いつだったかな、ロック雑誌のインタビューを見ていたんだけど、
そうしたら、スキム・ミルクっていうトラフィックと同時期に有名になった
アメリカのバンドのインタビュー記事が載っていた。
若い頃はサイケなギターサウンドでぶいぶい言わせていた彼らだが、
最近ではすっかり渋めのサウンドが売りになってジャズからエレクトロニカまで
多彩でいてあくまで音を楽しんでいる感じがベースにあるから
どんなアルバムでも落ち着いて聴けるようになっている。
もしこの記事を読んで気になる人は80年代の代表作
『犬ほどケバイ奴はいない』あたりから聴くといいかもしれない。
万人に勧められる音じゃないけど、強い焼酎飲んだような衝撃は
味わえるんじゃないかと思われる。
で、そのスキム・ミルクがインタビューに答えていた。
彼らが来日していたから、当然武道館ライブに関する質問か
新しく出たアルバムについての話だろうと思ったんだけどこれが違った。
以下はその全文。答えているのはボーカルのホルス(以下ホ)だ。

記者:公演中、お酒は飲む?
ホ:俺たちは酒はやらない。音楽に酔ってるからね。
記者:なるほど。ウィスキー派?
ホ:おい、人の話を聞いてるのか? 俺たちは酒は飲まない。
ノードランクだ。オーケー?
記者:つまり、ウィスキーは好きじゃない?
ホ:ああ。ウィスキーだけじゃない。すべての酒だ。
記者:なるほどね。フォアグラはどう? フォアグラも嫌い?
ホ:フォアグラは好きだ。悪くない、という程度だがね。
記者:フォアグラが好きなのに、ウィスキーが嫌い? それって
ロックンローラーとして矛盾してると思わない?
ホ:思わないね。君が何を問題にしてるのかわからないけど、
俺の認識が正しければフォアグラはお酒じゃない。
記者:そりゃそうだ(笑)今の面白いジョークだね。
ホ:俺はジョークは好きなほうだし、インタビューにも寛大なほうだ。
でも、いま俺はジョークを言ってないし、お前はさっきから何なんだ?
記者:ホルス、そろそろ本題に入ろう。
ホ:……いいだろう。続けてくれ。
記者:君が好きなのは、結局どのウィスキーなんだい?
ホ:……。
記者:わかった。これは少し質問がマニアックすぎたな。
それじゃあ読者向けに少し簡単な質問に切り替えよう。
水割りとロックはどっちが……。
ホ:おい、いい加減にしろよこのポンコツ!
俺はな、アルコールは飲まねえ! 愛してるのはロックだけだ!
わかったらケツ拭いてとっとと帰りやがれこの野郎!
記者:読者のみんな、これでわかったね? ロックンローラーは
ロックが大好き。水割りじゃない。ホルス、ありがとう、君たちの
ライブが成功することを祈ってるよ。
ところで、ライブって何をするものなのかな?
もしよかったら読者のみんなに
……わっ……ちょ……顔を殴るのはダメだよ……顔わ!

インタビューはここで終わっている。
これを読み終えて思ったのは、人間は年をとるが、
50歳になろうが、60歳になろうが、たとえ死ぬ前だろうが
人間は何度でも理不尽な目に遭うということだ。
だから、眠たいときには眠るべきだし、
食事のあとにすぐ仕事なんか絶対しちゃダメだ。
それから、ライブの意味くらいは調べておいたほうがいい。
ライブとは体験を提供するところであって、
決してスペアリブを提供するところではないのだ。

ところで、この記事を読み終わったあとに、スキム・ミルクって
ワードでアマゾンで探し物なんかしちゃいけない。
これは君と私との約束だ。
誓って言うが、そこには練乳に関する情報しか出てこない。
世の中、そういうものなのだ。




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