$★試写会中毒★-10,03,24春との旅
満 足 度:
★★★★★★★☆☆☆
   (★×10=満点)
   試写 東映試写室にて鑑賞
   2010年05月22日 公開
 



監  督:小林政広
キャスト:仲代達矢
      徳永えり
      大滝秀治
      菅井きん、他


■内容■

 足の不自由な元漁師の忠男(仲代達矢)と
仕事を失った18歳の孫娘・春(徳永えり)は、
忠男の生活の面倒を見てもらおうと
疎遠だった親類縁者を訪ね歩く旅に出る。

 親族との気まずい再会を経るうちに、
忠男はこれまで避けてきた過去と向き合わざるを得なくなる。
そんな祖父の葛藤を間近に見ていた春にも、
ある感情が芽生えていく。
                     (シネマトゥデイ より)


■感想■

 冒頭から気まずい空気が漂い、
二人の旅が前途多難である予感が。。。

 忠男と春がずっと二人で暮らしてきたことは
会話からは勿論、
それ以外でもわかる部分が沢山ありました。

 忠男の全身から発っせられる空気から、
漁師をしながら春を育て、贅沢をしたこともなく
ただ一生懸命に生きてきた不器用さを感じました。
また春は、幼い子供のような髪型、服装、
ズカズカと大股、がに股で歩く姿など、
恋やお洒落を楽しんでいる今どきの18歳とは
大きくかけ離れています。
そのどこか子供のままのような反面、
家計のやりくりをしたり
忠男の健康を気遣ったりと
18歳にしては大きな負担だろうなと思う面も担っていて
もし、給食センターの仕事が無くならなければ
ずっと春はこの生活を続けていたのだろうなと思いました。

 それが悪いというのではありませんが、
訪ね歩く忠男の兄弟たちとのやりとりで
春(一人の人間)の人生とは何なのか。。。。を
春と共に考えさせられ、そして同時に
忠男と共に、老後の過ごし方も考えさせられました。

 最初は、
忠男の老後の孤独さが増していく一方なのかと思い
不安な気持ちのまま観ていましたが、
兄・姉・弟と会っていくうちに
皆、自分でどうにか生きているのだという
励ましのようなものが伝わってきました。
それと、春の父親に会えたこと、
そこで交わした会話によって、
二人のどうしようもない孤独さと不安は
排除されたような気がして、ホッとしました。

 これは、まさに核家族の問題なのでしょうか。
舞台が田舎でなかったとしても
起こり得ることだと思います。
たとえ別々に暮らしていても
自分を思い遣ってくれる人がいるのだと
実感できる老後を送りたい。。。。
そんな風に思いました。


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