「ガレミュージックラックの修復 1」
ガレのミュージックラックを修復しました。
楽譜を立てておくラックが付いています。
天板はガレのデザインの特徴である象嵌細工で作ったランドスケープが
見られます。
横には、蛾とも蝶とも見てとれる透かし彫りのパネルがあります。
この家具は1910年頃に作られたのですが、今回の修復を進めていて
この家具が今まで一度も修復されていなかった事がわかりました。
今まで色々な家具を修復してきましたが、100年以上前の家具で
修復の痕跡が無い物に出会う事はとても珍しいです。
それではコンディションを見てみましょう。
この家具全体はセラックニスで塗装されていますが、作られた時に塗らてから
一度も塗装されていないので、塗膜が磨耗してほとんど無くなっている場所が
たくさんありました。
それに加えて、ホコリやタバコのヤニが大量に付着していて、
触ると指が黒くなるほど汚れていました。
天板のエッジはあちこちで割れたり欠けていました。
次回は修復のプロセスを紹介します。