かぜまち美術館の謎便り/新潮社

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飼い主を探しています。

今回飼い主を探しているのは、明日(というか今日)11月21
日より全国発売となった『かぜまち美術館の謎便り』。
装画は加藤木麻莉さんです。
爽やかな夏の風を感じさせるイラストは、
年末の寒さを吹き飛ばすかのようです。

もともと新潮社の文芸誌yomyomさんで連載していた
「パパとお喋りな絵画たち」を改稿した本作は、
育メン学芸員佐久間が4歳の娘かえでと絵画の謎を解き明かす連作ミ
ステリ。
舞台は小さな田舎町、香瀬町。
語り手は、夭折した画家ヒカリの妹で、佐久間家の隣に住む保育士の
カホリです。東京からやってきた佐久間家と関わるうちに、カホリや
香瀬町の人々の眠らせていた過去が目覚めはじめます。

18年前、香瀬町で何が起こったのか?
夭折したヒカリの死、そしてその一週間前に失踪した郵便局員の謎。
小さな謎を一つずつ解いていくたびに、過去の事件が解き明かされる。

いま佐久間が見ている世界、カホリの見ている世界、かえでの見て
いる世界が、かつてヒカリの見ていた世界へ、さらには
ピカソ、マティス、シャガールといった画家たちが見ていた世界へと
つながり、香瀬町に不思議な風を運びます。

これから年末にかけて、ゆるゆるとお読みいただきたい一品です。

さて、そこで、じつは今回も「黒猫の約束~」のときと同様に特典ク
イズをご用意させていただくことになりました。
ええと、言い訳になりますが、べつに今回はそういうことをしようと
思っていたわけではないんです。というのも、「黒猫の約束~」の時
は、あくまで黒猫のシリーズ五作目記念というつもりだったので。
ただ、まあこのたびの刊行に際しまして、担当編集者さんと話し合う
うちに、何か特典を付けられないかというお話になりまして、ふむ、
そういうことならば、とやらせていただくことになった次第です。
2作続けて特典を出すと、毎回やるのかという話になりそうですが、
あくまで基本スタンスとしては特別なタイミングでと思っていました
が、今後も担当編集者さんや営業の方などとのお話でやってほしいと
いう要望があり、やるにふさわしいコンテンツを思いつけば、やらせ
ていただく所存です。

それではまず出題を。

【問題】
佐久間の娘・かえでの嫌いな食べ物をカタカナ四文字で答えてくださ
い。


まあ、あれですよ、読めばわかる系です。(書店さんでの立ち読みで
探すのはご遠慮ください)

【気になる正解者特典】
今回は、正解者全員に、主人公の育メン佐久間が作中でいくつか作っ
ている料理を、カホリ相手に改めて解説している「佐久間のササッと
クッキング」のPDFデータをお送りします。
6品程度収録予定で、各ページの下の欄には佐久間の料理に関する
ひと口コラムもついています。
作品をお読みいただいた方にはお喜びいただける内容になっているか
と思われます。




【気になる正解者特典その2】
ご注意ください。こちらは全員ではなく、ご応募いただいた方で、な
おかつご希望をいただいた方の中から抽選
で25名様
に、かえでが主人公の絵本を贈呈いたします。こちら
は電子データではありませんので、絵本も希望される方はその旨を添
え、ご住所もお忘れなくご記入ください。
じつは作家になる前からこの「かえで」は存在していたという話は前
回の予告篇(一つ前の記事)でしていますが、作家になる前、広告事
業をやっていた時期があり、その頃に友人であり、その頃の仕事のパ
ートナーでもあった松本くんにイラストを担当してもらって絵本を作
ったことがあったのでした。
今回、何か特典をというお話をいただいた際に、真っ先に浮かんでき
たのが、この絵本でした。
一冊一冊、手作りで作ったものでしたので、製本の出来にはなんとも
手作り感がたっぷりなのですが、この世にはほとんど出回っていない
絶滅危惧種でもあり、サイズも手乗りの小さいサイズですので、我こ
そはという方にはぜひとも飼い主になっていただければ幸いです。
限定25名と申し上げたのは、要するにもう在庫が25冊しかないからで
す。外見と中身は以下のような感じです。





なので、正解者に洩れなく当たるPDFファイルを開くことのできる
Eメールアドレスからご回答ください。
前回、ヤフーアドレスの方に、一部送信いただいているのにこちらに
メールが届いていないという障害がありました。今回も何かその手の
アクシデントはあるかもしれませんが、なるべく細かく対応していき
たいと思っています。届いているか不安な際はぜひご一報くださいま
せ。

宛先はこちら

kuroneko.since2011@hotmail.com

そうなんです。前回の黒猫の際と同じです。
このアドレスは、今後も特典クイズなどをやる際のアドレスとして
生きた状態にしておこうかと思います。応募期限は以下のとおりです。

【応募期限】
本日から2015年1月10日まで

多くの方のご応募お待ちしております。
なお、メールの管理は森晶麿が一人で行いますので、
発送に締切後一週間ほどお時間をいただけますと助かります。

多くの飼い主さまのご応募をお待ちしております。
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かぜまち美術館の謎便り/新潮社

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11月21日に発売となります『かぜまち美術館の謎便り』
(新潮社)。もともと文芸誌『yomyom』にて「パパとお喋り
な絵画たち」として連載していたものを改題・改稿の末、こ
のようなかたちでの刊行となりました。

以下は新潮社ホームページに掲載されているあらすじです。

18年前に死んだ画家から届いた謎の絵葉書――。寂れゆく町
に赴任した学芸員パパと娘が、ピカソ、マティス、ゴーギャ
ンらの名画解釈をもとに、夭折の天才画家が込めたメッセー
ジを解く。
アガサ・クリスティー賞作家が放つ知的興奮に満ちた美術ミ
ステリー。

ということなのですが、以下は僕が最近、自分自身について
思うこと。
ごく客観的に考えて、僕の作品にはいくつかのタグがあります。
「恋愛ミステリ」、「男女バディもの」、「薀蓄」……。
タグを完全に外すと、作品の良しあし以前に読んでもらえない
可能性が高まります。なので、現状はどれか一つは入れたほう
がいい。いやいやできれば全部入っていたほうがいいのかもし
れません。
ただ、このタグどおりの作品ばかり発表していけば、確実に言
えるのは飽きられるということです。
なので、これまで発表してきた作品では、タグをいくつか守り
つつ、実験というか挑戦をしてきました。
さて、「かぜまち美術館」はどうなのか。
じつを言うと、物語の中核を担う佐久間親子は、11年ほど前
にすでにあったものなのです。
というのも、当時、今は中学二年の生意気盛りになった長女が
まだ3歳の頃のことです。その頃、毎晩僕は彼女に絵本を読ん
でくれとせがまれていました。でもね、毎晩絵本を読むのって
結構面倒くさいんです。
一回お布団で絵本を読んでから、立ち上がって電気消さなきゃ
ならないでしょ? で、そのうえとなりで寝てやらないといけ
ない。行ったり来たりの移動が面倒くさかった僕は、毎晩3歳
の女の子かえでちゃんを主人公にした物語を即席で作ることに
しました。
毎晩、布団に入り、「かえでちゃんとラクダ」(ラクダの人形
が目に入ったから)といった具合で適当にタイトルを決め、そ
の場ででっち上げた物語を語って寝かせていました。これが案
外好評で、1年、2年、3年…と続き、結局、長男が五歳にな
るまで、足掛け7年の長期連載となっていたのです。
僕はよく自分のことを虚構家と名乗ります。それは小難しい意
味合いもあるのですが、よりシンプルなレヴェルでいえば、小
説家になる前からこんな風につねに生活のなかで必要に駆られ
て日々物語を紡いでいたからなんです。
小説家には商業的な制約が付きまといますが、日々子どもを寝
かすためにする話には何も制約はありません。
ただし、そこには、目の前にいる子どもが喜ばないといけない
という大きな枷があります。これこそが、じつは本当の「ナラ
ティブ(ものがたり)」なのかなと思っています。
かえでちゃんとそのパパ・佐久間は田舎に引っ越してきた親子
でした。その二人が田舎で暮らしながら、逆に田舎に染まるど
ころか新しい輝きをもたらしていく。悲しみも喜びも、そうい
うレッテルを貼られる前のまだモノにも人にも名前のつく前の
子どもだけがわかる世界に目線を合わせて語り、僕の娘が喜ん
でくれたら僕の勝ち、つまらないと言われたら敗けという感じ
で毎晩毎晩続けていきました。

そんなわけなので、朝日新聞の「ひと」欄に取り上げていただ
いた際に少し育児の話をしたり、その後ベビーブックさんの取
材を受けたりした経緯もあり、この佐久間親子の話を打合せの
席でしたところ、担当の方がぜひそれで連載をやりましょうと
言ってくださいました。
ただしここで問題が。7年間続けてきたかえで親子の話はミス
テリでも何でもありません。
そこで、かえで親子を見ている第三者の視点からの物語に組み
換えていったのです。語り手がかえでから大人である隣人で保
育士のカホリにバトンタッチすることで、物語から小説の体裁
にすることはできます。
さて、ではそこで語り得るミステリとは何なのか。
考えていったとき、浮かんできたのは、やはり初めて娘を育て
たときの娘の目線で自分が世界を追体験している感覚でした。
自分の幼少の頃がそうだったように、この世にはたくさんの名
前があり、いつの間にかそれらをフィルターとして世界を見る
くせがついている。
でも、本当の世界はもっときらきらしていたはずではなかった
か。
だから、佐久間親子でミステリをやるなら、テーマは「見る」
とは何かということになるんじゃないかなと思ったわけです。
『かぜまち美術館の謎便り』は「見る」をテーマにした
連作ミステリと言えるでしょう。
ホワイに特化しており、ミステリとして新しい部分があるかと
いうと、そんなものはないかなと思っています。
頭のなかではずっと「千のナイフ」のピアノバージョンが流れ
ていました。
この小説を書いていると、ずっと風のなかを歩いているような
奇妙な気分でした。読み終わった人の心に風を残せたらいい。
執筆するうえで重視したのは、
「きらきらしていること」、「抒情的であること」の2点です。
デビューして3年経つと、いろいろ小器用にもなってきます。
ある部分で僕はだいぶうまくもなりました。でも、デビュー作
を読み返すと、いろんなものを捨ててシンプルになっただけか
もしれない、とも思うのです。
だから、この作品に関しては、ミステリ的に新しいとか、小説
家としての新たなステージとかそういうことではなくて、
小説家以前の森晶麿がもっていたものを拾いにいく旅だと思っ
て臨みました。
yomyom編集さんや編集長、単行本の担当さんからさまざまな意
見をいただき、結果として大きく成長したり、自分のスタイル
を振り返ったり、いつの間にかついていた悪癖を見直したりし、
最終話に至ると何と不思議にも、7年間子供のために話してい
たものが下地にあるとは思えないほど、大人な小説になってい
ました。

タグの話に戻ると、今回のタグは「美術ミステリ」という括り
になるかもしれません。でも、今話したとおり、美術に至った
のは結果であって、それが目的ではありません。
タグはたしかに物事を明確にしますが、時にはタグをこっそり
外して世界を見てみるのもいいものです。
あなたの隣にいるのは恋人ですか? 夫ですか? 友人ですか?
でもいつの間にか自分の勝手なフィルターを通して見ているの
かもしれません。
かつて少年・少女だったすべての人へ、といっては少し大げさ
かもしれませんがまあそんな感じで年末に向けてゆるゆると読
み進めていただけたら嬉しいです。

装画は加藤木麻莉さんです。
ひと夏の物語に相応しい爽やかなイラストに仕上げていただき
ました。
佐久間親子もイメージどおりです。
語り手のカホリさんが登場していないのは逆ににくい演出だな
と思ったり。
末筆ながら、この本に携わってくださった方々に感謝いたします。
そして、これから『かぜまち美術館の謎便り』を読者の皆さんに
届けてくださる書店員の皆様、
そして、これから『かぜまち美術館~』の飼い主になってくだ
さる飼い主の皆様に先んじて厚く御礼申し上げます。

ではではこのへんにて予告終了です







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特典クイズは今月末まで!

テーマ:
黒猫の約束あるいは遡行未来/早川書房

¥1,620
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さて、現在発売中の『黒猫の約束あるいは遡行未来』、
特典クイズをやっているのはご存知の方が多いとは思いますが
もし今初めてお知りになられた方は、ぜひ2つ前の記事に
さかのぼってください。応募の記事があるかと思います。

10末締切分は、11月の初週に発送させていただきました。
※もし10月末までにお送りいただいたのに、まだ特典が届いていない
という方、いらっしゃいましたら遠慮なくメールなりブログにコメントなりで
仰っていただければと思います。速やかに対応させていただきますので。
たくさんのご応募&ご感想ありがとうございました。
すべて、大切に拝読させていただきました。
ふだん、机の前に座って作業をしていますと、皆様から長々と
ファンレターのようなものをいただく機会はないので、
この機会に黒猫シリーズへの皆様の熱い思いを目の当りにし
改めて、シリーズものって純粋に飼い主のものなんだな、と
感じました。いや、きっとシリーズものにかぎらず、
本とはあまねく本の飼い主のものなのだと思います。
作家は、自分が真空管のようなものになったつもりで、
物語に何がふさわしいのかを、考えるのではなく感じながら
さらさらと筆に任せて書いていくのが大事なのかもしれないな
と思います。

中には高校時代に黒猫シリーズに出会い、その後の進路を
決められた方もいらっしゃるようでした。じつはそのような
ことをこの2年のあいだに7,8人ほどの飼い主の方から言われました。
なんだか嬉しい反面、少し責任めいたものも感じます。
僕はべつに研究の世界に身を置く人間ではありませんからね。
かつてはそうでしたけれど、それだって修士ですからほんの腰かけです。
しかも修士論文と並行して黒猫シリーズ書いていましたから、
どちらかと言うと不真面目な院生の部類には違いないわけです。
黒猫シリーズは、何度か言っていることですが、
研究のプレハブ小屋でサーカスをやっているようなものです。
実際の研究はもっと地味で、また文献による裏付けの徹底を
相当求められる苛酷な世界です。たとえば、黒猫の立てる仮説には
ある程度の根拠が作品内に提示されていますが、それを研究と呼べる
代物にするには、そこから何十冊と原書や研究書、書簡等に当たって
いかねばなりません。
ただ、研究の世界のもっとも面白く、またスリリングな部分を
さわりだけでも味わっていただきたいという思いで書いてもいるので
黒猫シリーズがほんの入り口に手をかけたに過ぎないものだと
ご理解いただいているのならばよいなあと思います。

実際のところ、何を学んだにせよ、学んだものは確実にその人の血や
肉になります。間違った道なんて一つもないのです。
僕はテレホンオペレーターをやっていた時期があります。
研究から離れて、一年ほど、就職するあてがなかったからです。
今の職業とは何も関係ないように見えるかもしれませんが、
短い時間ではあってもそこで確実に得たものはあります。
そういう意味で、黒猫シリーズによって何らかの進路を決めたという
方々がたとえ最終的にその道を放棄することになるにせよ、
(研究の世界も、ほかの業界同様、きれいなばかりではないですから
何があるかは誰にもわかりません)
無駄なことなど何もないということは強く申し上げておきたいと思い
ます。「黒猫の約束」のなかのある登場人物が言っています。

「自分で選びとった未来には、悪いことは何も起こらない」

この言葉を、本書を手にとってくださったすべての方に捧げたいと思
います。
ご応募いただいた飼い主の皆様に、この場を借りてもう一度
深く御礼申し上げます。
まだの方、ご応募お待ちしております。ではでは。







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