虚実妖怪百物語 破//京極夏彦 | みゅうず・すたいる/ とにかく本が好き!

 

 

 

 「虚実妖怪百物語 破」

 

 京極夏彦、著    2016年

 

                 ※

内容(「BOOK」データベースより)

富士の樹海。魔人・加藤保憲の前に、ある政治家が跪いていた。太古の魔物が憑依したその政治家に、加藤は言い放った。この国を滅ぼす、と―。妖怪が出現し騒動が頻発すると、政府は妖怪を諸悪の根源と決めつけ、駆逐に乗り出す。世相は殺伐とし、民衆は暴力的となり、相互監視が始まる。妖怪専門誌『怪』関係者は、この異常事態の原因究明のため、村上健司らが入手した呼ぶ子を出現させる謎の石の研究を続けるが…。

 

                 ※

 

 登場人物

加藤保憲

京極夏彦・荒俣宏・水木しげる・黒史郎・多田克己・平山夢明・福澤徹三・田辺青蛙等『幽』執筆陣他。

及び『幽』関連編集者他。

超豪華な楽屋オチ的妖怪活劇。

 

 京極夏彦いわく━

「妖怪? そんなものはいない」

 

 が。

この作品では出るのである。

質量無き存在なれど、呼ぶ子も一つ目小僧も、一反木綿も足洗い鬼も、百鬼夜行ですら出現するのである。

のみならず、あろうことか、黒史郎の頭の上には、何故かクトゥルーが乗っていたりするのである。

 

 馬鹿である♪

本当に、心底、つくづく、馬鹿である。

いやはや……。

ほんとに、困ったものである♪

馬鹿々々しくて、困ってしまうのだ♪

 

 思えば、かの『帝都物語』の魔人・加藤保憲も、本編終了後はどうにもシビアさに欠けると言うか、役どころがねえ……。

あまつさえ、彼は荒俣先生の作品のキャラであるにもかかわらず、今回は京極作品に出張。

なんとも、節操がない。

が。

それもまた破天荒な加藤らしくて良いのか……。

 

 『虚実妖怪百物語 破』。

パブリック・エネミーとなった妖怪馬鹿たち。

その運命やいかに!

この馬鹿々々しさが好きです♪

本当に面白かったです♪♪