08.02.26ノーカントリー
満 足 度:★★★★★★★★★
   (★×10=満点)
 
監  督:ジョエル・コーエン
      イーサン・コーエン
キャスト:トミー・リー・ジョーンズ
      ハビエル・バルデム
      ジョシュ・ブローリン
      ウディ・ハレルソン
      ケリー・マクドナルド
      ギャレット・ディラハント
      テス・ハーパー:、他



■ストーリー■

 1980年代、テキサス。
狩りをしていたモス(ジョシュ・ブローリン)は、
偶然、数台の車と死体の山に遭遇。
車には大量のヘロイン、
そして、そこから少し離れた場所で死んでいた男の側から
200万ドルを発見した。

 危険を承知で大金を持ち帰るモス。
しかし、謎の殺し屋に追われるハメになってしまう。

 一方、町で起きた警官殺し、焼かれた車、凶器不明の殺人、
これらを保安官のベル(トミー・リー・ジョーンズ)が捜査し始めるが
進展がないまま死体だけが増えていくのであった・・・・。


■感想■

本作品は第80回アカデミー賞で、
作品賞 監督賞 脚色賞
そしてハビエル・バルデムによる助演男優賞
4部門を受賞しました。

 私は監督のコーエン兄弟をよく知らないんだけど
「ファーゴ」を作った人と聞いて
「血」 「恐怖」を連想。
この手の映画は怖がりにもかかわらずよく観るほうなので
とっても期待してたの。
まさに「恐怖」「緊張」でした。

08.02.26ノーカン資料1

 助演男優賞は、この人 →→→
なんか、、、納得。
だって、
見た目も中身も
強烈なんだもん。


 ある意味真面目
神経質自分のルールを持っている
不思議な髪型殺し屋シガー。。。
外見に加え、
この男の不気味さを強調するお手製の武器
観客に強烈な恐怖を与えると思うわ。。。

 見た目はバナナマンの日村ですが、
中身はターミネーターです叫び
と言っても、決して全力疾走したりなんかしないの。
モッサリした雰囲気で
ヲタ感漂うターミネーターなんですよガーン

 印象に残ったのは、シガーの性格を物語るシーン。
一つは雑貨屋の店主にコインの賭けを執拗に迫るとこ。
この賭け、相手には全く意味のないことでもシガーには大アリ。
店主はシガーの内面を知らないから
単なるわけわからん客としか思ってないハズ。
だけどシガーの本性を知っている観客には
じわじわと精神的虐待のような恐怖を
感じさせるものがあります。
怖さで肩に力入っちゃう!!

 そしてもう一つ、傷の手当てのシーン。
痛いとか、辛いとかそんなことよりも先に
まずはビニールシートを床に敷きます。
その上で消毒したり、傷を縫ったり
とにかく、きっちりサン
手順があるのよね。。。。

 もし自分の近くいたら
息詰まる、、、、ってタイプ。
こんなんだから、
シガーが誰かに話し掛けるたび、
めちゃめちゃ緊張しながら観てました。

08.02.26ノーカン資料3


 一方こっちは、
ヤバイお金¥
がめちゃったおじさん。
こんなにヨタヨタになっても、
まだ追われてます。


 お金を盗った現場に戻っちゃたり
お金が入ってたバッグを入れ替えずにそのまま持ち歩いたり、
ヤバイお金と知っているわりには
詰めの甘い男でした汗

 自分が蒔いたタネだけど、
相手が悪すぎたね。。。
でも、地道に働くタイプではなさそうな人でした。
奥さんの命が危うくなっても
何とかして200万ドルは手に入れようとしてたので、
気の毒だけど自業自得かな~と思ってしまったよ。

08.02.26ノーカン資料2

 で、この事件を追うのは
人生に疲れちゃった感のある
退職間近の保安官。
地味ですが、、、、
主役なんですビックリマーク

 保安官、
わけのわからない事件に
嘆いておりました。
時代が変わったことで、
保安官の力で救える人が少なくなってきた虚しさみたいなものを感じたわ。

 昔の犯罪は動機も凶器も単純なものが多かったのが
今や理解しがたい犯罪が多いのはどの国も一緒。
アメリカでは、ベトナム戦争を挟んで時代が変わってきた。。。
ということなのかな。
未解決事件が増えていく嫌な時代のはじまりみたいな感じで
恐怖心が安心感に変わることなく終ったので
色んな意味の後味が残る映画でした。。。