<第26回> 夢?の子連れリゾート旅行 グアム vs 沖縄 | Dr. ミナシュランの台湾グルメと「ママ、ときどきドクター」

Dr. ミナシュランの台湾グルメと「ママ、ときどきドクター」

美味しいものが大好きで、本名の「みな」とグルメの「ミシュラン」をかけて、「ミナシュラン」と呼ばれています。台湾でぽかぽか子育てしつつ、ときどき日本に帰ってお医者さんする「ママ、ときどきドクター」な暮らしの子育てエッセイと美味しいもののブログです。

 学生の頃は旅行が大好きだったが、子供が生まれてからは、帰省するので精一杯。気ままな旅行なんて夢のまた夢……と思っていたが、そんな時、主人が突然こう言った。

 

 「今度、グアムに出張になったんだけど、一緒に来る?」

 

 こう聞かれて「行かない」という返事なんてあり得るだろうか?

 「行く!」

 と即答した。

 

 台湾からグアムまではわずか4時間弱!

 なんて手軽な天国……と思ったが、フライトの時間を見てみると、台湾を夜11時前に出発し、グアムに明け方の4時頃到着する、という深夜便。(出張なのでフライトを選べない)

 3歳の娘と1歳になったばかりの息子は機内食や座席のモニターに興味津々で、一人ずつウトウトはしてくれたものの、親はほぼ徹夜でグアム入りした。

 朝、なんとかホテルに到着! 

 そして、主人はグアムでの仕事(注)に出かけて行った。

 

 ホテルの部屋に残された私と子供二人。

 私は徹夜だけれど、子供達二人は絶好調である。

 特に、ハイハイ全盛期の息子はホテルの床(※土足カーペット)を這い回り、早速ホテルの備品を舐めた(この頃のあだ名は「ルンバ」。這い回ってなんでも口に入れるから)

 と思うと、冷蔵庫の棚を開けた! 閉めた! 頭をぶつけた! 泣いた

 ベッドに登った! 落ちた! 泣いた

 

 ……なんだろう、この危険に満ちた場所は……!

 ビーチサンダルでグアムにいるはずなのに、なんだかローラースケート着用で東尋坊にいる気持ちになってきた。

 

 そして、朝食ビュッフェである。

 大人一人+子供二人……。

 この布陣でビュッフェを利用するのは、至難の業であった。

 

 一歳児を抱っこし、三歳児を私の服の裾に捕まらせて、とりあえず牛乳とシリアルだけを必死で取る。自分の食事なんて取って来る余裕がない……と思いつつ、根性で白ご飯の上に半熟目玉焼きを乗せ、醤油をかける(これだけで、ちょっと幸せになれる日本人。醤油を用意して下さってありがとう、さすがグアム!)

 

 娘はビュッフェの朝食をあまり食べなかったので、コンビニでおにぎりでも買ってあげよう、と売店に寄ってみると、なんと、ごくごく普通のコンビにおにぎりが、1個3ドルで売られている。 3ドル?! 360円ですって?!

 

 ビュッフェで無理をしてでも娘に何か食べさせなかったことを後悔しつつ、しかし海より深い母の愛で、人生で一番高いコンビニおにぎりを買った。

 娘は無慈悲にも、その海苔だけを食べた……。

 

 さて、そろそろ東尋坊……いや、ホテルの部屋に戻って休憩することにした。

 部屋の窓からは美しいビーチが見えたが、子供二人を連れて海で遊ばせる勇気がなく(溺れたら助けられない!)、結局、浅いプールでの水遊びと、砂遊びに終始した。

 

 ベビーシッターのサービスがあると書いてあり、一時間15ドルと意外に良心的だった。(ハワイは25ドルらしい) 電話してみると「今日はシッターさんの余裕がありませーん」とあっさり断られた。ひょっとしたら、おにぎり屋さんに転職して人手不足だったのかもしれない。

 

 グアムを走るお洒落なトローリー(巡回バス)も、抱っこ紐+ベビーカーの私たちにとっては、なかなか過酷な乗り物であった。

 「台北のバリアフリーのバスが恋しい……」と、グアムの風に吹かれた。

 

 結局、主人がオフの時間に「いるかツアー」と大きなプールで遊ぶことはできたのだが、一度も海には入ることはなくグアムを後にすることになり(帰りも深夜便!)、娘にグアムでの一番の思い出を聞いてみると「海綿寶寶(スポンジボブ)が英語で喋ってた~!」と、ホテルの部屋で見たアニメが一番の思い出になった様子であった。

 

 私は気付いた。

 子連れリゾート旅行って、きちんと子供対応プランを考えなければ、ただの苦行だ!

 

 

 それから半年、我が家にまたリゾート旅行の機会がやってきた。

 今度は沖縄!

 義父母や義母、義弟家族と一緒に旅行しよう、ということになったのだ。

 ひゃっほう!

 

 結論から言うと……、沖縄旅行は天国だった!

 飛行機は台湾から2時間弱、と、グアムよりさらに近くて楽だし、ホテルは赤ちゃんに配慮してくれているし(「和洋室」という、畳のスペースがあるホテルは本当に楽だった!)、レンタカーで移動というのも便利だった。

 

 それに今回は、大人6人+子供4人、と、【大人>子供】の布陣だったので、自分のショッピングをしたり、海上アスレチックを楽しんだり、子供中心ではない「自分の時間」を楽しめた、と感じられたことが何度もあった。

 「朝食のおいしいホテル」(ホテル選びのmy基準!)で、日本の白米に明太子やお漬け物、冷凍じゃない納豆を乗せて頂くと……、ああ、幸せ! あおさ海苔 in お味噌汁……、ああ、幸せ!!

 

 そんなわけで、子連れリゾート旅行・グアム vs 沖縄、私の経験では完全に沖縄に軍配が上がったのだが、これは沖縄の勝利、というわけではなくて、ただ単に「大人の人数が多かった」ということと「子連れ旅行の経験値が増えた」ということが原因と思われる。

 

 台湾からだと近くてお手軽なリゾート地色々、皆様も家族のリフレッシュにいかがだろうか。

 ただし、ご利用は計画的に……!

 

(注)グアムの人口は16万人だが、グアムには皮膚科医が一人もいないらしい。主人(皮膚科医)の病院はグアムの病院と提携しており、時々訪問して難しい症例のアドバイスをするというミッションがあるそうだ。なんて羨ましい仕事! また連れて行って欲し……あれ、喉元過ぎて何か忘れている?!