光の『現実は妄想の集合体である』

ロックバンドでボーカルをしている光の音楽的な日記です。


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どうも~

古巣バンドも新しく若い(!)ボーカリストが加入し来月には復活ライブを行えるという事で順調で何よりといったところですが、僕のほうは難航しておりますw

まぁ難航というよりはそこまで必死にやってないというのが正直なところなんですけどね。


何が難しいかというと、

ガチ過ぎても合わない、緩過ぎても合わない。

このバランスの一言に尽きるわけですよ。


更に、やっかいなのが自分にボーカリスト、及びミュージシャンとしての自覚(資質といってもいいかもしれない)が殆どないことなんですよね。


音楽やってますが、楽しむためにやってるのではなく、
どちらかというとロディと詩(世界)を生み出す事にしか興味がない
ので、それを吐き出したらそこで一旦終了してしまうんですよね。


音楽をやっていく上で仲間との時間やバンド運営の気苦労などは楽しいと思えるんですが、
音楽自体を楽しいと思った事が一度もない
んです。


かといってストイックなわけでもない。
そこまでストイックになってたら今頃大成した何かを残してるでしょうしw

やっかいな性格ですw

じゃぁなんでお前やってるの?って話なわけで・・・。


ん~なんでだろ。


ただ自分の思うこと、主張したいことを楽曲にしたいという欲求は果てしなく強いわけでして。


なので基本的にコピーバンドには興味がないのですよ。

別にこれはコピーバンドを否定してるのではなくて、
音楽を楽しむためにやっているのではない&上記の理由から
人様の世界観を模倣してもなぁ・・・
という個人的価値観に拠るものです。

もちろん引き出しを増やすため、練習のためにコピーするというのは音楽をやる上で重要な事だとも思っています。


まぁとりあえずは楽曲作って宅録したものをネット公開してって感じで良いのかなぁとも思います。

無理にメンバー集めて、お互いの時間とお金を削って、何となく出来た曲をなんとなく練習して、お客の呼べないライブやって、お友達に義理で来てもらって、そのお友達を「客」といってバンドマンらしき事をしている己に満足するなら一人で作品作りに励んでた方が良いのかなと。

語弊があるとマズイので付け加えますが、お友達も時間とお金を削って会場に来てくれる以上、立派な「お客様」ですよ?当たり前ですし、それも音楽としての楽しみ方と思うのです。
そしてその部分で期せず足踏みしてしまっているバンドさんも多いのではないのでしょうか?
そこを分かった上での自分に対する戒めの意味でもあります。

自分としてはそれだけではなくて自分と繋がりのない人にも作品を通じて同調して貰える事にやりがいを覚えるわけで。

あぁそうか、俺は音楽にやりがいを求めているんだ。

なるほど。

歌詞やメロディを捻り出してる時に

「俺、生きてるゼ、歩いているゼ」

ということを感じるしw



とりあえず脱退になってから半年、
ほぼ音楽がすっぽり抜けた生活をしてきましたが
そうなると

ただの腹の出始めた野球好きの酔っ払いサラリーマン

な自分であるという事を自覚したので、
またライブハウスで演奏できるように意識改革からはじめますかねw

とりあえず今考えている新バンドの方向性及び求めるメンバー像としては

・基本ビートロック
・掴みバッチリのイントロ(出オチ上等w)
・馴染みやすく口ずさみたくなるようなキャッチーなメロディ及び詩
・ボーカルは俺。基本中低音からスタート。(口蓋隆起というやっかいなモノがありますが、キーが合ってれば今のところ1時間ぐらいはフレッシュな感じで歌えます。)
・ギタリストはHR/HM寄りのリフを生み出せる(速弾きは必須ではない。むしろ泣きが欲しい)
・ベーシストは自由にやってくれてOK(低音でウネウネ歌ってて欲しい)
・ドラムは同期&ツーバス必須(一緒に歌いながら叩いて喜怒哀楽と強弱がリンク出来たら最高。多分俺の声質的にひたすらツーバスは合わないと思うのでエッセンスでお願いします。)
なんかここまで書いて脳内で氷室京介さんのSleepless Nightが脳内ループしてます。
・ライブはとりあえず2ヶ月~3ヶ月に1度が目標
・酒が飲める。飲めなくても酒の場が苦じゃない。(多分かなり重要)
・趣味の範疇とはいえ、それなりにバンド運営、楽曲の世界観に積極的にアイデア出せる人(ここまで含めて俺はバンドだと思ってる)

20年後も「こんな曲できたよ」と持ってこれるバンド

自薦他薦問いませんので誰かいたらよろしくっす!
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どうもご無沙汰しております。

先日自宅のPCが昇天してしまったので新しいマシンを調達する事になりました。
というか現在ライブ用の打ち込みデータ4曲分に取り掛かっており、
リーマンな自分としては土日のうちになんとかせんといかん状況に。

今までは自作機で
Lynnfield世代のcore i5を使用しており、今変えるならSkylakeかなと思ったんですが
ドスパラさんにすぐに持ち帰れるHaswell Refreshのi core7 4790マシンがGTX960を乗っけて手ごろな価格で販売されていたのでその組みあがりマシンに今までのSSD(Windows7 Professional 64bit)をぶち込もうと目論みました。
Core i7 4790
マザーボードはASUS H97-plus
メモリは8G
GTX960
これに128GのSSD
1TのHDD
Windows7のHomePremiumの64bitが付いて
約11万。

さて、クルマでドスパラ横浜店に出向き、店員さんを捕まえて

「これください。」

の一言で商談開始。

一応、使用用途を伝えた上でメモリを8G→16Gにしたいと伝えたところ、
同一メモリで増設するとしたらそのメモリが店頭での取り扱いがないので
今日持ち帰れないとのことで
ここは勝負で他メーカー同士のメモリで増設することにしました。


ほくほくで持ち帰りストレージを繋ぎかえて・・・

Windows7のライセンス再認証も無事終わり、
新しいマザーボードとグラボのドライバを上書きして・・・
Protools11を立ち上げ・・・。


うん。
無事立ち上がりました。

しかし作業してると必ずといって良いほど数分でブルースクリーン。
普段使いは余裕(といいつつ一度ブルスク発生)なんですがProtools動かしてると必ず落ちる。
ちなみにオーディオインタフェイスはM-Audio Fast Track C600を使っています。
最初、ドライバ云々のメッセージだったので、
現状のC600のドライバを一旦削除して入れなおし、
意気揚々と作業していると同じようなタイミングでまたブルースクリーン。
今度はメモリがうんたらかんたらのメッセージ。

ということで・・・

memtest86でメモリチェック!
2G×4枚刺し→2周目でエラー
デフォルトで入ってたメモリ→2周目でエラー

なるほど。こいつが原因ね。

増設用メモリ→5周回してもエラーなし。
よしよし、最初に入ってたメモリがやはりアウトだな。
これでもう一度チェックして・・・ドスパラさんに交換してもらおう。




6周回ってもエラー出ず。

なにこれ、なんなの?

あ、これが噂の相性問題ってやつか!うんうん。
再び4枚刺ししてmemtest86を走らせ会社へ。


しかし帰宅してみると4周ノーエラーで回ってやがります。

メモリチェックするときに刺し方甘かったのかなぁ・・・。

とりあえずmemetest86でエラーでてるから交換してくれるんじゃね?
と思いつつドスパラさんのサポセンに電話するもPCドクターを試してください。
あとデュアル刺しを1枚にしてエラーのあるメモリを特定してください。
と中々ハードルが高く、もう少し自分で検証する必要があるかなと。

デフォルトのメモリのみで作業→落ちない
増設用のメモリのみで作業→落ちない

しかし落ちないながらオーディオインターフェイスのプチノイズが多少あった。
前のマシンではプチノイズなど起こらなかった。

グーグル先生に聞いてみたら
C600で同じ症状出てた例が海外であって、その時はマザーボード交換で使えるようになった云々。

おいおい・・・


新しいマザーボードなんて買う金ねえぞ?!

てかこれなら始めから自作機で良かったじゃねえかと。

よし。もうアレしかない!


まずは裸になります。

PCをコンセントから抜きます。

PCを窓から放り投げます。



となる前にここでひとまず冷静になって考えました。

違いは何か。。。

マザーボードのメーカーもあるのでしょうが、
今まで使っていたのはUSB2.0のチップで処理していたボード。
2.0の差込口を使っていたのですが今回はUSB3.0で2.0を処理するチップ。


3.0→2.0の互換性あるとはいえ、ここが大きな違いになるのかな?

そう思い、ヨドバシカメラにUSB2.0チップを積んだの増設用PCIボードを買いに。
玄人志向さんの増設ボードをひっつかんでレジへ。

店員さんに

「これ2.0の増設ですけど間違いありませんか?」

と聞かれましたが、うんそりゃそうだ。
このご時世2.0なんて増設しないよ普通。

「はい!2.0のチップが欲しいんです!(キリッ」

どうせダメだろうとタカを括っていると物凄い安定性で
Protools11が動いてくれました!!!


メモリじゃなくてこっちだったか~。

後日談ですが、どうやら僕のググり方が悪かったようで・・・

「M-Audio C600 Bluescreen」

で調べてたんですが

「オーディオインターフェイス 2.0 USB 不具合」

でぐぐるとあらま。
いとも簡単にハブを使ってみろとか出てきますね。。。。

まぁその時はメッセージがドライバ関係からメモリ関係に変わったので
C600の固有の症状もしくはメモリ関連かと思ってしまっていたんですよね。


ということで、
USB3.0のチップに対してUSB2.0のオーディオインタフェイスを使っていて
まずは2.0の差込口を試した上で

・プチノイズ
・ブルースクリーン

にお悩みの方はUSB2.0のハブ、もしくは増設ボードを試してみると幸せになれるかもしれませんよ。
快適過ぎて僕ぁ今とても幸せな気分です。

新しいPCが快適というのは物欲に対して更なる幸福度を上げてくれるもんなんですね!

ちなみに玄人志向さんのUSB2.0の増設ボードにはNEC社製のチップが搭載されていました。
他の海外製のチップに関しては不明です。

なんかたまには凄く有用な記事を書いたような気がします。
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FBへ掲載させていただいたものと同文で失礼致します。

昨日は鹿鳴館に来ていただいた方々。
ありがとうございました。

しばらくバンドの活動が白紙になりますが、
ついでに、俺ごときですがご報告させて頂きたい事があります。

私は昨日のライブをもちましてInsfe:lを脱退させて頂く運びとなりました。
理由としては主に僕とバンドとの間で音楽に対する姿勢、割ける時間、それに対する現状、といった諸々の実務的な部分で落とし所が無くなってしまったというところです。
非があるのは僕の方ですが、決して喧嘩別れというわけではありません。
現状これ以上できなくてごめんなさいという気持ちです。

Insfe:lというバンド名も今後使って頂けるという事なので、彼らに託したいと思っております。
名付け親としては嬉しい限りです。

この5年間、音楽の道を一度は捨て、ひょんな事から結成に至り、
CDの発売や遠征ライブなど、普通のサラリーマンをしながらでは決して体験出来ない事をさせて頂き、Insfe:lのメンバーとタイバンの方々、またライブハウスやスタジオ関係の方々には多大な感謝をしております。

今後なのですが昨年年末ぐらいにぽっこり出来た
口蓋隆起というもののケアをしつつ新たなバンド活動を模索していこうと思っています。
口蓋隆起とは上あごのど真ん中にある骨が成長しぽっこり盛り上がって出てきてしまう現象で、原因が鼾や歯ぎしりによる刺激と言われております。

日常生活においては何も問題はないのですが、声が響く場所であるがために、歌っているとその刺激で炎症を起こしてしまい、そうなると歌えて1時間です。それをかばおうとすると、やはり喉に力が入ってしまったり、声がすっぽぬけてしまったりという弊害があります。

切開して骨を削ると1~2週間で治るみたいなのですが
声変わるんじゃね?
というのと、恐らく刺激による骨の異常成長なので
いつでも再発する可能性がある
という事らしいので、どうせなら現状1時間歌えるならコイツと付き合っていって歌える時間延ばした方が得策なのか?とも考えています。
そこはおいおいとしますかね。

新たなバンドですが現状は全くの未定です。
気持ち的にどこかのバンドに加入させて頂くか、メンバーを1から探すかも白紙です。
それをしながら、息抜き的にバンドで遊ぼうと声を掛けて下さっている方々がいらっしゃるので上記のケアというか対処法を模索しつつ次なる展開に備えようと思っています。

うん。どちらにしても「俺の声が好き」と言って歌を聴いてくれる方々、「お前の声がバンドに欲しい」と言ってくれる方がいる限り、多分俺声が出なくなるまでバンドはやっていく事でしょう。
(俺の売りって声量じゃなくて質って勝手に思ってるんですが・・・)

とりあえず小休止!
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またmi○iからの転載ネタです。
完全にラノベですね。
一部当時と登場人物の名前を変えたりしています。
肉付きさせようと思うと長くなりすぎるのでそのままで!


「St@lk_01」


顔に当たる陽射しに心地よい刺激を感じている。 

「眠っていたのか・・・」 

眠りから醒めつつある意識が 
まだ混沌としている。 

そのまどろみに身を委ねていると 
緩やかに戻る意識の奥底から、 
何かが心地よさを突き破り、 
一瞬にして全神経を覚醒させた。 



「ここは・・・どこだ?」 



見渡すとそこは病室のような場所である。 
しかも個室のようだ。 

どうして自分がここにいるのか? 
自分の身に何が起こったのか? 

思い出そうとする意識より早く、 
本能がその作業を脳に働きかけている。 

しかし何も浮かばない。 

何も思い出せない。 

思わず手で顔を覆った瞬間、また異変に気づいた。 
顔と手には包帯が捲かれている。 
横たえられた身体を思わず見渡す。 

包帯が包んでいたのは全身だった。 

先ほどから意識を蝕んでいる感覚。 
それは恐怖以外、なにものでもなかった。 


「自分は一体・・・誰なんだ?」 


自分が誰なのかさえ思い出せない。 

これほどの恐怖は今まで感じたことなどなかった。 
いや、それが恐怖なのかさえも分からなかった。 

一切の記憶が無いのだから。 


混乱を極める意識の中で、 
少しずつ理性もまた働き始めた。 

病室らしき部屋、 
全身を包帯で包まれた身体。 

「己が何者であるのか?」 
それに繋がるヒントらしきものはどこにもなかった。 



ふいに「カチャッ」という音がした。 
ドアが開かれたのだろうか。 


その音のする方向へ身体を向けようとするが 
全身を激痛が襲う。 

「うっ・・・」 

痛みに無理やり発せられた呻きに反応し、 
次いでコツコツという音と気配が 
何者かが近づいてくる事を教えた。 
目は開けているものの、 
ぼんやりとして良く見ることができない。 
まるで雨に流された水彩画のようだ. 

それが自分のすぐ近くに来たと思うと、 
今度は手が額を触り始めた。 

「大丈夫????」 

どうやら女性の声だ。 


「あぁ良かった。やっと目覚めたのね?」 

「・・・」 

「心配してたんだから。もう3日もこのままで・・・」 

「・・・」 

「意識が戻らなかったらどうしようって。」 

「・・・」 

何も答えられずにいると、 
その声は今度は頬を撫でながら言った。 

「でも生きていてくれていて良かった・・・ 
シンイチさん・・・」 




自分は・・ 

自分は・・・シンイチというのか。 


--------------------------------------

「St@lk_02」




名前を取り戻したと同時に、 
記憶が突然映像として浮かんだ。 

轟音とともに迫り来るヘッドライト。 
身体がとてつもない重みを一瞬感じ、宙に舞う。 
しかし、投げ出された身体は重力に逆らう事なく 
地面へと叩きつけられた。 
思考回路も停止し、今までと90度回転した景色の中に 
緑色のハイヒールが見える。 
瞬きなどしていないのに、途切れ途切れに映る視界。 
いつしか緑色のハイヒールが自分の鼻先に来ていた。 

『・・・ないんだから・・・しか・・・ないんだから・・・ 
のは・・・しか・・・ないんだから・・・』 

その言葉がフラッシュバックされ、 
また意識を失った。

「お目覚め・・・ですね。」 

今度は聞き覚えの無い太い声が眠りから目覚めさせた。 

目をやると白衣に身を包んだ恰幅の良い男性が立っている。 
この人物が医者なのだろう。後ろには看護師と思しき女性が 
2名、控えるように立っていた。 

身体を起こそうとするがやはりまだ自由が効かない。 

「あっ無理はなさらずに!全身打撲に加え、 
腰の骨を骨折されていますから・・・」 

「あ・・・う・・・」 

・・・・?しゃべれない? 

声にならない。 
一体どうしてしまったのだ? 
不思議そうに医師を見やると、その不安を 
かき消してくれるかのように優しく言葉を続けた。 

「加えて頭も強く打たれたらしく、 
その後遺症で言語が若干不安定なようですね。 
しばらくは安静が必要ですね。 
でも一時的なものですから大丈夫ですよ。サイトウさん」 



・・・自分の姓がサイトウであることを知った。 

サイトウ シンイチ 

この名前で今まで自分は生きてきたのか。 

サイトウ シンイチ 

そうだ!この名前に覚えがある! 


サイトウ・・・シンイチ・・・ 

うん・・・自分は・・・。 

その瞬間、とてつもない頭痛が襲ってきた。 

「うっ・・・」 

思わず頭を抱え込む。 

「大丈夫ですか?」 
「あ・・・う・・・」 

「鎮痛剤を打ちます。また少しこれで休んでいてください。」 

腕にチクリとした感触が走った。 

程なくすると脳内を直線的に攻撃していた 
痛みが和らぎ、心地よさが支配し始めた。 

また・・・眠るのか。。。。 

遠ざかる足音、医者と看護師の会話がうすぼんやりと聞こえる。 

サイトウ シンイチ 

確かに聞き覚えのある名前に安堵を覚えつつ、 
薬によってもたらされた不思議な心地よさと 
眠気に身を任せることにした。 
身体が痛みを拒絶しているのだ。 

視界の右端にはいつの間にか花瓶が置かれている。 
そこには白いチューリップが活けられていた。




--------------------------------------

「St@lk_03」



景色が色ガラスで殺されたホテルの一室。 

シャワーを浴びる音が微かに聞こえる。 

薄暗い部屋の中では一昔前のパチスロ台が 
必要以上に輝きを放ち、 
その定期的な点滅が薄暗い部屋にいびつな 
ネオン光を彩っている。 
有線放送からはムードのあるジャズが流れ、 
音の聞こえてくる距離感がまた独特な感じだ。 
テーブルには飲み干し、握りつぶされたビールの空き缶。 
ベッドには脱ぎ捨てられたワンピースと下着。 

二人の行為で作り出したその部屋模様が 
背徳的な空気を醸し出している。 

不意にシャワーの音が止み、ドライヤーの音が 
響き始めた。 

枕元に手を伸ばし残り少なくなったタバコに火をつける。 
煙がピンク色のネオン光に反射し 
そのくゆり方がまた卑猥に映る。 

ドライヤーのモーター音がフェードアウトすると 
安物のスリッパの音がパタンパタンと響き始めた。 

ホテル名の入ったグレーの大きなタオルに身を包み、 
女性が姿を現した。 
身体に密着したタオルが、彼女のボディラインを 
より強調しているようだ。 

女は笑みを浮かべながらベッドに入ってきた。 
笑顔がなぜか「いやらしい」と感じる。 

これから始まるであろう情事への期待と、 
動物的本能が心を急かせる。 

思わず顔を抱き込むようにすると、 
それを待っていたかのように
女は自ら胸に顔を埋めてきた。 
撫で始めたその乾ききっていない長い髪の毛からは 
やさしい、またずっと嗅いでいたくなるような、 
汚してしまいたくなるような匂いがした。 

「シンイチさん・・・私のこと捨てないでね?」 

懇願する甘い声に、自分の中の理性が仮面を捨て、 
女が唯一身体に纏っているものを乱暴に剥いた。 

「シンイチさん・・・」 

ため息の混じるその声は、自分を呼んでいるというよりは 
彼女の中の何かに語りかけるようだった。 
そしてより深く自分に女を預けてきた。 

もう、止められなかった。 
いや、「止める」という選択肢はもはや微塵もなかった。 




--------------------------------------

「St@lk_04」

あの女は一体何だろうか? 
そして自分は誰なんだろうか? 

今までてっきり名を「シンイチ」といい 
彼女が私の妻もしくは恋人であり 
重症である自分を介抱してくれているものだと 
思っていた。 

あの人に戻る? 
誰の事を言っているのだ? 

そんな事を考えているうちに 
病室のドアがふいに開いた。 

あの女が戻ってきたのだろうか? 

「おっ!起きてるな!」 

男の快活な声が聞こえる。 

「やっと目覚めたのか・・・ 
心配したんだぞ、いつ来ても眠ったままだったからさ。」 

誰だ? 

この男は一体誰なんだ? 

「会社のほうには俺から事情を説明してあるからな。 
とりあえず心配しなくても大丈夫だ。」 

同僚・・・だろうか? 

そうか、自分もどこかで普段仕事していたに違いない。 
何の仕事だろうか? 

男の快活な話しぶりから察すると 
そこまで酷い職場ではなさそうだ。 


「俺たちの結婚は延期になっちまったけど、 
皆またタイミングを待ってくれるみたいだからさ。 
ちゃんと盛大にやらないとな!」 




--------------------------------------

「St@lk_05+」


俺たちの・・・結婚・・・? 


どういうことなんだ? 


キョトンとする表情に信じられない言葉が飛び込んできた。 















「どうしたんだ?ミカ?不思議そうな顔して。 
頭でも強く打ったのか?」 

ミカ・・・? 



ミカとは誰なんだ? 


「おいおいミカ!しっかりしてくれよ! 
俺ら式のことで喧嘩して、お前数日家に帰って来ない 
と思ったら、病院に運ばれたって・・・」 


ミカ・・・自分はミカというのか? 


ここが病院だと認識した日と同じ感覚が襲った。 


しかし今度のそれは恐怖という意識を掻い潜り 
鮮明に「彼女」を覚醒させた。 


式の事で喧嘩になり、家を飛び出した彼女は 
自分を包んでくれる「彼女」の元へと向かった。 

「シンイチ」さんには決して口外することの出来ない秘密。 

元から男勝りの性格だったためシンイチと衝突を 
繰り返し、疲れていたミカ。 
数年前から「彼ら」は少数派の集う掲示板で知り合った。 
月に一度、そんな境遇の人々が「オフ会」というものを 
開催し、カップルを成立させてはお互いの欲求を貪っていた。 

魔がさしたと言うよりも、好奇心のほうが強かった。 

「じゃぁあなたがシンイチさんになってみればいいじゃない」
 
柔かく、同性からしてみても艶やかな声で彼女は言った。 

そんな二人が出会い、ほんの好奇心からタブーと定義された 
一線を越えるまでの時間など無いに等しかった。 

そこで誰にも言えるはずのない密会を繰り返しては 
正気を保っている自分がいる。 

そう信じて疑わなかった。 

しかし新居となるマンションで今後の話を二人でしている時、 
「女なんだから、もっとしおらしい衣装の方が 
いいんじゃないのか?そういえば家具もどこか男っぽいというか 
無機質過ぎやしないか?男の一人暮らしみたいな部屋だぜ?」 


「女なんだから・・・」 

その一言が彼女の中の「女」を弾き飛ばしてしまった。 
夫となるシンイチに対する罪悪感、これから内なる「己」 
を隠していかなければならないという重圧が彼女の元へ向かわせた。 


果たして彼女はいつも通り彼女を包んでくれた。 

「あなたを幸せに出来るのはわたししかいないんだから・・・」 

数日の間、すべてを放棄して二人で過ごした。 




でもやっぱり「シンイチ(男)」にはなりきれなかった。 
自分が「男である」という錯覚は一時的な逃避でしかなかった。 

どう説明したら良いのだろうか? 

今更・・・ 

ミカは彼女がシャワーを浴びている間に 
置手紙を残すことにした。 

きっと分かってくれるに違いない。。。 


残してきた手紙が本当に正しいのかどうか分からぬまま 
彼女は部屋を後にした。 
自分のとったすべての行動への罪悪感に襲われながら 
地に着かない足で家路に向かった。 
どこからかこみ上げる涙が視界を邪魔をする。 

そのぼんやりとした視界をヘッドライトの光が襲う。 

あ・・・光って・・・痛いんだ・・・ 

そう思った瞬間、光が全てを真っ白にした。 





「いやあああああああああ!」 



心、いや魂から湧き上がる叫び声が病院内に響く。 
紛れもない女性の声だ。 
恐怖は時として強烈な吐き気を纏って襲ってくる。 

「おい!ミカ!大丈夫か!!!」 

ナースコールを押すシンイチ。 


ほどなく看護師がやってきた。 

「どうしました?」 

「あ、いえ彼女が急に叫び出したもので・・・」 

嗚咽の止まらないミカにナースの腕が伸びる。 

その小脇には花束が抱えられていた。 



「あ、これ病室の前に立て掛けられていたんですよ・・・ 
とても綺麗な紫色のチューリップですよ~ 
お手紙もついてるみたい」 


シンイチがその手紙を受け取り読んでいる。 

「変だな・・・シンイチさんへとしか書いてない。 
何で俺なんだ?」 


とだけ書いてある。 

不思議そうに手紙を見つめるシンイチをよそに 
ミカはまだこれからの「悪夢」に絶望していた。 



そう・・・紫色のチューリップ。 



その花言葉は・・・ 









~END~ 

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昔、某m○xiに載せてたものの転載です。
たまにはこういうのも上げたり書いたりしよっかな。
2006年に書いたものらしいです。
ちょっと分かりやすいように加筆してあります。


「ダミアン」

エキセントリックパークのゲートをくぐる。 
これがログイン方法だ。 
自分の待機場所である噴水前ベンチに向かう。 

今日はどんな女にしよう?。。。 
有料サービスだ。トコトン活用しないと・・・ 

そう考えながら頭の中では既に一人の女性が 
姿を現しつつあった。 
そうだな・・・泣きボクロがあって、背は俺より少し小さくて 
声はこんな感じで、髪型は・・・ 

時代の変化というものは恐ろしい。 
数々のIT革命が我々を色々な束縛から解放した。
挙句の果てには「会社」というものからですら。 
一時は我々のような存在は「ニート」と呼ばれ社会から 
白い目で見られていたようだが、むしろ今の時代は 
「家から一歩も出ない生活」が当たり前になっている。 
人間、楽して生活出来ればそれにこした事はない。 
そんな至極当たり前の欲求が社会を変えた。 
そう、いつも社会の変化というものは人々の欲求に 
よってもたらされていく。 
話を本題に戻そう。

俺が今利用しているサービスは 
「Dummy Android Network」というもので 
通称「ダミアン」と呼ばれている。 
簡単に説明すると、頭に装置をかぶると
細かい繊毛のような端子が頭皮に触れ、
そこから電気信号を送る。 
「人間」という動物は「脳」からの刺激を「現実」として 
捕らえる生き物だ。 

そんな最先端のバーチャルリアリティを駆使し、 
自分の好みの「恋人」と楽しい時間をリアルに過ごせる。 
抱きしめれば鼓動が伝わるし、キスをすれば濡れた唇に 
こちらがとろけてしまいそうになる。 

凄いのはボディの部分だけではない。 
感情部分も計算しつくされている。 
いつも期待通りの言葉ばかり返ってくると 
「ウンザリ」してしまう。 
それを打開するために、「ここはこう言って欲しい」 
と思っていても、その言葉を聴くまでに色々な 
やり取りを行わなければならない。 
要は「恋の駆け引き」ってやつ。 
そんなサービスだ。 
ただし、駆け引きと言っても現実の女のように 
結婚を必要以上に迫ったり、他の男と天秤に掛け、それが 
バレてることも気づかずに平然とした顔で嘘をつくような 
事もない。 
そういった変な安心感が現実よりも「愛」 
を感じさせてくれる。 
ここで俺は初めて「愛」は安心感が相まって初めて 
「満たされるもの」であることを知った。 

ただ、バーチャルリアリティなので女が気に入らなければ 
すぐその場で消し去る事も可能だ。 
それも安心して利用できる一つの理由である。 

無料サービスとしても利用可能であるが、試して数時間で嫌になった。 
15分おきに女がスポンサーの商品を宣伝し始めるのだ。 
下手な商売女よりタチが悪い。 

そこで広告なしの月額定額制の有料サービスにしたのは言うまでもない。 

噴水前に着くと早速好み通りの女が座って俺に微笑んでいた。 
さすがだ。まさにパーフェクト。 

早速会話が始まり、俺は楽しい時間を過ごし始める。 
この女は俺が創り出した自分だけの為の女。 
会いたい時に会えるし、会いたくなければ消すまでだ。 
そんな安心感が、現実の恋愛のようなガツガツ感を消し去って くれる。
自分をゆっくりさらけ出せるのでテラピー効果もあるといえよう。 

・・・・・・・・・・ 

会話を楽しんだ俺は、その女をセーブする事に決めた。 
セーブしようと思うだけの自動セーブ機能。 
こうしておけばいつでもまた会える。 
連絡先など聞いても意味が無い。 

「こんな女が現実に居ればなぁ・・・」 

と脳裏に一瞬よぎったが俺も大人だ。 
そんな子供じみた夢に埋没するほどバカじゃない。 

さて、そろそろログアウトするか。 

------------------------------------------------------ 

「またやっちゃった・・・」 

女はログイン後、途方にくれていた。 
現実の世界で幾度と無く男を信じ、騙されそして捨てられた。 
容姿は決して悪くない。性格だっていまどき珍しく古風だ。 

口巧みな男に愛を囁かれては身を任せ、それが済むと 
男たちは無表情で去っていく。 

朝起きると隣に寝ているハズの男の姿はなく、 
携帯にかけても「お客様のお掛けになった番号は・・・」 
の繰り返しである。 

女はめったにこのサービスを利用しなかったが 
心の隙間が出来ると、どうしても「内なる恋人」 
に甘えたい欲求の歯止めが効かなくなる。 
いやしかし、このサービスがあるからこそ正気を保って 
いられるのかもしれない。 

どんな男にしようか・・・。 

そう思ってベンチに座っていると、向こうから 
一人の男がやってきた。 

少し理想とは違うけど、かけ離れているわけでもない。 
どこか安心できそうなタイプだった。 

会話を楽しむ女。 

男は泣きボクロを褒めてきた。 

いつも「泣きボクロ」を口説きの口実にされるので 
その部分は触れて欲しくないハズだったが 
きっと最新の演算処理によって、敢えて 踏み込んで来たのだろう。 

それを覗けばまさに女好みのパーフェクトな男であった。 

この男をセーブしておこう。 

そう思うと同時に男が去っていくそぶりを見せる。 
これも絶妙な演出タイミング。 
焦らなくてもいつでもこの男とは逢える。 

満たされた女もログアウトした。 

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翌日、同じ時間帯に別の場所で
男と女が目の前に現れたメッセージに 
目を丸くしていた。 


「セーブデータがありません。 
好みのタイプを想像してください。」 

--------------------------------------------------- 



一期一会を大切に。 
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