2007-01-07 20:07:54
6.Battle of Blood1
テーマ:Battle of BloodⅥ
第6編 Battle of Blood
けたたましくドアが叩かれる。
銃を握った父が、わたしを物置に押し込んだ。
外では、怒声と銃声が飛び交う。
何を言っているのか聞き取れない。
銃声と悲鳴。
わたしは、男達に引きずり出された。
死体がひとつ、玄関脇に捨てられている。
頭がないが、父と同じ服を着ていた。
家の前の通りまでひきずり出された。
裸の母がいた。
母は男に犯されていた。
生きているのか死んでいるのかわからない。
服を引き裂かれた。
わたしはその男を知っている。
母を犯している男も知っている。
ここにいるほとんどの男達を知っている。
みんなこの街の男達だ。
わたしは、5人に犯された。
わたしは収容所に入れられたが、母は殺された。
収容所でも犯された。
わたしは妊娠した。
収容所、わたしが通った小学校。
そこに6ヶ月閉じ込められた。
もう堕胎はできない。
ここで何人もが死んだ。
自殺した者、病気で死んだ者。
死体は、ただ穴の中に埋められた。
それだけだ。
死ぬものか。
あんな穴の中はごめんだ。
生きてやる。
生きてこの子を産んでやる。
悪魔の子。
あなたのパパの名前を教えてあげる。
全部で28人。
早く大きくなって、そいつらを殺してちょうだい。
( 「わたしは、その顔を忘れない」より)
本作品には、実際の国名・地名が出てきますが、全くのフィクションです。
SCENE 1
ボスニアとクロアチアとの国境。
つい数ヶ月前、ここは、クロアチアからボスニアに脱出するセルビア人で溢れていた。
今は、戦火の収まったクロアチアに出国するクロアチア人たちでいっぱいだ。
ただし、それは観光でも帰郷でもない。
この国を追い出されたのだ。
クロアチアから大量にセルビア人がボスニアに流れ込んだせいで、ボスニアの民族構成比がくずれた。ボスニア・ヘルツェゴビナの連邦からの独立を求めるボシュニャク人に対しボスニアからの分離独立を掲げるセルビア人たち。
セルビア人の民兵組織の専横を止める力が無い。
セルビア民兵のターゲットは、ボシュニャク人にとどまらない。
すでにセルビアと戦火を交えたクロアチア人もまたセルビア人の攻撃対象になってしまった。
民族の浄化
それは、他民族を追い出し、殺すこと。
他民族の女に自分たちの子供を産ませること。
サーニャ・シェシュリヤ
セルビア人の両親は、クロアチアで殺された。
姉は、サーニャの目の前で犯され、殺された。
クロアチア人が憎いわけではない。
ただ、わけもなく殺されるのはまっぴらだ。
戦場の壊れたビルに隠れ住んでいたが、侵攻してきたセルビア人民兵に捕らえられ、そのまま民兵の組織に加わった。
そうするしか方法が無かった。
けたたましくドアが叩かれる。
銃を握った父が、わたしを物置に押し込んだ。
外では、怒声と銃声が飛び交う。
何を言っているのか聞き取れない。
銃声と悲鳴。
わたしは、男達に引きずり出された。
死体がひとつ、玄関脇に捨てられている。
頭がないが、父と同じ服を着ていた。
家の前の通りまでひきずり出された。
裸の母がいた。
母は男に犯されていた。
生きているのか死んでいるのかわからない。
服を引き裂かれた。
わたしはその男を知っている。
母を犯している男も知っている。
ここにいるほとんどの男達を知っている。
みんなこの街の男達だ。
わたしは、5人に犯された。
わたしは収容所に入れられたが、母は殺された。
収容所でも犯された。
わたしは妊娠した。
収容所、わたしが通った小学校。
そこに6ヶ月閉じ込められた。
もう堕胎はできない。
ここで何人もが死んだ。
自殺した者、病気で死んだ者。
死体は、ただ穴の中に埋められた。
それだけだ。
死ぬものか。
あんな穴の中はごめんだ。
生きてやる。
生きてこの子を産んでやる。
悪魔の子。
あなたのパパの名前を教えてあげる。
全部で28人。
早く大きくなって、そいつらを殺してちょうだい。
( 「わたしは、その顔を忘れない」より)
本作品には、実際の国名・地名が出てきますが、全くのフィクションです。
SCENE 1
ボスニアとクロアチアとの国境。
つい数ヶ月前、ここは、クロアチアからボスニアに脱出するセルビア人で溢れていた。
今は、戦火の収まったクロアチアに出国するクロアチア人たちでいっぱいだ。
ただし、それは観光でも帰郷でもない。
この国を追い出されたのだ。
クロアチアから大量にセルビア人がボスニアに流れ込んだせいで、ボスニアの民族構成比がくずれた。ボスニア・ヘルツェゴビナの連邦からの独立を求めるボシュニャク人に対しボスニアからの分離独立を掲げるセルビア人たち。
セルビア人の民兵組織の専横を止める力が無い。
セルビア民兵のターゲットは、ボシュニャク人にとどまらない。
すでにセルビアと戦火を交えたクロアチア人もまたセルビア人の攻撃対象になってしまった。
民族の浄化
それは、他民族を追い出し、殺すこと。
他民族の女に自分たちの子供を産ませること。
サーニャ・シェシュリヤ
セルビア人の両親は、クロアチアで殺された。
姉は、サーニャの目の前で犯され、殺された。
クロアチア人が憎いわけではない。
ただ、わけもなく殺されるのはまっぴらだ。
戦場の壊れたビルに隠れ住んでいたが、侵攻してきたセルビア人民兵に捕らえられ、そのまま民兵の組織に加わった。
そうするしか方法が無かった。
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