嘘をつくとき
ほんとうを言うときよりも
生き生きとして饒舌になって瞳が輝くのは
つきとおせたと思っている満足感と達成感からなのでしょうか
それとも嘘は
自分を守るための
自分が傷つかないための
魔法の言葉だからでしょうか
ほんとうのことに傷ついたとしても
それが事実なのだと納得できるというのに。
その場を取りつくろうために
今までのほんとうの部分の
心が通いあえた、楽しかった軌跡までをも台無しにしてしまえる、
自分が傷つかないなら相手を傷つけても平気でいられる、
あなたに
悲しいのです。
あなたの歌声がふいに聞こえて
私は唐突に思い出という記憶に突き動かされた。
それはあまりにもリアルで
輪郭も手触りも今ここにあるかのごとく。
あなたの歌声が唐突に消えて
私は否応なく今いる場所を思い知らされた。
それは今までよりも更に遠く
あの時のあなたから引き離されて。
あなたがいる。
それだけでいいと思っていた。
でもそれは
あなたの中にも私がいてほしいという
身勝手な思いだった。
私はいる。
あなたが消した私は今もなお
生き恥をさらしながら。
そして
あなたがいなくなった今もなお
私の中に
あなたはいる。
胸をしめつけながら。
私を消して
胸をなでおろしている姿で。
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