Sat, December 03, 2011
JCWキャリパー専用パッド発売開始。
テーマ:テスト及び開発REV SPEED誌にて好評連載中の“R56JCWプロジェクト”。完全ノーマルの段階から様々なテストを行い、味付けとして気になる部分を進化させて改善しております。
さて、その企画を進める中で初期の段階より指摘されていたブレーキシステムについて、皆さんが大きなコストをかけることなく、“JCW”が専用で装備するブレーキシステムを安定的に使用することが出来る専用のブレーキパッドが完成しました。
そもそもブレーキシステムのアップデートという話となると、一般的にはローター径やキャリパーサイズに注目しがちで、実際R56をはじめとする“JCW”に装備されるブレーキシステムは大径ローター及び4POTの対向式ピストンの製品がおごられています。
一見するとさすが“JCW”♪通常モデルの“クーパーS”などに比べて必要十分!の様に感じられますが、システム全体での話となると正直微妙なバランスと言わざるを得ませんでした。
それはスペックを確認するだけでも判断が出来ると思いますので少しまとめてみます。
【ブレーキスペック】
R56シリーズクーパーS
ローターサイズ:Ft-φ294×22/Rr-259×10
キャリパー:片押しピストン
JCW
ローターサイズ:Ft-φ316×22/Rr-280×10
キャリパー:対向式4POTピストン
R60シリーズ(参考)
ローターサイズ:Ft-φ307×24/Rr-280×10
キャリパー:片押しピストン
と、こんな感じになりますがお気づきになりますでしょうか?
そぉです!
ブレーキの熱容量に最も影響が出るローター厚については通常モデルの“クーパーS”と“JCW”は同じ寸法なんですねー。確かにローター径では“JCW”に歩があります。しかし、ブレーキとは回転力を摩擦による熱に交換して減速させるものですので、熱の溜まりやすい、特にスポーツ走行などを行なうことを前提に考えると摩材面積だけが大きくなり熱容量が改善されていない“JCW”専用ブレーキシステムについては、いわゆる熱ダレが早く訪れ、その機能を十分に発揮することは出来ないということになります。
この状態では仮にいくら高性能なキャリパーが採用されていたとしても、ローターに溜まった熱が直ぐに一杯になってしまうばかりか、キャリパーにその熱が伝わり本体が変形したり、ピストンの作動異常が発生し最悪ブレーキシステム自体の損傷に繋がるという非常に危険な状態に陥る可能性も否定は出来ません。
また、ブレーキパッドの選択にも注意が必要です。
ブレーキパッドには対応温度域などが示されているケースが多いのですが今回の様なブレーキシステム容量を十分に理解せず、不用意にスペックの高い製品を使用した場合、パッドだけが頑張る結果となり、やはりローターの温度が異常に上昇するだけでパッド単体ではもちろんシステム全体としても本来の性能とはかけ離れた結果しか得られないというのが実際です。

今回開発を行なったブレーキパッドは、端的に言うとスポーツパッドとして単体の性能を求めたのではなく、ブレーキシステム全体でのバランスを一番に考えた摩材をチョイスしました。ですから、パッド単体での対応温度やブレーキ制動力ということでは通常モデルのクーパーS用の製品より落としている部分もあります。しかし全ては、ストリートでの操作性や低ダスト性、スポーツ走行時のフィーリング変化の少なさやローター攻撃性など“JCW”のブレーキシステム専用にチューニングしてのこと。
毎回のように言ってますが、足すばかりがチューニングではなく、時に引く選択が必要なのもチューニングです。一度ご使用頂ければ言っているこの意味が分かると思います。
さらに、ブレーキパッド開発では摩材チップでのベンチテストなどを経てから、テスト車両の手配の兼ね合いによる都合もあり他車種でのテスト走行を行なうことが一般的ですが、今回の開発テストにはENDLESS社さんと開発ドライバーを務める村田信博氏が実際に“JCW”に装着した状態でシステムバランスを確認するなど、多くの時間と労力をかけて最良の摩材チョイスを行なうといった革新的な方法で行なった自信作です。
いずれにしてもブレーキパッドは消耗品。価格もリーズナブルな設定ですので、スポーツ走行での用途だけでなく、ストリートでもブレーキでお悩みの方は是非お試し下さいっ♪
*GIOMIC ブレーキパッド Type-CSⅡ for JCW 希望小売価格24,000円(25,200円TAXin)
※リア用の設定もあり。希望小売価格はフロント用と同じです。










