森晶麿のLEVEL 100,000,000

1秒のなかに1億の虚構があり、その1億分の1のなかに1億の真実がある。
本ブログは虚構家による、虚構のための、虚構的ブログである。


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本日は、7月7日発売の文庫版『偽恋愛小説家』(朝日新聞出版)について、すでに単行本でお読みいただいている方に重要なお知らせをさせていただきます。
偽恋愛小説家 (朝日文庫)/朝日新聞出版

¥734(税込)
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【発売前単行本+小冊子プレゼント企画】
このたび文庫版『偽恋愛小説家』発売に伴い、翌8月に連続刊行されます続編『俗・偽恋愛小説家』プラス、文庫版と俗編単行本の特典を一つの小冊子にまとめたものを抽選で10名の方に、発売日より前にプレゼントします(8月頭頃発送予定)。
【応募条件】
既刊『偽恋愛小説家』の140文字以内(ネタバレはなしでお願いします)のご感想を御送りいただける方。《締め切り6月30日》
6月24日~6月26日の期間内に、下記へご応募いただいた方の中から、抽選で10名様へ、既刊『偽恋愛小説家』のご感想の依頼をさせていただきます。
お送りいただいたご感想は電子版フライヤー及び書店様向け販売ツールフライヤーに掲載させていただきますので、掲載に差支えのないペンネーム・ご身分を並記してください。
例)蝶子(学生)

【応募期間】
6月24日~6月26日の3日間とさせていただきます(日付が変わる直前まで受け付けます)。

【応募先】
kuroneko.since2011@hotmail.comもしくはTwitterのDM(相互フォローしていない場合はフォローリクエストをひと声お願いします)

なお、応募の段階では感想は必要ありません。当選された10名の方にのみご感想をお願いします。当選者様は、ご感想・ペンネーム・ご身分のほか、プレゼントの送付先のご住所とお名前(ご本名)を必ずご記入ください。


このたびの企画に関しまして、抽選結果の発表は、当選者への感想依頼メール送信をもって変えさせていただきます。
以上です。どうぞ、よろしくお願い致します。
多くの方のご応募をお待ちしております。



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黒猫:さて毎月21日にお送りしている活字ラジオ。今夜は私、黒猫と夢センセこと夢宮宇多でお送りします。
夢宮:あ、どうも。
黒猫:この夢宮と僕は先日、ちょっとわけあって旅行をしてきたわけだが、まあその話はおいおい話すとして、まずは森からの伝言。『ホテルモーリスの危険なおもてなし』がお陰様で発売からおよそ一ヵ月の間に二度目の重版がかかったとのことで、7月には三刷が出来となるそうで、飼い主の皆様に厚く御礼申し上げます、とのこと。
ホテルモーリスの危険なおもてなし (講談社文庫)/講談社

¥734
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夢宮:重版はねぇ、作家にとってありがたいよね。
黒猫:そっか、君も作家だったな。僕は研究者だからね。われわれ研究者のだす本の場合、重版というのはかなりゆったりペースでかかるからあまり君たちとは感覚が違うかもしれないな。
夢宮:研究関連書物は小部数で価格を高く設定するから、たしかに小説とはたしょう事情が違うかもな。まあもう生々しい話は置いておこう。しかし、講談社から出ている森のシリーズは毛色がちょっと違うから、「モーリス」で重版がかかったことの意味は大きいだろうな。
黒猫:たしかに。森は以前、講談社では「もしも森晶麿が黒猫シリーズでデビューしていなかったら」という仮想現実のもとに執筆しているみたいなことを言っていたからな。そもそもの奴の「売り」を封印して望んでいると言っていい。
夢宮:なるほど。そういえば『怪物率』も、読んだ人が戸惑うくらいタッチが違うらしいじゃないか。
怪物率/光文社

¥1,620
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黒猫:そうだな。でもラストの部分はかなりいつもの森テイストだ。振り子のように大きく作風が入れ替わることで、かえって奴の芯の部分がだんだん見えてきているようには思う。
夢宮:まあ、まだまだ森なんて俺の足元にも及ばないが。
黒猫:まだ一作しか書いていないくせに。
夢宮:それを言っていいのは月子嬢だけだ。
黒猫:ほほう。ごちそうさま。
夢宮:そういう意味じゃなくてだな、編集者だからだ。
黒猫:そういう意味ってどういう意味だ?
夢宮:おまえふだんやられっ放しだからって何取り戻しにかかってんだ?
黒猫:そういえば、『偽恋愛小説家』も今度文庫化されるそうじゃないか。
偽恋愛小説家 (朝日文庫)/朝日新聞出版

¥734
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夢宮:そうなんだ。装画は平沢下戸さん、装丁は川谷デザインさん。ううむ、かなり攻めてるなぁ。
黒猫:お姫様だっこしてるしね。
夢宮:さりげなくな。
黒猫:どこがさりげないんだ…。
夢宮:それで、どうもこの文庫では飼い主特典があるらしい。
黒猫:またか。まあ奴は楽しんでやってるんだろうけど。
夢宮:その特典というのが何と、、、。
黒猫:言わずともわかるよ、この間の旅行だろ? たぶんそういう流れだと思っていたんだ。雑誌のための対談とか言っていたが、君と僕を旅行させるんだったら特典にするのがいちばん理由としてしっくりくる。
夢宮:そういうことらしいな。俺と君とで鳥取あたりまで行って、一寸法師ゆかりの地を歩き回る。
黒猫:まさか君をおんぶして運ぶ羽目になるとは思わなかった。
夢宮:おかげでラクチンだった。
黒猫:おかげでゲッソリだった。
夢宮:とまあ、そんなこんなのやりとりのぎゅぎゅっと詰まった短篇「お椀と旅する女」が特典についてくる。『ホテルモーリス』同様、今回もQRコードでの簡単ダウンロードを目論んでいるらしい。
黒猫:まあ、QRコードは飼い主さんにとってもラクだろうしね。
夢宮:というわけで、いずれ正式にアナウンスしたいと思います。それともう一つ。
黒猫:まだ何かあるのか?
夢宮:じつは8月に俗編が発売になる。
黒猫:続編だろ?
夢宮:いや、俗編。『俗・偽恋愛小説家』だから。
黒猫:なんだ、「俗」って。
夢宮:読めばわかる。
黒猫:ほう。
夢宮:俺が黒猫ほど奥手でないこともわかる!
黒猫:大きなお世話だ。
夢宮:とにかく、だ。この『偽恋愛小説家』は出ている俺が言うのもなんだが、森にとっても黒猫シリーズの次くらいによく売れているそうだから、俗編発売の前に、たくさんの人に文庫版『偽恋愛小説家』の飼い主になっていただきたい。
黒猫:ふむふむ。なるほど。
夢宮:そこで! すでに単行本をお読みいただいている方に近日森晶麿からお願いがあるらしい!
黒猫:ほう、どんなお願い?
夢宮:限定何名かの方にレビューをいただき、それをフライヤーにまとめて書店様へ宣伝ツールとして配布させていただきたいとのこと。もちろん、レビューを書いていただく方には御礼として何か差し上げる予定です。現在そのへんも含め編集さんと検討中ですので、決まり次第たぶん今週中には森がブログやTwitterで告知させていただきます。ご関心のほど、どうぞよろしくお願い致します。
黒猫:フライヤーに、特典に、この攻め攻めの表紙カバーに……何やら総力攻めという感じだな。
夢宮:ふふ、君を超えるためだ。
黒猫:……え、目標そこなの?
夢宮:累計十万部ごとき小山、一瞬で抜き去ってくれる。
黒猫:まあ、がんばって。
夢宮:あ!いまの余裕発言! 聞きましたか皆さん! 「まあ無理だろうけどがんばって」って顔で「まあ、がんばって」って言ッたぞこの男!
黒猫:言ってない!
夢宮:言ったね! そうだよねぇ、小さな小さな小山とはいえ累計10万部だもんねぇ。
黒猫:や、やめぃ…。
夢宮:あんないじいじした恋愛している男女の話がねぇ。
黒猫:だから大きなお世話だってば。
夢宮:俺が出ているから言うわけだが、『偽恋愛小説家』は事件の大きさも、展開のゴリゴリ感も、恋愛のキュンキュン感も、黒猫シリーズの比じゃない。そんでもって俗編では圧倒的に黒猫と俺の差を見せつけることになる。ぜひぜひご期待願おう。
黒猫:なんか闘志がすごい……。
夢宮:では皆さん、書店で会いましょう。ずっと月子嬢をお姫様抱っこしてるのは疲れるので早めに連れて帰って本棚で一息つかせてください。ではでは。

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夫のポオと遅めのゴールデンウィークに出かけたのは、6月のはじめのことだった。
「君からデートのお誘いとは珍しいね」
助手席の窓を開け、風を受けて乱れた口髭をいじりながらポオはそんなことを言う。
「よく言うわ。あなたこそ、忙しいのに私の誘いを受けてくれるなんて珍しいじゃない?」
「広島に二週間ほど取材に行く予定だったが、例の演説で取り締まりが強化されていて面倒が多そうだからやめたんだ。そうこうするうちに月が変わってしまったけどね」
「たしかに、あなたの相貌じゃ、ちょっと怪しまれるかもね」
ポオは名前のとおり、この国に昔からいたわけではない。いまだに単一民族国家への執着が強いこの国では、夫のような容姿の人間が大事な演説のある日にそういったスポットをふらりと歩いていたりしたら、確実に職務質問を受けることになるだろう。
「本当に取材かしら?」
「嫉妬かい? 心地いいね。それより、どこへ向かってる?」
「キノコ狩りに山へ行くの」
「ほう、キノコか。僕はキノコが好きだよ。生物と無生物とを媒介する、重要な存在だ」
「喜んでもらえてよかったわ」
「キノコ狩りと言えば、キノコ狩りと称して山に置き去りにされた子が行方不明になった事件があったね」
「見つかったみたいよ。自衛隊の施設で寝泊りしていたみたい。親御さんはしつけのつもりだったようね。それについての私の個人的見解は控えるわ」
私は言いながらアクセルをぐんと踏んだ。
安全運転を頼むよ、とポオは苦笑いする。そんなことを言うなら運転免許をとれ。ポオはそんなこちらの不満は知りもせずに続ける。
「こういう事件があると、しつけのモラルが云々される。そして、子どもが生還されると、その辺りの議論はうやむやになり、やがて美談に変わる。子が何を言ったか僕は知らないが、おおむね生還となれば、親が謝まり、子はそれを許すだろうね。親を絶対許さない、と言う子どもはまずいない。そして大人はそんな子の無条件の愛にあぐらをかく。世の常だ。逆ならどうだろう? 我々が年をとる。子が君を山に捨てる。やがて、警察が君を助ける。子が君の前で泣きながらごめんなさいと繰り返す。君は許すだろうか?」
「まだ子どもがいないから何とも言えないわね。ただ、一度捨てられた記憶は、それが何かの実験であったにせよ、根にはもつかもしれないわ」
「そういうことだ。逆の立場ならそう考えるのに、子どもに対しては、多くの人が最後にごめんねと言えば許してくれると思っている。生還というハッピーエンドをもって、親が涙ながらに子に謝り、それを子が『いいよ』と言うことを、大衆がもし期待していて、そのとおりになっていることに安堵の溜息をもらしているとしたら、その事態全体こそが愚の骨頂だと思うね」
「ずいぶん辛辣なのね」
「それがこの国のかたちだということさ。失踪事件はどうでもいい。しつけかどうかという議論も、どうでもいいんだ。しつけとは身を美しくするために行なわれるわけだが、効果のある方法だけがしつけの名に値する。効果のなかったものはしつけのための試みのエラー。人間だからヒューマンエラーはもちろんある。が、効果のないものや、事故を誘発する要素のあるものはしつけのつもりでも、結果としてエラーだってことは認識しなければならない。今回のはエラーだったんだろう。もし、今回の件で重要なことがあるとすれば、この国はいまだしつけとしつけの試みのエラーの区別があまりついていない曖昧な国だということ。そして、曖昧な国はこんな議論をちょっと真面目な顔でしてはみても、いつしか問題をうやむやにして昔ながらの美談に変えて安堵してしまう。どこまでも曖昧なんだ。もちろん曖昧には美しさもあって、それは桜の花に象徴されてもいるわけだが、曖昧である必要のない部分というのはたくさんあるのに、問題を履き違えるのもこの国のお得意でね。大衆の興味の持ち方自体が、曖昧で移ろいやすい。オバマの広島訪問にしても、奥深くまで見つめようとしないよね。なんで今このタイミングで広島に来たのか。追求すべきはそこの部分だけだと思う。政治家のやることに政治的な意味以外あるわけがない。それをさまざまな感情論と美談に変える【美談マシン】の乱用、オバマ演説が終わった後ではその平和的意義の重要性が語られるか、はたまた、謝罪の言葉がなかったことを言うかのどちらかしかない。前者は美談マシンの乱用、後者は感情論。そして曖昧な大衆は、そのどちらも早急に忘れ去ってしまう。桜の花が散るように」
「やれやれ、なんだか、死にたくなってくるわね」
私はそう言って車を停めた。
それからトランクから、大きな箱を取り出す。
「ずいぶん大きな箱だ。キノコがたっぷり入りそうだね」
「そうね。人ひとり分くらいはたっぷりキノコを採りたいの」
「この箱、たしかに大きいけど人間はさすがに入りそうにないな」
「入るわよ。試してみる?」
「そうだな。君で試そう」
「え…わ、わたしで?」
「いくよ」
ポオはそう言って私を抱き上げると、箱にそっとはめ込んだ。
「ぴったりだ」
驚いた。私が用意した箱はポオにぴったりのサイズに造られていたはずなのに、いつの間にか箱がすり替えられていたのだろうか?
「君はうっかりしていたようだね。君は女性としてかなり長身なほうだ。つまり僕たちの身長はほぼ同じ。どうだい? 抜け出せるかい?」
抜け出せない。いくら足掻いても、身体がぴったり箱にハマり込んで動けない。
「こんな国で生きていくくらいなら、死んでしまったほうがラクかも知れないね」
ポオはそう言いながら箱に蓋をした。そして、私が用意していた落とし穴に箱を落とした。
私はどこまでも落ちていく。どこまでも、どこまでも。
それは私がポオのために用意しておいた墓穴。
彼を生きたまま、早すぎる埋葬をしてしまうための穴。
けれど──こんなに深く掘った覚えはないのに……。
それどころか──まだ着地しない。衝撃がこない。
私は落ち続けている。

そのうち、意識が途絶えた。

次に目覚めたとき、私はポオと船に乗っていた。
漕いでいるのはポオ。
「リオの海はどうだい? いいもんだろ?」
私はいつの間にか、地球の反対側にいたのである。そして、やはり目の前では、ポオがにっこり微笑んでいた。
「こんなに愉快なのは新婚旅行以来だと思わないか?」
夫が着替えさせたのか、私は深紅のドレスを着ていた。そして、指には大きな指輪が。
「ええ、本当に」
夫は覚えていてくれたのだ。今日が私たちの結婚記念日だということを。
ずるい男だ。また殺しそびれてしまった。でも悪くない。
「そろそろディナーにしたいわ」
夕暮れ時の海は、ワイン色に染まり始めていた。
「いいね。アモンティラードでも片手に、シュラスコを食べよう」
ポオは気づいているだろうか?私たちがいま、巨大な渦に巻き込まれつつあることを。恐らく、ポオが地球の裏側まで穴を掘ってしまったせいだろう。海がその開いた穴を中心に渦を作っているのだ。
私たちはこの渦に飲み込まれる。その後は?
ポオは呑気に口笛を吹きながら船を漕いでいる。ねえ、私たちはもうすぐ死んでしまうというのに。
まあいいか、と私は思い直す。この人がこんなに楽しそうなら、どこが終わりでもいいのかも知れない。行けるところまで行ってみよう。
曖昧な国に生まれた私は、そんなふうに憎悪も愛も曖昧に溶かしてひとつにまとめ上げてしまうのだった。
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