2日続いた雨で、干上がって私の踵みたいにひび割れていた粘土質の池の底に水が少しだけ溜まり、久しぶりにアオサギが姿を見せた。
午後からは晴れたけれど、風が強く寒い一日。
先日長い散歩で遠回りして、2年ぶりくらいに上った坂は、その昔遊郭が連なっていた坂だ。
その坂を登りきった突き当たり、真正面には一遍上人が建立したというお寺があって、つまり寺の門前町と言うか、参道に歓楽街が栄え続けたという、世にも珍しい場所だ。
赤線が廃止されてからは、スナックやバーなどの飲み屋街になり、昭和のいざなぎの好景気に浮かれた場所だったらしい。
老朽化した木造の建物が震度六の地震に堪えられず崩れ落ちたため、今は半分ほどが更地となり、随分と寂れてしまった。それでもまだ残った建物のうち数件が営業を続けている。
7~8年くらい前までは昭和の名残を色濃く残す、外灯や朱色の縁取りに黄色い電飾が点滅するようないかにもといった安っぽいアーチがあったけれど、今はそれも取り払われ、話をきかないと、そんな歴史を持つ通りとは想像がつき難くなってきている。
お寺の真ん前が、もっとも大きな郭だったのだそうだ。
その建物も今は取り壊され、お寺の駐車場となっている。
道を挟んだ向かい側の一軒、カフェーの名残を思わせる外観のBARが今も営業中だ。
店名はSISTER
ぱっとみた時には、姉妹でやってるからシスターなのかと思ったけれど、後になって、ひょとして東洋の仏教に対抗して、西洋の修道院の尼僧っていう意味もこめて、シスターとしたのかな、なんてね、思った。

戸口に「暴力団お断り」などと黄ばんだ手書きの紙が貼ってあったりして、それが余計怪しげで、店の奥の小部屋に怖いお兄さんが待機していそうで、とても適正価格で飲ませてくれそうにない雰囲気なのだ。でも、長々営業し続けているということは、そういうのでもないのかな。それとも、この看板や店の外観が、お父さんたちのノスタルジックな冒険心をそそるのでしょうか?