第86回 選抜高等学校野球大会
主催 日本高等学校野球連盟 毎日新聞社
後援 朝日新聞社
特別協力 阪神甲子園球場
第一日目(2014.3.21) 一回戦 第三試合
履正社(大阪) vs 小山台(東京)
11 対 0
都立高校としては初のセンバツ出場を果たした小山台高校(21世紀枠)のフレッシュさに注目が集まった本試合を、ライト外野席下段で観戦しました。
甲子園球場は西宮の住まいから徒歩三十分足らずですので、時間の都合が付けば足を運んでいます。
応援団に試合開始前の挨拶をする小山台ナイン。
(選手の姿が小さくて分かり難いですね。すみません。)
三塁側アルプススタンドに K の人文字が浮かんでいます。
小山台高校の地元 品川区から大挙して応援に駆けつけた学校関係者や保護者、OB、地元の皆さんで埋め尽くされたアルプススタンド。
レモン色のウィンドブレーカーがスタンドに鮮やかに映えます。
青い空と美しく整えられた緑の芝生が、春の大会を一層盛り上げています。
スターティングメンバーが表示されたバックスクリーン。
浜風ではなく、六甲から吹き下ろされた寒い北風が吹いています。
この日の最高気温は10℃ほど。
15:58 試合開始。
強豪校が連なる大阪の履正社と、21世紀枠で初出場の小山台とは、野球の分からない筆者でもやはり実力差を感じずにはいられません。
しかし三塁側アルプススタンドからの大声援は履正社のそれを圧倒して余りあるものがありました。
攻撃の時にとどまらず守備の時も、熱い熱い声援が球場のスタンド全体に響き渡ります。
履正社の強腕バッターを相手に奮闘する伊藤投手の背中に、熱気に満ちたエールが送られます。
「いいぞ いいぞ 伊藤!」 「頑張れ 頑張れ 伊藤!」
チームへの期待を両肩に背負う伊藤君もさぞかし励みになったことでしょう。
甲子園には高校野球観戦で何度も足を運んでいますが、あれほどの大声援は経験したことがありません。
球場全体で "音圧" を感じるのです。
守備中の応援は鳴り物(ブラス)はありませんが、人間の声というのはなんと迫力のあるものなのだろうと感じます。
この小山台高校が、OBをはじめ地元でどれだけ愛されているのかが分かります。
五回裏が終わり、グラウンド整備をする阪神園芸の皆さん。
グラウンドの管理やツタの手入れなど、甲子園の「土」に関することは全て阪神園芸の皆さんが行っておられます。
アルプススタンド最上段の人影や、一塁側照明灯の影がグラウンドに長く射しています。
この後、六甲からせり出した雨雲に一時覆われ小雨がぱらつきましたが、すぐに晴れ間が戻りました。
17:36 試合終了の挨拶をする両校ナイン。内野はすっぽりと銀傘の影に覆われています。
試合内容は、二回裏 履正社の2番バッター 辻君が放った満塁打などで履正社が5点を先制。
六回に3点、七回に1点、八回に2点と着実に小山台を引き離し、迎えた九回表。
スタンドの観衆の多くがノーヒットノーランを予想した中、九回表 二人目の打者として送り込まれた竹下君(代打)が打ったボールが幸運の内野安打となり、チーム初安打を記録しました。
球場が一番盛り上がったのも正にこの瞬間でした。
どよめきと歓声で沸き立った球場は、360度、最高潮の感動的瞬間に包まれたのです。
さて話しは変わりますが、阪神甲子園球場は今年で90才になるのだそうです。
九十周年を祝う飾り付け。野球塔の裏側(甲子園筋側)です。
90th Anniversary と書かれた垂れ幕が下がっています。
夏ヅタはまだ芽吹いていません。芽吹きが待ち遠しいですね。
ツタの新芽が吹くと、いっそう甲子園らしくなります。
春の大会は気候が穏やかという事もあるのですが、どこか長閑で大らかさが漂っています。
それがセンバツの魅力の一つとも言えます。
最後に、早くも夏の大会に向けて日々厳しい練習に励んでいる全国の高校球児の皆さんのご健康とご成長を、高校野球の聖地 この西宮よりお祈りを申し上げます。
郷土の代表校となり、夏には甲子園の土を踏んで下さい。
(写真)阪神甲子園球場 2014.3.21 撮影
(C)Misako Takahashi 2014