2007-01-12 02:50:19

「仏陀の鏡への道」 ドン・ウィンズロウ

テーマ:海外ミステリー

遅ればせ過ぎながら、昨年は大変お世話になりました。


年末年始は風邪&喘息やら帰郷やらで、すっかりblogを放置しておりましたが、その分ベットの中や飛行機で沢山本を読んでおりましたw

こんなユルユルとしたblogですが、今年もネトミス共々どうぞ宜しくお願い申し上げます。

さて、新年一発目は現在思い切りハマっている、ニール・ケアリーシリーズ2冊目です。



ドン ウィンズロウ, Don Winslow, 東江 一紀
仏陀の鏡への道

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鶏糞から強力な成長促進エキスを作り出した研究者が、一人の姑娘に心を奪われ、新製品完成を前に長期休暇を決め込んだ。ヨークシャーの荒れ野から探偵稼業に引き戻されたニールは香港、そして大陸へ。文化大革命の余燼さめやらぬ中国で傷だらけのニールが見たものとは? 喝采を博した前作に続く待望の第二弾。骨太の逸品!
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今回の舞台は中国。
中国人の女に惚れて、何もかも捨てて逃げてしまった化学者を会社に連れ戻す依頼を受けたニール。簡単な仕事と思いきや、やっぱり一筋縄ではいかず、中国の政治や九龍城という闇の世界に巻き込まれていきます。

はっきり言って、地理・政治経済・歴史が大の苦手の私…

粗筋だけ読むと、なんとつまらなそうな小説なのか!

普段の私ならば、絶対に手に取らない題材の作品です。

けれど、一晩で一気に読んでしまったのはニール・ケアリーが余りに愛おしいから!!


孤独に育ち、孤独を愛しつつも、憎まれ口を叩きながら他人との関わりを選んでしまうニール。

歪んだ恋愛を自ら選んでしまうくせに、その恋に命を懸けてズタズタに傷つくニール。


心配半分、信頼半分、まるで弟か息子を遠くから見守っているようで、ニール・ケアリーから目が離せません!


そんな気持ちでハラハラドキドキして、時々ニヤリとさせられて、最後にはホロリ。


冷静に考えると展開が突飛だったり、都合が良すぎたりする所もあるのですが、まさに剛腕!

リズムとテンポの良さ、登場人物の魅力でグイグイ物語に引き込み、そんな欠点はちっぽけな事に思えてしまう。


現在、既にシリーズ6冊のうち3冊目迄読み終えてしまっているのですが、シリーズ完結を読み終えるのが勿体無い、なのに手はどんどんページを捲り、次の巻を買っている私がいる・・・


ミステリ以外の作品で、いや、もしかすると今迄読んだ本の中で、ここまで虜になったのはもしかしたら初めてかも?と感じています。



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2006-11-23 00:36:25

「ストリート・キッズ」 ドン・ウィンズロウ

テーマ:海外ミステリー

ここ最近の私の密かなマイブーム、「今迄本の話をした事が無い人に一番好きな小説を聞く」こと。


数年に1回位しか会わない憧れの人、バーで知り合いになったバレリーナさん、数年間一緒に働いているけれど本の話をする機会の無かった同僚…


普段読んでいる漫画は知っていても、「一番好きな小説」となると、よっぽど親しい友人でなければ意外とわからない。

おもむろに聞いてみると、相手の口から物凄い意外なタイトルが出て来たり、
知らない作者の名前を告げられて早速読んでみると「なるほど!」と思ったり、
やってみるとかなり楽しい!


「大切な人達」の「大切な一冊」を教えて貰い、それを読むというなんとも贅沢な読書!!


この「ストリート・キッズ」もその中の一冊です。


ドン ウィンズロウ, Don Winslow, 東江 一紀
ストリート・キッズ


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一九七六年五月。八月の民主党全国大会で副大統領候補に推されるはずの上院議員が、行方不明のわが娘を捜し出してほしいと言ってきた。期限は大会まで。ニールにとっての、長く切ない夏が始まった…。プロの探偵に稼業のイロハをたたき込まれた元ストリート・キッドが、ナイーブな心を減らず口の陰に隠して、胸のすく活躍を展開する。個性きらめく新鮮な探偵物語、ここに開幕。

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あまり得意では無い海外ミステリ、しかも家出娘探しという地味そうな事件…

購入したものの、読み終える事が出来るか不安に思っていましたが、杞憂に終わりました。


「本を読むって楽しい!」と、改めて本を読む喜びに浸れた数日間

一つ一つの文章が瑞々しくキラキラと煌いて、眩しくて何度も同じ所を読んでしまいました。


何と言っても魅了的なのが、「元ストリート・キッズ」で「探偵」で「英文学を学ぶ大学院生」主人公ニールの語り口。


海外小説の翻訳モノというと、まどろっこしい表現が多いイメージで避けていたのですが、ニールの独り言は一級品!

時に下品で皮肉屋さんで、でも真実を見抜いている…どこか葉村晶に通ずるものを感じてしまったのは私だけでしょうか?

若竹さんファンで未読の方には是非読んで頂きたいです!


母親は薬物中毒で売春婦、父親は誰だかわからない。
盗みをして日々を生きる孤児同然のストリート・キッズだったニールが、プロの探偵に拾われて仕事を仕込まれていく。

ある日上院議員の家出娘探しを命じられて……


あらすじだけ書くと全然珍しくないありふれた設定。

なのにニールの視点を通すと、一杯の熱いコーヒーから石切り場の水溜り迄、全てが活き活きとして物語に引き込まれてしまいます。

ああ、世の中の全てが愛しくて、世の中の全てがいけすかない!


ナイーブなニールの成長をサポートする、タフでクールなグレアム父さんの存在も極上のスパイス。


「準備をしくじるってことは、しくじる準備をしてるってことだ」

格好良過ぎです!!

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2005-10-15 19:32:34

「シャム双子の謎」 エラリー・クイーン

テーマ:海外ミステリー

大好きな北村薫さんの新刊「ニッポン硬貨の謎 」を読む前に必読、とのことで購入しました。

エラリー・クイーンは小学生位の時に「~の悲劇」シリーズを読んでいるのですが、例の如くほとんど記憶に残っていないので、気分的には「初めて読むエラリー・クイーン」といったところです。


ところで、この作品は『国名シリーズ』と称されるシリーズの一冊なのですが

無知な私は「なんでシャム双子が国名なの??」と思っておりました・・・

まえがきを読んで「そ、そうだったのか!!」と、やっと理解したのは秘密ですw



エラリー・クイーン, 井上 勇
シャム双子の謎


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古いインディアン部落を背景に、異様な境遇をもったふたりの人物を登場させて、怪奇な殺人物語が展開される。エラリーの長い犯罪捜査の経験の中で、官憲の手をかりず、独力快刀乱麻を断った最初の事件。刑事も、指紋係も、検屍官も登場しない。エラリーの“国名連作”の中で珍重すべき一編である。意外なあと味の良さも定評のある作品。
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エラリー・クイーンをほとんど読んでいない為、作家論的な事は全くわかりませんが、この作品は大変面白いミステリだと思いました。

なんというか、他の人が同じ事をやろうとしたら

「エエエエエ!」となってしまいそうなことを、緻密なプロットと筆力、二転三転する論理の面白さでサラリとやってのけられたような?_?


終始ダイイングメッセージに拘った論理展開。

山火事という危機的状況や、オカルト的な登場人物で彩られてはいるけれど

本質はなんとも純粋でストイック、簡潔でいて難易度の高いフーダニット


読後、「そうだよなー、犯人はこの人だよなー」となるのに、読んでいる最中はクイーンの思う壺


やっぱり、エラリー・クイーン全部読まなきゃ!って感じです。


ところで、「山」「極限状況」とくると有栖川有栖さんの「月光ゲーム―Yの悲劇’88 」を思い出してしまいますが、その関連性も気になるところです。


さて、「ニッポン硬貨の謎」を早速買いに行かねば・・・
楽しみがまた増えてしまいました!


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2005-07-21 20:44:57

「死が二人をわかつまで」ジョン・ディクスン・カー

テーマ:海外ミステリー
有栖川有栖さんの「46番目の密室」の作中で、
「カーの『ユダの窓』は史上最上の密室トリック」という記述
(正しくは作中に登場する『ロックド・ルーム・マーダーズ』の引用ですが)
が気になって、近所の書店に行ったところ、カーの作品はこの一冊しか置いていなかったのでとりあえず購入しました。



ジョン・ディクスン・カー, 仁賀 克雄
死が二人をわかつまで

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劇作家ディックは幸せの絶頂から不幸のどん底へと叩き落された。
婚約者を毒殺魔だと言った占い師が、銃弾に倒れたのだ。
撃ったのはその婚約者。そして起きる密室殺人事件。
婚約者への愛と疑惑。彼女は殺人犯なのか!?
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表紙から、ゴシック系のものを想像していたのですが、
この作品は「古き良きイギリスの小さな村で起こる殺人事件」。

密室の巨匠ということでかなり期待して読み始めたのですが

肩透かしされてしまいました。

と、いうのも、

かなり魅力的な謎の真相がストーリー前半で明かされてしまい

残された謎は然程魅力的では無いのです。


また、探偵役であるフェル博士の魅力が全く伝わってこないのがツライです。キャラクター描写も無ければ、「格好良い!」となる論理展開シーンも無い…


まだこのシリーズは一冊目なので何冊か読めば違ってくるのでしょうか?

最初に読むには不向きなものを選んでしまったのか、それともこういう作風の作家さんなのか気になるところです。


主人公であるディックが、婚約者への疑惑に揺れる心理描写も

いまいちキャラクター描写が弱く感情移入がし難いせいか

スリリングさに欠けました。


トリックに関しては斬新なものではありませんが
密室での毒殺という組み合わせで巧くまとめていると思います。


悪くは無いけれど、全般的に平凡。

同じ「古き良きイギリスの小さな村で起こる殺人事件」なら

アガサクリスティの方が面白いな、と思ってしまいました。

同じ構成でも、ポワロとヘイスティングズが探偵役ならニコニコして読んでしまったでしょうw

この本を購入した際に、名作と名高い「ユダの窓」と「三つの棺」
の2冊を注文して参りました。

とりあえず、その2冊を読んでから、私がカーを読むのに向いているか向いていないのか判断したいと思っていますw

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