この手は母が畑で育てたレタス。サニーレタス。喪服のまま寒空でも畑を欠かさない母メアリ。
ええ、これ、喪服なんですよ。土曜日に、祖母のお葬式に行った時、ちょっと早くに着きすぎで、お葬式ホールの近くのコーナンで時間潰しをしていたら、母メアリが「そうだ、今日は車だから、買えるだけ畑の土と肥料を。。。」と言うもんだから、車のトランクには土と肥料を何袋か乗せてのお葬式。
死んだ父の母という祖母で、母メアリからするとお姑さんで、いろんな事情や葛藤、あるいは誤解、いやもしかしたら運命なのか、16年も交流を持てなかったのだけど、お葬式もお通夜も行くことができて、親戚と呼ぶべき人たちと一席も持てました。
母メアリはこの日がずっと長らくの緊張の目指すエックスデーだったのかもしれない。というのは、行きの車の中で突然に、
「謝らないといけないことがある」と言い出して、なぁに?と聞いたら、
「私はずっと、お祖母さんに「ちゃんとしている」と思ってもらうことだけを考えて子育てをしていた」
「あなたたち子どものことを向き合ってなかった。ごめん」
と。そんなことを口走るくらい緊張のメアリ。
心配しなくても少なくとも僕は、母メアリが「お祖母さんのことを気にして」子育てしていたなんて、全く思ったこともなかったし、本当に僕は母メアリにも、祖母にも、まぁ大切に可愛がられて育ったなぁということしか記憶にないから。
大丈夫だよー、と言うと、次は、
「あ、あと、ごめん。あなたには食べ物の好き嫌いないと思っていたのに、大人になるまで、あなたが魚のシャケが嫌いだと知らなくて、ごめん」
とか言い出して、ぁぁ、母メアリは緊張のあまり謝りたい病なのか。
大丈夫、心配しないで。僕は魚のシャケは普通に好きで、それは何かのデマだから。誰に言われたさ。
ということで、家族をめぐる人の生き死にというのは、ときに人をソワソワさせて、また新しい絆になったり溝になったり。
お金が絡む大きな相続事案になったほうが、かえって気持ちの面を整理できるのか、いやいやよけいにややこしくなるのか。
そんなときには、町を歩けばホラ、こんなカワイイ豚がいるよ。ここでカルビでも食べたらきっとみんな仲良くなるさ。
コアラまんを食べるパンダ吉田さん。。。