千秋楽。九重部屋の幕下以下では2名の力士の取組が組まれました。
会場近くのcafespace BUZZというカフェでカフェラテを買って応援に向かいます。


まずは春場所中に16歳のお誕生日を迎えた門倉そうまくん。
初めての大阪宿舎生活はいかがなものだったでしょうか。
名古屋や福岡の宿舎と比べて会場まで遠い印象があったようですが、公共交通機関を使う場合は福岡の宿舎より行きやすかったのではないかなと思っています。


四股も軸足がまっすぐに伸びていてきれいですね。
2014年冬休み中の体験入門でも佐ノ山親方に四股がうまいと褒められていました。


既に負け越しが決まってはいましたが、それを感じさせないほど力強い相撲で身長差のある力士を寄り切りました。
いつも親方に注意されている点を反省しつつも手応えある勝利で場所を締めくくり、打上げでも良い笑顔を見せてくれていました。


続いてはこの春場所で土俵生活丸12年が経った、ちゃんこ長の千代青梅が登場。
2年前、10年を要して三段目の座と四股名を手に入れた時は、大相撲ファンとして新たな喜びを得ることができました。
それは長く応援してきた力士が自身にとっての目標の一つを手に入れた瞬間の喜びです。
手に入りそうで入らなかった期間が3年程ありましたから、本人も達成感に満ち溢れていたことでしょう。
九重部屋は三段目に昇進して初めて四股名に改名できるので、早い人は入門から1年かからず、長くても3~5年程で本名から改名している印象でしたが、10年以上経過してから改名する力士は千代青梅が初めてではないかと思います。
とは言え四股名が名乗れないまま辞めていく力士も多数いましたから、とても立派なことだと思っています。



序二段33枚目に落ちていたこの場所は、2連敗後4連勝で七番相撲を前に勝ち越しを決めていました。
5勝目をあげれば三段目への復帰はほぼ確実でしたが残念ながら黒星でした。
廻しを引けず小手に振ったところ、相手を呼び込む形になり寄り切られてしまいました。


「しまった~。」という心の声が聞こえてきそうな表情を一瞬だけ見せていました。
自ら九重部屋に出向いて入門を申し出た度胸の持ち主。
内に秘められた強さが相撲にも出てくる瞬間を楽しみに、今後も応援し続けたいと思います。
取組後、東の売店前で後援会の方に「来場所も頑張ってね!」と励まされると、爽やかな笑顔を見せていました。

その東の売店で以前から気になっていたデザインの手ぬぐいを見ていると、店員さんが「こちらで(手ぬぐいを)広げた状態のものを見られますよ。」と案内してくださいました。
その店員さんは手ぬぐいのデザインを担当された杉岡みどりさんご本人で、手ぬぐいを購入するとカウンターの内側から出てきて手渡してくれました。
同じデザインのTシャツも出ているので今度はこちらも購入しようと思います。


お昼は呼出しの重夫さん行きつけの「松新」というお蕎麦屋さんで松新そばを食べてきました。
魚のニシン、とろろ、卵黄がお蕎麦の上に添えられていました。
隣の席である呼出しさんが食べていた天ぷら蕎麦がおいしそうで、そちらにすれば良かったかなと思いつつ、繁盛店の味を堪能してきました。
ちなみに重夫さんはカツ丼ばかり注文している模様。

会場に戻って通路を歩いていると呼出しの重夫さんにお会いしました。
初場所では姿をお見かけするも、呼出し仲間と談笑していたりで遠巻きに見ることしかできなかったのですが、松新効果が出たのか久しぶりに歩いているだけの重夫さんにお会いすることができました。


十両土俵入り。やはり前方を歩く力士との間にたっぷり空間を設ける千代翔馬。



千代の国は上手投げで元気よく9勝目。
写真だけ見ると左腕の力のみで相手を投げ飛ばしているかのように見えますが、左足で相手の右足を跳ね上げていたようです。
最近は体に負担がかからないようにする為か、怪力に委ねた豪快な相撲を封印しているかのように感じていたので、豪快な投げに驚くお客さんの反応が懐かしく感じました。


千秋楽を7勝7敗で迎えた千代丸は必死の土俵。
立合い後、遠藤を土俵際まで追い詰め勝ち越しが見えてきたところでしたが、さすがに遠藤はそう簡単には土俵を割りませんでした。


遠藤を土俵際に追い詰めた瞬間に後ろに回り込まれ、形成が逆転。
写真の体勢で土俵上を走り回り、そのまま土俵下へ倒れていきました。
送り倒しで遠藤が勝ち、千代丸は負け越してしまいました。



千代皇も7勝7敗の千秋楽。
4連勝スタート後に取材を受けた際、自身の連敗癖を気に掛けているようなことを話していましたが、嫌な予感は見事に的中してしまいました。
後半戦はここ最近と同様に勝ち越しも負け越しも見え隠れするモヤモヤとした雰囲気に…。

しかし千秋楽は心配を吹き飛ばすような前に出る相撲で勝ち越しを決めました。
膝もすっかり良くなって充実した稽古ができるようになったと聞きます。
土俵上では探しものが見つからないような困り顔をしている状態が多い千代皇ですが、勝ち越しを決めた直後に珍しく?気迫溢れる表情を見ることができました。


千代翔馬は体重180kgを超える富士東を出し投げで振り回し11勝目。
初場所のどすこいFMで千代暴馬(ちよぼうま)と呼ばれていましたが、まさにその名がふさわしく感じる内容でした。
幕下の頃から相撲が粗く大きな怪我をしかねないと解説の親方衆からよく言われてきた千代翔馬ですが、春場所の中継では相撲が丁寧になってきたと話す親方もいました。
自己最高位ながら大勝できたのはこの相撲の改善からかどうかは分かりませんが、稽古熱心な力士の努力が番付に反映されることはとても嬉しいことですね。
部屋の下の力士達の励みにもなることでしょう。


全く元気がなく十両陥落も覚悟せざるを得ない成績の千代大龍。
しかし千秋楽で突然何かが千代大龍に舞い降りてきたような、十四日目までの千代大龍からは想像できない相撲を取りました。
立合いの瞬間から相手が何もできないまま飛んで行ってしまった力強い相撲です。
この白星のおかげで夏場所の幕内残留が決まりました。
やはり最後まで諦めないことが大事ですね。


春場所は12人出場して9人が勝ち越し。
帰京する日に大阪グルメの締めとして再度「松新」を訪れカツ丼を食べたのですが、その際にお店のお母さんに九重部屋の成績のことを話したところ大変驚かれていました。

夏場所開催前に何とか春場所を振り返ることができました。
夏場所も怪我なく良い相撲が取れることを願っています。