三谷英弘オフィシャルブログ「前衆議院議員 三谷英弘's EYE」Powered by Ameba

三谷英弘が考えていることを書いていきます。
 ・ 前衆議院議員(1期/2012.12~2014.11)
 ・ 元みんなの党倫理委員長
 ・ 弁護士


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一般に、住民が地域で安心して生活をしていくうえで必要なものは、「自助」、「共助」そして「公助」の精神だと言われます。



もちろん当然のことながら「自助」(自立)を第一とすべきではありますが、「公助」について財政上の制約がある中で、地域の課題に対応し活性化を図っていくためには、「共助」の精神によって人々が主体的に支え合う活動を促進することが、活力ある社会にしていく上で必要だとされています。
特にその中でも、いわゆる地縁的なつながりの希薄化が指摘される中で、様々な課題を抱える人たちのニーズに即して機動的・多面的に活動し、課題解決に取り組むことができるNPO法人の活動の重要性が以前にも増して大きくなっていることは言うまでもありません。

この方向性自体は既に安倍政権下でも採用され、既に「共助社会づくり懇談会」が多数回にわたって開催されているところです。

もちろん、いわゆる「共助社会」の重要性に関しては多くの国民の皆様にも異論がないところだと思われます。他方で、「共助社会」の中核を担うべくNPO法人の活動そのものに対する疑念が以前示されたこともあり、その活動への理解が不足している部分も少なからずみられることから、そういう行き違いが「共助社会」の実現の支障となりかねません。

【参考】
NPO法人の現状と課題
内閣府「共助社会づくり」への大いなる疑問

そこで、このたび、三谷英弘事務所では、直接目黒区・世田谷区に拠点を有するNPO法人の皆様に対して、そういう皆様の中で普段から困っていることがあるのか、あるとしたらその問題点とは何か、またより充実した活動を行うためにいかなる施策が必要か、についてのアンケートを実施することとし、アンケートを本日付で郵送させて頂きました。

このアンケートは一応6月末日までの回答をお願いしておりまして、その結果については、当方で集計し、匿名化を施した上でこちらのブログにて公表させて頂きます。
また、当然のことながら、頂いたご意見はできる限り国政復帰時の当方の施策にさせて頂きます。

なお、今回は当方の財政的な問題から地域を区切ってアンケートを送付させて頂きましたが、特段目黒区と世田谷区に限るつもりもありません。それ以外の地域でも、NPO法人を運営されている方、また運営に携わられている方の中でご興味がある方がいらっしゃいましたら、ぜひ一声お声がけ頂けないでしょうか。

これからの日本をより住みやすいものにするため、まずは地元の目黒区・世田谷区を全国で一番の「共助社会」にするべく活動を続けて参ります。どうか今後ともご指導のほど宜しくお願い致します。


前衆議院議員 三谷英弘
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先日、日曜日から月曜日、熊本地震の震災の影響をこの目で確認するため、大分に飛んで参りました。

「熊本地震」の被災状況を見るのになぜ大分なのか、と思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、それはほかでもありません。このたびの「熊本地震」で被災しているのは熊本に限りません。その影響は、大分、宮崎、福岡に及んでいます。しかしながら、周辺地域の情報があまりにも少なく、支援の手が熊本ばかりに集中しているのではないかという声もありました。そこで、周辺地域の中でも被害が大きかったとされている大分の実情をこの目で確認しに伺った次第です。

今回の日程で伺えたのは、大分県別府市、由布市湯布院町、そして熊本県阿蘇市の3自治体。そして、被災地の一つでもある別府市の長野恭紘市長からお話を伺う機会も頂きました。

1.被災地の状況について

≪大分県別府市≫

まず、日曜日の午前中に伺ったのが別府市。表通りを走っている限りはあまり気づきませんが、別府市北部に関しては、一歩道路を入ると多くの石塀が崩壊しています。また、ブルーシートで覆われた屋根や倒壊しそうな家屋やコンクリート塀も見られます。他方、南部に行けば行くほどいわゆる被災した建物や石塀は目立たなくなります。

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別府では3か所の避難所にも伺いました。いずれの場所もその時いらっしゃる方が0から数人と、避難者の方が少ない印象も受けましたが、お昼は仕事や家の片付けに出て、夜になると戻ってくる方が多いとのこと。避難者の方の数は減ってきているものの、まだまだ需要はあるようでした。

さらに、支援物資が貯蔵されている市立体育館、そして市立別府商業高校へ。物資は必ずしも潤沢と言えないようにも思いましたが、全国からの物資が集まっている様子にはとても心強い思いをしました。

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ちなみに、別府市には全国からの救援物資が運び込まれていますが、中でも岐阜県美濃加茂市からの物資が目につきました。というのも、別府市長の長野恭紘さんは、美濃加茂市長の藤井浩人さんと「龍馬プロジェクト」という志を同じくする仲間同士だとのこと。こういうつながりで各地の自治体が助け合えるのは素晴らしいことだと改めて実感しました。

また、その後立命館アジア太平洋大学(APU)にも伺いました。ここも、校舎や敷地は非常に新しいにもかかわらず、様々な場所でひび割れや隆起などが起きており、やはり震災の力の大きさを示していました。

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≪大分県由布市≫

次に、その日の午後、別府を離れて由布市湯布院町へ。こちらは、やはり震源地に近い分だけ、より震災の影響が出ておりました。

まず、由布院駅前の避難所では、そこの責任者の方から話を伺う機会を頂きました。最大時には約1300人、本日のお昼の時点でもまだ40~50人、夜になればさらに相当数の方が避難しており、自衛隊による炊き出しも続けられている様子でした。

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家だと不安だから避難所に来ているという方もいらっしゃいましたが、別府市とは異なり、家が倒壊して物理的に戻るところがない方が少なくないとの話を聞いたため市内住宅街を歩いてみました。すると、瓦が壊れ屋根をブルーシートで覆っている住宅がいくつも目に入るだけではなく、全壊、半壊をしている建物が次々に見つかりました。湯布院での被害の深刻さに言葉を失いました。

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≪熊本県阿蘇市≫

その日は由布院駅近くの民宿にて夜を過ごした後、二日目は早朝から移動を開始して熊本県の阿蘇市へ。別府や湯布院とは比べものにならないくらい多くの自衛隊車両が走っており、また各所に震災の影響で通れない道がある様子などを目にし、ただ事ではない様子が嫌でも伝わってきました。

阿蘇に着いてまず目に飛び込んできたのが阿蘇駅の駅舎。そして、阿蘇神社の楼門にも言葉を失いました。

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その後避難所にも向かいましたが、避難所の大きさ、避難されている方の数などの点で、別府や由布院駅前のそれとは段違い。震災により今なお現在進行形で多くの人々が大変苦しんでいること、それを実感として理解できました。

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2 別府市長と面談する機会を得て

その後、急いで再び別府市に戻り、市役所にて長野市長に面会する時間を頂きました。災害対応中の中の貴重な時間。一寸たりとも無駄にはできないので、緊張感を持って次々に質問を重ねていきました。

市内の被災状況、震災の影響、震災の今後の見通し、行政としての取り組み、今後の課題、そして震災への想いなどなど。そのやり取りの中で、市長の前向きな人柄、そして復興への強い意欲、だからこその苦悩も伝わってきました。

・ 別府も震災によって建物に多くの被害が生じており、今なお少なくない人数の方々が避難所生活を強いられている
・ しかし、別府の深刻な問題は今後の影響、とくに観光産業への影響である
・ すでに宿泊施設によってはGWの予約の8割方キャンセルされてしまっている (※ 僕が長野市長の発言を誤解して理解してしまったので、ここは「宿泊施設によっては」という表現に修整させて頂きました。それでも全体的に大量のキャンセルが出たのは間違いないようです。)
・ 当然余震の可能性がある中でとりわけ安全だということは難しい
・ また、より甚大な被害を被っている地域がある中で、そういう地域と差別化して別府だけが安全だと強調することもしたくない
・ だから、行政として、過大に安全を謳うことはできない。しかし、だからといって、過大に心配してもらう必要もない
・ ありのままの姿を見てもらえれば楽しく気持ちのいい街だと再認識してもらえるし、お客様も戻ってきてもらえるはずだ
・ だから、まずは市長自らがGW期間中温泉宿泊施設に10連泊しようと思っている

概ねこういう話でした。

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※ 写真中央が長野市長。自分より一つ年上の大変エネルギッシュな方でした。

市長はもちろんですが、僕も実際に自分の目で見ましたので、大分にも被災者が多くいることは理解しています。ましてや熊本には今日を必死に生き抜いている被災者の方が数多くいることも学び充分理解しています。でも、長野市長と話したおかげで、地域ごとに見ていくことの大事さも改めて認識させられました。だからこそ、自分も実際に被災地を見てどう思ったかを敢えて述べたいと思います。

まず、阿蘇市については、本当に大変な状況が続いていると思います。
ひっきりなしに自衛隊の災害派遣車両が通っている様子から、東日本大震災の直後にいわき市に行ったときを思い出させられました。そのため、4月25日の時点では、ですが、行って支援、遊んで支援という言葉が不謹慎かなとも思いました。しかし、現地ではコンビニエンスストアも復旧し始めており(既にオープンしている店舗もありました。)、また数多くのボランティアの方もいらっしゃいましたので、少なくともボランティア名目であれば現地に行くことは有益だろうという印象を受けました。

ついで、由布市(湯布院)に関しては、まだまだ被害は深刻に残っています。
何より駅前の避難所にあれだけの方がいらっしゃる中で観光気分になれるかというと、正直僕はなれません。他方で、ボランティアを県外から募集することもしていません。つまり、それだけ被害が限られているとも言えるわけです。そして、どんなにお客さんが少なくても維持で営業している店舗もありますし、既に影響を開始している旅館等も少なくありません。そういう意味では、そういう店舗を何らかの形で支援することも考えても良いのかもしれません。

そして、別府市です。
率直な感想を言わせて頂ければ、確かに今は全然人がいませんが、別府はとても元気でした。そして、ほとんどのお店はお店を開けてお客さんを待ち望んでいます。確かに一部被災している場所もありますが、別府に行くことを避ける理由は、少なくとも今はないかなと思っています。ここに関しては、むしろ食べて応援、行って応援、遊んで応援ということを考えても良いのだろうと思います。


ちなみに、今回の視察中余震はあったようですが、一度も揺れを感じることはありませんでした。無責任なことも言えませんが、必要以上に恐れることもないのかもしれません。


今回の大分行きは2日間で合計走行距離が320キロ超。大変な強行軍でしたが、それでも大分から熊本に入り、それぞれの被災状況をこの目で確認できたことはとても大きな意味があったと実感しています。

改めて被災された皆様に心からお見舞いを申し上げるとともに、復興に向けて立ち上がる方々の強い決意を心から応援したいと思います。


最後に、帰りの航空機の中から東京の様子を一枚。

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東京直下型大地震の可能性が叫ばれている昨今、東京もいつなんどき同じような震災に見舞われないとも限りません。たとえその日が来て、一時はたとしても、自分自身、このきれいな夜景が戻ってくるような活動を続けたいと思います。




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最近、待機児童・保育園の整備を巡って非常に激しい議論が国会内外で繰り広げられています。
実は自分も、保育園でもベビーシッターでも何でも良いので、一刻も早く、東京近郊で一人でも多く子供を産み育てられるような環境を整備しなければならないと強く願っています。

それはなぜか。

他でもありません。
今のままだとこの豊かな国が持たないからです。


1.人口のブラックホール現象を紐解く。~東京と鳥取の比較から~

前回のエントリーで「人口のブラックホール現象」なるものをご紹介致しました。
これがどのようなものか、今回は具体的に見ていきたいと思います。

まず、総務省のデータに基づき、比較的過疎が進んでいることが明らかな鳥取県を例に、東京都と比較してみたいと思います。

鳥取県の合計特殊出生率は1.60。全国でも上から8番目に高い数値となっています。
他方で、東京都目黒区の合計特殊出生率は僅かに0.76、世田谷区でも0.82と1を大きく割り込んでおり、東京全体でも1.15と極めて低い数値になっています。

では、出生率の高い鳥取県の方が若い世代が多く存在しているかというと、もちろんそんなことはありません。グラフを比較して頂ければ一目瞭然。

   

左側が東京、右側が鳥取です。図を見ると東京では20歳前後から急激に人口が増加していることが分かります。これは、まさに進学や就職の時期に上京し、それ以降東京に住み続けることを意味しています。

※ このグラフはウェブサイト「人口・面積・人口密度・」様からお借り致しました。この場を借りて御礼申し上げます。

このように、比較的高い出生率を誇りながらも、鳥取県は深刻な少子高齢化に見舞われる一方、東京は自ら人口の再生産をすることなく、地方から労働力を吸い上げることで、成り立ってきたことを実感して頂けたのではないかと思います。

でも、この東京の姿、実はシンガポールと全くダブって見えることにお気づきでしょうか。


2.シンガポールに見る、東京の未来。

シンガポールは目覚ましい経済発展を遂げている国であることは言うまでもなく、一人当たりのGDPはなんと56,000ドル(USD)と、東京の一人当たりの総生産(57,000ドル)とほぼ変わりません
そして、シンガポールの人口ピラミッドを見て頂ければわかりますが、まさに大量の生産人口がこの国の経済を支えているといっても過言ではありません。



では、シンガポールはどこから若年労働力を調達しているでしょうか。
言うまでもありません。海外です。

シンガポールの合計特殊出生率は、僅かに1.19。
東京と同じように自ら人口の再生産を行うことができておりません。

そのため、シンガポールでは、毎年大量の移民を受け入れることで国家として生産人口を確保する施策が採用されてきました。その結果現在では人口の43%が移民(外国人)で成り立っている、極めて他国に依存した国家、それがシンガポールです。

いや、まだ日本はシンガポールと違って移民を受け入れていないじゃないかという反論も聞こえてきそうですが、実は本質的には全く同じです。

シンガポールは「都市」がそのまま「国家」になっているような国なので、労働力を「都市」の外から供給してもらうなら、それは「移民」とならざるを得ないだけ。
東京も、地方から労働者を大量に呼び寄せて繁栄しているわけですが、仮にここが一つの「国家」だとすれば、他の地方都市から続々と「移民」を受け入れて繁栄しているシンガポールとまったく同様の「国家」に他なりません。

そして、問題は今その東京で何が起きているか、です。

繰り返しになりますが、多くの地方都市において、極めて少子高齢化が進んでしまった結果、東京等の人口増加を上回るほど地方の人口減少が激しくなっていて、これ以上大量の若年者を供給できなくなってきています。

さて、こういう環境下でこれからも繁栄していくためには東京は、そして日本はどうすべきでしょうか。

答えは二つに一つ。
東京における出生率を高めていくか、それとも地方都市から労働力の供給がないなら、もっと範囲を広げて「海外」にまで労働力を求めていくか、しかありません。

※ ちなみに、地方だから一律に出生率が高いわけではなく、地方は地方で、出生率を上げるために、コンパクトシティの構築等を目指して再編成していかなければならないことは言うまでもありません。
    参考)北海道は東京・港区より出生率低?東京一極集中是正で出生率&一人当たりGDP上昇の嘘

※ 下記のURLのように一人当たりの生産性を挙げていくという方法もあります。確かに夢はありますが、現時点では必ずしも現実的とは言えません。
    参考)自動化専門家が断言「移民よりまずはロボット」

※ 今まで働いて来なかった方々(女性や高齢者等)にしっかりと働いてもらうという方法もあります。まさに政府が言うような「女性活躍推進」や「一億総活躍社会」はこの方向性を示しています。スローガンとしては良いですが、これが動ける人は皆働くことが強要されるような「多様性のない」社会を意味するとすれば、自分は望ましいとは考えておりません。



3.移民を受け入れますか、それとも保育所増やしますか。

ということで、結局はこの問いかけに行きつくわけです。
「移民を受け入れますか、それとも保育所増やしますか。」

もちろん移民(外国人労働者)の受け入れに関しては、国家として真剣に検討するべきだと思いますし、その際にはシンガポールの移民政策が極めて参考になります。

シンガポールでは、決して多くの方が恐れているような無秩序な移民の受け入れを行っているわけではありません。ハイレベルな人材の受け入れを中心に行っているためか、移民が増えていても国内の犯罪率が高くなっているという事態は生じておりません。
(もちろん、さすがにあまりの移民率の高さに不満が相当たまっているようですが。)

しかし、シンガポールの移民政策がここまで進めてこられたのは、言葉を選ばずに言えば、国家としては、経済を重視し、どちらかというと歴史や伝統的な文化というものにあまり重きをおいて来なかったからではないかと推測しています。

それにひきかえ、日本では、伝統や文化などの相互理解のもとで育まれたマナーや礼儀を、良くも悪くも前提とした共生社会が構築されてきました。
隣に住む人も、基本的には自分と同じような考えや文化を持っており、夜はできるだけ騒がない、ゴミは分別する、など当たり前の社会生活上のルールを他人が持っていることを期待して生活することができています。

その社会に突如大量の文化や風習の異なる移民が入ってきたらどうなるか。
今の日本の社会秩序が大混乱に陥ることは目に見えています。

だとすれば、「移民を受け入れる前にやるべきことがある」のではないでしょうか。

これは外国人差別でもなんでもありません。
日本において、将来的にどこかの時点でやむなく労働政策として移民受け入れの判断をするときが来るかもしれません。しかし、そのときに迫られる「日本社会の変容」を考えると、正直まだそれを受け入れるだけの国内議論が深まっているとは到底思えません。

もちろんハコモノとしての保育所を作る必要はありませんし、ベビーシッターのような制度の拡充でも良いかと思います。なんでも良いので、今やるべきは、東京やその近郊都市においてしっかりと子供を産み育てやすくすることです。

ちなみに、これは高齢者を犠牲にして若者世代を優遇せよということでは決してありませんし、世代間闘争をけしかけるつもりも毛頭ありません。そうではなく、出生率をあげることが即ち高齢者の豊かな生活を維持することにもつながるのです。

今まで後回しにされてきたように見える「待機児童」の問題をどれだけのスピードで解決できるかどうかは、まさに日本の将来がどうなるか、その未来に大きくかかわっているのです。

だからこそ、この問題に関しては、どうか党派を超えて、党利党略を超えて、国を挙げて取り組んでいただきたいと切に願うばかりです。
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今日で東日本大震災から丸五年。改めて犠牲になった方々のご冥福を祈念するとともに、被害を受けられた皆様に心からお見舞いを申し上げます。

本日は各地で鎮魂の祈りが捧げられておりますが、年々行事への出席者も減少し、また震災の後しばらくは制限されていたネオン等の夜間照明もいつの間にか眩しいくらいに復活するなど、徐々に震災の記憶も風化しつつあるようです。

しかし、忘れたころにやってくるのが震災というもの。家族全員が家にいるときに震災が起きるとは限りません。仕事場で、または学校で震災が起きたときにどう避難するのか、どのように家族が集まるかを含めて、この機会に改めて家族や近所の方々とよく話をして頂きたいと思います。

既に何度も聞いていらっしゃることかもしれませんが、震災で悲痛な思いをされる方が一人でも少なくなるよう、一人ひとり心がけていきたいものです。

さて、もうすぐ桜の季節。過去を踏まえ、同時に未来を見据えて新たな気持ちで自分も頑張って参ります。

前衆議院議員 三谷英弘
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人口のブラックホール現象という言葉をご存知でしょうか。

簡単に言えば、東京をはじめとする大都市が若者を吸いあげ、そこで若者を消費し尽くしていく現象のことを言います。元岩手県知事の増田寛也氏が警鐘を鳴らされたことでご存知の方も多いかもしれません。

日本の中で東京が唯一といっていいほどの経済的なエンジンとなっていることは改めて言うまでもなく、東京が稼ぐ資本が日本全体を支えているといっても決して過言ではありません。そして、なぜ今までここまで東京が発展してきたかというと、理由はどうであれ、東京に若い方々が次々に集まり意欲的に仕事をされてきたからに他なりません。

ここでの問題は、では東京はその若い方々をどこから調達してきたか、です。

持続可能な形で東京が発達し続けるためには、当然ながら若い世代が意欲的に働く状況を続けなければなりませんし、若い労働力を確保するためには、自ら人口の再生産も行っていかなければなりません。

しかし、ご存知の通り、東京の出生率は1.1程度と日本で一番低く、人口を再生産することができておりません。その意味で独立の都市としては全く持続可能な街ではありません。
これをあえて刺激的な表現をすれば、出生率の高い地方都市から若い世代の方々を吸い上げて繁栄する一方で、自らは人口の再生産を行わない利己的な街、それが東京ということができるでしょう。

もちろん地方が十分に若者を供給する余力があるうちは、このシステムでも何とかなりますし、むしろ経済合理性の観点からは育児施設というそれ自体では何らかの利益を生む出すものではない設備に資本を割かないで済む分だけ、この方が都合が良かったのかもしれません。

しかし、地方都市に若者供給能力がなくなった途端、このモデルは崩壊します。東京での経済的繁栄も止まりますし、東京の活力を原動力としてきた日本経済全体も衰退してしまうことに繋がります。
そして、非常に恐ろしいことに、地方都市の若者供給能力が限界を迎えてきています。

先日、国勢調査の結果(速報値)が公表され、1920年の調査開始以来初めて人口減少していることが明らかとなりました。
http://www.stat.go.jp/data/kokusei/2015/kekka.htm
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160226/k10010422431000.html

去年行った国勢調査によれば、日本の人口は1億2711万47人で、前回(5年前)の調査と比べて94万人余り減りました。国勢調査で人口が減少したのは調査開始以来初めてで、総務省は「日本は人口減少の局面に入った」としています。しかも、都道府県別でみると、東京・愛知・埼玉など8つの都県では前回より人口が増加する一方、39の道府県で人口が減少しています。

このことは、東京をはじめとする大都市圏での人口増加を上回るペースで地方の人口減少が進んでいること、もちろん必ずしもイコールではありませんが、東京のブラックホールが若者を吸い上げる力の方が地方都市が若者を供給する力を凌駕してしまっていることを示唆しています。つまり、今までの東京繁栄モデルが目に見えて崩れ始めていることを意味しているのです。

疲弊しつつも日本経済を支える東京のために我慢して若者を供給し続けてくれてきた地方都市。今、その地方都市が消滅するとすら言われて久しいのです。だとするならば、今の豊かな国を今後も栄えさせていくためには、この人口ブラックホール現象を一刻も早く解消しなければなりません。

年金や消費税等、個別の課題は数多ありますし、それらはいずれも極めて重要な問題であることは否定しません。しかし、それらは全て今までの東京繁栄モデルが限界を迎えてきた結果生じたものと言っても決して言い過ぎではないでしょう。

国勢調査の結果が明らかとなり、多くの方が人口減少という現実に向き合うことができた今こそ、私は、今までの東京繁栄モデルを見直し、人口ブラックホール現象というこの国の根本的な課題を国を挙げて解決することに取り組んでいく機運を高めていきたいと考えています。
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今年もいろいろありましたが、最後にホッとしたニュースがありました。既に1週間程前のことになります。

渡辺喜美氏を再び不起訴、8億円借入問題の捜査終結
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye2664473.html

> 旧・みんなの党、渡辺喜美元代表の不起訴処分が確定しました。
> 渡辺元代表は、化粧品大手のDHCの会長から借り入れた8億円を収支報告書に記載しなかったなどとして刑事告発されました。
> 特捜部は今年1月、渡辺元代表を一旦、不起訴処分としましたが、検察審査会が「不起訴は不当」と議決したため再捜査し、22日、再び不起訴処分にしたと発表しました。
> 特捜部は「関係者の取り調べや法解釈の再検討などを行ったが、起訴するに足る証拠がなかった」としています。(22日14:54)


自分自身、みんなの党の倫理委員長として、そして弁護士等による調査委員会の委員長として、この問題に思わぬ形で関与することになり、預金通帳からクレジットカードの明細から、渡辺代表の資金の動きを可能な限りつぶさに拝見をさせて頂きました。

弁護士として職務上の秘密保持義務が課せられているので、それに抵触する形での話はできませんが、調査の過程で、また資金の流れを追う過程で自分が見たのは、渡辺代表の、私欲なく純粋に自らが立ち上げた「みんなの党」を成長させようという想いでした。自分の資産を増やさんがために、少しでも贅沢をしたいがために、お金を使った印象は全く受けませんでした。

今回「嫌疑不十分」という形で、法的には責任追及ができないことが明らかとなって捜査が終了しました。これは調査委員会のレポート通りです。本当に長かったですが、これでようやく本件は終了です。

法律上責任がないからといって、あらぬ疑いを受けるようなことがあったことについてはご本人も責任を感じていらっしゃると思いますし、前回の総選挙を通じて社会的道義的な責任を償われたものと思います。

しかし、では、成長過程にあった「みんなの党」を他にどのような方法で大きくできたというのか。そこを考えると、やりきれない思いに駆られます。

今の供託金制度や選挙制度のそのものを問い直していかなければ、既得権益と闘い、今後の日本をしっかりと立て直していくための勢力はこれからも潰されていくことでしょう。

1年前の「みんなの党」の解党に至るまで、本当に様々なことがありました。しかしながら、これからの政界の在り方を考えても、改めて渡辺代表に再起をして頂き、今後の日本のためにもう一度獅子奮迅の活躍をして頂きたいと願うばかりです。
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先日、不動小学校で行われた「子ども教室」の見学に伺って参りました。

「子ども教室」とは、「ランドセルひろば」と並んで、目黒区が推進している「放課後フリークラブ事業」の一つ。

この「放課後フリークラブ事業」とは、目黒区のホームページによれば、放課後及び学校休業日に、使われていない「学校施設等を利用して、子どもたちの安全安心な居場所を確保するとともに、地域の人材を活用して、子どもたちにさまざまな体験の機会を提供することにより、自主性、創造性、社会性等を養うことを目的として」実施されているとのこと。

とはいえ、この内容は画一的なものがあるわけではなく、それぞれの場所で主催されている方々が創意工夫をこらして子どもたちのために楽しい企画を考えて頂いています。

先日自分が見学したのは、子供たちに歌詞を作ってもらおうという企画で、なんと本物のアーティストが作成した楽曲に歌詞を載せていこうという、なんとも欲張りな企画。しかも、この講師に、あの及川眠子先生。

※ 及川眠子先生とは、今の作詞家と言われる方の中では大家中の大家でして、代表的な作品は多々あり、何を紹介してよいかわからないくらい。あえて挙げれば、Winkさんですとかやしきたかじんさん、それからエヴァンゲリオンのOP曲に詞を提供されています。ちなみに、個人的にはCoCoさんやら三浦理恵子さんやらに詞を提供された方ということで「どストライク」でした!笑


  

  


授業が始まると、まず曲のテーマを決め(今回は「友達」でした)、実際に曲を聴いてもらいます。そのうえで、「友達」に関連するキーワードを次々に子どもたちにあげていってもらいます。軽く200以上は出たでしょうか。十分に出たころを見計らって、及川先生が子どもたちと話しながら、曲に次々に言葉を当てはめていきます。

すると、なんということでしょう。次々に詞が完成するではありませんか!
数十分後には、子供たちが紡ぎだした言葉だけで詞が完成しました。

この現場を見ることができた子供たちには、まだあまりそのすごさがわからなかったかもしれません(汗)が、とりわけ親御さんは大興奮でした!笑
でも、みんなで歌を作り、出来上がったばかりの歌を歌った記憶は、胸の中に強く残ったと思います。

もう少し大きくなったときに、今日のことをふと思い出してもらえれば、きっとより広い将来をえがけるのではないかと思うのです。

最近「キャリア教育」の重要性が言われています。もちろんその中では国や地方公共団体の役割も大きいのですが、他方で、そういう大上段に構えたところのみならず、本当に地域で草の根で子どもと触れ合っている方々の手で、そういう大事な教育が行われている現場の一端を拝見することができました。

及川先生の言葉で非常に印象的なお話しがありました。

自分は国語が得意ではなかった。
業界の中でも、学生のときに国語ができていた人の多くは「編集者」になっている。
教育の中で、国語という「枠」をはみ出た部分が個性。
作詞家にはその「枠」をはみ出た個性を持っていることが大事である。
だから、今国語ができていないからといってそれが作詞家として適性がないわけではない。

正確な引用ではありませんが、おおむね以上のような言葉でした。

本物の人がいうことには説得力があります。きっとその言葉で勇気をもらった子どもたちも数多くいたことと思います。

「本物」に触れることの重要性も改めて実感をしました。

今思い返しても、本当に素晴らしい2時間でした。
及川先生、そしてこの企画を進められ、そして見学もさせてくれました森下玲可さんをはじめ、ご関係者の皆様には心から感謝申し上げます。改めてありがとうございました!

(唯一残念なことは、自分の子どもを連れていかなかったことでしょうか。笑)

※ Facebookへの投稿を転載させて頂きました。

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「法人住民税 1兆円再配分、都市から地方へ 政府検討」
「政府は全国の自治体が企業から受け取る法人住民税の税収を2017年度から1兆円規模で吸い上げ、財政力の弱い自治体に集中的に再配分する検討に入った。都市部に集まる税収を地方に移し、地方経済の底上げを狙う。与党の税制調査会に近く提案する。与党の年末の税制改正論議を経て、来年の通常国会に地方税法など関連法の改正案を出したい考えだ。」

今朝の日経新聞を見たらこんなニュースが一面のトップに掲載されていました。

一時的に地方の人は喜ぶのかもしれませんが、これはどう考えても悪手。
こんなやり方であれば、よほど「ふるさと納税」をもっと活用しやすくする等の施策を進めるべきです。

そもそも地方に需要がないのにお金をばら撒いて資金の供給だけをしたところで、何も始まりません。(このことは、昔からふるさと創生事業とか、地方創生とか、いくら地方にお金を配ってみても効果がでていないことからも明らかです。)

地方の力だけで需要を高めることが難しいのであれば、やはりまず東京や大都市に住んでいる人の力を活用して、もっと地方の需要を増やす施策を進めていかなければなりません。

この点、「ふるさと納税」は、住民税のあり方をおかしくするとも言われていますが、他方で、ふるさと納税の「対価」としてその地域ごとの名産品が支給されるような建付けになっている場合には、その地域ごとの名産品を作る農家や事業家には多大なお金が落ちる結果となっています。ここには健全な競争関係が機能しています。
頑張れば多くのお金が落ちるからこそ、より良いものを提供しようと頑張るのです。

そして、こうした「ふるさと納税」を通じて、その地域に興味をもった大都市圏に住んでいる住人や法人の従業員の中には、その地域に出かけたりすることも将来的には期待できるわけです。

もちろん施策は「ふるさと納税」に限られません。週末農業でもセカンドハウスでも何でもよいのです。何よりも、地方の需要を少しでも高める施策を進めることこそが急務なのです。

そもそも、単に大都市圏の住民や法人から今まで以上にお金を取って地方に配るなどというやり方は今までと全く同じで、結果も変わりません。地方が豊かにならない上に、本来大都市圏で使うべきお金を大都市圏で使わないようにするわけですから、そのうち大都市圏も疲弊してきますし、その結果、国全体が没落することに直結します。

昨年から既に6000億円もの法人住民税が地方に回されています。この結果何が起こるかは、ここ一、二年といった短期的には顕在化しないかもしれませんが、長期的には日本全体の足を引っ張っていくことは明らかです。地方の人にしたところで、タコが自分の足を食べるような施策であると分かれば、そんな施策に賛成するはずがありません。

単に大都市圏のお金を地方に配るなんていうのは、国税でやるべきことではないでしょうか。繰り返しになりますが、この財源を地方税に求めるのはどう考えても悪手と言わざるをえません。

自分は現在永田町にいないのでもどかしい気持ちでいっぱいですが、このような施策が進んでいかないよう、何とか声をあげていきたいと考えています。


前衆議院議員 三谷英弘
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10月は年度の後半の始まりということで、スポーツ庁が新設されたり、マイナンバーが通知されたりと様々な新たな取り組みや事業が予定されています。
が、新たに始まる事業の中でも、ぜひ皆さまにご紹介したいのがこの事業。

いよいよ本日から「厚生労働省の調査研究事業」として「離婚と親子の相談室・らぽーる事業」が特定非営利活動法人日本リザルツでスタートしました。


※ 自分もその開所式に伺って参りました。

  


「らぽーる」のサービスとしては次のような事業が展開されることになっています。

1 相談業務
離婚と子どもに関わるお悩みを相談員が電話や面談で伺い、その方に応じた情報提供、紹介などを行います。
2 ADR
弁護士等の同席のもとでADR(裁判外紛争解決手続き)を実施し、「共同養育計画合意書」の作成支援を行います。
3 親教育プログラム
子どもの健やかな成長のため、親として出来ることを改めて考えるプログラムを実施します。

これだけでは何のことか分かりにくいと思いますが、本事業の肝となるのが「共同養育計画合意書」の作成です。

もちろん夫婦の仲が良いに越したことはありません。子どもの発育のことを考えても、できることなら両親が仲良くしていた方が情操上も良いに決まっています。

しかしながら、残念ながら夫婦間が不仲になることはあるわけで、その場合であっても、子どもにとっては、父親は父親、母親は母親です。

だからこそ、子どもはそれぞれの親に対して、良質な養育を求める権利があるはずだし離婚したとしても親はそれぞれ自らの子にしっかりとした養育の義務を果たさなければなりません。

本事業において共同養育計画合意書の作成が目標とされているのは、たとえ夫婦が別居や離婚に至ったとしても、子どもにはなるべく不利益を与えることがないように、双方が話し合いでそれぞれが子どもの養育のために何ができるかをしっかりと決めて頂きたいからに他なりません。

別居・離婚した後に、子どもをどう育てるか。
これは母親だけの、あるいは父親だけの問題ではありません。

自分は、本事業においてADRが行われた場合に、夫婦のどちらの側にも立たない中立の第三者として携わることを予定しています。

子どもの健全な発育にとって何が最も重要か。
いよいよ本日から始まった本事業の成功のため、自分もできることを行わせて頂きます。


前衆議院議員 三谷英弘

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先日、自公、維新、民主の各党の安保法制について比較を行ったところ、非常に多くのご意見を頂きました。改めてありがとうございました。その中には当然、あえて別論にした憲法論についての見解を知りたいというご意見もいくつか頂きました。政治家であり、かつ法律家であるからこそ、今回の安保法制を考える上では不可欠なこの論点、自分なりの見解をまとめてみることにしました。


まず、一般に何らかの立法を行うときには、必要性と許容性の双方の見地から考えることが重要です。

まず、なぜその立法を行う必要があるのか(必要性)という実質を論証しなければなりません。でもこれだけでは不十分。その必要性に応じて行う立法が憲法上、またはその他の法律上認められうること(許容性)も同時に備えていなければなりません。今回の安保法制に関しては、憲法解釈の変更を伴うものであるがゆえに、慎重にこの点を検討することが必要となります。


≪必要性の有無≫

そこでまず、今回の立法の必要性について述べたいと思います。

当方が衆議院に在籍している間、後半の1年間は安全保障委員会に所属をしていた関係で、独自に様々な勉強をさせて頂きました。もちろんそれを全て改めて書き記しても良いのですが、この点については参考になる記事が既に多数ありますので、その中からいくつかご紹介させて頂きます。
(一応、いわゆる「国粋主義者」と言われたり、「極右」と言われるような方のものではなく、どちらかというと「国際派」であったり、「現実主義者」と評されるものをご紹介させて頂きました。誰もいわゆる「戦争をしたい人」ではないと思います。)

「『中国』の名を口にしなかった安倍首相の謎 ~ なぜか説明されない安全保障関連法案の本当の目的」 
「集団的自衛権」行使容認は日本の「安全」のため ~ 戦争準備に入った中国を牽制する唯一の道 
かつてのソ連とは次元が全く異なる中国の脅威 ~ 集団的自衛権の行使ができなければ日本は守れない 

簡単にまとめると、集団的自衛権は、中国の膨張・拡大主義を抑えるための抑止力として不可欠なんだということです。(なお、現実的な国際派のジャーナリストで集団的自衛権などなくても中国を抑止できると言っている文献を、当方、寡聞のため知りません。)

この点、恐らく、皆様の中には、「歴史修正主義」の安倍政権は戦争をしたいから集団的自衛権を容認すべきだと言っているに違いない、と思ってきた方も少なくないと思います。安倍政権を倒せば集団的自衛権の議論なんか止められる、そう勘違いされている方もいるかもしれません。

しかし、それは全く違います。

時はさかのぼって、民主党政権下。
鳩山由紀夫首相の時代に選任された委員によって開催された「新たな時代の安全保障と防衛力に関する懇談会」が、菅直人首相(当時)に、防衛に関して、とある報告書を提出したときのことを思い出して頂きたいのです。

そのとき提出された報告書がこれ(新たな時代における日本の安全保障と防衛力の将来構想 ―「平和創造国家」を目指して― )です。

この報告書では、驚くなかれ、今までの政府解釈を変更して、集団的自衛権の行使ができる環境を整備すべきと既に結論付けられているのです。

※ この報告書ををもう少し詳しく説明すると以下のとおりとなります。
まず、「憲法解釈上、集団的自衛権は行使できないものとして、その安全保障政策、防衛政策を立案、実施してきた。ただし、こうした政策は、日本自身の選択によって変えることができる」として、集団的自衛権を行使しないことが不変のものではないことをあえて前提として明記しました。
そのうえで、「日米安保体制をより一層円滑に機能させていくために改善すべき点には、自衛権行使に関する従来の政府の憲法解釈との関わりがある問題も含まれる」と指摘し、「日米同盟にとって深刻な打撃となるような事態を発生させないため、政府が責任をもって正面から取り組むことが大切である。日本として何をなすべきかを考える、そういう政府の政治的意思が重要であり、自衛権に関する解釈の再検討はその上でなされるべきものである」と結論付けられています。
つまり、自衛権の行使に関して、日本として何をなすべきかを政府の意思として決定した上で、従来の政府解釈の再検討を行うべき、すなわち、必要に応じて政府解釈の変更によって集団的自衛権を認めるべきだとされているのです。


民主党政権下で選任された委員によって開催された会議体ですら、集団的自衛権の行使に踏み切るように答申しているのです。菅直人氏からバトンを受け継いだ野田佳彦前総理大臣が集団的自衛権の肯定論者であることは前回の記事の中でご紹介しましたが、これは、ある意味必然です。

民主党に投票すれば集団的自衛権を止められると思っていらっしゃる方、残念でした。

このように、政権政党のいかんにかかわらず、安全保障の専門家に議論をさせれば集団的自衛権が必要と結論付けられる。これが集団的自衛権行使の必要性があることの最大の論拠に他なりません。


≪許容性の有無≫

冒頭に述べたとおり、必要性があるからといって、この許容性がなければ新たな立法ができないことは言うまでもありません。この許容性をどう考えるか、本件の安保法制に関しては合憲性の問題をどう説明するかが議論されています。

この点、法律家の方々が、違憲の疑いのある立法など許されないという立場を示していることは理解します。公務員が「憲法尊重擁護義務」を負っているのは憲法上明らか(憲法第99条)ですし、「立憲主義」が近代国家にとって極めて重要だということは誰でも知っていることですから。だから、必要であれば憲法改正を行うべきだ、というのはその通りです。筋を言うなら、僕もそうすべきだと思います。

しかしながら、自分は、法律家としても、憲法改正されない限りはダメだ、と単純に結論付けるべき問題ではないと考えています。

特に国家の安全保障という問題に関して、高度な立法性の必要性がある中で、かつ憲法第9条の改正を行うことが現実的に考えて容易でない場合に、座して悲劇的な事態の発生を待つのか、それとも合理的な方法によって憲法解釈を変更するのか、何れを選ぶかと言われたら、自分は後者を選択します。

繰り返しになりますが、もちろん文面上明らかに違憲だという立法をすることはあってはなりません。しかしながら、立法を行うべきという安全保障上の高度の必要性があるとき(ここが大事です。)に、明らかに憲法違反にはならないよう、論理的に合理的な説明を付けられるのであれば、その範囲で立法を行うことは決しておかしなことではありません。(もしかしたら、ここの価値観の相違こそが埋めがたい差異なのかもしれません。)

この点、集団的自衛権の容認に関しては、憲法違反にならないような筋道や論理なんかありえない、と考えている方も少なくないかもしれません。憲法学者の多くはそういう解釈を行っています。

しかしながら、一部の有力な学者はそんな解釈に与していません。

まず、京都大学の大石眞教授は、自らの著書の中で、集団的自衛権に関して、憲法改正という手続きを踏むことが「最も賢明なやり方だと考えられる」が、「憲法に明確な禁止規定がないにもかかわらず集団的自衛権を当然に否認する議論にはくみしない」として、解釈変更によって集団的自衛権を容認する余地を認めています。

また、同じく京都大学の曽我部真裕教授は、集団的自衛権を全面的に認めることはできなくとも、それがあくまで自国の利益のために行使する範囲内であれば(集団的自衛権を自衛のために行使するのであれば)集団的自衛権が認められると結論付けています。

※ なお、これらの見解を述べられている大石教授も曽我部教授も、過去の研究等を見ても、いわゆる「日本会議」に所属するような「偏った」思想の持ち主ではなく、通常はどちらかといえばリベラルな見解をお持ちの方に見受けられます。なお、特に曽我部教授は、当方の司法修習所での同期かつ同クラスでしたので、人間的にも非常にバランスのとれた方であることは個人的にも良く理解しているつもりです。

※ ちなみに、ワイドショー的な観点でいえば、普段は政府よりの見解を示す気がする東大系の教授が今回は違憲論をぶちまけ、他方で、歴史的に自主独立の気風を示す京大系の教授が反対に合憲の余地を論じるというのは、憲法学の面白さの一つであるようにも思いますが、それは別論としておいておきます。


以上のとおりですので、集団的自衛権も憲法解釈によって合憲であると解釈し得る余地があることまでは理解頂けたでしょうか。

後は、どういう規定をすればより憲法に適合すると言えるか、になって参ります。

ここで、ようやく≪自公案≫と≪維新の党案≫の比較に移ります。

まず≪自公案≫ですが、前回ご紹介したとおり、「国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態」にのみ集団的自衛権を行使できるとしており、その意味で、先ほどの曽我部教授の立場から、「自国の利益のために行使する範囲内」として合憲としうる余地はあると解されます。

しかしながら、曽我部教授も指摘されているとおり、≪自公案≫に関しては、内閣の優位という憲法の構造的な問題や判断を誤った場合の検証という形での事後統制が不十分であること等を踏まえて、なお違憲の疑いがあるとされています。

これに対して、≪維新の党案≫ですが、「我が国に対する外部からの武力攻撃が発生する明白な危険があると認められるに至った事態」にのみ集団的自衛権を行使できるとしており、≪自公案≫に比べてより直接的な場合に絞っていることから「自国の利益のために行使する範囲内」にあるとより言いやすく、そのためより合憲だという結論に結び付けやすいと思われます。
(ただし国会での答弁ではこの点を上手く説明できなかったことが残念です。)

しかしながら、この点曽我部教授から直接見解を伺っているわけではありませんが、≪維新の党案≫においても、やはり先ほどの曽我部教授の指摘からすると、国会での統制が不十分だとして、やはり違憲の疑いは免れないのではないかと思います。

※ なお、橋下徹市長が、Twitterで「国会議員を最前線に送りこめ」という趣旨のことを指摘しているのは、まさにこの点に関しての適切な意見だと思います。
内閣の優位という憲法の構造的な問題や、判断を誤った場合の検証という形での事後統制が不十分であるという曽我部教授の指摘に対して、そもそも国会議員が自らの命を懸けて判断するのであれば、いくら憲法上内閣の優位があろうとも国会議員は本気で集団的自衛権の行使の是非を判断するだろうし、今後自らの命を失いたくないからこそ、判断を誤った場合の検証を全力で行うことになるだろうと思われます。その意味で国会における統制が実質的なものへと変質することになるわけです。
「国会議員を最前線に送り込む」ことの現象的な面に捉われると荒唐無稽という判断をすることになるのでしょうが、そこでの真意を見抜けなければ、そもそも橋下市長と対等に議論する前提を欠くのではないかと思います。余計なお世話ですが。


以上の通りですので、より自国の防衛に焦点を絞っていることを重視してあえて比較をするならば、やや≪維新の党案≫が有利だと思います。しかし、何れにしても国会における十分な統制という意味で違憲の疑いを完全に払しょくできているわけではないという意味では、両者に絶対的な差異があるわけではないと理解しています。


ということで、ようやく自分なりの最終的な結論となりますが、確かに憲法適合性の点では、やや≪維新の党案≫が有利ですが、前回の記事でご紹介した国際法との兼ね合いを考えると、日本は国際法に反して他国に先制攻撃をする可能性があるという結論を招きかねない、その意味で「平和国家」としてのブランドを捨て去りかねない≪維新の党案≫はなお採用しづらいところです。

その意味で、別に憲法的に真っ白で清廉潔白というつもりは毛頭ありませんが、現実的な「解」としては≪自公案≫が最も優れていると結論づけたいと思います。


最後に、≪民主党案≫に関して一言述べたいと思います。

前回述べたとおり、残念ながら≪民主党案≫というものはありません。自分ならどうするという見解もなく、また、自ら開催した安保懇において出された解釈変更により集団的自衛権を認めるべきという結論に対してどう向かい合うのかについて、いまだにたなざらしの状況の中で、単に安倍政権批判を行い続けるというのは、正直あまりにも無責任ですし、目先の選挙で闘えればいいという程度の覚悟しかないと言わざるをえません。

そういう意味では、やはり残念の一言に尽きます。

その点、ここ数日民主党内で対案を出そうという動きが出てきていることは、その意味で心強いことです。党内で様々な反対意見が出てくるかもしれませんが、ぜひ頑張って貫いて頂きたいと思います。



前衆議院議員 三谷英弘
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