2005-08-08 23:02:25

「運命じゃない人」

テーマ:映画(映画館 2005年)

運命じゃない人

8/7 ユーロスペース にて


これはおもしろい!
良く練られた脚本に、小気味よいテンポの演出。
ちょっと自主製作映画っぽい雰囲気もありますが、存分に楽しめます。


監督・脚本:内田けんじ
出演:中村靖日、霧島れいか、山中聡、山下規介、板谷由夏、他


気弱なサラリーマン宮田武(中村靖日)にとって、その日は“ちょっといい日”だった。

 婚約者・倉田まゆみ(板谷由夏)に逃げられ意気消沈の宮田を、
 友人で探偵をしている神田勇介(山中聡)が食事に誘う。
 「もっと女性に対し積極的にならなくちゃダメだよ」
 宮田を励ます神田は、おもむろに前の席で淋しく食事をしている見ず知らず女性に
 「一緒に食事しませんか」と声をかける。
 ところが来るはず無いだろうと思っていた、その女性・桑田真紀(霧島れいか)は彼らのテーブルへ。
 2人のテーブルは3人へ…会話も弾み始めたその時
 「ちょっとトイレ…」と席を立った神田がそれからサッパリ席へ戻ってこない。
 女性に声かけておきながらいなくなるなんて…慌てた宮田は神田の携帯へ電話。
 「仕事に戻った。後はうまくやってくれ」と素っ気無い神田の返答。

 桑田の相手をバトンタッチさせられた宮田。
 『もっと女性に対し積極的に…』の言葉を思い出し、宮田は思いきって桑田を自宅に誘う。
 桑田も実は恋に破れ意気消沈の真っ最中。
 優しい宮田の態度に感激した桑田は宮田の自宅へ一緒に向かう。

 昨日まで婚約者が使っていた部屋に桑田を通す宮田。
 さてムードはこれから盛り上がろうとする時に突然、出ていったはずの倉田が宮田の自宅へ。
 「忘れ物を取りに来たの」宮田を裏切ったにもかかわらず平気な顔の倉田。
 その態度にやりきれない桑田は思わず荷物をまとめ宮田の家を飛び出す。
 「忘れ物を取ったらすぐ帰ってくれ!」倉田に言い放ち桑田を追いかける宮田。
 桑田が乗ったタクシーを必死で追いかける宮田。
 なんとか追いつき「もう2度と逢えないかもしれないから、せめて携帯番号を」と
 宮田一世一代の大勝負。
 桑田は戸惑うが、宮田に携帯番号を教え再びタクシーを走らせる。
 一世一代の大勝負が成功に終わり、深夜の路上で小躍りする宮田。


と、まあここまでがこの映画の基本ライン
ストーリーをこう書いていてもこの基本ライン、なんだか自主製作の恋愛映画のようで、
このパートを見た限りではちっとも魅力的に思わなかったのですが、
この作品は基本ライン以降からが段違いにおもしろく、魅力的になってくるのです

というのも“宮田君のちょっといい話”も、その場に居合わせた別の人、
つまり神田勇介・桑田真紀そして倉田まゆみにとっては実は“とんでもない1日”だったのであります!
映画は基本ラインを【神田勇介の立場から】【桑田真紀の立場から】と何度も時間を遡って、
彼らの“実はとんでもない1日”をタネ明かししていきます。
そして何故か【組織の経営に悩むヤクザの組長】浅井志信(山下規介)なる人物までが
重要人物として登場して来たり…
平凡なサラリーマン宮田のストーリーになぜ【ヤクザの組長】と思われるでしょうが、
タネ明かしは是非劇場で確認していただくとして、
これが宮田とは間接的に、しかも重要にからんでくるのですからおもしろいもんです。


この「運命じゃない人」の脚本・監督はこれが長篇デビュー作となる内田けんじ
高校時代から映画製作の道を志すものの「日本のストーリーを重んじない自主製作映画界」に反発し、
サンフランシスコ大学州立大学へ留学したという経歴を持つだけあって、
ストーリー性を重視した、とにかく観客を楽しませようという、そのサービス精神が見事であります。
それはまず脚本で存分に発揮されていて、よく練られているなというのが充分見る側に伝わってきます。
ちょっと演劇の三谷幸喜氏にも通じるテイストを持ってますね。
本当、何気ない小道具から、登場人物、そして半開きのドアまでがストーリーの重要なキーを握っており、
その無駄の無い展開には本当に舌を巻いてしまいます。
なにせ桑田の携帯番号を聞き出し小躍りする宮田の横を通過して行く一台の車すらも、
後々重要なアイテムになっていくのですから!
そのタネ明かしを知った時には思わず「うまい!」と唸って、大笑いしてしまいましたからね。
またこの存分に練られた脚本を、演出が非常に小気味良いテンポで描いて行きますから
描写にも無駄がなくダレる事がありません。
これも内田監督のエンターテイメント性が存分に発揮された賜物でありましょう。


内田監督には【ストーリー性を重視した】【エンターテイメント性の強い】作品を
今後も発表して欲しいものです。
しいては、この作品も評判を呼んでヒットしておりますから、
次回作は是非とも予算・俳優陣ともパワーアップした作品を見てみたいですね。
結構な大作でも内田監督ならば、そこそこのものを作れるんじゃないでしょうか。
しかしくれぐれも志を忘れ【海外の映画賞を狙った】巨匠ズラだけはしませんように。


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コメント

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9 ■YOSHIYU機様

コメントありがとうございます。

台詞に関しては妙にリアルな
実生活で使いそうな台詞がポンポン飛び交って
そこがヒトクセあるストーリーにリアリティを持たせていてよかったと思いますね。

8 ■はじめまして

TB有難うございました。
私は、映画の基本ラインでも
台詞の面白さなどに
魅力を感じました。
もちろん細部まで
実に凝った作りのストーリーが
最大の魅力だと思います。

7 ■たましょく様

コメントありがとうございます。

ちょっといい人すぎて
ヤクザの親分までマイルドになってましたね(笑)。
コメディの設定としては逆に殺伐としてなくて良かったです。

6 ■宮田の生き方♪

 ども、たましょくです♪

 なんで、この映画をちゃんと劇場
で観なかったのだろーかとかなり、
観賞後に悔いました。

 一見、宮田以外は、ちょいワルな
感じもしますが、やはりみんな、宮
田によって癒されているのかな?

 ラストは、ただただ脱帽でした♪

5 ■はじめまして

はじめまして、TBさせていただきました。この作品はすばらしかったですね。昨年の最高傑作の一つだと思っています。よろしかったら、私のブログにも遊びにいらしてください。よろしくお願いいたします。

4 ■tacoss様

コメントありがとうございます。

あのラストですが、
私は真紀はてっきりクレームを言いに戻ったのかと思ってましたが、
どうもハッピーエンドみたいですね。
ちょっとウガった見方をしてしまってました…。

3 ■一世一代の大勝負の裏にまで

オチがあるとは思いませんでした。
やられたって感じです。。。
TBはらせていただきます。

2 ■さきよ 様

コメントありがとうございます。

おもしろいという噂が噂を呼んで結構ヒットしているらしいですね、この作品。
内田けんじ監督の2作目が楽しみです。

1 ■噂にたがわず

面白かったです。「海外の映画賞を狙った巨匠ヅラ」、いかにも的を得た表現で笑えます。確かにそういうのにはなって欲しくないですね。TB張らせて頂きました。

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