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2005-09-30 19:18:08

「第一回 大・上方落語祭 渋谷繁昌亭(二日目・夜の部)」

テーマ:落語

渋谷繁昌亭

9/29 セルリアンタワー東急ホテルボールルーム にて


昨日に続いて 「第一回 大・上方落語祭 渋谷繁昌亭」の鑑賞です。
しかし、これだけのメンバーが揃った落語会なのですから
土・日曜日に開催できなかったのでしょうかね。
昨日も書きました通り、会場がホテルの大宴会場ですから
やはり土日は結婚式やらパーティーやらがはいってるんでしょうね。
平日の開催、しかも午後6時30分開演っていうのは社会人にとっては行くのが結構大変なんですよ。
しかも今日は昼の部(午後2時開演)もやってるって、昼の部見ている人ってどういう層の方なんでしょ?


まあ、とにかく、今年はこの落語会も含め上方落語に接する機会が多いです。
東京出身ながら上方落語ファンの私としては、うれしい限りです。
昨日のメンバーを合わせても、東京での活動が多い笑福亭鶴光笑福亭鶴瓶は別としても
桂小米朝が2回目、桂小春團治が2回目、林家染丸2回目、
我が御贔屓の三代目・桂春團治にいたっては3回目と、
今年に入ってこれだけ見る事ができたのですから。
10年前の名人三代目・桂春團治でさえも年に1回見れるか見れないかの状態でしたからね。
これが一時の落語ブームに便乗した“東京での上方落語ブーム”で終わらないことを願いますがね。


出演者・演目は下記の通り

 笑福亭生喬「東の旅 もぎとり」
 桂小春團治「冷蔵庫哀詩」
 笑福亭鶴瓶「青木先生」
 桂春團治「祝のし」

   仲入り

 春風亭小朝「涙をこらえてカラオケを」
 林家染丸「浮かれの屑より」



さて、本日の出演メンバーの方が「上方落語を見た」という充実感にあふれてましたね。
一つには「6人の会」からのゲスト出演の春風亭小朝
桂三枝作の創作落語「涙をこらえてカラオケを」を演じたということもありますが、
全体的にも新作あり、古典あり、上方落語特有のハメモノ入りありとバラエティに富んだ内容で
非常に見応えがあったためだと思います。

今回は個々に簡単にふれていきましょう。

笑福亭生喬は残念ながら遅れての入場につき未見です(っていきなりこれですか!)

今月の国立名人会で自作の「漢字悪い人々」 で会場を爆笑させていた桂小春團治
今回も同じく自作の「冷蔵庫哀詩」をひっさげて登場。
小春團治師の新作は真に着眼点が鋭いというか、おもろいというか、
本作も冷蔵庫の中での【ぷっちんプリン】と【ハーゲンダッツアイス】の恋という奇妙奇天烈な内容。
【ぷっちんプリン】→冷蔵庫、【ハーゲンダッツアイス】→冷凍庫、と住む場所が違う物同士の恋を軸に
【ぷっちんプリン】が3姉妹だったり(3個セットで売ってるでしょ)、
【ハーゲンダッツアイス】とは身分が違うとか(ハーゲンダッツはセール対象除外品なので!)、
まるで冷蔵庫版「ロミオとジュリエット」のような展開。
オチも非常に“あったかい”終わり方で秀逸でした。

笑福亭鶴瓶「青木先生」
これも自作ですが3月の東西落語研鑽会7月の大銀座落語祭 と聞いていて今回実に3回目。
おもしろい内容なんですが、さすがに今年3回目ともなると「またか」と思ったのが正直な所。
せっかく三代目・桂春團治の前の出演なんですから
ここぞと古典でビシッとやってくれた方がうれしかったのになぁ。

お目当て三代目・桂春團治は今回も別欄に書きます。
春團治師、昼の部は十八番「代書屋」だったんですって。見たかった!

仲入り後、春風亭小朝「涙をこらえてカラオケを」
前述の通りこれは桂三枝作の創作落語。
偶然にも昨年の大銀座落語祭で桂三枝師がこの根多を演じたのを見ておりました。
感想としては桂三枝の方がやっぱりおもしろかったですね。
小朝師は歌がウマ過ぎなんですよ。
この話って色々な登場人物がカラオケを唄う内容なので、
三枝師のちょっと“ヘタウマ”の歌の方が雰囲気にぴったり合うんですね。
小朝師のように出てくる人皆が歌が上手いとちょっと興ざめになります。

トリは林家染丸「浮かれの屑より」
江戸落語では「紙屑屋」で演じられる根多。

 大家のボンボンが勘当され知り合いの所に居候で転がり込むが、
 いつまでもゴロゴロされては邪魔でしょうがない。
 仕方なく隣の空家に放ってある紙屑の山の仕分けを頼むのだが、
 根っからの遊び人のボンボンは義太夫の本を見つけちゃ義太夫を唸り、
 隣家の稽古屋から長唄が聞こえてくれば「道成寺」を舞い始める、と一向に仕事ははかどらない…。

という上方落語らしい大らかな内容の音曲噺。
しかしそれなりに芸事に精通していないととても演じる事の出来ない難儀な根多で、
そこは芸達者な染丸師だけあって難無くこなし、
まさに師にぴったりの演目にまでしてしまっているのがスゴイところ。
高座の上で「道成寺」まで踊ってしまうのですから、その熱演には拍手、拍手でありました。


染丸師の高座が終わった所で、おもむろに小春團治師が登場して
「本日、我が阪神タイガースが優勝しました!」と、
祝いの酒樽まで出てきて高座が一転して祝勝会場に早代わり。
祝いのお酒は会場の人たちに振舞われるということで、帰ろうとしていた観客が一気に長蛇の列に。
お囃子さんによる「六甲おろし」を聞きながら会場を後にする。
このセレモニーがあったから本日は「実に“上方”らしいなぁ」と思ったのかもしれませんね。


■三代目・桂春團治「祝のし」は翌日へ。続きはこちら から


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2005-09-29 02:02:05

三代目 桂春團治「高尾」

テーマ:落語
黒門町より派手めの出囃子「野崎」にのって、相変わらずのダンディな春團治師の“出”。
もうこの“出”を見ただけで私、シビレます。
渋い口上があって「お古いお噂を一席」、
シュッ!と名物となっている羽織脱ぎがあって
「やもめ店賃ほどもうちにいず、屁をこいておもしろうもなく一人住み」

演じましたのは「高尾」
東京では「反魂香」の題で演じられる根多、
八代目・三笑亭可楽の十八番でありました。

  長屋で隣に住む浪人が連日深夜に読経するもので、夜もおちおち寝られないヤモメの喜六。
  ついには隣家へ趣き、「小便もできぬ!」文句を言うが、
  そこで浪人の口から出たのは意外な言葉。

  何でも浪人は島田十三郎と名乗り、
  江戸にいた頃、吉原で三浦屋高尾と馴染になったが、高尾は故あって早逝。
  自らも罪を感じて出家、日々読経をしながら
  生前高尾から送られた【反魂香】を火の中にくべ、“高尾の霊”と毎夜逢っているという。

  喜六は「これはおモロイ!」と
  高尾の霊に逢わせろと浪人に迫り、浪人も渋々読経を開始。
  手にした【反魂香】を火にくべると、何と煙の奥から現れたのは正真証明、傾城高尾の幽霊。
  「あまり無暗に香をくべるなや」を置き言葉に幽霊が消えた頃には
  喜六はもう興奮状態。

  自分にも先年無くなった妻がいる。
  その反魂香を分けてくれと言うが、浪人は大切なものとこれを拒否。
  「ええワイ!」と深夜にもかかわらず薬屋へ香を買いに行くのだが…。


この一席、もう春團治師の洗練された立派な芸術品であります。
【反魂香】やら【島田十三郎】やら、今の人が聞いてもさっぱりわからないキーワードでも
春團治師は一字一句変えようとはしませんし、いちいち解説もしません。
浪人が高尾との馴染を語る独白などは完全な歌舞伎調で、
ここまでくると何を言ってるのかは半分わかれば良い方な位。
しかしこの揺るぎ無い姿勢があるからこそ春團治師の「高尾」は、
立派な芸術品になっているから不思議です。
例えて言うなら現代人に合わせたわかりやすい“ゴシック体”の芸ではない、
美しい筆文字の“楷書体”の芸といった感じでありましょうか。


その後も高尾の幽霊が現れるシーンではハメモノをふんだんに使って、
美しいまでの見のこなしで高尾の幽霊を演じ、
(煙の奥からスーッと登場する高尾のその美しさ!)
薬屋へ走る喜六のその後の突拍子も無い行動の数々は、
これが先ほど高尾の幽霊を演じてた同一の人かと思われるほどの、
おかしさに溢れた滑稽の極み。
洗練された話芸と所作で見せきる、一幅の絵画を見ているような一席。
ハイ、充分堪能させていただきました。


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2005-09-28 23:50:40

「第一回 大・上方落語祭 渋谷繁昌亭(初日)」

テーマ:落語

渋谷繁昌亭

9/28 セルリアンタワー東急ホテルボールルーム にて


なんでも現在、渋谷で『大・大阪博覧会』なるイベントが開催中らしい。
…全然知りませんでした。
たこ焼きでも売ってるのであろうか。
この「第一回 大・上方落語祭 渋谷繁昌亭」はこの博覧会のメインイベントの一つだそうですが、
私はイベントの事など全く知らずに、「何で渋谷なのだろう?」と思いつつ、
単純に東京で上方落語祭が開催されるという事でチケットを購入しました。

会場が見なれぬ所なので、「どこだろう?」と思ったら何の事はないホテルの大宴会場でした。
おかげでどこから入ってイイやらわからず、タワーの周りをグルグル探してしまいました。
ちょっと遅れての会場入りだったため人の流れもなく
…いやぁ渋谷は知っるつもりでしたが久々に迷いました。
しかし、渋谷のイベントだからこの落語会も渋谷で会場を探さなくてはいけなかったのでしょうが、
もうちょっと良い会場はなかったのですかね。
シアターコクーン「天保十二年のシェイクスピア」だし、PARCO劇場美輪明宏だし…
昔のホールだったところは皆、映画館になってしまってるし…
んー渋谷って改めてホールがないんですね。

ホテルの宴会場に特設した舞台だから、なんか高座が“ちゃっちぃ”んですよね。
…「笑点」のセットみたい。
そしてなぜだか高座の座布団までが“ちゃっちぃ”!
しかも袖の壁が薄いものだから、出待ちの人たちのしゃべり声が丸聞こえ。
しかも客席が平らなフロアーに椅子を置いただけだから見づらいし…
内容が良かっただけに、会場選びは今後(二回目以降があれば)一考していただきたいですね。

前振りが長くなりました。本題へ移ります。


出演者・演目は下記の通り

 桂つく枝「動物園」
 桂小米朝「桃太郎」

 桂きん枝「看板のピン」
 桂春團治「高尾」

   仲入り

 春風亭昇太「人生が二度あれば」
 笑福亭鶴光「竹の水仙」



仲入り後は「6人の会」からのゲストということで春風亭昇太が出演。
また本日のトリは笑福亭鶴光だったのですが、
鶴光師は東京の寄席にレギュラー出演しているくらい、もう東京でもおなじみの顔なので、
この2人の出演は寄席での落語芸術協会の香盤のようで
上方落語の番組としては新鮮さは今イチ
但し、春風亭昇太がマクラで今月で終了する『愛・地球博』を思いっきり茶化して
会場を大爆笑に巻き込んでから自作の「人生が二度あれば」を演じ
根多でも再び会場を大爆笑の渦にしていたのは、
上方落語祭と見にいったにもかかわらず大収穫ではありましたが…。


と、なるとお目当ては自然と仲入り前の
大御所、三代目・桂春團治となってきます。
しかもこれが期待を裏切らない見事な高座。

ちょっとその素晴らしさは日を変えて個別に書いていきましょう。

■続く。続きはこちら から

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2005-09-27 22:56:34

「シャイニング」

テーマ:映画(ビデオ他)
ワーナー・ホーム・ビデオ
シャイニング 特別版 コンチネンタル・バージョン

「追い詰められた人たち」2回目、
そして【真夏の夜のホラー特集】最終回
トリを務めるのは、やはりそれなりの作品ということで、
考えた末にこの作品に決めました。
ゴシックホラーの決定版、スタンリー・キューブリック「シャイニング」

真夏の夜のホラー特集・第16弾
1981年劇場公開作品
監督:スタンリー・キューブリック
出演:ジャック・ニコルソン、シェリー・デュヴァル、ダニー・ロイド、スキャットマン・クローザース、
    バリー・ネルソン、他

  ジャック・トランス(ジャック・ニコルソン)は、妻ウェンディ(シェリー・デュヴァル)と
  息子ダニー(ダニー・ロイド)と共に、冬の期間閉鎖となる大自然の中に建てられた
  オーバー・ルック・ホテルの管理人として住み込む生活を始める。
  
  このオーバー・ルック・ホテルは過去、グレイディという管理人がこの生活のあまりの孤独のために
  気が狂い、妻と二人の娘を斧で殺し、自分も自殺したという事件を起こしている。

  ダニーは自分の中にトニーというもう一人の人間を育てており、
  そのトニーがホテルに行く事に賛成せず、
  ダニーは幻想でホテルのエレベーターの扉から滝のように流れ出る夥しい量の血と、
  その前に立ちつくす双児の少女の不気味な姿を見るようになる。

  ホテルは閉鎖され、ジャック一家のホテルでの管理人生活が始まる。
  ジャックは静かなホテルの一室で小説が書けると思いきや、
  いざ始めてみると苛立つばかりで進まない。
  ウェンディは、そんなジャックの様子を見て不安になった。
  そして、三人の緊張に満ちた不安定な生活は、遂に惨事を生むまでにいたる…。

「シャイニング」は紛れもないホラー映画の金字塔であります。
それがスティーブン・キングのベストセラーの映画化で、
スティーブン・キング本人及び彼の小説のファンから非難轟々であろうとも、
これはスタンリー・キューブリック監督によるホラームービーとして傑作であると断言できましょう。

何でも原作は(相変わらず未読です。やっと「ドリームキャッチャー」に着手中ですが!)
ダニーの超能力が重要なアイテムになっているとともに、ラストも一瞬正常に戻るジャックと
ダニーの親子愛が前面に出た“救いある”ものになっているらしいですが、
スタンリー・キューブリックの手に掛かると“救いある”要素など微塵もなくなっております。
「人間、おかしくなったらそれまでなんだよ」
とクールに構えるキューブリックの姿が今にも見えてきそうであります。
でもこの徹底的なクールさ非情さがあったからこそ「シャイニング」は
ホラームービーとして抜群の怖さを生み出した傑作になったのではないでしょうか。

前作「バリー・リンドン」で、蝋燭の照明だけで撮影を可能にした
画期的な撮影技術を生み出したキューブリックでありますが、
この「シャイニング」では現在移動撮影の定番であります【ステディカム】を発明しております。
これは長い横移動撮影の時でも、レールをひく事なく、また段差を気にする事なく、
カメラマンの体に【ステディカム】を付けることで
(何かのメイキングで見ましたが、かなり大きな装置でカメラマンは大変そうでしたが…)
ブレることなく長時間の移動撮影が可能になった装置であります。
現在コーエン兄弟の作品の定番となっているこの撮影方法も、
もとはキューブリックがこの「シャイニング」の撮影のためだけに発明した装置だったのであります。
ダニーが長いホテルの廊下を延々とバギーで疾走するシーンも、
ラストで狂乱のジャックが迷路を延々とダニーを追いかけまわすシーンも、
全てこの【ステディカム】が威力を発揮しているのであります。

キューブリックはこの【ステディカム】を全編に多用して
ジャック・トランス一家をオーバー・ルック・ホテルの中で常に動き回わらせます。

 ジャックは小説が書けないイライラからホテルを動き回り、
 やがてタイムトリップしてパーティルームで1930年代の幻想を見ると共に、
 家族を皆殺しにした前任の管理人グレイディと対面する事となる。

 妻のウェンディはこのホテルの不気味な雰囲気と、
 日々変わって行く夫ジャックに不安を感じ、
 緊急事態が起こった時の避難方法を考えながらホテルをうろつく。

 そしてダニーは好奇心からバギーでホテルを動き回っている内に、
 謎の【237号】を発見し、そこでの光景を見て恐怖に陥って行く…。

3人が3様の不安・悩み・イライラを抱えながら常にホテルを動き回り、
だんだんと狂気の沙汰へと落ちて行く。
カメラも【ステディカム】を多用することで
「一点に落ち付かない」ことに不安を感じている観客たちをジワリジワリと不安で煽りつつ、
さらに恐怖を増長させていく。
ホテルという限られた空間での登場人物たった3人から
(幻想シーンを入れればもっと登場人物は増えますが)
これだけの恐怖が生み出せるのですから、
【完璧主義者】キューブリック、本作でも充分面目躍如しております。

確か公開当時はこの「シャイニング」、
あのキューブリックの新作という事で相当な期待がかかっており、
公開後の評論ではそれほど評価されなかったのを記憶しております。
しかし公開から早4半世紀が過ぎ、
夥しい数のホラームービーが本作の後、制作・公開されたにもかかわらず、
今だこの作品を越える“怖さ”をもった作品が現れないということは、
「シャイニング」が【しでかした事】は実は凄い事だったんだと改めて再認識してしまうと共に、
DVD化されても相変わらずロングセラーを続ける本作は今だからこそ、
もっと再評価されても良いのではないでしょうか

最後に【完璧主義者】という言葉を出したので、
キューブリックの本作での【完璧主義者】ぶりを表すエピソードを一つ。

アメリカ嫌いで全ての撮影を住んでいたイギリスで行っていたキューブリック。
しかし本作はスティーブン・キングの原作モノで、アメリカのコロラドのホテルが舞台のため、
遂にはアメリカ嫌いのキューブリックもアメリカで撮影をしなければならないか、までいった様子。
しかしそこはキューブリック。
一発大逆転で、なんとオーバー・ルック・ホテルのセットを全てイギリスに建ててしまった
あのジャックが徐々に狂気に陥って行く広大なホテルのロビーも実はセットだったとの事…驚きです。
ではあのホテルの窓からさしていた“やわらかな”日の光はというと、
なんと全て照明だったのだそうだ。
自然な日の光を出すために照明には膨大な費用がかかったという。
んー聞けば聞くほどキューブリック、恐ろしい人です。
彼こそが一番【映画】という狂気に陥っていた人だったのではないでしょうか!


■参考文献


  
  ヴィンセント・ロブロット, 浜野 保樹, 櫻井 英里子
  映画監督 スタンリー・キューブリック

  
  巽 孝之
  スタンリー・キューブリック―期待の映像作家シリーズ

■過去の【真夏の夜のホラー特集】記事はこちら

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2005-09-26 21:09:18

「es [エス]」

テーマ:映画(ビデオ他)
ポニーキャニオン
es[エス]

【真夏の夜のホラー特集】いよいよ最終週であります。
おかげさまでこの特集で大分HDDの空きも増えましたし、
たまっていたビデオも見ることが出来ました。
さて最終週のお題は「追い詰められた人たち」とでもしておきましょう。
この特集を「9月まで実施」と宣言をして、
あせってホラーを見まくった私も「追い詰められた人」のひとりです。
と、いう訳で今回はドイツ映画「es [エス]」
これは怖い!

真夏の夜のホラー特集・第15弾
2002年劇場公開作品
監督:オリヴァー・ヒルシュビーゲル
出演:モーリッツ・ブライブトロイ、クリスチャン・ベルケル、オリヴァー・ストコウスキ、
    ヴォータン・ヴィルケ・メーリング、ユストゥス・フォン・ドーナニー、他

  スタンフォード大学心理学部ではある実験をするため、被験者となってくれる男性を公募した。
  高額の報奨金目当てに集まった20名ほどの被験者は無作為に「看守役」と「囚人役」に分けられ、
  学内に設けられた模擬刑務所に収容された。
  初めはそれぞれの役を演じるだけの簡単なアルバイトと誰もが考えていた。
  しかし、実験が進むうち、「看守役」の態度がだんだん攻撃的になってくる。
  それに対して、ある「囚人役」が「看守役」に反抗したため、遂に「看守役」の振る舞いはエスカレート。
  「囚人役」は卑屈に服従するのみで、まったく抗議できなくなっていく。
  しかし事は模擬刑務所内の実験の枠組みを越えて、もはや誰にも制御不能の状態に陥っていく…。

きっかけは本当にささいな事だった。
「囚人役」のひとりが「看守役」に反抗的な態度で“からかった”からだ。
しかしこれが「看守役」個人のプライドにえらく響いたのだ。
納得のいかない「看守役」。
やがて「看守役」は【個人のプライドを守る】ために、
それを【実験の秩序を守る】という論点に切り替えて考えるようになり、
徹底して攻撃的な態度へと変わっていくのであります。

よく仲間内の喧嘩の仲裁に入ったりしますと、収拾がつかない状態になっていますが、
きっかけを聞くと本当に“ささいな事”だった、というケースがありますよね。
それは大抵どちらかが喧嘩の範囲を超え、
触れてしまってはいけない領域を「言って」しまったり、「やって」しまったりしたからなんですね。
この作品の身の毛もよだつ大騒動もまさにこれなんですね。

きっかけは誰でも経験のあるささいな事でも、
人間は極限まで追い詰められると発言や行動は本当、
常人には理解できないものになってしまうものです。
「es [エス]」は緻密な脚本と、緊迫感あふれる演出でジリジリと登場人物たちを追い詰め、
見る者までが【加害者】か【被害者】と同化して見ている事になる
見事なまでの、そして抜群に怖い作品でありました。

監督は今年「ヒトラー ~最期の12日間~」が公開されたオリヴァー・ヒルシュビーゲル
「ヒトラー~」もまさに【追い詰められた人】の物語ですから、
この監督はよっぽどこの分野がお好きなようです。

※是非見て欲しい作品なので(全ての人にはお勧めできませんが!)、
  ご覧になられる方は以下の文はネタバレになるので読まないで下さい。


特に印象的だったのは軍からスパイとして送り込まれた「囚人役」のひとり。
この実験は軍部がスポンサーとしてついており、
彼は軍部へ実験経過を密告するため送り込まれたスパイでありました。
最初はさすがに沈着冷静で「看守役」をからかう「囚人役」に対し
「もっと冷静になれ!」と助言のひとつも言っていたのですが、
だんだんとこの異常な状態に常軌を逸してきて、
ついには模擬刑務所の集団脱走を先導する立場となり、
追いかけてきた「看守役」の一人を殺そうとまでしてしまう。
あれほど沈着冷静だった人間までも追い詰められると、
自らが暴力的な人間に自然と変身してしまうのであります。

なんたる皮肉な結果でありましょう。

しかも「看守役」を殺そうとしているのを「もう実験は終わったんだ」と止めたのが、
何を隠そう彼が「もっと冷静になれ!」と助言していた「囚人役」のひとりなのですから、

これ以上皮肉な結末があるでしょうか!

■2002年の同時期に公開されたこれもかなり怖いです。

  セッション9
  アミューズソフトエンタテインメント

  セッション9
  ※当blogでも取上げました、感想はこちら

■過去の【真夏の夜のホラー特集】記事はこちら

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