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Battle of BloodⅡ 

第2編 血と硝煙の街

“罪のない民間人”と言う。
では、罪のある民間人とはどういうやつのことだ?
銃を握った民間人のことか?
なら、銃を持っている兵士は罪人なのか?

戦闘員と非戦闘員、あるいは民間人。
それを口にするのはたやすい。
ただ、その違いを見分けるのは、限りなく不可能に近い。
特に戦場では、意味のない区別だ。
戦場では、引き金を引く意志と力を持っている者は、すべて戦闘員だ。
非戦闘員とは、冷たく硬直して動かなくなった死体のことだ。

罪もない民間人?
国民を戦場に駆り立てる政権を支持したのは誰だ?
小さな町工場で対人地雷を作っているのは誰だ?
兵士の軍服を作っているのは誰だ?
装甲車を修理しているのは誰だ?
負傷した敵の捕虜を治療と称して腕を切断したのは誰だ?

民間人とは何だ?
巻き込まれたくないのなら
戦場に近づくな。
軍の施設に近づくな。
兵士に近寄るな。
人の集まるところに近寄るな。
誰もいない山奥でひっそり息を殺してろ。

       (罪なき者の罪より)


兵士が民間人を殺すなら
民間人が兵士を殺して何が悪い。
戦場になった街は、もはや街ではない。
戦場なのだ。

自分の命は自分で守る。
自分に向かってくる者はすべて敵だ。
それが仲のよかった隣人であろうと…
友達であろうと…
男であろうと…
女であろうと…
……子供であろうと。

       (戦場になった街…サーニャ・シェシュリヤより)
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リクアニア共和国
1991年 3月15日 

「おばさんによろしく言っといてね」
玄関まで母は出てきた。
「うん。わかった」
サーニャはそう言うと、先に出ていた姉のエヴァに駆け寄った。

街が戦場になって、店と言う店はすべてシャッターを下ろし、営業をやめてしまっている。
それでも、少し離れた市場には食料品くらいは並んでいるのだが、サーニャたちカルディア人には売ってくれない。
幸い、リクアニア人の男性と結婚しているおばが近くに住んでいて、そのおばが食料品を分けてくれるのだ。
外出するのは危険だったが、食べ物がなければ生きていけない。

家を出たところで隣のヴェロワおばさんに声をかけられた。
「あら、買い出しかい?」
二人は、大きなリュックを背負っている。
「ええ」
「市場まで行くのかい?」
「ううん。おばさんのところ」
「ああ、そうかい…おばさんに分けてもらうんだね。しょうがないねぇ、でも、いつかまた、きっともとのようになるから、それまで…辛抱するんだよ」
カルディア人には、ものを売ってくれないことはヴェロワも知っていた。
「何か分けてあげられればいいんだけど、おばさんのとこにも何もないんだよ。ごめんね」
気のいいおばさんで、いつも親切にしてくれている。
「ううん。いいの。だいじょうぶだから…」
「サーニャ…早く…」
ヴェロワと話し込むサーニャをエヴァが急かした。
「ぶっそうだから、気をつけるんだよ」
「はい」
サーニャは、先に歩き出したエヴァの後を急いで追った。



「あっ…」
二人が戻ってみると、玄関のドアが少し開いていた。
サーニャと姉のエヴァは、急いで部屋の中に入った。
部屋は、椅子が転がり、荒らされていた。
「お父さん」
「お母さん」
呼んでも返事はない。
サーニャは、2階に駆け上がったが、やはり誰もいない。

「お父さん……」
サーニャは両親の寝室で座り込んだ。
連行されたのだ。
そうに違いない。
がらんとした部屋。
情報提供という名の密告
密告するぞと言わんばかりに押しかけてきて物を要求する隣人たち。
おもだったものはすでに、持っていかれた。
そして、破壊活動幇助という罪状で行われる虐殺
サーニャも現実にそういう光景を目にしたことがある。

突然、大きな音がして、階下に足音が聞こえた。

「おい、捕まえろ」
薄汚れた兵士たちが3人、慌ててキッチンに駆け込んだエヴァに襲い掛かった。
「開けろ…」
兵士が叫ぶ。
エヴァは必死にドアを押さえるが、3人の男の盾になるほど丈夫なドアではない。
ドン…ドン…ドン
3度目にドアは蹴破られてしまった。
「いやーっ…やめて…やめて…」
エヴァの絶叫が、建物中に響いた。

(エヴァ…)
サーニャは、動けなかった。
どうしていいのかわからない。
助けたいが…どうやって?
見つかれば…自分もやられる。
ただ、怖くて…動けなかった。

「隠れてやがったのか…。娘がいたはずなのに…おかしいとおもったぜ」
エヴァは男達に引きずり出された。
「いや…いや…あああああああ」
「大声出すな」
男は、ナイフを取り出し、エヴァの服を切り裂くと、その布切れをエヴァの口に詰め込む。
「あわ…わ…わ…あわ…」
それでもエヴァのくぐもった声が響く。
「今日は、俺が最初だぜ」
汗と埃に汚れた無精ひげの男が、ズボンを脱いだ。
「おい、押さえてろ」
もう一人の男が、エヴァの両腕を床に押し付け、エヴァの頭をまたいで両肩にひざを乗せて座った。
手馴れたものだ。

女が声を出せば、男は、ぐっと腰を落とし、女の顔の上に座る。
2、3度、やれば女はもう声を出さなくなる。
声を出せなくなった女もいたが、それはそれでしょうがない。
また、代わりをさがすだけだ。
代わりならいくらでもいる。

ズボンを脱いだ男が、エヴァの足を開いて、腰を落とした。
エヴァは必死に足をばたつかせるが、その足を男がぎゅっと両脇に抱える。
「暴れるな」
そう言うと、エヴァの頭をまたいでいる男が、ナイフの切っ先でエヴァの乳房を突いた。
「ひゃっ…」
エヴァの体が電気が走ったかのようにぴくっと震える。
乳房に赤い血の粒が浮き上がった。
エヴァは、抵抗を止めた。

男は、指にべっとりと唾液をつけ、エヴァの秘部をまさぐり、無抵抗のエヴァに、強引に押し込んだ。
エヴァはまったく動かない。
「うふぇっ…こりゃ、いいや。上等だぞ、こいつは…」
「そうかい。戻ってきたかいがあったってもんだ」
「おっぱいも…こりゃ、いい手触りだ」
「なんだな…カルディア人も、若い女はいいよな」
「そうだな、年とるとぶくぶく太るが、30くらいのぷっくりしたのは、たまらねえな」
「男はいらねぇが、女は生かしといたほうがいいよな」
「ああ…まったくだ」

「ああ…あ……うっ…」
男が大量にエヴァの中に放出した。
「うう…」
無抵抗にまったく動かなかったエヴァが低く小さく嗚咽する。

「おい、早く代われ。今度は俺だ」
横の男は、待ちきれないといったふうにもうズボンを脱いでいる。
「待てよ。まだ、出きってねぇんだ」
「そんなのは、女に舐めさせろよ」
先の男を強引にどかし、次の男が入れ替わった。
「そうだな」
エヴァから離れた男は、エヴァの顔をまたいで、喉元にナイフを押し付ける。
「さぁ、その口できれいにお掃除してくれるかい。お嬢さん」

カタン
2階で物音がした。
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(お姉ちゃん…)

(…どうしよう…どうしよう…)

サーニャは、両親の寝室をぐるっと見渡した。
(隠れるの、サーニャ?エヴァを見殺しにするの…)
エヴァを助けたいと思いながらも隠れ場所を探す自分を、もう一人の自分がとがめる。
(そうだ…確か…クローゼットの中よ)
サーニャは、音を立てないように這ってクローゼットの前まで行き、慎重に扉を開けた。
小さなひきだし…音を立てないように、少し持ち上げながら引く
(あった)
サーニャの父は、かつて連邦軍に所属し、今はカルディア共和国軍の予備役として、銃の携帯を許可されていた。
それが知れれば、必ず、捕まえられて殺される。
リクアニアに独立の気運が高まり始めてから、ときどき父親はそう口にした。
おそらく、それが今、現実になったに違いない。

ベレッタM951
軍用に世界中で使用されているベストセラー、ベレッタM92の前身。
M92よりもいくぶん小さい。
サーニャは、何度もこの銃を目にしてきて、小さい頃は、撃ちたい、撃ちたいと父にねだったが、母親がそれを許さなかった。
しかし、つい先日、わざわざ父親が撃ち方を教えてくれた。
こういう状況で、そのときは母親も何も言わなかった。

(落ち着いて…思い出すのよ…そう、弾よ、弾が入ってるかどうか?)
サーニャは、グリップ下のロックを引いて、カートリッジを抜いた。
(大丈夫、入ってる)
危険を感じていたのだろう。
弾入りのカートリージを装てんしたまま保管してあった。
サーニャは、ゆっくり、音を立てないようにカートリッジを戻すと、ドアのほうに、また這って移動した。
(そうだ…弾を送らなきゃ)
サーニャは、スライドに手を掛け、それを後ろに引いた。
カートリッジの中の弾をチェンバー(燃焼室:弾を発射するところ)に送るためだ。
(えっ、何?…)
父親は、よっぽどの危機を感じていたのだろう。
すでに弾は送られていた。
サーニャがスライドを引いたので、発射した後、空になった薬きょうが排出されるように、その弾が、外に排出された。
(ああ…だめぇ)
弾は、大きく弧を描き、床に落ちた。
カタン…

サーニャの心臓が凍りついた。
階下から聞こえていただみ声が、ぴたっとやんだ。
かわりに、靴音が近づいてくる。

カツ…カツ…カツ
階段を上がっている。
(来る…どうしよう…)
手も足も口も…いっせいに震えだした。
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