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2004-10-31 23:56:15

「父と暮せば」

テーマ:映画(映画館 2004年)
バンダイビジュアル
父と暮せば 通常版

10/31岩波ホールにて

先週「ナイン・ソウルズ」鑑賞時に
<すっかりおとなしくなった原田芳雄>
などと書いてしまったが、前言をここで撤回します。
少なくとも「父と暮せば」の原田芳雄はこの10年間の
ベストプレイといっても過言ではありません。
いや、この作品で彼は全く新しい方向性をみつけたのですから
今後10年間の彼の代表作にもなる事でしょう。

この作品の原作である井上ひさしの戯曲は10年前
こまつ座で初演され、その初演を私は見ていたのですが、
舞台版の父親役<すまけい>があまりにも適役で、
今回の映画化の件も、父親を演じるのが原田芳雄と聞き
すまけいと原田芳雄がとても同一線上で考る事ができず
正直、あの父親役を原田芳雄があの“アク”で演じられたら
堪らないなと、内心危惧しておりました。

しかし不安は映画を見て一瞬にして吹き飛びました。
いままでの彼の“アク”が出てくるどころか、
全く新しい原田芳雄が画面に登場してきたのですから!
とにかく彼の父親像の造詣は見事でした。
娘を想うやさしさにあふれ、
娘が生きる事に疲れた、と弱音を吐けば
溢れんばかりのユーモアで彼女を勇気付け叱咤激励する
その父親像の器のなんと大きな事!

それでいながら<エプロン劇場>で広島原爆の惨状を口上する
シーンではお得意の“凄み”を効かせて、見るものを圧倒させる。
緩急自在なその演技。
100本近い映画出演作の総決算をするかのような見事さであります。

原田芳雄の名演技に加えて
共演の宮沢りえもこれまた名演技で
(舞台版の娘に映画版は“美しさ”が加わって見事!)
「父と暮せば」映画版は
舞台版と負けじ劣らずの傑作でありました。
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2004-10-30 23:54:20

「池袋演芸場十月下席」

テーマ:落語
10/30池袋演芸場にて
久々に寄席に足を運びました。
決して有名・派手なメンバーではありませんが
いずれもじっくりと噺を聞かせてくれそうなメンバーばかりの
香盤に思わず食指も動いた次第。

見終わって予想は的中。
噺のおもしろさを充分堪能できました。

出演者・演目は下記の通り
 桂 笑生「牛ほめ」
 古今亭 駿菊「豊竹屋」
 古今亭 菊之丞「浮世床」
 松旭斎 美智「奇術」
 柳家 一九「兵庫渡海 鱶の魅入れ」
 金原亭 馬生「目黒のさんま」
     仲入り
 三遊亭 歌武蔵「黄金の大黒」
 川柳 川柳「ガーコン」
 笑 組「漫才」
 古今亭 志ん橋「火焔太鼓」

トリの志ん橋の師匠は古今亭志ん朝。
仲入り前の馬生の師匠は先代の金原亭馬生。
そして早出の駿菊・菊之丞の師匠は古今亭円菊。
つまり今回の出演者の師匠のそのまた師匠は
「古今亭志ん生」につながるという
今回の番組は「志ん生孫弟子会」であったのです。

しかも志ん橋の「火焔太鼓」は云わずと知れた
志ん生・志ん朝、二代に渡る十八番。
馬生の「目黒の秋刀魚」も先代馬生の十八番。
それぞれが師匠の十八番をきっちり継承して高座にかける、
その姿に話芸の伝承を感じました。

まあ川柳師の「ガーコン」が見られたのも、
芸の伝承でないものの、一芸名人ここにあり!で
これはこれで貴重なんですがね。

「火焔太鼓」と池袋演芸場では忘れられない事があります。
思い起こせば平成13年4月
古今亭志ん朝師、最後の池袋演芸場出演時の
千秋楽の演目が「火焔太鼓」でした。
池袋演芸場で10日間トリを務めた後、病に倒れ
最後の寄席出演・浅草演芸ホール「住吉躍り」は
ほとんど落語を演じる状態ではなかったと聞いてますから
この4月の池袋演芸場が10日間きっちり根多を演じた
最後の場でありました(ホント10日間すごい演目でした)。

そしてその半年後の10月志ん朝師は逝ってしまいました。

それから3年経った平成16年に志ん朝師亡き後、
弟子の志ん橋が池袋演芸場で
自身がトリの千秋楽で「火焔太鼓」を演じる…
芸の伝承以外にも感じる事が多く、
幕が閉まる時に思わず目頭が熱くなりました。

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2004-10-29 23:02:54

文学座「踏台」の劇評について

テーマ:演劇
10/27朝日新聞・東京本社版の夕刊に
文学座「踏台」の劇評が載ってました。
この芝居は私も当blogでベタボメしたため
「オッ、劇評で取り上げるとは、私の意見と同じ人がいたか」
と喜びつつ読み進めていくと、表面ではほめているものの
チクリチクリと苦言を言い、全体のイメージとしては
「この舞台を批判」した内容となっておりました。
(少なくとも私はこの劇評は批判と、とらえてます)
でも、その批判がどうも納得のできる内容ではないので、
本日はこの劇評を「批評」したいと思います。

10/27の劇評を読んでない方がほとんどだと思いますので
本文を抜粋しつつまずは内容を報告します。
(<>内は本文より抜粋)

4年前の「缶詰」が好評で続編が登場するのは
舞台の世界では珍しく、<従来は商業演劇畑での出来事>
だったが今回それを<文学座で実現した>。
内容は「缶詰」の<後日談>であり、<最近の水谷(脚本の水谷龍二)
の活躍>本数・内容の多様さとも<目を見張るものがある>が、
<自分を強く打ち出す姿勢はうかがえない>ためこの作品も
<のど越しはいいのだが、後味が長く残らない>。
主役の<3人組は絶好調>だが渡辺徹が<役が持ち味を生かし切れず、
新展開が弾まない>。というもの。

衛星放送やインターネットで世界の事件が瞬時にわかってしまう
今の世の中、舞台などのフィクションの世界は完全に
ノンフィクションの世界に負けてしまっています。
そのような状況の中、フィクションができる事は、
ノンフィクションがあからさまに伝えてしまう事を
オブラートに包んだり、またシニカルな視点を持つという事
でしか太刀打ちできません。

この作品も現在のサラリーマンが抱えている【リストラ】
【セクハラ】【残業】などの深刻な問題を、
あえて「笑い飛ばし」ながら描いたことで舞台ならではの「味」
が出たのではないでしょうか。

それをあえて新劇の文学座が上演したからこそ意義があるのであって、
小劇団が下北沢で演ったところで数百人のファンが喜ぶだけで、
文学座の幅広い観客層に見せたところが、
この作品のポイントなのです。

しかしこの劇評家さん(結構その筋では有名な方ですが)には
新劇の老舗・文学座が軽薄な芝居を打つことが許せない
というのがどうも根底にあるらしいです。

果たしてそれが現在の舞台に求められているニーズでしょうか?

数年前、仲代達矢率いる無名塾がA・ミラー「セールスマンの死」を
上演したのを見たのですが、過酷な労働で過労死するセールスマン
という題材を、過労死が頻繁に発生している現代に見たところで、
なんら衝撃すらも受けず、題材の「古さ」に逆に閉口してしまいました。

大入り満員のこの舞台が多くの観客の支持を受けているにもかかわらず
その現実を分析することなく、
いつまでも「ガツンと脳に響く舞台こそ演劇(新劇)」という妄想に
縛られ、新聞の劇評で堂々と批判を書いてているようでは、
この方は時代に完全に取り残されてしまうと思うんですが
…皆さん、どう思われますでしょうか。
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2004-10-28 21:06:59

原田芳雄のことなど

テーマ:映画エッセイ
先日「ナイン・ソウルズ」を見て、久々に原田芳雄を見たなと思い
Yahoo!MOVIESで調べてみたところ、
ここ3~4年も結構コンスタントに出演していたんですね。
私が見ていないだけでした。
でもどうしても彼のイメージは、
70年代~80年代のATGを中心に巨匠たちの
キラ星のごとくの傑作に出演した頃や、
90年代の新人・若手監督たちとのコラボレーション
などが思い出されます。

彼の演技の、あの独特の<ふてぶてしさ>が
70年代には「時代にふてくされる若者の姿」として、
90年代には新人監督を支える「兄貴的存在」として、
彼の息の長い、目覚しい活躍は
時代にあわせたニーズに応えていたからではないでしょうか。

そこで私が選ぶ「原田芳雄ベストアクト」ベスト5




タイトル: ツィゴイネルワイゼン

1.鈴木清順「ツィゴイネルワイゼン」
  彼の演技の芸術性や狂気が一挙に噴出した悪夢的怪演!




タイトル: 竜馬暗殺

2.黒木和雄「竜馬暗殺」
  時代に怒りながらも暗殺者から逃げ回る小心さ。新しい竜馬像の誕生




タイトル: 寝盗られ宗介

3.若松孝二「寝盗られ宗介」
  ラストの女装での「愛の讃歌」!シビレました




タイトル: 鬼火

4.望月六郎「鬼火」
  90年代の若手監督とのコラボレーションのベスト。全編これ原田芳雄ワールド




タイトル: どついたるねん

5.阪本順治「どついたるねん」
  「鬼火」がなければ90年代の代表作。赤井秀和以上のマッチョぶりを発揮

以上ですが、
悔いるべきは森崎東監督作品を1本も見ていないこと。
「生きているうちが花なのよ、死んだらそれまでよ党宣言」
(長いタイトル!)
などぜひ見ておきたいものです。
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2004-10-27 21:45:05

「スウィングガールズ」

テーマ:映画(映画館 2004年)



タイトル: スウィングガールズ スタンダード・エディション

10/24新宿スカラ座にて
ヒットしているとは聞いてはいたものの公開されてからもう1ヶ月。
新宿地区の上映もまたキャパ50の新宿文化シネマに戻ってしまったか
と思いきや、新宿に着いてみるとなんとあの近辺でいちばん大きい
新宿スカラでの上映。
まだまだ根強い人気です。
当日の客入りもさすがに劇場が劇場だけに満席とはいかないまでも、
そこそこの入り。客層は圧倒的に高校生や大学生。
だけどところどころにオヤジの姿。女子高生好きか映画ファンか。
かく言う私もその一人、もちろん後者ですが(たぶん)。

さて感想ですが
矢口史靖監督、
この作品でひとつのスタイルを創りあげたって感じですね。
「アドレナリン・ドライブ」の頃までは
【普通の人々が遭遇する突飛な出来事】
を描くというスタイルでしたが、
「ウォーターボーイズ」から
【普通の人々が「今までの生活から全くかけ離れたジャンルに飛び込み」
遭遇する突飛な出来事】
と一回りパワーアップしたスタイルを確立。
今回の「スウィングガールズ」も前作のスタイルを忠実に
(忠実すぎるくらいに)守りながらも、
「未知のジャンル」がシンクロからビックバンドジャズと全く異なるため
ワンパターンにはならず、ひとつのスタイルを確立した自信からか、
その演出も堂々たるもので、この作品独自のおもしろさにあふれた出来で
ありました。

もうここまでくるとこのようなジャンルの専門家、
周防正行監督のお株を奪いかねない勢いでありますが、
問題は矢口監督の3作目であります。
【男のシンクロ】【女のビッグバンドジャズ】ときて次は何なのでしょうか。
周防監督も「シコふんじゃった」「shall we ダンス」と立て続けに2作発表し、
さあ第3弾というところで沈黙してしまいました。
矢口監督には是非とも第3弾で「まだこういうジャンルがあったか!」と
目から鱗ものの驚きを感じたいところです。

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