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2007-02-20 02:11:27

人形浄瑠璃文楽二月公演<第二部> その弐

テーマ:伝統芸能

2月文楽

2/19 国立劇場小劇場にて


驚いた!
最長老の【義太夫】語りのその声量にのって
人形から【色気】があふれ出てるなんて…。

昨日からのつづき


主役の玉手御前の人形遣いは人間国宝・吉田文雀
いや、驚いたのはその玉手御前のなんと色っぽい事か。
文雀師の醸し出す色気には、この【危ない女】玉手御前も
「これぐらいしちゃうワな」と、ついつい納得してしまいます(笑)。
それくらい恋に焦れる女の姿が、人形であるにもかかわらず濃厚に映し出されているんです。


「母様」と外から呼びかけ、慌てて周りを見計らうその姿しかり、
俊徳丸に恋焦がれるあまり、半身を捩って嫉妬に狂うその姿しかり…。


失礼を承知で言えば、文雀師のあの風貌から、
あの色気が人形を通じて漂ってくるのが本当驚きなんです。
まずは無表情とも言えるその文雀師の風貌に
私はいつも「不機嫌なんじゃないか?」と思わされるくらい。
しかし遣う人形からは喜怒哀楽はおろか、
今回などは年増の女の色気までもが濃厚に漂ってくる。


「私を見ずに、とにかく人形を見てください」
全く無表情の文雀師からは、
そんな【芸談】のようなものが読み取れるかのようであります。


そして何と言ってもこの公演で見逃せない、聞き逃せなかったのは、
もう一人の人間国宝・竹本住太夫浄瑠璃であります。
これが本当に素晴らしかった
義太夫語りの最長老、80歳を超えてのあの声量、
あの情感の素晴らしさ、そして若々しさ!


イヤホンガイドでは幕間に住太夫のインタビューが放送されていたが、
「もう歳なので疲れる、しんどい」と愚痴っぽくこぼしておりましたが
実際の語りを見ると、「どこがしんどいの?」と思えるほど、
他の太夫連中がひよっ子に思えるほど、その迫力は圧巻であります。

もっともご本人は
「【合邦庵室の段】は情感が途切れるので本来なら一人で語るべき」というポリシーだそうですから、
切りの場のしかも後半のみの語りくらいは訳ないのかもしれませんけど…。


住太夫師が語るは【合邦庵室の段】切りの場の後半、芝居の最大の山場。
俊徳丸への嫉妬に狂い、ついには「俊徳丸の顔を醜くしたのも自分の行い」と告白する玉手御前に、
父親・合邦は溜まりかねて娘に刃をむける、
が、刺された玉手は息も絶え絶えに「実は…」で語る真実は…。


真実を聞いた合邦の台詞になると、
住太夫師の浄瑠璃はさらに一層の迫力を増します。
シーンと静まり帰った場内に住太夫が語る合邦の嘆き
「ヲイヤイ!ヲイヤイ!!」
…そこにはもう義太夫も人形もない。
住太夫の姿を借りた合邦本人の嘆きであり、
人形の合邦から発せられる嘆きにも聞こえる。
そしてその深い嘆きに観客はさらに一層「シーン」と静まりかえらざるを得ない。

合邦の人形は吉田文吾
文吾の合邦も男臭くて良かったのだが、住太夫の義太夫が加わると鬼に金棒、
もう数倍素晴らしくなってくる


文楽は人形・義太夫・三味線と舞台上で3つのパートに分かれて演じられますが、
私はこのシーンで、3者が舞台で一体となり

玉手御前と合邦、その人そのものが舞台で演技している瞬間を見たような気がしました。
まさに文楽の醍醐味をこのシーンで味わったのかもしれません。

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2007-02-19 01:54:45

人形浄瑠璃文楽二月公演<第二部> その壱

テーマ:伝統芸能

2月文楽

2/19 国立劇場小劇場にて


永田町の国立劇場小劇場に見に行ったのが、
人形浄瑠璃「文楽」公演

文楽の鑑賞は昨年9月の「仮名手本忠臣蔵」をぶっ通しで見て以来。
昨年、忠臣蔵公演中に人間国宝・吉田玉男が亡くなり、
男の人形遣いの大黒柱を失ってしまった文楽界。
さて毎年恒例2月の3部公演はこの穴をいかに埋めるのか、
演目選定に注目していたのでありますが、
今回の公演は第1部~3部にかけて、
さながら「女方の人形遣いの競演」といった趣でありました。
…なるほど、そういう手もあったのか。

国立劇場開場40周年記念


2月文楽公演


 <第二部>14時30分開演


  菅専助・若竹笛躬=作

  摂州合邦辻


  万代池の段
  合邦庵室の段


私が見たのは第二部「摂州合邦辻」
この演目の主役、玉手御前は、
後妻に入ったその家の息子・俊徳丸に事もあろうか恋をして
俊徳丸に浅香姫という許婚がいると知ると、
俊徳丸に毒を盛り、醜い顔にしてしまうとともに、
逃げる俊徳丸をどこまでも追いかけていくという、もうスゴイ役!


まぁ最後は「実は…」という展開になってくれるのではありますが、
「母が息子を恋し、追いかけまわす」という、そのあまりにも危ない内容に
歌舞伎でも滅多に上演しない演目でありますね。
それに内容的な問題もありますけど、この演目が歌舞伎であまり上演されないのは、
前半わが子恋しさに嫉妬に狂う女性を演じながらも、
後半の「実は…」の部分では
一転してお家を守る【武士の娘】にならなければならない、
この【一転して】を演じられる役者さんが、
【武士の心】が観客にも理解しがたい昨今、果たしてどれだけいるか?
この役者の問題があるのかもしれません。

現在の役者さんたちで言うならば、
尾上菊五郎丈なら演じられそうですけど、前半の【女】の部分が心配ですし(笑)、
坂東玉三郎丈なら前半の【女】は良さそうですけど、果たして武士の娘にすっきりなれるか?
こう書いていっても適役な役者さんって…いないですねぇ。

数年前に共に今は亡き、尾上梅幸・市村羽左衛門コンビにて
国立劇場で上演したときが、梅幸一世一代の名演技と言われました。
この翌月の歌舞伎座を途中休演して、梅幸丈はお亡くなりになったんですよね。
人間国宝の梅幸丈が、最晩年にして一世一代の名演を残した玉手御前。
ここに歌舞伎においてのこの演目を演じる難しさが表れてるのではないでしょうか?


話が横道に逸れました。
本日はこれ切りにして、明日は文楽の「摂州合邦辻」に戻しましょう。

明日に続く

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2007-01-14 22:41:33

「新春浅草歌舞伎」

テーマ:伝統芸能

新春浅草歌舞伎

1/14 浅草公会堂にて


1/7の歌舞伎座1/8の国立劇場 に続いて
今月は「江戸三座見物」とばかりに洒落こんでみました。
浅草公会堂での「新春浅草歌舞伎」


当日の演目と配役は下記の通りです。


第2部(午後3時開演)


 お年玉〈年始ご挨拶〉中村亀 鶴


 一、義経千本桜(よしつねせんぼんざくら)
   渡海屋・大物浦
  
   渡海屋銀平実は新中納言知盛  中村獅 童
        女房お柳実は典侍の局  中村七之助
                  源義経  中村勘太郎
                 相模五郎  中村亀 鶴
                 入江丹蔵  片岡愛之助
               武蔵坊弁慶  市川男女蔵


 二、新古演劇十種の内 身替座禅(みがわりざぜん)

                山蔭右京  中村勘太郎
                太郎冠者  中村亀 鶴
               奥方玉の井  片岡愛之助


この「新春浅草歌舞伎」は、もう歴史も古く
毎年正月の浅草の風物詩ともなっております。
開始当初は勘三郎(当時勘九郎)、三津五郎(当時八十助)らの花形が中心に
盛り上げてきたこの興行も今や獅童、勘太郎、七之助
すっかり代替わりしたようです。
しかしその人気ぶりは相変わらず。
当日も正月気分の抜けきらない浅草の街の人波に負けないほど
よく人が入っていて、公会堂は満員御礼の盛況でありました。


私はこの「新春浅草歌舞伎」は今回初鑑賞
何かと話題の中村獅童(笑)の歌舞伎を、一度見ておこうと思い今回鑑賞した次第。


ホント中村獅童っていう役者は、TVや映画でしか見てない方は信じられないでしょうが、
本業である歌舞伎界からは冷遇されていて
いまやハリウッド映画にも出演するほどの大物俳優になったにもかかわらず、
歌舞伎の世界では名門【萬屋】一門ではありますが、
幹部連中の中では下の方の存在。
本家・歌舞伎座では数えるほどしか出演していないし
出演したとしても本当に端役。
私は彼の【台詞】を歌舞伎座ではほとんど聞いた事がないくらい!
父親の先代獅童の廃業、また中村時蔵を筆頭とする大所帯の萬屋一門ということもあり
なかなか目立たない存在でありましたね。

ところが歌舞伎座を離れれば昨今のTV・映画出演での大当たりで
今や立派な座長級の人気役者に変身。
新橋演舞場での座長公演はレギュラー化しているし
三越歌舞伎や新春浅草歌舞伎でも座頭格。
舞台以外でも映画の方では「硫黄島からの手紙」を含め
いまや活躍はハリウッド級、ってそんな言葉ありませんけど(笑)。

とにかく獅童という俳優ほど歌舞伎座の【中】と【外】で
扱いの変わる役者さんもちょっといないんじゃないでしょうかね。


と、いうわけで中村獅童についての解説が長くなってしまいました。
本題に戻りまして当日の演目について。
私の見た第2部は
一幕目が中村獅童の知盛、中村七之助の典侍の局による
「義経千本桜」渡海屋と大物浦。
二幕目が中村勘太郎、中村亀鶴、片岡愛之助による
舞踊「身替座禅」のラインナップ。
そうそうこの愛之助の人気っていうのも最近スゴイんですってね。
この辺も書いていきたいけれど、また横道に逸れそうなので今回は割愛。


「渡海屋」と「大物浦」は某新聞を読んだら獅童の知盛を
「よく役を研究してる」とえらく誉めてましたけど
私はそれほどは感じませんでした。
何か豪快さが足りないんですよね、普通って感じなのです。
知盛の正体を現す前の渡海屋銀平とのメリハリもそれほどなく
さりとて知盛になってからも今ひとつ豪快さもなく…
若い獅童に過剰なまでの豪快さを期待しすぎたのかもしれませんけど
ここは歌舞伎座じゃない浅草の若手歌舞伎なんだから
もっと斬新な演出をしてでも、いっそのこと実験的なことをしてでも
もっと弾けた獅童ならではの【新鮮な知盛像】が見たかったですね。


今まで私は播磨屋の知盛を2回見てるのですが、
古典に忠実な播磨屋でさえ、あの豪快な知盛 (特には入水の場でのあの形相!)
の姿は 今でも瞼の裏に焼き付いていますよ。
…播磨屋と獅童を比較しちゃ失礼ですけど(笑)。
だから獅童だったらもっと豪快な、もう化物に近いくらいの、ホラー映画並の
恐ろしいまでの知盛にしてしまってもよかったのではないでしょうか。


で、逆に舞踊と言う事であまり期待しないで見た
二幕目の「身替座禅」の方が私には楽しかった。
中村勘太郎は父・勘三郎に巻けじ劣らずの舞踊巧者ですよね。
再認識させられました。
あの身のこなしは現代劇に出演した時にも感じましたけど、素敵でした。
だから物語自体も面白かったのですが、私は勘太郎の身のこなしの方を
興味津々にみておりました。
父・勘三郎は歌舞伎座で「鏡獅子」を熱演し
子・勘太郎は浅草で「身替座禅」で華麗に踊る…
舞踊なんて私にとっては今までは息抜きの幕であったのに
新年早々、中村屋親子によって【目から鱗】状態であります。

まさに中村屋親子、舞踊で大当たり!って感じですね。

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2007-01-09 20:34:39

初春歌舞伎公演「通し狂言 梅初春五十三驛」

テーマ:伝統芸能


国立劇場1月

1/8 国立劇場大劇場にて


1/7の歌舞伎座「壽初春大歌舞伎」 に引き続き連チャンで見に行ったのが
三宅坂の国立劇場、初春歌舞伎公演
「通し狂言 梅初春五十三驛」


尾上菊五郎丈率いる【菊五郎劇団】が
昨年の「曽我梅菊念力弦(そがきょうだいおもいのはりゆみ)」
に引き続き2年連続の復活狂言による
正月公演での登板であります。


国立劇場開場40周年記念


三升屋二三治・中村重助・五世鶴屋南北ほか=作
国立劇場文芸課=補綴


 通し狂言 梅初春五十三驛(うめのはるごじゅうさんつぎ)
                         五幕十三場
                  国立劇場美術係=美術


  序幕 【京都】   大内紫宸殿の場
      【大津】   三井寺の場
  二幕目【池鯉鮒】  街道立場茶屋の場
       【岡崎】   八ツ橋村無量寺の場
  三幕目【白須賀】  吉祥院本堂の場
              同 奥座敷の場
       【新居】   関所の場
  四幕目【由比】   入早山の場
       【吉原】   富士ヶ根屋の場
  大 詰【大磯】   三浦屋寮の場
      【品川】   鈴ヶ森の場
              御殿山の場
      【江戸】   日本橋の場


  出演者:尾上菊五郎、中村時蔵、尾上松緑、尾上菊之助、坂東三津五郎、
       坂東彦三郎、澤村田之助、他


「梅初春五十三驛」は国立劇場お得意の【復活狂言】であり、
その復活ぶりは、なんでも150年ぶりの上演!
そんな古いの見るに耐えられるのかなぁの心配はご無用、
そこはサービス精神旺盛な菊五郎劇団のこと。
「復活なんだから思いっきり面白く復活させてやれ!」
とばかりに、あれやこれや「面白いこと」ならなんでも詰め込んだような
「歌舞伎おもちゃ箱」のような内容で楽しめます。


もうその内容たるやバラエティに富んでおり
岡崎の場では菊五郎丈演じる化猫によるケレン味たっぷりの立ち回りが展開すれば、
菊之助丈は白井権八に扮し、品川の場では有名な「鈴が森」のパロディは飛び出すは、
劇中劇の茶番は展開するわ
仕舞いにはパラパラまで登場するわ(笑)で、
「えーっ!国立劇場、ここまでやっていいの?」って感じです。


確かに「何でもあり!」の舞台でありました。
サービス精神にあふれたその展開は、
ストーリー的にはありふれた【お家騒動】や【刀剣の奪い合い】であり
ご都合主義辻褄合わせがところどころ、
いや、そこらじゅうにあることはあるのですが、
でも菊五郎劇団の役者陣が奮闘するこの舞台を見ているうちに
「昔の歌舞伎っていうのはこんな感じだったんだろうなぁ」と思えてきます。

そして菊五郎劇団が復活させようとしているのは
その戯曲だけでなく、その戯曲が上演されていたころの歌舞伎の世界、
つまり【江戸時代の歌舞伎】が持っていた雰囲気さえも
この公演で【復活】させようとしたのではないでしょうか。


今やすっかりセレブなおばさまがたの社交場と化した
【高級芸能】歌舞伎でありますけど、
江戸時代はもちろん庶民の【大衆芸能】
歌舞伎は、まずはお客さんを楽しますのが第一の目的でしたでしょうし、
役者連中は庶民のヒーローやアイドルみたいな存在だったわけです。
そんな庶民の娯楽に【様式美】や【物語】、【理屈】なんてのは不要
江戸時代の人たちは一日中芝居小屋に立て篭もって、
好きな役者連中を見て楽しみ、活躍する彼らの姿に熱狂して
そして大満足で帰っていったわけです。
だから江戸時代の歌舞伎こそ「何でもあり!」の世界であったろうし、
歌舞伎の舞台で展開される内容こそ、その時代の【流行】であり、
それが浮世絵に波及したり、風俗に波及したりで、
最終的には、その時代の【文化】を形成していったわけであります。


そう考えると当時の歌舞伎はその時々のニュースを伝える場でもあったわけで
その最たる例として、巷で噂の【ついこの間起こった事件】を早速舞台化した
「仮名手本忠臣蔵」であり近松の一連の心中物などが当時大ヒットし、
今日では有名演目として立派に残っているわけですね。

何か代が変わってくると徐々に【高級化】してしまった
歌舞伎という芸能ではありますが
あの江戸時代に庶民が熱狂してみた「芝居小屋」の雰囲気を
菊五郎劇団はこの舞台で復活させたかったのではないか
そんなことをこの舞台を見ながらぼんやりと思ってしまいました。


ということは、あの上演時間の長さも江戸時代流なのか(笑)
そしてこれこそ国立劇場の【復活狂言】の意図なのか…
さすがに【おもちゃ箱】の楽しさはあるといえども
休憩入れて上演時間5時間は、まぁ長い長い!
菊五郎劇団の奮闘を充分楽しみつつも
見終わった後はグッタリ。
これも国立劇場の【復活狂言】の名物とはいえども…。


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2007-01-08 11:30:40

「壽初春大歌舞伎」

テーマ:伝統芸能


寿新春大歌舞伎

1/7 東銀座・歌舞伎座にて


豪華!豪華!豪華!!

当日の演目と配役は下記の通りです。

「壽初春大歌舞伎」

【夜の部】(午後4時30分開演)


 一、廓三番叟(くるわさんばそう)

         傾城千歳太夫  雀右衛門
            番新梅里  魁 春
           新造松ヶ枝  孝太郎
            新造春菊  芝 雀
           太鼓持藤中  富十郎


 二、祇園祭礼信仰記 金閣寺(きんかくじ)

            松永大膳  幸四郎
               雪姫  玉三郎
   十河軍平実は佐藤正清  左團次
           松永鬼藤太  彌十郎
            慶寿院尼  東 蔵
         狩野之介直信  梅 玉
            此下東吉  吉右衛門


 三、新歌舞伎十八番の内 春興鏡獅子(しゅんきょうかがみじし)

  小姓弥生 後に 獅子の精  勘三郎
             胡蝶の精  宗 生
                  同  鶴 松


 四、処女翫浮名横櫛 切られお富(きられおとみ)

                お富  福 助
            井筒与三郎  橋之助
            穂積幸十郎  信二郎
          赤間女房お滝  高麗蔵
            蝙蝠の安蔵  彌十郎
          赤間源左衛門  歌 六



豪華だった。
現在歌舞伎を支える大看板が一同に揃った番組だて。
ホントよくこれだけの顔ぶれが揃ったものだと感嘆しました。

「廓三番叟」では雀右衛門、富十郎の両人間国宝が共演し、
「金閣寺」では幸四郎、玉三郎、左團治、梅玉、吉右衛門と、
花形役者がキラ星のごとくに顔見せし、もうこれ以上ない豪華な配役。
「鏡獅子」は勘三郎が1年ぶりに歌舞伎座に出演し奮闘すれば
福助は久々上演の「切られお富」で悪婆ものに果敢にチャレンジする。

時代物、踊り、世話物と歌舞伎のお手本のような演目だてに
それぞれ立派に主役をはれる面々が贅沢に脇役にまわる配役の豪華さ。
こう書いていても豪華だなァと改めて思います。
これぞ新春のお年玉公演って感じですね。

今回歌舞伎を始めて見たという人にも、きっとこの豪華さが
「今の歌舞伎はこういう人たちが支えているんだ」 というのが、
一目でわかる公演になったのではないでしょうか。

内容的には…

中村屋の「鏡獅子」
が、久々の歌舞伎座出演ともあって
三階の遠くからもその熱気が伝わってくる奮闘ぶり
奮闘ぶりが見ている観客にもひしひしと伝わってきて
実にエネルギッシュな一幕となってこの公演で一番の出来。
舞踊って実は私にとっては一時の休憩幕なんですけど
(演者には失礼ながら!)
この一幕は別格。目が舞台に釘付けになりましたね。

惜しむべくは…

顔ぶれは豪華ながらも、それぞれが見どころたっぷりなものですから
演目としては冗長な印象を受けてしまった「金閣寺」
今日これだけの顔ぶれでも一幕で2時間近いと
ちょっと見るのに体力がいります(笑)。

それと、幕ギレが中途半端に「本日はこれぎり!」で
終わらさざるを得なかった福助の「切られお富」
本来、お富(福助)が安蔵(彌十郎)を殺して逃げていく幕ギレであるのに
あまりにも豪華な演目の連続で時間がおしてしまい
(途中で終わらしても21:30終演でしたからね)
こういう幕ギレにせざるを得なかったのでしょう、残念です。

「切られお富」は今は亡き澤村宗十郎が復活させた
河竹黙阿弥作の【悪婆物】。
私は十数年前に、国立劇場で拝見しておりました。
宗十郎亡き後、またもや途絶えそうになっていたこの演目に
福助が果敢に挑んだ事は注目に値しますし、
比較的、自身の得意演目を並べる新春の歌舞伎公演の中では
充分意欲的な演目選択であったと思います。
だからなおさら「最後までしっかり見たかったなぁ」と思いましたね。
福助も水を得た魚のように嬉々として演じてましたもの!

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