・お仕着せではなく、実際のニーズに目を向ける

 

ーこのカフェは①誰にとっても、特にホームレスの女性や子供にとって、安全な公共の場であること、② 温かく、滋養のある食事を安価で、もしくは労働の対価として提供すること、③地元住民に職業訓練や経験を提供すること、を目的に設立された。35年以上経った今も変わらないこの方針は、彼女たちが、実際に大勢のホームレスにインタビューし、彼らのニーズに応えるべく定めたものだ。ー

 

 

・人には「貢献のニーズ」もある、飢えるのはお腹だけではない

ー 特徴的なのが、食事が無料ではない点だ。サンディとジェニーが話を聞いてみると、ホームレスたちは単に食事を求めてはいるのではなく、働く場、貢献できる場、そして役に立つ人として扱われることを何よりも望んでいたそうだ。タダで配給してもらうことはもちろんありがたいが、長時間、寒い中立って待たされたり、食事に困るほど貧しいことや何らかの依存症があることを証明するために質問攻めにされたりする毎日は惨めだ。お腹は膨れるが、人とのつながりも生まれないし、気持ちは満たされないまま。

 そこで彼女たちは、誰でも無条件にシスターズ・オブ・ザ・ロードのコミュニティを盛り上げていく仲間として歓迎し、お金以外にも労働を対価として、ゆっくりとおいしい食事ができる場を提供することにしたのだ。ー

 

 

・お客さんも含めて、みんなが「オーナーシップ」を持つこと、これは貊村(みゃくそん)と通じる、「資本主義の向こう側」はとてもシンプルなことが引き寄せる

ー とはいえ、多大なストレスを抱えていたり、アルコールや薬物を取っている人もいるから、たまに口論が激化して、暴力沙汰になることもあるらしい。「怖くない?」と聞くと、「私は、白人の若い女性ということもあって、暴力のターゲットにはなりにくい」と冷静に分析。「それに、もし喧嘩が始まったりしたら、スタッフやカフェの常連が止めてくれる。みんな、この場所の非暴力ポリシーは知っているし、運営に関わっているというオーナーシップと、プライドを持っているの」ー

 

 

 

“炊き出し”なんて時代遅れ。ホームレスに「タダで食事を与えない場所」が日本にも必要な理由。

BY  · 2017年3月13日

http://beinspiredglobal.com/sisters-of-the-road