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2005-05-31 19:37:52

「涙を、獅子のたて髪に」

テーマ:映画(ビデオ他)

これから4日間は2003年の「スパイ・ゾルゲ」を最後に現役を引退してしまった
篠田正浩監督作品特集であります。
なぜ今、篠田正浩なのか…の詮索はしないでくださいね。
たまたま、もう飽和状態のHDDで「スパイ・ゾルゲ」を見たため、
ちょっと篠田監督の過去に遡ってみたくなっただけの
えらく不純な特集動機なものですから…。


篠田正浩監督作品特集第1弾
1962年劇場公開・松竹作品
脚本:寺山修司、水沼一郎、篠田正浩 
音楽:武満徹 
出演:藤木孝、南原宏司、加賀まり子、岸田今日子、山村聡 、他


第1弾は1962年公開作品の「涙を、獅子のたて髪に」であります。
実に今から43年前の作品。
篠田正浩は1960年の「恋の片道切符」で監督デビュー。1965年の松竹退社まで12本の作品を監督し、
その斬新な手法は同時代の大島渚や吉田喜重らとともに“松竹ヌーベルバーグ”として注目されました。
この作品を放った1962年は実に3本もの監督作品を放ち、
まさに新進気鋭の監督として登り調子真っ最中の作品であるといえましょう。


  汽笛がものうく響き、かもめが飛び交う平和な港「ヨコハマ」。
  通称サブこと水上三郎(藤木孝)は、松平海運支配人(山村聡)、木谷哲郎(南原宏司)の手先となり、
  日雇い港湾労務者から暴力でピンハネをしている港のダニである。
  ある日、サブは波止場のドラッグ・ストアのウェイトレス、ユキ(加賀まり子)と知りあった。
  その日から、二人は少年少女のように遊びまわった。
  そのころ、搾取にあえぐ労働者達に組合結成の機運が起った。
  木谷はサブに命じて、リーダーの中島にヤキを入れさせたが、
  サブはまちがって殺してしまい、事故死とみせかけて死体を海へ捨てた。
  その日はサブの二十歳の誕生日で、ユキはサブのアパートで待ちわびていた。
  しかし数日してサブは、殺してしまった中島がユキの父親だったと知り呆然とするのだが…


この作品は、当時ロカビリー歌手として売出し中の藤木孝と、
今とはちょっと違う売れ方をしていたアイドル・加賀まり子共演の
プログラム・ピクチャーの1本として制作されたのでしょう。
しかし今見てみると、まずスタッフたちが超豪華であります。
脚本に寺山修司、音楽に武満徹、そして監督が篠田正浩であります。
この超豪華スタッフで1980年代に制作したらきっと話題作になったことでしょう。
後の大物となる方々たちが当時、新進気鋭の才人達として
ありあまるパワーをプログラム・ピクチャーの1本にも全力投球でぶつけていた。
そんな感じが手に取るようにわかる、40年後の今日見ても、実に真新しく斬新な作品であります。


労働者問題を扱いながら(ここが実に60年代っぽいんですが!)
2人の若者の恋物語としてメルヘンの雰囲気すらも漂わす寺山修司の台詞に、
晩年の前衛さはあまりみられませんが、重く暗い雰囲気はこの頃から充満していた武満徹の音楽
篠田正浩の演出も金網越しにユキとサブが愛の言葉を語りながら延々と港を歩いていくロングカットや、
サブが松平の命令で無理矢理ロカビリーを唄わされる(歌謡映画のお約束!)パーティのシーンでの、
凍り付くような寒々としたショットなど次々と斬新な演出を連発させ、
正直どうでもいいようなストーリーであるにもかかわらず、
当時の才人たちのありあまるパワーが、この作品を
一気に今日見ても色褪せていない洒落た1作へと昇華させてます。
ちょっとその感触はフランス映画のようと言っても過言ではありませんね。
是非何かの機会で見ていただきたい作品ですが、
ビデオはもう廃盤らしく簡単に鑑賞できないのが悔やまれます。


ところで主役の藤木孝は、そうあの舞台俳優・藤木孝さんだったんですね。
前はロカビリーのアイドルだったとは何かの本で読んでましたが、
ついこの間「箱根強羅ホテル」 で拝見したばかりだったものですから、あまりの偶然に驚いてしまいました。


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2005-05-29 19:41:41

「ザ・インタープリター」

テーマ:映画(映画館 2005年)

ザ・インタープリター

5/28 ユナイテッドシネマとしまえん にて


ニコール・キッドマンとショーン・ペンの共演、
初めての国連本部でのロケ、ぐらいの予備知識で鑑賞したもので
まさかアフリカの某国が裏の舞台になっているとは思いませんでしたね!
もっとも、それを前面に出したんじゃ興行的にはマイナスでしょうけれども…


監督:シドニー・ポラック
出演:ニコール・キッドマン、ショーン・ペン、キャサリン・キーナー、イェスパー・クリステンセン、

    イヴァン・アタル、他


70年代・80年代は何かと【ソ連】を悪玉として描いてきたアメリカのサスペンス映画
しかし冷戦の終結、ソ連の崩壊などで【ソ連】を悪玉として描けなくなると、
90年代には南アフリカやら中東やらありとあらゆる【問題を抱えた国】を悪玉として、
アメリカ映画は【強いアメリカ】をただひたすらアピールしてきました。
しかしありとあらゆる手段は用いても、南アフリカを除くアフリカ諸国を舞台としたサスペンス映画は
不思議と製作されませんでした。
それは多聞、アフリカ諸国は複雑な民族問題を原因とした内政問題を抱え、
簡単には【善玉】【悪玉】として描けない部分があったからに思いますし、
実際アメリカ自身が痛手をこうむる事もアフリカ問題に関しましてはありませんでしたから、
描かれないのはなおさらの事だったのでしょう。
しかし今回の「ザ・インタープリター」は堂々とNYの国連本部を本舞台としながら、
アフリカの某国を裏の舞台として描いています。
出来はともあれ、まずはその新手法は非常におもしろいと思います。


  国連で通訳として働くシルビア(ニコール・キッドマン)は、
  謎の人物たちのグー語の会話を偶然立ち聞きしてしまう。
  時は、独裁政権で世界各国から非難をあびているアフリカのマトボ共和国の大統領が、
  起死回生の演説を国連で行おうとしている。
  彼女が聞いた会話は、その国連で演説するズワーニ大統領(アール・キャメロン)の
  暗殺計画であったのだ。
  早速彼女は本部に事の次第を報告するが、その後彼女の周りに怪しい人物が暗躍しはじめ、
  シークレット・サービスのトビン(ショーン・ペン)が彼女を守る任務につく。
  守るべくシルビアの周辺を探るトビン。
  しかし狙われているはずのシルビアもマトボ共和国と密接な関係があることがわかってきて…。


国連がこの作品に協力をして、本部をロケ地に解放したというのは何となく理解できます。
湾岸戦争時、国連は自らの力で【戦争回避】に動きましたが、
アメリカのパワーに根負けしてあのような愚かな戦争を許してしまった。
許した時点で、国連のパワーダウンを明らかに全世界に見せてしまった。
そこへ今回、国連が舞台となってアフリカの某国の暗殺計画を解決するという、
国連はやはり【平和の象徴】である事を見せつける企画がアメリカ映画界よりあがってきたのですから
ロケ地として開放し、協力体制となるのは、現時点の国連ではなおさらだったでしょう。


しかしアメリカ映画もひねくれモノです。単純に国連をヒーローとは描かせてはくれません。
国連を舞台としながらも、【事件を解決する】のはアメリカのシークレット・サービスであり、
国連はむざむざと暗殺未遂まで許してしまう展開なんですから
この本篇を見て国連は一体どう思った事でしょうね。
きっとニガ虫をかみ殺してるんじゃないでしょうか。


確かにアフリカの内政問題にメスを入れるのは、上記で書きましたとおりアメリカ映画では非常に珍しい事。
その勇気はおおいに買いましょう。
しかしアフリカの内政問題が民族紛争が中心であることは残念ながらこの作品はメスをいれていません。
単なる【革命の士】であった大統領が政権を持つと独裁者に成り下がってしまった程度のレベルです。
これではアジアの某国と何ら変わりありませんし、
結局のところ全体のストーリーも政治的な深さまでには及ばず、
アフリカ某国の内政を【とりあえずのおかず】にしたサスペンス映画どまりとなってしまってました。
しかも問題は解決はあくまでも【アメリカの正義】なポリシーは変わらないのですから余計にタチが悪い。
もう少し深く掘り下げれば、もっと重量級のサスペンスになったろうに残念です。


キャストではニコール・キッドマンは相変わらずの貫禄。

通訳として何ら違和感がなく、役の雰囲気が十分あるのがすごいと思います。
ショーン・ペンのシークレット・サービスは雰囲気はありますが、
ショーン・ペンだからこそ、もう少し何かやってくれるという期待感があっただけに物足りない出来でしたね。

それはそうと2人が共演するシーンは多かったにもかかわらず、
カメラが2人を同じフレームに入れる事をせず
やたらと細かいカット割りで切り替えして、それぞれの表情単独で描いていったのが気になりましたね。
2人は忙しくてサクラを使ったシーンばかりなのか。それとも2人は撮影中不仲だったからか…。
見ている間やたらと気になって、仕舞いにはストーリーどこじゃなくなってしまってましたワ。


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2005-05-28 23:23:32

「キングダム・オブ・ヘブン」

テーマ:映画(映画館 2005年)

キングダム・オブ・ヘブン

5/22 Tジョイ大泉 にて


「グラディエーター」+「ブラックホーク・ダウン」÷2=「キングダム・オブ・ヘブン」てな感じです


監督:リドリー・スコット
出演:オーランド・ブルーム、エヴァ・グリーン、リーアム・ニーソン、ジェレミー・アイアンズ、
    エドワード・ノートン、他


リドリー・スコットは私の大好きな映像作家のひとりです。
その映像美学は“監督”というよりは本当“映像作家”と呼ぶにふさわしい
素晴らしい物があると思います。
デビュー作「デュエリスト/決闘者」(1977 傑作です!)から見事な映像美の世界を見せ、
第2作「エイリアン」(1979)でいきなりメジャーデビューを果たし、メジャー街道を驀進するかと思いきや
その映像美学は何ら変わることなく「ブレードランナー」(1982)なる
【永遠のカルトムービー】を堂々と放ってしまう。
その後も「誰かに見られている」(1987)、「ブラック・レイン」(1989)、「テルマ&ルイーズ」(1991)
と次々と傑作を連打。
映像派の巨匠として確固たる地位を築き上げました。
90年代後半は「白い嵐」(1996)、「G.I.ジェーン」(1997)とちょっと不調が続きましたが、
21世紀に入ってから「グラディエーター」(2000)でアカデミー賞受賞という大勲章をあげて復活。
その映像には【美しさ】に加えて【格調高さ】までが加わってくるようになりました。


そのリドリー・スコットが今回選んだ題材が【十字軍】
キリスト教社会の“あちら”では常識のように知られている物語なのでしょうが、
日本人の我々には残念ながらあまりなじみのない世界でどうにもピンとこない題材ではありますが
題材を知らずとも、今回もその映像美、映像の持つ格調の高さには圧倒されます。
さすがその映像は「グラディエーター」で相当自信をつけたのでありましょう。
しかも今回は映像の持つ【力】に加えて、
「ブラックホーク・ダウン」(2001)で徹底的に追求した【映像のリアル】さがプラスされており、
十字軍とエルサレムの大群同士がぶつかり合う瞬間の映像など、
剣がぶつかりあい、矢が飛び、血が吹き上がる
…中世の物語ながら、「今見てきたばかり」と思えるくらいのリアルさであります。


「グラディエーター」でアカデミー賞を受賞したにもかかわらず、決してその地位に安住することなく
前述の「ブラックホーク・ダウン」、「ハンニバル」(2001)、「マッチスティック・メン」(2003)と
常に新しい題材を選び、映像美にはこだわるものの、その表現方法には毎回に果敢に挑戦をし、
手応えを感じた手法には次回作で大胆に取り入れていく…
まさに「キングダム・オブ・ヘブン」はリドリー・スコットの長年の“映像作家”としての
面目躍如の1作といえるのではないでしょうか。


これでもっとストーリーがわかりやすければ私にとっては大傑作になったのですがね。
“あちらの方(かた)”にはメジャーな話でも
“こちらの方(ほう)”ではマイナーな内容ですからどうもピンとこない題材なもので、
もっと懇切丁寧に解説してくれたらなぁ、などと文句の一つも言いたくなりましたが、
まぁあの映像の【力】に免じてあまり多くは望まない様にしましょう。


キャストでは主役のオーランド・ブルームは後半の十字軍の中心人物になっていく顔が
たくましくて良かったですね。
エヴァ・グリーンはポスターでは素晴らしく綺麗だったので期待したのですが、
正直それほどではありませんでした。
あとリーアム・ニーソン ジェレミー・アイアンズと演技派がさりげなく登場し場を盛り上げているのが、
作品の【格調高さ】に一役買っておりましたが、
ジェレミー・アイアンズなどはもうちょっと活躍してほしかったなと思います。私、この方好きなんです。
だけど「もう俺は争い事はや~めた」でいなくなっちゃうんですから
ファンとしては「オイオイ逃げんなよ!」ってな感じです。
あと余談ですが、エルサレム側の登場人物たちの顔つきが【格調高く】て良かったですね。
こういう話って、アメリカ映画ではついついエルサレム側の登場人物たちを【悪者】として描きたがりますが
リドリー・スコットは対戦相手にも敬意を払い、
エルサレム側の登場人物たちを十字軍側と同じくらいに格調高く描いているところが
私は大いに気に入りました。
これでエルサレム側の方も、もっと内部の葛藤を描いてくれたら尚更良かったのでしょうが、
そんな事しようものなら全編で上映時間が4時間くらいになってしまいますワな。


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2005-05-27 23:56:08

「タイガー&ドラゴン『猫の皿』の回」

テーマ:TV

続タイガー&ドラゴン

金曜夜にすっかり定着の第7回目「タイガー&ドラゴン」
劇中でも「落語が今ブーム」と堂々と言ってしまう余裕すら出てきていますね。


それでは第7話「『猫の皿』の回」。


5/27 TBSにて放送
脚本:宮藤官九郎
演出:金子文紀他
出演:長瀬智也、岡田准一、小日向文世、高田文夫、銀粉蝶、阿部サダヲ、伊東美咲、荒川良々
    笑福亭鶴瓶、西田敏行、他


「猫の皿」…これまたマニアックな根多を持ってきましたねぇ。
余談ですけど、私は古今亭志ん生の「猫の皿」が好きでね。
特に、猫の餌入れの皿がいい茶碗だという事を
茶店の主人が知っていたのがわかってからの道具屋の主人の態度が面白くってね。
急に猫ぎらいになる変わり身の早さは志ん生ならではでありましたよ。
今度何か聞く機会がありましたら是非聞いてみてください。


落語芸能協会の新会長で人情話を得意とするあまり“面白みのない”落語家・柳亭小しん(小日向文世)。
頭の固い彼は、虎児(長瀬智也)のような型破りの落語家の出現を、面白くないと感じていた。
改革派の師匠・高田亭馬場彦(高田文夫)は、そんな小しんに反抗。
馬場彦は、弟子の淡島(荒川良々)と、虎児、竜二(岡田准一)を組ませて
ビジュアル系落語をやらないかと提案。
が、どん兵衛(西田敏行)は破門にした竜二に落語はやらせない、と猛反対する。
当の竜二も落語は二度とやらない、の意志は強く虎児たちの思惑も空回り気味。


そんな折、馬場彦の発案で、『素人お笑いスカウトキャラバン』が開催されることに。
肩書きに弱い小しんは、渋々、審査委員長を引き受ける。
最初は竜二も出演を拒否していたが、
喉から手が出るほどほしがってたリーバイスの大戦モデルというGパンが賞品とあっては話が別。
“3位の賞品”という微妙な順位に疑問を持ちながらも出演を承諾する。
しかし実は、竜二と、小しんの間には、竜二が廃業するきっかけとなった、ある因縁があったのだ…。


今回はここ数回続いていた【落語根多に忠実な展開】からはちょっと離れます。
まあ「猫の皿」の根多自体が“ある因縁”をもった狂言廻し的な存在になってます。
では「猫の皿」の内容とは全く異なる内容なのかな、と思わせておきながら
プレミアもののジーンズを「猫の皿」に例えて竜二の【ある仕事】とからめて
見事にオチにもっていくのですから
今回のクドカン脚本、あなどれませんでした。


しかも今回は、それまで長瀬智也のエキセントリックなキャラクターの陰に隠れ
イマイチその存在が前面に出ていなかった竜二(岡田准一)が前面に出てくると共に、
彼が落語家を廃業するきっかけも明かになり、
メグミ(伊東美咲)との交際もわずかばかりではありますが進展状況でありますし、
そして何やらどん兵衛(西田敏行)とも親子和解の雰囲気も漂わし、
「タイガー&ドラゴン」のタイガー(虎児)の物語から
後半はドラゴン(竜二)の物語へとスイッチしていくのでしょうか。
私は“しつこい”ようですがもっとワイルドな虎児が前面に出ている方が好きですけどね!


さてゲストの小日向文世は、気難しい役柄ですから特にしどころもなく
思ったより活躍しませんでしたね。役損ってやつですね。
それに比べ小日向文世とは180度性格の違う師匠役の高田文夫の方がパワー全開ですごかった。
特に最初の落語芸能協会会合のシーンでの高田文夫のパワー全開さは特にスゴイ!
【ギャグの連発】→【インベーダーゲーム】…っていう流れに私、腹抱えて笑いました。


それでは次回「『出来心』の回」
ちょっと予告編では、どういう流れになるのか予想不可能でしたね


関連サイトはこちら


 ■「タイガー&ドラゴン『三枚起請』の回」のサイト
 ■「タイガー&ドラゴン」レギュラー放送分のサイト

そんでもってこちらもヨロシクです


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2005-05-24 22:51:18

「箱根強羅ホテル」(下)

テーマ:演劇


箱根強羅ホテル

5/22 新国立劇場中劇場にて


「箱根強羅ホテル」
脚本:井上ひさし
演出:栗山民也
出演:内野聖陽、段田安則、大鷹明良、酒向 芳、藤木 孝、辻 萬長
   麻実れい、梅沢昌代、中村美貴、吉田 舞、平澤由美


昨日からの 続き)


昨日、井上ひさしの“遅筆”について書きましたが、
では何で、井上戯曲は初日が遅れる危険性があるのに

今回こんな早い日(5/19初日で5/22に鑑賞)に鑑賞したのか。
その答えは簡単…私、前売りは買えなかったんです。
いや、前売りが買えなかったでは語弊があるな…前売り初日には買えなかったが正しいですね。

この公演はご存知の通り、前売り初日でsold outした人気公演。
買えなかった悔しさから、キャンセルを求めて日々チケットを探していたのですが、
大体2週間後ぐらいにキャンセルが出るはずなのに、この公演は不思議とキャンセルが出ない。
日々焦りが募って、初日が無事幕をあけ、もう当日券しかないか?と半ば諦めかけてた時、
“チケットぴあ”のサイトを見ていたら…あったんですチケットが!
どうも初日を無事に迎えられるか危険だったために、キャンセルをオープンにしてなかった様子。
もう嬉しかったですね…即購入ですよ!S席7,350円。
来月も結構チケット買ってしまってますから、この出費は痛かったですけどね。

やはりいい芝居に躊躇は禁物ですね。
もう少し待って芝居が熟する後半頃、再トライしようかとも思いましたが、やはり買って正解でした。
「『箱根強羅ホテル』が無事初日を迎えた」のニュースはアッという間に広まり、
キャンセル席もアッという間にsold out。
残念ながら、今は1枚も残っていない状況のようです。


前フリが長くなりましたが、
井上ひさしの人気ってすごいな、と改めて思っていたのですが、
よくよく見てみるとどうも勝手が違うようです。
井上ひさしの人気に加え、出演者たちの人気が相当に高かったのですね。
熱狂的ファンによる団体動員力が、どうもこの公演のチケットを取りづらくさせてしまったようです。
ファンの方々には失礼な言い回しですが…。


その代表格が熱狂的ファンを持つ、内野聖陽の出演でしょうね。
私、文学座の芝居は見ていますが、見ても別役実ばかりだったものですから、
内野聖陽の芝居って見た事がなかったんですね。
今回初めて拝見しましたが、いやスゴイ歌唱力ですよね。
井上戯曲は近年“歌”の占める割合が段々高くはなっていましたが、
宇野誠一郎のわかりやすい旋律の歌が多かったですから、
それほど高い歌唱力は必要なかったように思います。
歌唱力よりは雰囲気で勝負!っていう感じでしょうか。
しかし内野聖陽が加わると全然雰囲気が変わってきます
…もうミュージカル俳優みたい、ってもうミュージカルに出演してますよね。
しかも演出の栗山民也は、この内野聖陽に【植木職人】役をさせてしまうのですから、
遊び心に富んだ趣向です。
(【植木職人】実は…という役柄ですけどね。これ以上は語らないようにしましょう)


そしてもう一人の人気者が麻実れい の出演。
元宝塚のトップスターで、現役当時を私は存じませんが、これまたミュージカルの雰囲気満点です。
そのエキゾチックな顔立ちから、劇中ではロシア人とのハーフで
駐日ロシア人の子供たちに日本語を教えているという役柄は、まさに適役
1幕目最後の内野聖陽とのデュエットでは、実は2人は…という2幕目に繋がる重要なシーンなのですが、
本当に素晴らしく今でも旋律が耳に残っているくらい。


他にも実力派の段田安則、【こまつ座】の大黒柱・辻萬長
【こまつ座】に出演実績があり井上戯曲はお手のものの大鷹明良・藤木孝・、辻 萬長 ・梅沢昌代などの
出演と、脇もガッチリと固まって、内野聖陽と麻実れいの2人
実にのびのびと“ミュージカルしていた”のが印象的。
ちょっとこの2人とストレートプレイの脇役とが2つに分かれてしまったキライもありますが、
それがまた井上ひさしの戯曲とおもしろいコラボレーションを見せておりました。


ところで、昨日も述べたように【遅筆堂】の異名にて数々の武勇伝のを持つ井上ひさし
今年3月のこまつ座公演「円生と志ん生」に続いて、
本作で今年2本目の新作を発表したのは、これはもう事件であります
しかもそれだけではありません。今年は6月以降もこまつ座公演では「國語元年」「父と暮らせば」が、
8月には因縁の新橋演舞場で「もとの黙阿弥」が実に22年ぶりに再演。
そして私は当公演でもらったチラシで知ったのですが、
9月には蜷川幸雄演出で渋谷のシアタコクーンで超豪華キャストによる
「天保十二年のシェイクスピア」の上演と
何と2005年は井上ひさしの新作・再演合わせて6本も上演されるという、
まさに“井上ひさしイヤー”と言っても過言ではない状況なのであります。


ああ、井上戯曲を欠かさず見ている私にとっては、記念すべき年であると同時に
チケット争奪戦に毎回気をもみ、
そして財力へ影響にもどうも今年は及びそうで…怖い年にもなりそうです。


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