美容外科開業医の独り言

美容医療とは人間愛!という信念で仕事をしている美容外科医のブログです。
レーザーなど最新の美容情報や普段の診療で感じたことなど、ぼやきを交えながら書いていきます。
外見だけではなく心も綺麗になり、自信が湧いて幸せになれる、そんな美容医療を目指しています。

美容外科・美容皮膚科は怖いとか、よく分からないなどと思っている人も多いはずです。しかし、女性の多くは美に対する興味をお持ちのはず。どんなものだか、ちょっとでも興味があれば読んでみて下さい。
時々マニアックに走りすぎて、こいつ何が言いたいんだと突っ込みたくなるかもしれませんが、お許し下さい。

皆さんは美しくなる権利があります。全ての人が美しくあるために、少しでもサポートできれば幸いです。

なお治療に関する相談などは、クリニックの公式サイトにて承っております。

みやた形成外科・皮ふクリニック

http://www.toracli.com

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先日の日曜日はまたまたセミナー講演。
上まぶたのたるみ治療機プレクサーについてです。
この機器は、日本へ紹介される前にたまたま情報を知り、先駆的に試験させて頂いてきたのです。
機器のエネルギーはプラズマです。雷やアーク放電と同じエネルギーで、高温プラズマ、つまり瞬間的な高熱を発するのが特徴です。

プラズマの作用には、可逆的な角質層の破壊、透過作用(薬剤伝搬)や殺菌効果、熱作用などがありますが、プレクサーにおいては熱作用が主となります。
この熱作用はレーザーや高周波の熱作用とは全く異なる仕組みを持っています。高エネルギーな分子・電子の衝突によって「昇華」が生じ、瞬間的な高熱発生で周囲への熱伝播などがなく皮膚表面を破壊します。
上まぶたに照射することによって、眼球などに影響を与えず、たるんだ皮膚のみを破壊し、その治癒過程において皮膚収縮が生じるのみならず、時間経過とともに皮膚質が改善していき(これが結構面白いのです)、たるみが軽減されていきます。今まではフラクショナル炭酸ガスレーザーや高周波で上まぶたのたるみを改善する試みがなされていましたが、プラズマはその昇華の力で、全く別の効果を得ることができるようです。
ダウンタイムは1週間です。切らない上まぶたのたるみ治療として、今後のトレンドでしょう。

当院では既に治療を始めており、評価は上々です。予想以上に改善した例もあり、何しろ二重がしっかりとしてきます。もちろん皮膚の効果にとどまるので,眼瞼下垂の改善などに必要な筋肉には作用しませんが、軽度のたるみや二重のラインの加齢による歪み、重たさなどにはなかなか良い結果が得られています(眼・まぶたの形状が大きく変わるわけではありません)。皮膚質の変化ということで、傷跡にも有効とされています。

今はアジア圏でもかなり売れている機器で、コピー製品も既に出始めているとか。

ただ、その構造は特許を取得している特殊構造であり、プラズマを本当に出していることが重要です。単に電気が流れている製品では効果はなく、リスクもあります。実際にプレクサーの場合も、手技が悪いと単なる電気で焼いたのと同じになります。効果ががくんと落ちるのです。
私自身、韓国にこの機器のセミナーを聴きに行き、また使用しているドクターの施術も見学してきました。
そしてこのプレクサーは当面、施術方法を実際に見た医師のみが個人輸入できるサーティフィケイト制度を設けています。買いたいと言っても買えません。。。。
適当な治療をすると皮膚が焼け焦げるだけ、テクニックを要します。

既に5月に開催されたセミナーに参加し、輸入完了・導入された施設も出始めてきました。経験を積んだドクター同士で情報を交換して、このプレクサー治療をもっと発展させたいものです。
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先日は,レーザーによるぜい肉破壊の機器スカルプシュアについて製造メーカー本社副社長らとのミーティングがありました。
スカルプシュアは世界初のレーザーによって脂肪細胞を破壊する機器です。製造会社も世界でシェアナンバー1のレーザーメーカーであるサイノシュア社。怪しい機械ではありません。
レーザーや高周波は皮膚表面への熱負荷が強く、脂肪に特異的に反応させることが難しかったのですが、このスカルプシュアは皮膚へのダメージは一切なく脂肪を破壊できます。
全身、機器が装着できればお腹だけではなく、背中でも太ももでもお尻でも、どこでも治療可能です。

クロスクリニック銀座の石川浩一先生と私の二人がアジア人のテストデータを集めるという仕事をしてきました。そこで得られたデータを供覧し、またトラブルケースなども含めて、どう対処していくべきか、どうすれば最大限の結果を得つつリスクを抑えられるかについて、熱く?討論してきました。

サイノシュア

世界的には脂肪を破壊する機器としてゼルティック社のクールスカルプティング(通称クルスカ)の一人勝ちで、他のメーカーはその効果も弱いことから散々たる販売実績。その中でやっと対抗馬が出てきたという評価を得ており、米国では爆発的な売れ行きです。
クルスカはバルジと言って、ポッコリ出た部分を機器先端に吸い込むように装着して脂肪を凍結します。吸い込めれば(摘めれば)その効果は絶大なのです。しかしアジア人の場合は痩せているのに部分的に脂肪を減らしたいという患者層が沢山います。どんなに痩せていても気になる脂肪がある、そのような場合にはクルスカで吸い込んで凍結することができません(もちろん吸い込まなくても実施できるタイプも登場はしていますが)。その点スカルプシュアはどんなに少しの脂肪でも選択的に反応してダメージを与える事が出来ます。レーザーの強みです。今までクルスカではぜい肉を吸い込めずに治療できなかった患者様にも好評です。

しかし、きっちりと脂肪を破壊できるだけに、脂肪層の薄い太ももなどに照射すると、炎症の波及からか、その後数日間少し痛みが強い場合があります。これもアジア人だからこそのリスクで、本社に報告済みで、改良されるとのことです。ただ、それでもなお、皮膚には何の影響もないというのが興味深いところでもあります。

この夏はぜい肉を取ってみませんか?とちょっとクリニックの宣伝です。

さて、このスカルプシュアに関して、来週は台北で講演をしてきます。私と石川先生の症例を一緒にして、アジア人臨床例をもとにした最初の講演という事で、大役にちょっと緊張しつつ準備しています。
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連休だった先週末は「見た目のアンチエイジング研究会」で講演。
機器を用いたアンチエイジングについて,新型テノールの有効性についてお話しした後、もう一つ、ヒアルロン酸の注入に関する基礎と実践についての講演をしました。

最近は機器による治療だけではなく、注入剤の治療に関してもお話しさせて頂く機会が多くなりました。

前回のブログでも書きましたが、注入剤(ヒアルロン酸やレディエッセなど)は対症療法的な治療です。逆に言えば見た目の改善をしっかりと出す治療法という事になります。特に近年では,ただ単に凹んでいる溝・しわに注入する手技ではなく、顔全体の加齢現象を解剖学的に捉え、若々しい顔貌を作っていくことがトレンドです。
ほうれい線や目の下の溝が気になるからといって、その部分だけに注入する手技というのは、もちろん現在でも多用するテクニックですが、時には入れすぎ、過剰な膨らみになることがあります。それをバランス良く注入するようにはしていますが、「溝」が消えないとなかなか満足されない方もいます。その結果、本人は満足しても周囲から「あれっ、不自然な膨らみだな」と内心思われることもあります。行き過ぎた注入は溝は消せても「若返った顔貌」ではない場合もあります。表情による違和感もあります。
当院では過剰に入れず控えめに、ということを心がけています。
そして、最近では本人の顔立ちをよく観察して、加齢によってどこが変化しているのか、局所ではなく全体の骨格、脂肪の位置変化などを捉えて、深部の輪郭を修正する手法を多用しています。ほうれい線を消すのではなく、そこは敢えて手をつけずに、頬などを主体として若々しい輪郭を作ります。若い頃というのは頬のふくらみがしっかりとしており、張りのある顔ですし顎もシャープです。単にたるんでいるだけではありません。張り、膨らみをただ作るのではなく、若々しい顔貌となるように考えていくことこそが重要なのです。これは患者様ご自身の気になる部位に言われるがままに注入するという事ではなく、よく観察して医学的知識を持って注入部位を提案し、出来上がる顔立ちを説明するということになります。
前回のブログで書いたような少量のヒアルロン酸で引き上げる手技もありますし、それとは異なった輪郭形成、それも少量のヒアルロン酸でおこなっていく手法は、最近の当院で患者様の評価が高い手法です。
手法・コンセプトを沢山持っている方が、注入剤に関してはより高い満足度を得られることになりますので、この手の勉強は論文を読み漁り、また海外などでレクチャーを受けたりという日々の実践的な勉強も必要です。一人のドクター、業者の手技だけではなく、沢山の考え方を取り込んで、自身の治療概念を構築していく必要があります。それこそが他のクリニックとの差別化にもなります。

そのために来週後半も少し休診させて頂き、海外の学会でお勉強をしてきます(もちろん自身の発表もしてきます)。まだまだ世界には学ぶべき手技が沢山あります。学会での聴講だけでは得られない手技も得たいので、個人的に親しくさせて頂いているアジアのトップドクター達とも情報を交換するつもりです。
機器は理論的な解釈と出力の模索によって最新型でもある程度は自己完結的にカバーできますが、注入は技術のみではなくコンセプト・トレンドを取り込んでいく必要があります。自分の頭の中だけではどうしても固定した概念に囚われがちです。頭をリフレッシュする意味でも、少し勉強をしてきたいと思います。
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昨日はボトックス、ジュビダーム(ヒアルロン酸注入剤)の製造販売会社であるアラガン社のセミナーに参加してきました。
ブラジルの形成外科医 Dr. Mauricio de Maioによる注入手技について学ばせて頂くためです。
アラガン
200人以上(300人?)のドクターが参加する盛大な会でした。

ビスタシェイプ(海外では8ポイントリフト等と称されているようです)というヒアルロン酸によるリフトアップの手法をはじめ、目周りの治療もということで丸一日のセミナーでした。
先日、目尻の表情ジワに対するボトックス注射が厚生労働省の承認を得たことでアラガン社の気合いの入ったセミナーです。

今回は、少ない量のヒアルロン酸とボトックスで顔全体の若返りを得る治療法のお勉強です。
ちょっと演出は華美で、さすがアラガンという感じでした。

さてこの8ポイントテクニック、海外では結構使われはじめています。誰もが簡単にできる基本ルールを守れば安全で、初心者でも何とかなるテクニックです。
直後の効果は十分ですが、経験的に持続期間は少し短い印象があります。世界的には使用製剤に異なりがあるため、仕方ない部分もありますが、この点に留意しながら上手く使いこなしていくためにはテクニックよりも診察と評価,事前説明が重要でしょう。
もちろんこの手法は面白いコンセプトではありますし、今回のセミナーで得た知識を参考にさせて頂こうと思っています。
ただ、私自身はもう少し手を加えた手法を用いることが殆どです。ここ半年ほど前からはじめた新しいリフトアップ、加齢による輪郭変化を考慮した手法で、自然に若く見えることで非常に多くの患者様に評価を頂いています。海外の知り合いのドクターから教えて頂いた手法を幾つか組み合わせたものですが、今回の手技も含め、良いものはさらに取り入れて,自身の手技を磨いていきたいと思っています。

今回気になったのは、若い人でもヒアルロン酸注入などを早期に実施した方が良い、年取ってからでは遅いという説明がありました。ボトックスはともかく、ヒアルロン酸は若いうちに実施した方が良いのか?? 予防なら機器を用いた方が良いのでは?と思います。文献的には少し皮膚のコラーゲンを増やすという意見もありますが、やはり注入は対症療法に過ぎません。本当の意味での予防は機器でこそ成し得るものではないかと思います。

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週末は、岡山で開業してされている河田外科形成外科の河田真作先生の開業20周年&還暦祝いの会があり、そこでのミニレクチャーとして「美容医療:レーザーをはじめとする機器治療を主に」という題で講演をさせて頂きました。
会

講演

河田先生は形成外科医として大先輩であり、ご高名な先生なのですが、お人柄が素晴らしく、以前より親しくさせて頂いています。
河田先生

大学教授など錚々たる参加者の前で、レーザー等の機器治療について、最新の美容医療情報をお話しするという大役だったのですが、なんとか無事に務めさせて頂きました。


先代のお父様から続く大きな医院で、今はご子息も医師となり、奥様の強力なサポートのもと、20年もの間、美容医療の最先端を走ってらっしゃるという、まさに理想的なクリニック経営をされています。

沢山の先生方が参席され、二次会も盛り上がり、そしてその後は親しい先生方で深夜まで色々な事を語り合い、楽しい会でした。
みんなで

さてその会では、レーザーの歴史について、葛西形成外科の葛西健一郎先生の御講演がありました。我々形成外科医は20数年ほど前に本格的なレーザーによる治療(主にアザなど)を始めました。葛西先生はその初期から日本を牽引されてきたドクターで、まさにカリスマです。貴重な歴史と流れを拝聴し、とても勉強になりました。
当時はレーザーがここまで我々の領域において主たる治療手技になるとは考えてもいませんでした。20年であっという間に発展し、もはや大学病院、開業医ともに機器治療をしていないところは殆どないと言っても過言ではありません。
私自身も当初はいわゆる手術を主とした形成外科医だったのですが、時代の波に呑まれて,気がつけばレーザー等の機器治療を主とした仕事をするようになっていました。
自分自身、レーザー等の機器治療を主な診療分野として16年、レーザーを触ってから25年ほどが経とうとしています。
今でも新しいものには興味があり、次々に導入をしていますが、いつか歴史が語れるようになるのでしょうか。。。。

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スペイン出張から数日後、先週末は長崎県の諫早市でセミナーでした。普段からお世話になっているおくむらクリニック奥村千香先生の御依頼で、少人数制のセミナーで講演させて頂きました。

前日の夜はビワで有名な茂木にある二見という料亭でのお食事。眺望が素晴らしく、遠く雲仙岳も。

食事はあまりに新鮮すぎてビックリ。エビは泳いでいるものをそのまま!伊勢エビも動いているし、鯛も歯ごたえ、味とも最高。
二見

二見3

二見2

二見4

その後は長崎市内の繁華街で夜遅くまで美容医療談義を繰り広げ、盛り上がりました。

翌日はおくむらクリニックへ。
前夜のメンバーとともに(左から井上詠子先生、私、奥村千香先生、西田美穂先生)クリニック前で記念撮影。
クリニックにて

講演は「綺麗に年を重ねていく」ためのサポートに最適なテノール(Accent XLi)の長期結果などについて。実際に機器を用いたデモンストレーションも交えて、その有効性についてお話をしました。
10数名の参加メンバーなので、本音で色々とトークもできました。

さて、主催の奥村千香先生は10代続く由緒正しき医師の家系です。島原の乱のあと医師として長崎に移住されたそうで、長崎大学の歴史と言っても過言ではない、素晴らしい一級の資料が沢山ありました。有り難く拝見させて頂きました。

医学書2
医学書

脈々と続く医師としての家系、その歴史にただただ感動でした。

今回の長崎出張では、私のような凡人には計り知ることのできない歴史の重みも感じつつ、若手から同世代まで、沢山のドクターとともに語り合えた素晴らしい機会でもありました。正しい美容医療に向かって進んでいく同志として、今後とも宜しくお願い致します。


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先週末から今週の火曜日にかけて、薬剤注入療法の勉強のためにスペインに出張してきました。
スペインは直行便がなく、行きはミュンヘン経由でバルセロナに夜到着。
翌日午前中にちょっとだけバルセロナを観光して、
バルセロナ
サグラダファミリア教会。人生2回目の訪問。やはり感動的です。

お昼に北部の地方都市サラゴサへAVEという高速列車で移動。午後に到着して、またちょっとだけ観光。
サラゴサ
聖母ピラール教会。

見所が沢山ある街ではありませんが、町並みは綺麗で素晴らしかったです。その日は夕ご飯を食べて、早めに就寝。すっかり疲れ果てて爆睡でした。

そして翌日はいよいよ出張の目的である、各種薬剤の注入による脂肪融解や皮膚質改善等の施術見学。Dr. カルロスによる治療理論とテクニックのお勉強。いわゆる米国や韓国など日本で一般的な理論、施術テクニックと全く異なり、興味深くお勉強しました。ヨーロッパでは植物成分を使った治療フィトテラピーが一般に普及しており、それを応用した注入施術。こんな成分にこんな薬効があるのかと、まるで漢方のような感覚です。日本で美容医療にこのような手技を応用したものは見られないので、深く勉強していくと面白そうです。新たな発見が色々あるかもしれません。
カルロス

14時頃に終了し、みんなでランチへ。ワインもがぶがぶ飲んで楽しく談笑しましたが、こんなに飲んで、その後仕事?と思いきや、「今日は終了」と。。。。さすがスペイン。

その日の夜にはバルセロナに舞い戻り、翌日朝には帰宅の途につきました。
ちょっと疲れた弾丸出張でした。

薬剤(注射薬)は最近我が国でも未承認のものが沢山医師個人輸入されています。しかし未承認であるがゆえに、医師の責任のもとで患者に対して使用することが義務づけられています。ただ、内容・成分が分からないものもあるのが事実。私個人は成分表示がないものに関しては輸入代行業者に情報提供を求めて、納得したものを使うようにしています。最近の風潮として、新しいものは我先に使う傾向にあり、「最新」がもてはやされます。患者側の要求は新しいものへと突き進んでいますが、安全性も重要です。医師も十分に内容を吟味しなければいけません。私自身も過去に急ぎすぎた失敗がありますが、何でも内容が完全に解明されていないと、やはり怖いものです。成分不明のものは使えないのです。今回は成分・効能は全部教えてくれましたが、少し植物療法を勉強しなければ、私自身のものとして使いこなせないなと痛感。植物療法の本をどっさり購入しました。
でも、非常に面白そうです。乞うご期待。


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注入剤で鼻を高くしようと施術を受けた人が失明というニュースが報道されています。

以前より注入剤のトラブルは報告されています。
これは注入剤の材料が悪いのではなくて、注入部位・手技などの問題です。血管の中に入ったり大量注入により静脈を圧迫したりして、血行の障害を起こして、皮膚が腐ったり、最悪眼球を栄養する血管まで詰まり失明するというもので、稀ですが世界的に報告されているトラブルです。ヒアルロン酸での報告例が多いですが、ハイドロキシアパタイト(レディエッセ)も最近は増えています。今回の例はハイドロキシアパタイトだったようです。
昔はコラーゲンを眉間に注入する時に皮膚が腐ったという報告、注意喚起がありましたし、全ての注入剤においてリスクになっています。

特に鼻に関しては、大量に打つと血管の圧迫や、高圧力によって傷ついた血管内に注入物が入りトラブルを起こす可能性があるとされています。ハイドロキシアパタイトは鼻に打つことが多いのと、製剤として硬さがあるので、扱いが難しいと言えます。

これだけ聞くと怖い治療のように感じるかもしれません。但し、その確率は非常に低く、喩えて言うなら麻酔の注射で意識を失う可能性、その中で失明は麻酔後に重篤な後遺症を残す確率に近いかもしれません。

治療手技がもっとも大きく影響を与えます。血管の中に注入するリスクというのは血管の位置・解剖を理解することで最小限にする事が出来ます。形成外科や皮膚外科という仕事では顔面の外傷や骨折、癌切除御再建などで顔面に分布する血管を理解する必要がありますし、何十回、何百回も手術で血管を見ています。しかし美容の診療・治療では血管を実際に見ることは殆どありません。
そしてレーザーを照射する治療とは全く違います。外科的な知識と技術の両方が必要です。机上で勉強しても顔面の血管、三次元的な解剖は完全に理解できないでしょう。

美容に関わる医師の技量向上のため、実際の人体を解剖しつつ注入剤がどう入っていくのかを検討するセミナーがあります。来月台湾で開催される国際学会でも目玉の一つになっています。手術等で幾度となく血管を見ている形成外科専門医はともかく、注入に関わる医師は1回でも良いから解剖を学んでおくのは重要な事だと思います。
私自身、形成外科専門医で良かったと思うことの一つです。

ただ、専門医だからトラブルを起こさないということではありません。海外でも非常に高名なドクターがトラブルを起こした例が報告されています。ある意味、偶然の積み重なりという部分もあります。一般医療でも、薬で重度の薬疹を起こしたりショック症状になったり、不幸にして命を落とすケースも毎年のようにあります。美容医療に限ってはトラブルを起こさないというわけではありません。魔法ではないのです。リスクは低い確率であっても、生じえます。
先日報道されていた、婦人科での手術時にレーザーで引火して大やけどを負った例があるように、どのような治療でも思わぬリスクはあります。

ただ、このことがセンセーショナルに取り上げられて、まるで怖い治療かのように扱われることが最も危惧されることです。ヒアルロン酸やハイドロキシアパタイトの製剤そのものが危険というわけではありません。


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週末は日本抗加齢医学会総会にて講演させて頂きました。
この学会は年々規模が大きくなり、今年はかなり盛大な会でした。
5000人を超える参加者だったそうです。

抗加齢

いわゆる美容医療分野だけではなく、サプリメントやライフスタイル、内科的なものなど多岐に渡るアンチエイジング関連において日本最大級の学会です。
メーカー主催のセミナーや形成外科、美容外科分野の学会とは異なり、学術的に広く総論的に抗加齢医学を学ぶことができ、非常に勉強になりました。

そのなかで、私が講演させて頂いたのはシンポジウム「抗加齢美容医療:手術か非手術か」にて機器を用いたしわ・たるみ治療についてです。他の演者の先生方は大御所、大学関連のドクターなどで、町医者の私にとっては恐れ多いようなメンバーの中でしたが、何とか大役を務めさせて頂きました。

特に今回の講演で重視したのは、いわゆる見た目の若返りrejuvenationだけではなく、本来の抗加齢、つまり見た目のアンチエイジングについてです。学会の趣旨に沿うような講演を心がけました。いかに若い状態の顔貌を維持していくか、改善だけではなく予防的な側面を考慮して、持続発振型の高周波機器(テノール)の利用価値などにも言及しました。未熟な内容であり、聴衆の先生方がどう感じたのか不安ではありましたが、無事に終了。


最近では学会だけでなく、各種のセミナーなどが毎週のように開催されています。私もこのブログで色々とその時の情報を書いています。
ただ、このような学術的な学会というのは別格です。本当の意味での講演、医学的な活動というのは、きちんとした学会で評価されるのです。私の仕事の大半は業者さんに関係したセミナー(学会内でも業者共催のランチョンセミナーなど)となる傾向にありますが、このような学術的講演も定期的におこなっています。
大学の教授や病院形成外科の部長をはじめとする学問として業界を支えている先生方に評価を頂き、このようなシンポジウムに呼んで頂くことは光栄なことです。形成外科学会の専門医として、然るべき立場から、営利に走りがちな美容医療業界に少しでも学術的貢献ができれば良いなと思っています。

そしてまた医師向けの医学書を自らの編集執筆で1つ、ある大学教授編集の分担執筆1つを依頼されて、現在奮闘中です。これこそが自らの評価であり使命であるという信念のもとに診療以外でも仕事をしています。
偉そうなことを書いても批判されるのがオチですが、堅苦しく考えずに好きな道を進んでいこうと思います。趣味と言えばそれまでです。

基本は、学会活動が偉いわけではなく、患者様から評価されることの方が上であり、まだまだ未熟である以上は、診療の技能向上が先決です。診療を疎かにせずにしたいものです。患者様から色々と教えて頂く事も多いので。
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近年は沢山の美容医療機器が登場しています。その多くがしわやたるみ、ぜい肉取りに関するものです。
ただ、美容医療で最もポピュラーなものはシミとほくろではないかと思います。都心部の美容専門のクリニックではそうではないかもしれませんが、やはり国内の治療総数で言うと、シミとほくろの方が多いでしょう。当院も美容医療専門ですので、たるみやしわ、ぜい肉取りなども多く施術していますが、シミとほくろについてもかなりの数、毎日のように施術しています。

実はこの2つ、結果を出すことが確実に出来る治療である反面、奥が深いのです。結果は出るが結果にブレがあります。
シミでは肌の問題、肝斑の有無や日焼け、乾燥などの諸条件に結果が左右されてしまいます。そのぶんだけ医師の経験と技術が重視されていきます。特に診断力と施術後ケア、説明など。施術の技術に関しても結果を大きく左右しますし、機器の選択も重要です。当院ではQスイッチレーザーというシミ取りでは代表的な機器を複数台所有しています。IPL、フォトと称される光治療器も用います。さらにはピコ秒レーザーという最新機器も導入し、シミ治療にはあらゆる手を尽くします。沢山機器があるからといって治療費を高くするわけにはいきませんが、良い結果を得るためには様々なアプローチが必要です。

ほくろでは炭酸ガスレーザーとQスイッチアレキサンドライトレーザーの併用療法を主に実施していますが、時には手術もおこないます。
特にほくろの場合は炭酸ガスレーザーをどのように使うかが腕の見せ所です。ほくろの存在する深さや大きさによってレーザーでは難しい場合もありますが、他院で無理と言われたほくろでもできるだけレーザーで治療をしています。
ここで重要なのが機器の選択です。板前と包丁の関係と同じくらい、機器は重要です。機器が良ければ結果も良くなります。逆に言えば、腕さえあれば機器の優劣だけではありませんし、長年使用しているやり方があれば、そちらの方がよいこともあります。
ずっとレーザー治療をしている医師からすれば、こんなの当たり前と思っていても、経験の浅い先生方にとっては難しいものもあります。

そのなかで私自身が使用しているのはスキャナ付き炭酸ガスレーザーです。スキャナ付きというタイプは非常に高額なのですが、個人的には一度使ったら普通の炭酸ガスレーザーには戻れません。患者満足度も大きく異なりますし、何より様々な事に応用できます。

実際には2種類を用いています。一つはCO2RE(コア)という機器で、熱発生がコントローラブルでオートマチックに近い感覚で使用できます。誰でもが良い結果を出せる機器です。この機器は本当に素晴らしく、様々な施術が可能な炭酸ガスレーザーの究極系ですが、そのぶん自己流の、ちょっと本筋から外れたことができない優等生です。
もう一つはアキュパルスという機器で、熱発生が強いため、上手く使用すれば良い結果が得られますが、手法というか技術の習得が必須です。気難しいけど味のある機器です。
自己流で使っていて良い結果だと思っていても、実はTipsとでも言うべき様々なテクニックがありますので、それを知り、練度を上げるほどに良い結果が得られるようになります。非常に深い部位に存在するほくろでも(取り残しても問題ないと判断できれば)綺麗に仕上げることさえできます。

機器による違いも面白いですし、だからこそ個々の機器の性能を理解して、自分流にアレンジしていくことが楽しくもあります。
この手の技術指導はメーカーを通じて個別や少人数で若手医師へと時々実施していますが、実際に見てみないと分からないことが沢山あるようです。

「みやた流」の治療手技というか、こだわりを発揮して治療できるのが、ほくろ治療の面白いところです。
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