先日の純愛ものに引続き

強く愛される「愛」の物語

真実のお話


アイリス★★★☆☆

「英国で最も素晴らしい女性」と称えられたアイリス・マードック

その晩年を夫ジョン・ベイリーとの出会いから描いている


アイリス・マードック



ジョン・ベイリー

出会ったのは

母校であるオックスフォード大学だった


向学心に燃え自由奔放で美しく知性にあふれた若きアイリス

本の虫で真面目な目立たない若者ジョン


ジョンはまぶしいくらに輝きをはなつ彼女に恋をする

自由奔放で何人もと付き合う恋多きアイリスに

ジョンは不器用だが純粋な愛をぶつけ続ける


やがて

恋多きアイリスも 一途で純粋なジョンに心惹かれていき


結婚して長年連れそう


相変わらず本の虫である真面目なジョン

彼は 文学教授に

教養豊かで確かな自分を持つ強い女性であり人々にとって憧れの女性アイリス

彼女は 作家に


二人はお互いに「言葉」に人生をささげている


年を重ねてきた現在と出会った頃の若かりし過去

40年の時間を交互に物語が進行する


そして

晩年のアイリスに病魔が忍び寄った


アルツハイマーで「言葉」を失い

自分の誇りを失い壊れ行く妻アイリス

その全て受け入れ

絶望的になりながらも最後まで愛を貫く夫ジョン




文学教授と作家

二人は「言葉」というものを共有している

それは「愛」以外にも

強い絆を生んでいた

そんな「言葉」が失われていく

どうしようもなく愛している人から忘れられ

取り残されていく悲しみ


観ているだけで胸が苦しくなる

もどかしくて あたたかくて かなしくて せつない一本