加齢なる一族(義姉、私)、八月納涼歌舞伎・第一部を観に行きました~音譜


第一部

一、恐怖時代




 江戸深川に広大な屋敷を持つ春藤家。太守、春藤釆女正(中村橋之助)は残忍な性格の上、日夜酒宴に耽っています。
その愛妾お銀の方(中村扇雀)は、実は家老春藤靱負(坂東彌十郎)と深い仲で、お家乗っ取りを企んでいます。
釆女正との間にできた子である照千代は、本当は靱負との子で、懐胎している正室を毒殺し、照千代に家督を継がせようとしているのでした。
そのためお銀の方は、自分に心を寄せている医者の細井玄沢(片岡亀蔵)に毒薬を用意させます。さらには小心者の茶坊主の珍斎(中村勘九郎)を脅し、正室に毒を盛ることを承諾させます。
 一方、若く美しい小姓の磯貝伊織之介(中村七之助)は、実は家中一番の剣の使い手。
女中梅野(中村萬次郎)とは夫婦になる約束をしています。そんな折、釆女正が催した酒宴に太守の乱行を見かねた家臣が諫言に来て、お銀の方の命を差し出せと申し出ますが…。


谷崎潤一郎作というだけあって、ドロドロの愛憎劇・・・・。

扇雀さん演じるお銀の方は、息子を跡継ぎにしたいというすさまじい権力欲、そして、そのためなら人を利用し裏切ることに躊躇なく、次々人を殺します。


茶坊主の珍斎を勘九郎さんが楽しく演じ、七之助さんは、小姓伊織之助を妖しく、そしてクールに残虐な殺人者を演じます。

萬次郎さんの年増な女中梅野も面白いし、乱行を繰り返す残忍な釆女正の橋之助さんも良いですね~。
芝のぶちゃんが良いお役で、台詞もいっぱいあって嬉しいです。声も通り台詞も良く聞こえました( ´艸`)

舞台上に真っ赤な血がたくさん流れ出て・・・、ぞっとします!
まさに納涼歌舞伎という感じ(;^_^A

本当に恐ろしいのは、幽霊やお化けではなく、この世の人の欲ですね。 







二、龍虎




 天の王者である龍(中村獅童)と、地の覇者である虎(坂東巳之助)。
力量の伯仲した英雄の戦いが激しく繰り広げられています。
両者は毛を振り立てて戦い続けますが、勝敗は決まらず、龍は雲の中で息を切らし、虎は洞窟へと去っていきます。
 龍と虎という神獣が相争う様子を舞踊に仕立てた作品。