こんばんは!

俳句のみろく堂オッドアイ猫家登みろくです。

 

少し時間が開いてしまいましたが

金子敦さん(出航)の

第5句集「音符」の鑑賞3回目(2014年分)ですゆめみる宝石

 

 

 

前略と書いて頬杖花の雨

 

花の雨は晩春の季語で、「花時の雨」とも言い、

①桜に降り注ぐ雨

②桜の咲いている頃に降る雨

のどちらにも用いられます。

 

「前略」と書き出したものの、

さあ何を書こう。

本題などあってあってないような手紙だったのか

または、いきなり切り込むには躊躇するような内容なのか。

目の前で雨に滲む桜を見つつ

昨日今日の自分の行動を思い出しながら逡巡するものの、

頬杖をついてペンを持ったまま、ため息。

でも、まもなく雨も上がり

書くことも見つかりそうな雰囲気。

誰にもある経験を、敦さんらしく切り取りました。

 

 

路線図の色の交錯油照

 

路線図が交錯するほどの都会、

東京や神奈川、大阪などでしょうか。

行き慣れない駅へ向かうため、

乗り慣れない路線を辿ると

色もいくつも使って あちらへ こちらへ あみだくじのように。

油照ということは、作者は屋外で路線図を広げているのでしょうか。

どなたかに乗り換えを聞かれ、

手帳に付録でついているような路線図を

二人で辿っているのかもしれません。

 

関西の大学でしたので

大阪の乗り換えを調べながらの

就職活動は

しんどかったな~アセアセなどどいうことを思い出しました。

 

 

接続詞のやうに秋蝶やつて来る

 

接続詞!

さて、接続詞には以下のような種類があります。

 

順接(そして、だから)

逆接(しかし)

並列(ならびに)

累加(さらに)

説明(つまり)

選択(または)

転化(さて)

 

果たしてどの接続詞なのか。

それを考えるだけで、わたしはワクワクしてしまいます。

文章の段落を変えるときのように、

これまでの流れを変えるかのように

秋蝶が目の前に現れた。

敦さんの思った接続詞と

読者の思った接続詞は必ずしも一致しないでしょう、

しかし、それが俳句の面白いところ。

 

わたしは「でも、秋蝶が来たのです」というイメージ。

であっ、「ところで、秋蝶が来ましたよ」もいいですね。

想像力の刺激される、寛容な句です。

 

 

 

おもちや箱のやうなコンビニ冬青空

 

私もコンビニ大好き!

入り口を入ると、最近ではキャンペーンなどやクジが置いてある棚。

右折して、大好きなアイスクリーム。

流行が一目でわかる本棚。

飲み物がずらっと並び、

陳列棚の間を行けば、カップラーメン、おまけ付きのお菓子。

文房具やおつまみも。

サラダやおにぎり、パンの山。

お弁当は、隙間のないほど、ピシッと整列しています。

レジ横には中華マン、おでんにコロッケ。

 

ありとあらゆるものが

多様に並んでいて、いろんなメッセージを発しています。

それはまるで大人のおもちゃ箱。

冬の寒い日も、コンビニに行くとふわっと温かい。

最近では淹れたてのホットコーヒーの香がしたり。

 

ワクワクしましよね。

もちろん、たまにいくから面白いのですが。

敦さんの、この人懐っこい句たちが好きだなあ乙女のトキメキ

 

 

以上、2014年のお気に入りの句をご紹介しました!

次回は2015年の句ですオッドアイ猫

 

 

流れ星アマゾンで予約できます流れ星

【新刊】みろくの新句集「歓喜」

【再販】ねうねう創刊号(ねうねう【間】という名前になっています)

流れ星投句募集中です流れ星

【募集】ねうねうvol.2