舞う葉と櫻~櫻葉嵐綴り~

嵐さんが好き。

櫻葉さんが好き。



腐女子向けのお話ブログです。

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あの人の名前が、僕と同じって聞いて、僕はびっくりした。


同じまさき。


でも、全然違う、まさき。





僕の中にはまだぐるぐるしてるものがたくさんあって、あの人はそれだって、何か思った。


こわいの塊。僕の中の。僕の奥の。だからきらいだったのかな。見たくない僕。いやな僕。いらない僕。


そんな僕の、あの人は塊。





僕はあの人。あの人は僕。


あの人の中にも、僕と同じ僕が、きっと居る。


名前が同じなのはただの偶然。だけど。ただの偶然じゃ、ない。





しょーちゃん、僕はそんな風に、思ったんだよ。










「まさきー、よしが雅紀に、うちの新しい弁当一緒に考えてくれないかなあって言ってたぞ」





まぼちゃんが来るって聞いて久しぶりに行った『ほくと』でそう言われて、ほんと?って僕は嬉しくなった。





「こないだから考えてるんだけど、ちっともいいのが浮かばないんだってよ。俺には無理だ〜ってうるせぇうるせぇ」





よっちゃん、困ってるんだ。


雅紀くーーんとか、まーくーんって、細い目をもっと細くしていつもにこにこしてくれる、だいすきなよっちゃん。


困ってるなら僕行きたい。僕でいいならお手伝いしたい。





「………まぼちゃん、僕、よっちゃんと一緒に考えたい」
「やってくれるか?」
「うん」
「じゃあそれ、出来上がったらまーくん弁当って名前に決定な」
「………え?」
「えって何だ、えって」
「だって………。やだ」
「何でだよ」
「………カッコ悪いよ?」
「お前、なかなかはっきり言うようになったな」





がしがしって、まぼちゃんは僕の髪の毛をもしゃもしゃにして、それからいつもみたいにがははって笑った。


そこにただいまって、しょーちゃんがお掃除から帰って来て、雅紀すごい頭だなって笑った。





僕も楽しくなってきて、笑った。





あの人………鈴木マサキが居なくなってから、新しい人はまだ来てなかった。


人手は足りないけど、また同じようなことがあったら問題だからって、色々考えてるところだってしょーちゃんが教えてくれた。






しょーちゃんが居て、おーちゃんが居て、にのちゃん、潤ちゃん、まぼちゃんによっちゃん。


僕の世界はだいすきな人ばかりに戻った。


でもきらいはどこかにあって、またいつか僕の前に現れる。





きらいはきらい。


いがいがしてとげとげしてざわざわして気持ち悪い。





だいすきが眩しい光なら、きらいは影。


どっちかひとつじゃいられないって、僕はもうひとりのマサキに教えてもらった。





「明日、まぼちゃんのお店に行っていい?」
「いいぞ。ついでに手伝ってくれてもいいぐらいだ」
「うん。お手伝い、する。しょーちゃん、僕、明日、行ってくるね」
「ん、行ってこい」





しょーちゃんは優しく笑って頷いてくれた。





きらいはきらい。


だいすきだけの世界がいい。






でも。


でも。






忘れないと思う。


鈴木マサキって人の、あの顔を。





僕の中に居る、あの人はもうひとりの、僕だから。





「雅紀、昼飯準備するぞ」
「うん」





まぼちゃんに呼ばれて、まぼちゃんの後ろから『ほくと』のキッチンに行こうとしたら、ほんのちょっとだけ、こっそりとしょーちゃんが僕をぎゅって、してくれた。


嬉しくて、どきどきして。





しょーちゃん、だいすき。





しょーちゃんの耳元で、僕は小さく小さくそう言った。





おしまいv
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