その名もじゃがいも
決して得意ではないが、あたしも人並みに自炊している。
そんなあたしが自炊において最も恐れていること、
それは、包丁の扱いでもなく、
激しく飛び散る油を浴びることでもなく、
調味料の分量を間違えることでもなく、
まさしく、ソラニンだ。
ソラニンとは、そう、あのじゃがいもの芽の部分にあるといわれる毒。
毒て!あんなに無骨で親しみやすいフォルムをしているくせに、毒もっとるて!
どんだけフェイントやねんとつっこまずにはいられない。
とにかくソラニンが怖い。
じゃがいもを料理に使うときは、とにかく厚めに皮をむき、
芽と思しきくぼみは徹底的にくりぬく。
これで安心、と思える深さまで徹底的にくりぬく。
おかげで、元のじゃがいもの大きさを10とするならば、
最終的に残るじゃがいもの大きさは6程だ。
いやむしろ、くりぬいたかけらでもうひとつ料理が作れるんじゃないかという勢いだ。
そのくせ、あたしは賞味期限がすぎたものとかは平気で口に入れる。
先日友達の家にあった賞味期限が1年過ぎたポン酢も、
「ぜってー余裕。ちょっとなめてみよう。」とか言って、率先して味見した。
結局、ソラニンの恐ろしさは理屈じゃなくて
単語の響きと、一見フレンドリーな姿とのギャップなのかもしれない。
あと、じゃがいもはヨウ素液をつけると紫になるのも怖い。(ソラニン関係ない。)
でも、いま「ソラニン」って入れて検索かけてみたけど、
なんとも恐ろしいことがいっぱい書かれてあった。
おそらく、次じゃがいも料理を作るときには、
最後に残るじゃがいもの大きさは2程になっているに違いない。