べてからだ、こっちは。」

「どうして?」

どちらにしても、茄子を食べさせようとしている。

「俺が茄子を食べたいからだよ、瑠璃の味付けのね。」

そう、薄い緑の眼で見つめられていると、すっかりその氣になっている。

「瑠璃、今夜は泊まってくか?」

「はい……」

だから、夜中まで、瑠璃を好きにして。
登規さんの、好きなようにして。

「あとで、診察してあげる。どうして、こんな処に茄子が生えてるのって。」

「診察……お願いします。」

「珍しい事例だから、研究対象になりそうだね。」

「研究……してください。」

きっと、色んな角度から観察されるのだ。

「うん。楽しそうな研究だ。」

案件が無事に通って、実に嬉しそうなチカだ。

「さあ瑠璃、しっかり食べなさい。よく噛むんだよ。」

「ええ。」

食べて体力を備えておかねばならない。
そんな風に構えていたら、おかげで以前よりも食べられるようになった。
それなのに、身体はより引き締まった。
筋肉もついたように感じる。

きっと、氣持ちのいい筋トレをさせられているからだ、チカに。
瑠璃は柔らかいと喜び、様々な格好をさせられる。

「イ ク……」

脚を高く持ち上げられたまま、瑠璃は静かに震えた。
腰も上がっているので腹筋に力が入り、子宮が圧迫されているのか、余計に収縮を感じる。

「あ……ダメ、俺も―イ ク。」

熱い、暑い、熱い。
どちらの汗かも判らない。
瑠璃の胸の谷間には、汗が集まっている。

収まってから、ふたりの荒い呼吸が部屋に響いていく。

「寝るな―いや、寝てもいいから、や らせて。」

うとうとしてきた瑠璃に、チカはほんの軽く、頬をぴしっと叩く。

「ん……どーぞ……」

「次は後ろから、するからな。」

「チカ……今日、何回……」

「まだ三回しか出してねーよ。」

「―そう?」

記憶が混濁する。
もう、何十回とされている氣分だ。
一回の時間が長いからかもしれない。
身体が満足していて、とろけ出してしまいそう。
どうであれ、チカは今夜もまだ収まらないのだ。

そのまま、意識が無くなっていた。
チカは、瑠璃が寝ているメゾネットの二階のマットの上で、何かを食べていた。
香ばしい匂いが漂っている。
瑠璃はチカの背中に手を伸ばす。

「おっ、犯 す前に起きたか。」

チカは丸ごとの茄子を箸で摑んで食べていた。
瑠璃の味付け茄子をオーブンで焼いている間に、ふたりで絡 まっていたのだ。

「マジ、美味え。癖になる。瑠璃さまの味が半端なく効いてる。」

その行為自体も変態なのに、しかもそれを焼いて食べる、が癖になったら、それこそ、ど変態だ。

「チカ……丸ごとじゃなくて、焼いたの裂けばいいのに。」

「は?そんな面倒な事、するかよ。喰えば一緒だ。」

だから、チカの料理はワイルドなのだ。
その舌は味にうるさく、繊細なのに。

「瑠璃も喰う?」

「あたしは、いい。」

「美味いよ。」

「あたしは―」

起き上がって、チカの脚の間に入り込む。

「こっちを食べるの。」

「んっ。」

すぐにチカは氣持ちよさそうな声を出してくれるから、これが好きだ。

「いーよ、食べてて……俺は瑠璃さま味の茄子を喰ってる―」

あなたがあたしの味を、そこまで偏狭的に好んでくれるように、あたしもまた、あなたのこの味が大好きなの。

「ねえ……あたしの頭から、かけてね。」

手のひらと指で摑みながら、チカを見上げて、ねだる。

「は……次は後ろからって、言ったのに。」

「この後に、して。」

まだ、チカなら可能だ。

「盛 ってんな……」

「あたし、初 夜まで、どんどん、これ以上に盛 るのね、」

この先、どうなってしまうのだろう。

「マジで俺、持たないかもな。」

「大丈夫よ。」

だからチカは、瑠璃の火遊びの相手を選んだのかもしれない。

「うっ……やめて……そんなに、」

「氣持ちいいんでしょ?この穴、氣持ちいいんでしょ?」

「いっ……けど、おかしくなりそう……」

食べ終わったチカは、涙を浮かべて震えている。

「登規くん、もっとココ、奥まで 攻めてみる……?」

「ヤダ、そんなの。」

涙を手の甲で拭っている。

「イヤ?だって、登規くん、こんなに好きじゃない、ココ。」

「グワッ!」

舌を さし込んだら雄叫びのように叫んだ。

「ほら、身体は嘘をつかないわ。」  

「や……やだぁ、」

チカはすっかり泣いている。

「BL、見せてくれたじゃない。ココ、攻めるの。ホントは、アレ、したいんじゃないの?」

「違っ。俺は―」

当分はココを指で舌で可愛がってあげるが、チカが望むなら、もっと奥までしてあげる。

「ああっ!出……ちゃう、」

「かけて ぇっ。」

ふたりで、こういう遊びをしていくのだ。
もっともっと、ふたりの好みを曝け出していく、互いに。



トーチカ〜瑠璃シーン⑥中編8へ続く

……………………………………………………………………………

こいつら、アホだ(苦笑)

バカな子ほど可愛いといいます。

二花とチカの、決定的な違いはわかるかな?


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テーマ:
こんにちは。
みずのこえ まき です。


昨日ですね、
施術のあと

とてもえらくなったのですよ。
(身体がしんどい、の意。)


施術のあとに疲れることがあっても
これまででいちばん、じゃないかなあ。

寝ても、痛みが消えない感じ。
首肩の。

とうしてこんなに辛いんだろう?
謎でした。



確かに一昨日は、朝方急にお腹痛くなって
どうせ今日は予定ないから、と

一日寝て過ごす。

部活から帰ってきた息子に
干せてなかった洗濯物干しを頼む。


夕飯にレトルトカレーでも食べろというと

カレーは金曜日だ!

(※海上自衛隊では、そういう慣習ですね。)

と返されたので
勝手にしなさい、と放置しました。



でしたから、
きっと体調が不完全なんだろうなあ、
とは思ってました。



けどね、
昨夜、真夜中に目覚めて気づきました。


さむっ!


窓閉めてるのに、寒いんです。


ここまでてはないけど
一昨日の夜も涼しかったなあ。


で、ハッ!


夜寝てるときに
首肩を冷やしちゃったんだ!



なので、首肩がとても重いんだ、
と気づきました。


涼しいといっても
冬みたいな寒さはないハズ。


それでも暑い気候に慣れた身体には

このいきなりの涼しさには
ついていけてなかったみたい。



身体の重さや
首肩のつらさって

こういうことだったりする。


何かに憑かれた?

と思う前にまず


冷え対策をしよう!


そしてこれから
夜もエアコンをつけて寝る機会も多くなるハズ。


首や足首、手首冷やさないようにお氣をつけください。

いや、マジで。
本当に氣をつけて。



押すなよ、押すなよ、
の前フリじゃないからね。



で、首肩つらいから
①昨日寝る前に
セルフマッサージしたのよ。

そしたら少しラクになった。

②最近、枕をしてなかったけれど
昨夜は枕の上に頭を置きました。

わたしが今、寝ているのは、ハードなマットレスですけどね。

それでも、どうしても重い部位は沈みますから。

頭を沈ませないようにする、
それだけでも、首の辛さが違います。





レトルトカレーは昨日食べました。

彼の中で毎週金曜日はカレーらしい。
勝手におし。
そんなん、知らんがな。


(※海上自衛隊の船を見学したら、急にそんな氣になったらしい。
いっそ海上自衛隊に入るくらいの氣概があれば…)




みずのこえ近況

その①



本棚が欲しかった&ワイン箱が欲しかった

ワイン箱は高いらしい、ので探したら、
林檎の入ってた箱がありまして、
中古で二箱を買いました。

それなりに汚れてます。
文字も書いてある。

紙ヤスリで適当に削り
家にあったニスで適当に塗り
(ハケがないから、ダイソーの使い捨て化粧スポンジで)


イメージ通りで、良いです。

しかし、当たり前だがA4は縦に入りません。
むむっ。

一箱を縦に置くか
二箱を縦において
何らかで棚を作るか

ちょっと悩んでます。

二箱上下横に置いてるのが
イメージ通りなんだけどね。


その②

息子がいきなり水槽を綺麗にしていて
翌日、



我が家に仲間が増えました。
数はわかりません。

メダカ、エビ、ドジョウ


魚を見てると癒やされるなあ、とか言ってます。


この二年くらい
魚、ウチにいなかったのに
どうして、急に?


もっと前から癒やされれば良かったのに。



オチ無し。



漫画話もしたいのですが。

そうね、わたしの趣味といえば漫画を読むこと。


映画が公開される

『秘密 THE TOP SECRET』
清水玲子さん著

いま、一日一話で読んでますが
一日一話が終わったら絶対に大人買いする。
話に引き込まれます。


あの、清水玲子さん、あの。

エレナとジャックのシリーズに代表されるように
見た目少年と大人の男のコンビが毎作?出てくる。

決して性を介さないが、故に官能的である。


でも、『月の子』では
成長したジミーは後にアートと結婚しますが。



『秘密』の薪も見た目は可愛い少年
第九室長の警視正
35歳 163cm


映画では生田斗真くんが演じる、のだが、


うん、うん、確かに生田斗真くんも綺麗だ。

しかし、わたしの中では薪のイメージではない。

もっと、小さくていい。

もうちょっと、少年顔でいい。


…まず、あの人が浮かぶな。
適役として。



この『秘密』
読んでる方も苦悩するくらい

脳はやはり、『secret』なのだ、人間の。

見てはいけない。



『秘密』の詳しい話は映画を観てからにします。



昨日は『エア彼』という漫画を読んで、泣けました。

妄想族にとっては、とても泣けるお話です。
きゅんきゅん。


漫画、大好き。

でも、久しぶりに活字が読みたいので
何か小説を読みたいと思ってます。

活字病でもあります。
読み出すと止まらないよ。


お読みくださり、ありがとうございます(*^^*)

雨の中の晴れ間の中心の奇跡を知るような日です☆



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