2007-01-08

DENSEN

テーマ:作品: HAPPY MAN



僕は 道をただ歩いたりなんてしない

僕は 電線の上を歩く

僕は 電線に沿ってどこまでもどこまでも歩くんだ


ひとの引いたレールの上

たしかにそう言われちゃそうかもしれないけど

でも ただの道よりはいい


どの家もみんなバカみたいに頼って生きている

電線1本から来る原子力を。

荒唐無稽に張り巡らせ青空を切り刻んでいる力を。


だから僕は その回路を辿るんだ

みんなが頼ってる その秩序正しき、めちゃくちゃな回路を。


そして僕は吸収する

一瞬でこの街も空も僕もぜんぶ吹っ飛ぶ力を。

街も家も車道も踏み切りも関係なく突破して

僕は 歩くんだ

いつかぜんぶ消してしまえる その日まで




2005-09-21

汚いカラダ

テーマ:作品: HAPPY MAN


この男と寝れば

「きれいだよ」と

からだ中を舐めまわされ


別の男を知れば

「きたないよ」と

罵声を浴び唾を吐かれ


どう転んでも

汚いカラダ




2005-08-22

何になりましょう

テーマ:作品: HAPPY MAN

甘えてください

わたしは何になりましょう


あなたの見えない涙は

あなたの腕の強さになります


あなたの不安は 

あなたの唇の優しさになります


あなたのストレスは 

わたしをあなたに会わせてくれます


あなたの弱音は 

わたしを自由にしてくれます


わたしはあなたの上で自由になります


教えてください

わたしはあなたの何になりましょう



2005-06-12

歓喜のからだ

テーマ:作品: HAPPY MAN




久しぶりのあなたの声が

私の血管にもぐりこんで

どこまでもくすぐり続けるから

笑い死にしそう


血はほとばしり

皮膚はめくれあがり

あなたに触れられる機会を

ひりひりと待っている

性器は生つばを飲み続けている


私のからだは

こんなにも

あなたでできている!







2005-05-19

男子高生

テーマ:作品: HAPPY MAN

ねえ、誰か僕に価値を! 僕にブランドを!

17才、高校中退、

ああ、このままだと僕はきっと誰かを殺してしまう

このままだと僕はきっと誰かを犯してしまう


きみはずるいよ

女ってだけでさ、からだ売ればお金になって

女子高生ってだけでさ、パンツにまで価値があって

いちばん世の中に反発したいこのときに

いちばん誰かに当たりたいこのときに

それを逆手に謳歌してやがる

やりたいときは僕としようよ

金持ってるやつとなんかしないでさ

じゃないと僕はどうすればいい

ツルツルの子供に手を出すしかないなんてさ


ねえ、誰か僕に商品価値をつけてよ

脱げばお金になるとかさ

男子高生ってだけでちやほやしてよ

ねえ、手に負えないこのエネルギー

どうすればいいんだよ





2005-04-25

快感の悪夢

テーマ:作品: HAPPY MAN

 

あなたの厚いからだが好き

しがみつけないくらい大きくて

あたしのからだに沈みこむと

あたしの肋骨が折れた

 

あなたの大きい手が好き

あったかくてごつごつとして

あたしの頭を抱きすくめると

あたしの首が折れた

 

あなたの甘い唇が好き

漏らすため息は熱くて薄情で

あたしの唇をまさぐると

あたしの舌がちぎれた

 

でも大丈夫

ぜんぜん痛くはないの

本当に痛いのは

棄てられたあと



 

2005-04-17

燃焼のバラード

テーマ:作品: HAPPY MAN

遠い遠い昔、陸に上がり、地球上の酸素を取りこみ、燃やし、エネルギーに換えることに成功した生きものがおりました。
殻に閉じこもり、ひざを抱え、何もしなくても、呼吸しているかぎりは酸素を燃やし、血をたぎらせておりました。
本来生きていく上での必要最低限以上のエネルギーを蓄えてしまったその生きものは、その有り余るエネルギーを持て余し、生態系などなんのその、快楽や憎悪にうつつをぬかし、もっとも野蛮な生きものに成り下がっておりました。

 

でも大丈夫、心配するには及びません。
このままでは散々な結果に終わることを自覚した、ここは頭のいい、脳の発達した生きもののこと。
己が生き残れるように、お互いが生きながらえるようにと、ルールをつくり、社会をつくり、ほとばしるエネルギーをバランスよく制御することにみごと成功したのでありました。
ところがどうしたことでしょう、画期的なシステムだと思ったのもつかの間、エネルギーを制御され、抑圧された本人たち自身が、あれよあれよといちばん生きづらい世の中になっていくのでありました。

 

でもなあに大丈夫、心配するには及びません。
どうにもこうにも手に負えないこのエネルギーを、ほら、快楽や憎悪に塗り替えてみてごらんなさい。はいご覧のとおり、まったくもって楽に生きられるではありませんか。
セックス、ドラッグ、人殺し。他人の迷惑かえりみず、何をやっても無礼講。
それじゃあ本末転倒、もとの木阿弥、野蛮な生きものに舞い戻っただけですって?

 

なあに大丈夫、心配するには及びません。
がんじがらめのその社会にこの身を任せ、頭を空っぽにしてごらんなさい。はい、ほらご覧のとおり、エネルギーを持て余すどころか、エネルギーを持っていたこと自体、すっかり忘れてしまうでしょう。まったくもって楽に生きられるではありませんか。
何もしない、何もできない、成り下がりの生きものにあっという間に早代わり。
ちょっと待って、そんな人生、好きこのんで誰も望んじゃいませんですって?

 

なあに大丈夫、心配するには及びません。
がんじがらめの社会の中で、正々堂々自由奔放、そのエネルギーを爆発させる術を見出すものがあらわれました。音楽、アート、ファッションなどなど、芸術・文化の到来です。
ひとびとはそれに触れると歓喜しました。ときに叫び、狂い、涙しました。
遠い昔に忘れてしまった、無意識の奥底に沈めてしまったエネルギーが目を覚ます瞬間でした。ああ、わたしのからだよ、よくぞ目を覚ましてくれたぞと、ひとびとは打ち震え、酔いしれておりました。
ひとびとはそれを感動と呼びました。
ひとびとは感動に飛びつき、感動を欲し、感動させよとせかしました。
ところがどうしたことでしょう。慣れというのは怖いもの。あっという間にそう簡単には感動できなくなりました。
ひとさまを頼っているだけでは、いちど凝り固まってしまったエネルギー、そうそう覚醒させることなどできはしません、至難の業。
無知で薄っぺらな己を、ぐらぐらと揺らし、悩み、もだえて、孤独や退屈、諦観に耐え、卑屈で頑なな心と向きあったときはじめて、エネルギーは重たい腰を上げるのです。
感動とは、綺麗だから良い話だからといった、なまやさしいものだけじゃないんだぜと、せせら笑うみたいに、です。ときにそれは心臓をえぐられるような痛みや苦しみ、からだが引き裂かれるような振動が伴うかもしれません。立っていることもままならず泣き崩れてしまうかもしれません。

 

でもなあに大丈夫、そうなったらしめたもの。ほらほら光はもうすぐです。
忘れていた、渇望していたはずの目指す場所が見えてはきませんか。
見たくもなかった、いや失礼しました、あるだのないだの、見れないだのとぼやいていた、ひとさまがやたらめったら口にする、夢というかたちが見えはしませんか。
あなたが、
奥底でくすぶらせているエネルギーを放ったらかしにしないかぎり、
なあに大丈夫、心配するには及びません。

 

 

2005-03-29

ひまつぶしの本屋

テーマ:作品: HAPPY MAN
ひまつぶしにいつもの本屋
友達との待ち合わせまで
まだまだ時間があまっていた

今月の雑誌も新刊コーナーも
すでにみんなに見放されて今日をもてあましている
まるで僕だ。

目新しいことだと思い込んでいた昨日はそう続かない
来月はあしたから始まる


ひまつぶしにいつもの本屋
年老いた男が隣で立ち読みしていると
何を血迷ったのかその男
本を手にしたその手が
急にガタガタ震えだした

化石のような詩集をブックケースにしまおうとして
頑張れば頑張るほど震えがとまらず入らない
まるで焦っていた。

時間が人を震わせる
投げ出したくなるどんな些細な人生も
そう閉じられない
来月はあしたから始まる


ひまつぶしのいつもの本屋
無愛想な店員が
その男から詩集を奪いケースに入れると
窮屈な本棚の隙間に無理やりねじ込んで行った
そう、あっけない幕切れ
僕と男は途方に暮れた。

唯一がむしゃらだった時間も
簡単にねじ伏せられてしまう
投げ出したくなるどんな些細な人生も
そう捨てられない


来月はあしたから始まる



2005-03-23

無言電話

テーマ:作品: HAPPY MAN
リーン、リーン、リーン、リーン、

すっかり放置され埃をかぶっていた部屋の電話は
久しぶりの忙しさにうれしそうに音をまき散らす。
もう、うるさいなあ、あなたの存在を忘れたわけじゃないの
携帯でほとんど用事は済んじゃってたから仕方のないことでしょ?

私は受話器を上げ「もしもし」と言ってみる
・・・・・・・・ガチャッ
まただ。

昨日から執拗に沈黙を投げかけてくるひとがいる。
電話の背後には重たい静寂がべったりとはりついている。
いたずらにしては暇をもてあましすぎてはいませんか?
なにが楽しくてそんなことをするのですか?
さびしいからですか?

リーン、リーン、リーン、リーン、
“ただ今留守にしております。メッセージをどうぞ”
・・・・・・・・・・・・・・ガチャッ
もう勘弁してくださいな。
私がうろたえたり怒ったりするとでも思っているのですか?
私とわかっててかけてくるのですか?
私に恨みでもあるのですか?

リーン、リーン、リーン、リーン、
「もしもし」
・・・・・・・・・・・・・・ガチャッ
あなたはいったいなにがしたいのですか?
なんの恨みがあるというのですか?
私にどうしてほしいのですか?

リーン、リーン、リーン、リーン、

けたたましい呼び出し音の中で
つい不安に襲われる。
もしかして・・・・
どこでどうばれたのか。
あの女か。
あの男か。
どこでどう動けばいいのか。
逃げ場はないのか。
私はとっさに頭を働かせる。

イケナイイケナイ、
アイテノオモウツボ
沈黙の中で
私はひとを裏切り、傷つけていることに溺れそうになる
ひとに恨まれてもおかしくはない自分を思い知らされる。
そんな私をあざ笑うかのように
また、電話が鳴る。

リーン、リーン、リーン、リーン、

受話器を取れば私の部屋にも静寂がくるのだ
私は思わずすがりつくように受話器をとる。
あなたは受話器越しにその痛みを押し付けようとしているのですか?
私だって好きで過ちを犯しているわけじゃない。
私だってこの苦しみを押し付けてしまいたいのは一緒なのだ。

このままじゃ相手の沈黙に飲み込まれてしまう。
私はこの沈黙に耐え切れず、この沈黙をぶち壊したくなる。
もうやめて。

リーン、リーン、リーン、リーン、
ねえ出て、お願い。
この沈黙から助け出して。
私はあなたの声が聞きたいの。
リーン、リーン、リーン、リーン、
“この電話は電波の届かないところか電源を切っている可能性があります”
そんなあ、こういうときに限って繋がらないんだから。
リーン、リーン、リーン、リーン、
“この電話は現在使われてはおりません”
あれ、おかしいよ、そんなことないはず。
リーン、リーン、リーン、リーン、
“この電話は現在使われてはおりません”
あれ、あなたはいったいどこへ行っちゃったの?
私はいったいどうすればあなたと話ができるの?

リーン、リーン、リーン、リーン、
ねえ、お願い、あなたを出して。
このままじゃ、なにもわからない。
どうして何も言ってはくれないの?
私はどこへ電話をすればいいの?
ねえ、私を忘れてしまったなんて言わないで。
私はあなたの声が聞きたいだけなのに。
どうして何も答えてはくれないの?

リーン、リーン、リーン、リーン、
リーン、リーン、リーン、リーン・・・・・・・






2005-03-04

わたしのふるさと

テーマ:作品: HAPPY MAN
わたしのふるさと



東京に来たいと言う
東京で成功したいと言う
東京は人が多いと言う
東京は何でもあると言う
東京には空がないと言う
東京は汚いと言う
東京は冷たいと言う
東京じゃなくてもいいと言う
東京は嫌いと言う

もうわかったから
さっさと自分のふるさとに帰ってください



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