「下妻物語」
特集【日本映画を語ろう!】
【プレイバック2004】私の【2004年のベスト10】
3本目、そして本年最後を飾りますは文句なし!
私の2004年日本映画ベスト1、中島哲也「下妻物語」。
「2004年 日本映画ベスト10」 より
監督:中島哲也
原作:嶽本野ばら
出演:深田恭子、土屋アンナ、宮迫博之、篠原涼子、阿部サダヲ、樹木希林、他
田園風景が広がる美しい茨城県下妻市。
青空の下フリフリのロリータ・ファッションで闊歩する少女・桃子(深田恭子)の生きがいはお洋服。
電車で2時間以上かけて代官山のお気に入りの店でロリータ・ファションを買いあさる日々。
ファッションも生き方も自分ひとりで決めるもの…
ロリータ一直線で他人を必要としない桃子。
そんな彼女の前に、真っピンクの改造原付きに乗った
地元のヤンキー少女・イチゴ(土屋アンナ)が現れる。
劇場鑑賞は2004年の8月、渋谷のシネクイント。
前評判は高かったものの正直、それほど期待していなかった。
それに深田恭子のロリータ・ファッションが全面に出たポスターデザインに思わず引いてしまい
なかなか見に行けず、劇場に行くのには相当に勇気がいった。
劇場は当時【ロリータ・ファッション割引】なんてのもあり、あの格好の少女たちもチラホラ。
そんな中、男一人で開映を待つ姿はこれまた恥ずかしく、劇場でひとり浮きまくり
「早く上映始まれよ」と思ったもの。
今年でいうなら「NANA」を男一人で見に行くようなモンですな。
ちなみに「NANA」を見に行く勇気は今年はありませんでしたワ、ハイ。
しかし本編が始まってすぐ私は、この作品との出会いを“幸せ”に思うようになった。
CM界の鬼才・中島哲也の映像マジックの数々に笑い、ホロリとさせられ、そして酔いしれた。
上映時間102分がもうアッという間。
劇場を後にした私は8月の時点でこの作品の今年ベスト1を確信しました。
それから早くも1年以上が過ぎWOWOWで放送分をDVD録画しておいた私は、久々に本編と再会。
今回【2004年のベスト10】ということで、この作品の他2本見ましたが、
中には劇場鑑賞当時あれほどノリにノリまくって見たにもかかわらず、
再見してみるとそれほどでもなかった作品もあったなど
劇場鑑賞時とギャップが生まれてしまった作品もあり、
「下妻物語」ももしかして…と思うと正直、再見するのはちょっと怖かったのでありますが、
本編が始まって数分でこの心配は無用であったことがすぐわかりました。
いやぁ、相変わらず面白いのなんの!
一見、キワモノ素材的な内容ながら、中島哲也の抜群の映像センスが
演出一つで、もう洗練されたドラマの傑作に化けてます!
時にコントばりの展開、時にお涙ちょうだいの大真面目、
SFXのシーンも出てくればドキュメンタリータッチも出て、
仕舞にはアニメまで飛び出す。
その演出は変幻自在。
しかも物語の芯には
相当変わった女の子・桃子(深田恭子)とヤンキーのイチゴ(土屋アンナ)の友情物語という
1本“しっかりしたテーマ”が通っていて、これが決してブレませんから
変幻自在な演出も足を引っ張ることがない。
本当に今見ても見事なドラマだと思います。
劇場公開当時、また現在DVD発売中にもかかわらず、
あのジャケ写で一歩引いてしまってる方は
勇気を振り絞ってでもこの作品の一見をお奨めします。
キャストも深田恭子と土屋アンナがもう意外なまでの好演。
土屋アンナがその年の新人賞を独占したのも納得です。
但し、2人ともなぜかこの後パッとした活躍をしなくなったのが残念なところ。
土屋アンナは本業がモデルですから、
まぁ私が目に触れないところで相変わらず活躍してるのでしょうが、
深田恭子の方は当時あれほど売出中のアイドルだったのに、
最近目にしないのは気になるところ。
あのラストの関西弁の啖呵なんて見事だったのになぁ。
ところで「下妻物語」の後、中島哲也の新作発表の報が聞かれず残念に思っておりましたが、
来年公開にて現在「嫌われ松子の一生」を制作中だったんですってね。
これは嬉しい事!
情報をちょっと聞いたところ山田宗樹の原作もので、主役が中谷美紀。
今回も相当奇抜なストーリー展開で、彼の演出もコメディタッチあり大真面目もありとのことで
久々に彼の映像マジックに再会できるとのこと。
これは期待できそう!
もう来年の公開が今から待ち遠しいですワ。
■この作品はDVD化されてます。
恥ずかしがらず勇気を振り絞って見てみてください!
■特集【日本映画を語ろう!】の過去の記事、今後の予定は こちら から
と、いうわけで3ヶ月にわたって続けてきました【日本映画を語ろう!】も
今回でひとまずthe end。長期間お付き合いいただきありがとうございました。
最後が【プレイバック2004】でしたので、明日からは【プレイバック2005】をしながら
各部門のベスト10を発表していきたいと思います。
さて本年度の日本映画ベスト1は何にしましょうか…。
■2005年【ベスト10発表!】は こちら から
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