黒猫:こんばんは。まずはじめに、先日締切ました『黒猫の回帰』特典に、たくさんのご応募をいただいたことを改めて御礼申し上げます。作者のカウントによると応募総数が1000を越えていたのだとか。本当にありがたいことです。

黒猫の回帰あるいは千夜航路/早川書房

¥1,728
Amazon.co.jp

謎の少女:うんうん、本当にすごいですぅ。
黒猫:……誰?
謎の少女:こんばんは。私のことはおかまいなくー。
黒猫:いや、かまうね。誰?
ウサギ:ウサギですぅ。
黒猫:ウサギって…人間じゃん。
ウサギ:黒猫さんも人間じゃないですかー。あ、今は猫耳が生えてるみたいですけどぉ。
黒猫:こ、これは丹地先生と森による計略で……。
ウサギ:とっても似合ってますよー、ツンツン。
黒猫:やめろ。
ウサギ:あ、私のかわいいビジュアルについては、森さんが先日Twitterでジャーロ連載時の諏訪さやかさんによるイラストをRTしていたので、そちらをご参照くださーい。
黒猫:誰に言ってるんだ?
ウサギ:もちろん、将来の飼い主の皆様ですぅ。
黒猫:つまり、君が森の新作に登場するキャラクターなわけだな?
ウサギ:新人呼ばわりして先輩風吹かせないでくださーい。
黒猫:ぜんぜんそういうわけじゃないんだけど…。
ウサギ:私は森さんのデビューの頃から連載が始まってたんですからね!
黒猫:「ジャーロ」誌上だろ? 噂は聞いてはいた。怪物にまつわる話だっけ?
ウサギ:ですです、怪物です。お好きですか?
黒猫:嫌いじゃないよ。ボルヘスの『幻獣辞典』とか読むしね。
ウサギ:なんだか黒猫さんと仲良くなれる気がしてきましたぁ。
黒猫:僕はまったく仲良くなれる気しないけどね。
ウサギ:そんなにお耳とがらせないでくださーい。
黒猫:な、撫でるな! しかし、君がこんな妙なキャラなんだから探偵役はさぞや手を焼いているんだろうね。
ウサギ:冗談じゃないです! 私が毎日彼の問題行動に手を焼いているんですから!
黒猫:なんと……まさかの君がツッコミ担当……心配だな、その怪物にまつわる新作。
ウサギ:私、ウサギはこう見えて案外しっかり者なんですからね。それにひきかえ、私がお仕えしているナイトさまときたら、<怪物>という単語をきくと、居ても立ってもいられなくなるんです。
黒猫:そりゃ厄介だ。
ウサギ:あ、ちなみにそろそろ現れます。
黒猫:え…!? ここに?
ウサギ:はい。黒猫なのに美学の薀蓄をしゃべる妙な生き物がいるって、さっき教えておいたんですぅ。つんつん、かわいいお耳ですねー。
黒猫:やめろって(手を振り払う)。そもそも僕は人間だし、美学の薀蓄をしゃべる妙な生き物なんて……。
ナイト:ウサギ、そいつか! 黒猫っていう〈怪物〉は!
ウサギ:ですです、ナイトさま、これが黒猫でございます!
黒猫:いや…合ってるけど間違っていて……。
ナイト:ウサギ、そいつを捕まえろ!
ウサギ:かしこまりました。しっかり捕まえてますよ~。
黒猫:わっ、耳つかむな! 放せ!
ナイト:本当によくしゃべる〈怪物〉だ。
ウサギ:そうなんですよぉ。
黒猫:だから怪物じゃないって……。
ナイト:(耳を引っ張る)なんだちがうのか……よく見ると人間の耳もあるようだし。
ウサギ:そう、じつは違うんですぅ! 
黒猫:何なんだ、おまえたちは!
ナイト:それは来月のお楽しみだ。
ウサギ:ですですぅ!
黒猫:とにかく帰れ!(ようやく二人を追い出す)待てよ……あいつら来月の新刊ということは……もしや来月ふたたび来る気じゃぁ…。
作者:なかなかいい勘をしてるじゃないか。
黒猫:森…。
作者:オッス、なんとなく久しぶり。
黒猫:厄介なキャラを送り込むときは君が自分でMCをやれよ。
作者:やだ、ことわる。それより君にひとつ聞こう。もしも付き人が怪物に連れ去られたらどうする?
黒猫:そんな有り得ない設定に答えるわけにはいかないね。
作者:彼女を助けるか? それとも見殺しか?
黒猫:相手が誰であっても見殺しにはしないだろうな。
作者:ほほう、つまり怪物はロマンスを生む、ということだ。
黒猫:どういう結論だ! いまの僕の答えちゃんと聞いてた?
作者:彼女のためなら死ねる! そういうことだろ?
黒猫:何も聞いてないな、君。
作者:つまり怪物はロマンスを生む!
黒猫:繰り返すな。だいたいそれ来月出るという噂の『怪物率』のための宣伝的発言だろ!
作者:そうだよ。
黒猫:言っちゃ悪いけどさ、さっき現れた二人にロマンスの要素が入り込むとは思えないけどね。どっちも頭の回路が数か所……。
作者:あ、言っちゃったね? おーいウサギ、聞いた?
ウサギ:聞きましたよぉ、猫耳の怪物さん何か言いましたぁ?(ポキポキ拳ならす)
黒猫:いや……たのしみだなぁ、と。
ウサギ:ですよねー。ブログをご覧の皆さーん、『怪物率』をどうぞよろしくですぅ。私とナイトさまのあるかないかわからないロマンスにもご注目ですぅ。あとですね、「ロマンス」をひっくり返すと「スンマロ」になるけど、この作者とは関係ないですからねー(去って行く)。
黒猫:あれが語り手で、あれ(ナイト)が探偵役とか、不安しかないな。
作者:カップルの数だけロマンスのかたちがあるということだな。いやスンマロがあるということか。君と付き人みたいにあんな、あんな、あんなことをするわけじゃないけど…(口をガムテープでふさがれる)…ほへひはひははは(「これ久々だな」と言いたい)
黒猫:オホン、お騒がせ致しました。では皆様、今夜はこのへんで。















AD
灰になったりして、どういうつもりだい?
それですべて消えたとでも?
手品師の真似か? それとも魔法使いか?
君の自惚れには毎度うんざりくる

灰になったりして、どういうつもりだい?
そこかしこに痕跡がのこってるじゃないか
僕の背中にいつぞや君が立てた爪痕とか

灰になったりして、どういうつもりだい?
ほらまたいつものだんまりだ
僕が嘘を追及したあの晩みたいに
君が嘘を見抜いたいつかの日曜みたいに

灰になったりして、どういうつもりだい?
誰かが笑って吹きだすとでも?
まさか僕の煙草へのあてつけか? 
禁煙なんかしないからな
君のやり方には愛想が尽きたよ

第一、杜撰にもほどがある
こんなにも僕の身体のなかに君ばかり残し散らかして
よくもまあぬけぬけと
ぬけぬけと

灰になったりして、どういうつもりだい?

灰になったりして、どういうつもりだい?

ねえお酒が終わったよ
また月が逃げてったよ

ひとつだけ教えてくれ
灰の君は、もう風邪をひかなくて済むのだろうか?
AD