2011年07月29日(金)

平岩弓枝「魚の棲む城」

テーマ:本(時代小説)

どちらかといえば女性向きの趣が強い

人間描写が非常に素敵な

時代小説です。



夏よ、立ち去るがいい!!

(気温はだいぶましになりましたが、どうしても湿度が…)





平岩弓枝「魚の棲む城」
魚の棲む城
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平岩 弓枝
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田沼意次と、

そのそばにい続けた男と女の物語。





【ストーリー】

田沼意次…彼は百姓から石をあげていった

いわば「なりあがりもの」だった。

彼はその才能、容姿端麗、性格のよさから

多くの人が慕っていた。


そんな田沼意次には

同じ幼名だった龍介と

彼が恋をしたが、その恋は実らなかった女性、

お北がいた。


それぞれ、彼に命、御身を捧げた二人、

この物語は田沼意次の生涯と

そのそばにい続けた二人の物語…





【感想】

読んでいて非常に心地よく感じました

こう言う本に出会ったのは久しぶりですね。

と、いうよりも数週間の猛暑から解放されて晴れ

サーキュレーターを付ければ涼しい風が吹いてくるからかも

以前だったらこの風風熱風でしたもの。



そんな心地よい作品は

一人の男、才能ある男、田沼意次を

メインに、その男を慕い続けた同じ幼名(ただし漢字違い)の

男と、意次が恋したものの、その恋は成就しなかった

一人の女性を取り上げた作品です。



意次のところはその素敵な人柄を

垣間見ることができます。

それでいて意次は「容姿端麗」みたいだったようですよ。



それはあの「大奥」へいったときに

よくわかる描写があるのです。

これは知らなかったのですが、男性に飢えている(!)

大奥では男性が来ると意地悪を重ねるということ。

その意地悪は本当に悪質で、着物の裾を引っ張られたりして

散々な思い(怪我までして)かえって行く人がいたようですよ。

女社会、おそろしや



でも、意次が来ると…

あーら不思議、だーれも意地悪するひとなんかいやしません。

そう、大奥の皆様も見とれてしまうほど

彼はいわばイケメンだったということです。

手も下せないほどいい男だったって

どれぐらいかっこよかったんでしょうね…

(着眼点、間違ってません?)



この本の女性視点のほうでは

意次の裏、の顔を知ることができます。

そう、いわゆる「禁じられた愛」にふける姿です。

だけれどもその描写は露骨ではなく、

ほのかな色香で読みづらくありません。

ただしちょっぴり恥ずかしくはなりますけどね。

他人様のそれを覗いている訳ですからハート



それでわかる人は分かるでしょう。

(と、言うかすでに明確にその描写はあります)

お北の息子はそう、意次との間にできたというのが。

彼女は人の妻ですがこの夫はいわゆる「自分勝手」な

男なわけです。

これも描写がありますが、正直勘弁な男です。

無理無理に…ですから。



後半にはついにその恋が実ります。

そこからがこの本の楽しみでもあります。

男と女の素敵な一時です。



そして男のほう。

彼は意次とは違って泣くという癖があります。

だけれども、女々しいわけではないですよ。

彼は意次の友人、本当に良き友だと言うことが

ところどころで伺えます。

時に彼に警告を与えもしますしね。



ぁ、女の悪の面も垣間見れますよ。

それは一時は意次の子ではないか?

といわれたある不義の子のお話です。

彼女の娘はその後大奥へといって

ある種の栄光を手に入れはしますが…

この不義の子を作った女がまた強力な悪女です。

猛々しい、と言う分類かな。



ページ数が多めの本で

あせってはしまいましたが

結局時間もかからず読めました。





今日は久しぶりにカレーを食べました。

ちょいとルーが違ったから辛さがぬるかったです。

やっぱりゴールデンカレーでしょ。




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2010年11月17日(水)

山本一力「粗茶を一服」

テーマ:本(時代小説)

ここでひとまずこのシリーズの

紹介は終わります。

でも完結ではないのです。





山本一力「粗茶を一服」
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1作品では実は完結しません。





【感想】

某所でマンネリ化してきた…
という旨のレビューがありましたが
言われてみれば、そうなのかなぁ…
と感じてしまいます。


それはなぜかといいますと
普段だと1話完結形式になっていたのですが
この本に出てくる作品は
なんと1話では終わってくれないのです。
そのため、続きを読まざるを得ないという
実に夜寝る前の読書にはやさしくない作品となっています。


だから私の母の知り合いの方なんかは
1冊読まないと寝ないだろうなぁ…
その方は活字中毒
しかも宮部みゆきとか畠中恵時代小説
お好きなようなので時代小説で面白かった1冊ということで
この本を紹介しておきますか。


さて、私お得意の脱線も
ここまでといたしましょう。


今回のメイン
札差で一番の規模を誇る
伊勢屋を貶めようと暗躍する
悪党どもがメインです。
一応2つあるのですが
この作品で出てくるのはそのうちの1つだけ。


その1つは伊勢屋の好きなものである
「猫」を悪用して
だましたろうという魂胆の
あくどいものとなっています。
だけれども喜八郎が言っていたとおり
「隙の多い」輩どもでありまして
結局不意討ちをかけられてあっけなくつかまってしまいます。


伊勢屋のバックには
ひそかに喜八郎が活躍しているのに…
なんてお間抜けなんでしょう。
まあ伊勢屋は最初の作品で
喜八郎に痛い目を見ているので
あまりいい関係ではないものの
その腕はかっているようですよ。


その後はどうなったかって?
す・ま・きです。
最悪の抹消方法ですわ。


もうひとつの悪の成敗は
喜八郎そのものが
悪事に気づいたものです。
今のところは非伊勢屋がらみかな。
そういっているのは先ほども言ったとおり
ひとつの暗躍行為がされていませんからね。


この男は言わずもがな。
女に近づけるな、という御触書があるとおり
女を食い物にする極悪人です。
そう、女衒(ぜげん・と読みます。そう、性的目的の仕事に売り飛ばすのです。)に
売り飛ばし子どもまで身売りさせる最低の男。


もちろん彼は逃げ場のない方法で
追い詰めます。
どちらに動こうが地獄しか
待っていない方法で…


面白かったけど
完結形式でなくなったのは
さびしいものです。





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2010年11月13日(土)

山本一力「損料屋喜八郎始末控え 赤絵の桜」

テーマ:本(時代小説)

今回は人情劇がメインですよ。





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中には喜八郎が…?





【感想】

棄捐令 の時代を描いた
時代小説 、第二弾です。
今回は喜八郎の活躍よりも
周りの人物の人情劇がメイン となります。


その例は一人の男
俊造の娘の物語があります。
彼は実は妻に逃げられているのです。
とは言えどもその女も男に弱い女で
おめおめと他の男について いったのです。


そう、俊造の結婚は
反対されていたものだったんですよ…
そしてその妻は悲しい ことに
ある札差大手 の施設の湯女
なりさがっていたのですから…


そしてその娘との再会…
彼女はある仕事に就くのですが
嫌がらせ を受けてしまいます。


なんか彼女の潔さは
すがすがしいです。
なぜならば嫌がらせのときに
やめさせていただきます
潔く言って去っていくのですから。
本当、こういう芯のしっかりした女性って
惚れ惚れしますね。


そしてもうひと作品では
あの悪人が再び出てきます。
しかしいやな奴です。
普通 の顔をして再びやってきたのですから。
だけれども、まずい状況 にはならずにすみます。
でもきっとまた合間見えるのでしょうね。


そして、お勧めのダントツ
「初雪だるま 」であります。
これは喜八郎の恋模様 です。
それを成就させるための
時代小説流ドッキリ なのであります。


でも喜八郎ってやっぱりこういう場面でも
クールなんだよなぁ。
取り乱すって言うことなんか一切ないのね。
でもそういう場面、見て みたいんだけどなぁ。


さて、次の巻はいかほどに。





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