三谷英弘オフィシャルブログ「前衆議院議員 三谷英弘's EYE」Powered by Ameba

三谷英弘が考えていることを書いていきます。
 ・ 前衆議院議員(1期/2012.12~2014.11)
 ・ 元みんなの党倫理委員長
 ・ 弁護士


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ついに、新国立競技場の建設が原案のままで決まってしまいました。

「新国立競技場改築費 2520億円で決定」
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150707/k10010142211000.html

ちなみに、2520億円、2520億円と言っていますが、これは、オリンピックまでに行う工事の費用を指すものにすぎず、これには、開閉式の屋根の費用(170億円)は含まれていません。また、当初予定されていた8万人収容のいすの一部を可動式から常設のものへとする追加工事等も、この建設費に含まれていません。これらを含めると(合計約190億円)、当初の見積もりを大きく上回り、工事総額としてはなんと約2810億円。今後何か見積もりが狂えば、容易に3000億円を遥かに超えるような総工費を要する巨額な建造物になるのです。

※ ちなみに、費用が全体として大きくなる時に、そのうちの一部の費用を敢えて別にしたり、言葉の意味を限定することで、一見総額がそんなに高くないように見せる方法は、霞が関文学では良く用いられる手法です。後程改めてご紹介します。

既にご存じの方も少なくありませんが、この建設費用は、過去のオリンピックのメインスタジアムの建設費と比べても異常に高くなっています。今回の新国立競技場建設費用を使えば、2000年のシドニーオリンピック、2004年のアテネオリンピック、2008年の北京オリンピック、そして2012年のロンドンオリンピックにおける各メインスタジアムの建設費を全て合計しても、なお100億円余ると言われています。
http://blogos.com/article/122005/

もちろん、日本は物価が高いんだから建設費を海外と比べても意味がないと思われる方もいるかもしれませんが、過去のスタジアム等の建設費と比べても異常に高いことは分かって頂けると思います。

国内外ともに、まさに群を抜いているわけです。

でも、ただ単に高いだけではありません。
この競技場建設に関しては、本当に多くの問題が含まれています。


≪財源問題≫

そもそも、どうやってこの巨額な建設費用を捻出するかが決まっていません。

日経新聞(有料会員限定)東京新聞その他の報道によれば、既に確保されているのは、国費391億円と直近2年間のtotoの売り上げの5%の109億円、あわせて約500億円。これに加えて、2020年までtotoの売り上げが続くとして約330億円。JSCがスポーツ振興基金として積み立てていた基金の内から125億円、東京都に負担要請している金額で500億円。これらで約1000億円も想定できています。
でも、まだ総工費まで約1000億円足りません。

そこで、totoの売り上げの5%ではなく10%を充てる策も採用して、追加で約500億円を賄ったとしても、まだ足らない。だから、やむなくネーミングライツを売却する等で更に約200億円を見込んでも、なお約300億円足りません。で、残った分はどうするの?というのが今の議論。

そもそもネーミングライツ等で200億円など得られるわけがないし、さらに300億をどこから調達するつもりかわかりませんが、その議論をする前に、少し考え直して頂きたいのです。

totoのホームページを見ると、「ロンドンオリンピックでメダルを獲った選手の育成には、じつはtotoとBIGの収益が役立てられていました。」とあります。「くじを買う人が、スポーツ選手の育ての親になれる。」とまで書いてあります。
私も何度もtotoやBIGを購入してきましたが、それは外れても選手の強化につながるからいいや、という想いがあったことは事実です。皆様も、何も競技場を建設したいからtotoやBIGを買ってきたわけではないでしょう。

そんなtotoの1年間の売り上げ全て(約1000億円)とほぼ同じ額(900億円)をまるまる充てる上に、選手強化のために積み立てられてきたはずのスポーツ振興基金の内、政府出資金の半額(125億円)の取り崩しと合わせると、合計で軽く1000億円が、本来目的とされてきたはずの選手強化ではなく、競技場建設に使われてしまうことになります。

ちなみに、報道によれば、現在のJOCの選手強化費用は1年間でたったの約26億円でした。JOCだって、東京オリンピックで多くの金メダルを選手に取らせたいのでしょう。オリンピックまでの6年間で800億から1000億円、年間約150億円に上げて下さい、とJOCが国に要望しています。

今年は「競技力向上推進プログラム」として約116億円が支給されることになりましたが、仮に、この本来選手強化に使うはずの1000億円(1年間で200億円)の一部を今年からでも競技場の建設から選手強化へと回せたら、JOCが要望する金額を遥かに上回る強化費を確保することができるのです。

税金の追加投入を防げればよい、という問題ではありません。

東京オリンピックでは、日本人選手の活躍を期待しているのであって、少しでも選手強化費用を増やして欲しい、と考えるのは当然です。

とするならば、選手強化費用に回すべきお金を競技場建設に費やすかのような、今のお金の使い方が、国民の期待と合致しているのかどうか、改めて考えなければなりません。


≪維持費の高騰≫

さらに、維持費も馬鹿になりません。

私が国会で質問したときは、維持費が年間35億円に対して、収益見込みは年間約38億円なので、3億円の黒字が見込まれるという答弁を頂いておりました。

そういう経過の中で、今般、維持費が年間40億円に膨らみました。だとすると収支見込みも赤字になるだろうと思うのが当然です。しかし、JSCの資料によれば、実は何と収入見込みも40億円超へと増加し、なおも3800万円黒字が見込まれるとされています。

しかし、驚くことなかれ。

馬鹿らしいので今回の収入見込みの詳細を確認もしていませんが、過去の収支見込みの変動を見ても、まさに結論ありきです。
今までも維持費の予想に沿って必ず黒字が見込まれるような計算がされているわけで、今回もその延長線上に他なりません。

全く恥ずかしくないのでしょうか。

ちなみに、先ほどの国会質問時には、屋根があるから音楽のコンサートの回数を増やせるから収益があがるんだと答弁を頂きましたが、今回開閉式の屋根の建設は見送られています。新競技場開設後の収入が予測ほど伸びなかったことの言い訳ができて良かったね、と今から皮肉を言いたくもなります。


≪完成後の改修費≫

完成後の維持費に加えて、大規模改修費も莫大です。
改築後50年間の大規模改修費用として、今までは約656億円が見込まれていましたが、今般の試算では1046億円、年間20億円もの費用が必要とされています。

ちなみに、先ほどのJSCの資料によれば、
「なお、新競技場の改築事業に係るいわゆるライフサイクルコストを明らかにするため、改築後50年間に必要な大規模改修費を試算したところ、約1,046億円となっています。(この金額を賄うための経費は、上記の収支計画に含まれていません。)」
となっています。

案の定、冒頭に述べた、霞が関特有の「総額を大きく見せないような工夫」が施されているわけです。

ちなみに、前述した維持費の内訳の中にも修繕費が含まれていた気もします。
その「修繕費」とこの「改築後50年間に必要な大規模改修費」とが具体的にどのような関係にあるのか良く分かりませんが、ともかく、先ほどの維持費に加えて1046億円も費さなければ、新国立競技場を使い続けることはできません。

念のため、この改修費用を加えるとどうなるか、試算してみます。

JSCの事業計画によれば、年間の収入見込みは40.8億円。これだってはっきり言ってお手盛りです。いくら稼げるか分かったものではありません。

それに対して、年間の本当の維持費は、40.4億円に20.1億円を加えた、60.5億円。
50年で約3000億円です。

これが新国立競技場を使い続けるために本当に必要な「コスト」です。


これで分かって頂けましたでしょうか。

本来選手の強化に使うべき莫大な費用を合わせて約3000億円もの巨額の費用を投じて建設し、更に今後50年で約3000億円の費用を投じなければ運営できない競技場。

新国立競技場の建設を決めることで、今後約6000億円もの金額が必要となる。

これが、今問題となっている新国立競技場の本質です。


≪オリンピックのレガシーとは≫

改めて僕の国会での質問に戻りますが、僕は、最初に東京オリンピックで重要視される「レガシー」とは何かを質問しました。

これに対して、答弁では、「来年二月の大会基本計画に載せていく、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックを契機としてつくり出して、それを後世の方々に伝えていくもの」と回答を頂きました。

そこで、この大会基本計画を紐解くと、このように書いてあります。

「東京 2020 大会は、単に 2020 年に東京で行われるスポーツの大会としてだけでなく、2020 年以降も含め、日本や世界全体に対し、スポーツ以外も含めた様々な分野でポジティブなレガシーを残す大会として成功させなければならない。」

そして、レガシーに記載されている第6章を見ると、最初にスポーツが挙げられ、そしてその次に挙げられている項目(恐らく、それだけ重視されているということでしょう。)が「街づくり・持続可能性」です。

そこには、「大会後の有効活用を想定した高い関連施設の整備」がアクションの例に挙げられ、「大会を契機とした取組を通じた持続可能性の重要性の発信」が一つの視点として掲げられています。

つまり、「持続可能性」がキーワードになっています。

ここからすると、オリンピックのレガシーとは、オリンピックが終わった後も、持続可能なものとしてポジティブに次の世代に残していくべきものであって、その内の一つが「新国立競技場」に位置づけられるはずです。


そのような視点からすれば、これから6000億円もの大金を必要とする新国立競技場は、果たして、東京オリンピックが目指している「レガシー」を体現するものなのか、すなわち「持続可能性」のある、そして後世にポジティブに次の世代に残すべきといえるものなのか。

東京オリンピックに関係する方々には、改めて考えて頂きたいのです。


オリンピックのメインスタジアムは、そのオリンピックの象徴です。
オリンピックが終わった後も、東京オリンピックの記憶を呼び起こし続けていくものです。

考えたくはありませんが、もし東京オリンピックで思うような結果が残せなかった場合。
この競技場建設の費用の一部でも選手育成に回せたら、と思い、恨みに思う人がどれだけ出てくるでしょうか。

考えたくはありませんが、もし日本が、あるいは東京が財政破たんの際に追いやられた場合。
維持費・改修費等の負担にあえぎながら、こんな競技場なんか作らなければよかったのに、と東京オリンピック自体を、そしてスポーツ自体を恨みに思う人がどれだけ出てくるでしょうか。


僕は、東京オリンピックを本当に楽しみにしています。だからこそ、やはり、当然ですが、東京オリンピックの象徴たる新国立競技場には、東京オリンピックのレガシーとしてずっと輝き続けて頂きたいと思っています。


幸いなことに、報道によれば、既に2020年までに間に合うような計画変更の案がいくつか出てきています。
また、2019年のラグビーW杯の決勝戦は横浜の日産スタジアム(現行収容人数:7万2000人)や聖地花園で行うこともできるようです。


これらを踏まえるとなお、今こそ計画変更の決断をするべきときなのではないでしょうか。
ぜひここは、総理のリーダーシップの発揮を、心から願ってやみません。


前衆議院議員 三谷英弘
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