『製造業』の雑記帳

「製造業」に関する話題を取り扱ったブログ。
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「ターンキー」というビジネス形態をご存じでしょうか?

プラント・建設関連の方や半導体業界の方には馴染みのある言葉かと思います。

先日、あるメールマガジンを読んでいてこの言葉が出ていましたので、今回、コラムとして述べてみたいと思います。

ターンキーは、もともとプラントや建設関連の業界で行われていた契約の形態のひとつで、文字通り「鍵(キー)をひねれば(ターン)設備が稼働する状態で引き渡す一貫したサービス」の事を言い、受注側が仕様書から設備の完成状態までの工程を一貫して請け負うサービスの事です。

半導体業界でもこれと同じ意味合いで使われており、例えば、セットメーカーがICやLSIの仕様書を渡せば完成品が入手できる契約の形態、即ち、仕様書から完成品までの工程を一貫して行うサービスの事をこう呼んでいます。

よって、半導体業界流に言い直すとすれば、セットメーカーがすぐに基板(PCB)に実装出来る状態で完成品を入手できるので、「マウントオン」と言ったところでしょうか?


半導体においては、仕様決めから完成品が出来るまでのざっくりした工程は以下のようになります。

(1) 仕様決め(仕様書)
(2) 機能設計
(3) 回路設計
(4) レイアウト
(5) マスク作成(処理)
(6) ウエハ工程(前工程)
(7) ウエハテスト
(8) パッケージ工程(後工程)
(9) ファイナルテスト
(10) (バーンイン(車関係などの高品質なもの以外はあまり実施しない))
(11) 出荷検査/梱包

前述の定義に従えば、(1)から(11)までの工程のサービスを行う事をターンキーと呼ぶべきなのですが、会社によってはこれらの一部分のサービス、例えば、(7)から(11)までを「ターンキー」と呼んでいるところもあり、これらと区別するために全ての工程を行う事を「フルターンキー」と言ったりもします。

半導体業界では、台湾のTSMC系のGUC(グローバルユニチップ)やUMC系のFarady(ファラデー)、あとはAlChip(アルチップ)などが有名で、それぞれの売上は2011年度で¥250億、¥150億、¥75億程度にまで成長しています。
一方、日本にはこうしたサービスを行う会社は少なく、あったとしても売上規模が小さかったり、先ほど述べた工程の一部分を切り出してターンキーと呼んでいるにすぎません。

この理由としては以下のような事が考えられます。

- 台湾では水平分業が進んでおり、設計・開発を専門としたファブレス企業や製造工程の一部分のみを行う会社が多く存在している事から、それらを束ねるサービスがニーズとしてあること

- 日本では垂直統合型であるIDM(Integrated Device Manufacturer)が主である(あった)ため、ターンキーと言ったサービスはあまり必要ではなかった(例えば、セットメーカーはIDMに依頼する事で需要は満たされていた)

また、もともとGUCはTSMCが、FaradyはUMCが出資をしている会社ですので、自社のウエハ工程の顧客獲得のためのプラットフォームとして便利だったという事もあると思います。

しかし、ここ数年で日本のIDMも自社の工場を売却・閉鎖し、いわゆるファブレスあるいはファブライト化を進めてきたり、採算の合わない事業を売却しており、これまでのIDMの機能を満たせなくなってきています。

よって、今後は旧IDM自身がターンキーの機能を持ったり、新しく独立系のターンキーサービスを行う会社が現れてくるかもしれません。






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