ぽやぽやエブリデイ

ドラクエ10などのWeb世界で、世知辛い世の中を憂い

それでいながら眠気には勝てない毎日を繰り返していきます。

ミソスープの具は豆腐とワカメ!!

特撮やアニメの歌が好きです。スライム状のものは嫌いです。


テーマ:

第7話 ジグザグパズル 後編 」の続きです。



注:この小説は18禁です。現実と空想の区別がつかない方にはおすすめしません。


バックナンバーは「こちら 」から!!



マインドスイーパー


……精神掃除士(患者の精神疾患を主とした自殺病治療の特殊能力を持つ医師の総称)




8.あの時計塔を探せ 前編



動かない足。


動かない左腕。


自由にならない体。


全てが腹立たしかった。


汀は息をついて、そして目の前で折り紙を折っている理緒を見た。


「私も……折り紙やってみたいな」


右手で、グチャグチャになった紙を爪弾き、彼女は呟いた。


理緒は顔を上げ、そして微笑んで言った。


「一緒にやろう?」


「一人でも出来るようになりたい」


時折、汀はこのように我侭を言い出すことが多くなっていた。


辟易まではしなくても、理緒も多少の気は遣う。


彼女は少し考えて、3DSを手に取った。


「じゃ、ゲームやりましょうか」


「……うん……」


元気なく返事をして、汀は扉の向こうに目をやった。


「高畑先生、遅いですね」


理緒が言う。


三十分ほど前、お菓子を準備するからと言って出て行ったきり、圭介はまだ戻ってこなかった。


「多分、何か仕事してるんだと思う。出ないほうがいいと思うな……」


汀がそう呟いて、ため息をつく。


「最近ずっと、圭介ああだから」


「そうなんですか……」


圭介は、汀の世話をしても、どこか上の空、といった具合が続いていた。


いつ頃からだったのかは分からないが、人の気持ちに鈍感な汀でも、多少の異常は察知していた。


「どうしちゃったんだろう……」


少女の小さな呟きは、ピンクパンサーのグラスに入った氷が、カランと溶ける音にまぎれて消えた。



圭介は、無言で病院前の郵便ポストを見ていた。


彼の両手からは、ボタボタと血が垂れている。


指を切ったらしい。


圭介は舌打ちをして、持っていた封筒をゴミ袋の中に突っ込んだ。


封筒の四隅に、綺麗にカミソリの刃が貼り付けられていた。


指に包帯を巻き、ゴム手袋をつけて郵便ポストの中をあさる。


彼がつかみ出したもの。


それは、断末魔の表情のまま固まった、猫の首だった。


野良猫らしく、薄汚れている。


血が半ば固まっているところを見ると、殺されたのはそう遠いことではなさそうだ。


圭介は白いビニール袋を何十かにして、無表情で猫の首を放り込み、そして縛ってからゴミ袋の中に落とした。


「クソガキが……幼稚な……」


小さく呟き、彼はゴミ袋を、脇のポリバケツに入れてふたを閉めた。


そこで彼の携帯が鳴った。


ゴム手袋を外して脇に放り、彼は痛めた指を庇うようにして携帯を取った。


「俺だ」


低い声でそう言うと、電話口の向こうの相手――大河内は、一瞬停止した後怪訝そうに聞いた。


『どうした? 汀ちゃんに何かあったのか?』


「残念ながら特筆することはないな。『近所』の餓鬼の悪戯に手を焼いていたところだ。お前と話す気分じゃない」


『いきなり大概だな。赤十字として、お前達に仕事を依頼したい』


「悪いが、今は……」


『あの「高杉丈一郎」が、自殺病にかかった』


大河内がそう言うと、圭介は電話を切りかけていた手を止めた。


「何?」


『お前なら、食いつくだろうと思ったんだがな』


圭介は、口の端を歪めて、いつの間にか醜悪に笑っていた。


しかし抑揚のない声調子で返す。


「治療はいつだ?」


『すぐにでも始めたい。汀ちゃんのコンディションがいいなら、連れてきて欲しい』


「分かった」


圭介は端的にそう言い、電話を切った。


ポタリポタリと、カミソリで切った傷口の包帯から血が染みて、地面に垂れている。


圭介は口の端を歪めて笑っている、異様な顔のまま、メガネを中指でクイッと上げた。


「はは……高杉が……?」


小さな声で呟く。


「傑作だ」



「今回の患者は、高杉丈一郎。四十一歳。自殺病の治療薬、GMDの権威として知られている、赤十字の物理学者です」


重々しい空気が流れている中、大河内が口を開く。


赤十字の重鎮達と、元老院の老人達、そして医師が集まっている薄暗い会議室の中で、彼は続けた。


「GMDを投与しましたが、自殺病の進行は止まらず、現在第三段階まで差し掛かっています。本人はマインドスイープによる治療を頑なに拒んでいますが、これ以上の放置は危険と判断し、ダイブに踏み切ることにいたしました」


「放置……ハッ、放置ね……」


面白そうに肩を揺らしながら、隅に座っていた圭介が呟く。


「高畑医師、何がおかしいんだね?」


医師の一人が眉をひそめて口を開く。


「これがおかしくなくて何がおかしいと思うんでしょうかね」


挑発的にそう返し、圭介は目の前の資料をテーブルの上に放った。


「高杉先生は、自分の自殺病治療薬、GMDが『効果がない』ことを、自分の体で立証してしまったわけだ。赤十字としても、元老院としても、これは何とも表沙汰にしたくない問題ですね」


「……効果がないわけではありません。防衛型の攻撃性が強く、投薬による解決が中々見受けられない『ケース』なだけです」


大河内が声を低くして圭介を睨む。


「成る程。では高杉先生はその稀有な『ケース』にかかってしまった、強い悪運の持ち主だと?」


「そうなります」


圭介の言葉を受け流し、大河内は周りを見回した。


「GMDは市販されている治療薬の中で、最も使われているものです。その開発者が自殺病にかかってしまい、GMDによる回復が見込めないという状況、これは先ほど高畑医師の指摘にもあったとおりに、表沙汰にはしたくない問題ではあります」


沈黙している周囲から視線を資料に向け、大河内は続けた。


「それでは、資料の十四ページをご覧ください。今回のダイブには、通常よりも更に神経を注ぐことにします。高畑医師のマインドスイーパーと、赤十字から二人のマインドスイーパーをダイブさせることにいたします」


僅かに部屋の中がざわつく。


「この子は……新入りかね?」


元老院の老人の一人が、写真を見ながら口を開く。


大河内は頷いて言った。


「はい。今回のダイブに必要な能力を持っています。A級能力者です」



赤十字病院の中庭で汀の乗った車椅子を押しながら、理緒は息をついた。


先ほどまでああだこうだと言っていた汀が、急に静かになったのだ。


何かと思って覗き込んでみると、コクリコクリとまどろみの中にいるようだった。


彼女の膝の上にいる小白も、丸くなって眠っている。


病院に行く前に圭介が薬を飲ませていたので、心配はないそうだ。


(何だかお姉ちゃんみたいだなぁ)


そう思って、理緒は木の陰に車椅子をとめた。


そこで、彼女は黒い服とサングラスのSP二人に囲まれて、小さな女の子が歩いてくるのを目に留めた。


背丈は汀や理緒よりも低く、金白色の長い、ウェーブがかった髪の毛を、腰の辺りまで揺らしている。


白い病院服だった。


彼女は無遠慮に二人に近づくと、きょとんとしている理緒を見て、そして頭を垂れている汀を、値踏みするように見た。


SPの二人は、腰に手を当て、女の子の両脇に陣取る。


「あの……」


理緒が戸惑いがちに声を上げると、女の子は、それを打ち消すように、体に似合わない大きな声で、はきはきと言った。


「片平理緒。十五歳。赤十字登録の純正マインドスイーパー、A級。性格はおとなしく消極的、リーダーシップはないが、人望を集めやすく、スタッフからの信頼も高い。成る程、聞いていた通りね」


自分のプロフィールを大声で読み上げられ、理緒が目を白黒とさせる。


「え……」


「そっちは、高畑汀。元老院が指定した、特A級マインドスイーパー。詳細は不明。ナンバーズの一人ね」


女の子はそう言うと、長い髪をくゆらせながら二人に近づいた。


そして、高圧的に、まどろみの中にいる汀の脇に立って見下ろし、鼻で笑う。


「何よ、障害者じゃない」


「あなた……何ですか、いきなり。失礼じゃないですか?」


理緒がおどおどしながら言う。


それも鼻で笑い、彼女は続けた。


「特A級スイーパーがどんな人間か、この目で見たかったら、わざわざ全ての仕事をキャンセルして『来てあげた』っていうのに、何? 日常生活も碌に送れないような、小娘じゃないの。それに猫? 馬鹿にするにも程があるわ」


「……馬鹿にしているのはあなたでしょう? 誰かは分かりませんけれど、汀ちゃんのことを悪く言うのは許せません」


理緒が眉をしかめて、彼女と汀の間に割って入る。


「誰ですか? ここは、関係者以外立ち入り禁止ですよ」


女の子はそれを聞いて、深いため息をついて、やれやれという仕草をした。


そして肩をすくめる。


「一緒に仕事をする人間のことくらい、調べておかないの? 日本人って」


「一緒に? どういうことですか?」


逆に聞き返され、女の子は目をぱちくりとさせた後、SPの一人に食って掛かった。


「どういうこと? 何で日本のマインドスイーパーが、私が来ることを知らないわけ? 一人は寝てるし!」

忌々しそうに汀を指差し、彼女が喚く。


SPの一人は、腰を屈めて女の子に、流暢な外国語で答えた。


それを聞いて、女の子もフランス語で返し、何度かやり取りをした後、彼女は苛立たしげにSPを突き飛ばした。


屈強な男が、それで揺らぐわけもなく、彼はまた手を後ろに回し、先ほどと同じ姿勢をキープした。


「……どうやら、連絡の行き違いがあったようね。私としたことが、とんだ誤算だわ」


彼女はまた深くため息をついて、頭を抑えた。


そしてSPのもう一人から薬を受け取り、口に入れて噛み砕いてから理緒を見た。


「私の名前は、ソフィー。フランソワーズ・アンヌ=ソフィーよ。フランスの赤十字から、今回のマインドスイープのために派遣されてきたわ」


腰に手を当て、見下すように理緒を見て、彼女は忌々しげに鼻を鳴らした。


「あなたと同じ、A級能力者よ」


ソフィーと名乗った女の子は、髪を掻き上げてから、物憂げに二人を見た。


「…………先が思いやられるわね」


「どうしてそんなに喧嘩調子なのか、私には良く分かりませんけれど……今回のお仕事でご一緒するんですね。宜しくお願いします。私、理緒っていいます。あ……ご存知でしたね」


そう言って手を差し出した理緒を無視して、ソフィーは汀の脇にしゃがみこんだ。


「起きなさいよ、特A級能力者。日本のマインドスイーパーは、挨拶も出来ないわけ?」


「汀ちゃんは、今薬で眠っています。あまり刺激しないでください」


理緒が、慌てて車椅子を遠ざけようとする。


そこで小白が目を覚まし、シャーッ! と鳴いてソフィーに噛み付いた。


「痛っ!」


小さくそう言って、彼女は手を引っ込めた。


うっすらと血が出ている。


「だ、大丈夫ですか?」


理緒が駆け寄ろうとするが、SPに止められる。


ソフィーは、涙をうっすらと目に溜めて、吐き捨てるように言った。


「ふん……精々私の足手まといにならないように気をつけることね」


きびすを返して、中庭を去っていくソフィーを、ポカンと理緒は見つめていた。


「……ナンバーズ?」


呟いて首を傾げる。


汀は、まだコクリコクリと頭を垂れていた。



汀は、きょとんとして目の前の、背の低い女の子を見上げた。


施術室で、目を覚ました時、腕組みをした女の子が仁王立ちになっていたのだ。


脇で理緒がおろおろしている。


「やっと起きたわね、高畑汀。この私を二時間三十五分も待たせてくれるとは、いい度胸してるじゃないの」


鼻の脇をひくひくさせながら、女の子――ソフィーが言う。


汀は首を傾げて周りを見回した。


ソフィーのことは完全に無視していた。


「ここ……どこ?」


理緒にそう問いかける。


理緒はしゃがみこんで汀の頭を撫で、そして言った。


「赤十字の施術室です。これからお仕事ですよ」


「私、そんな話聞いてないよ」


それを聞いて、理緒は少し表情を暗くしたが、慌てて言いつくろった。


「急に決まったんです。汀ちゃん寝てたから、起こしちゃ悪いと思って……」


「やだ、帰る」


また我侭を言い出した汀に、理緒は息をついてから言った。


「どうして? 患者さんがいるんですよ」


「今日はそんな気分じゃないの。何か……むしゃくしゃする」


「でも、今日ダイブしないと患者さんが危ないんです」


「知らないよ、そんな赤十字の都合なんて」


赤十字の医師達に囲まれている状況で、汀が大声を上げる。


「帰る!」


「汀ちゃん、落ち着いて……終わったら一緒にゲームしよ? 折り紙も教えてあげるから……」


「やだやだ! 今帰る!」


駄々をこねる汀を、呆気に取られてソフィーは見ていたが、彼女はすぐに怒りの表情に代わり、バンッ、とテーブルを平手で叩いた。


それに汀がビクッと体を震わせる。


「とんだ侮辱ね……この私を前にして、よりにもよって『帰る』……? 一体どれだけの労力かけてここまで……」


「汀ちゃん、起きたのか!」


そこで大河内がゆっくりと施術室の中に足を踏み入れた。


汀が一瞬ポカンとした後、慌てて右手で病院服のしわを直す。


「せ……せんせ!」


「心配したぞ。高畑が汀ちゃんに薬を投与したって言ってたから、今日の施術が出来るかどうかも、分からなかったしな」


大河内はそう言って汀を抱き上げた。


汀は顔を赤くして、右手を大河内の肩に回した。


そして頭を擦り付ける。


車椅子に取り残された小白がニャーと鳴いた。


「せんせ、会いたかったよぉ。どうしてすぐ来てくれなかったの?」


「仕事が立て込んでいたんだ。悪かったな」


理緒が、大河内の出現で、とりあえずは安定を取り戻した汀を見て息をつく。


そこで大河内は、肩をわなわなと震わせてこちらを睨んでいるソフィーを目に留めた。


そして汀を抱いたまま、彼女に片手を向ける。


「紹介がまだだったな。こちらは……」


「フランソワーズ・アンヌ=ソフィーよ。よく勘違いされるけど、日本人とフランス人のハーフだから。高畑汀。会えて光栄だわ」


鼻の脇を吊り上げながら、彼女は目だけは笑っていない顔で汀に手を突き出した。


しかし汀は、大河内を盾にするように体をひねると、顔をしかめてソフィーを見た。


「……誰?」


「日本人は自己紹介も出来ないわけ?」


ソフィーがヒステリックに大声を上げる。


それにビクッとして、汀が小さな声で理緒に言った。


「理緒ちゃん、お家に帰ろうよ……」


「汀ちゃん、それは……」


言いよどんだ理緒の言葉を、やんわりと遮りながら大河内が口を開いた。


「ソフィー、最初から喧嘩腰なのはいけないな。ほら、二人とも怯えてしまっている」


「ドクター大河内。彼女達の態度は、とても仕事に向かう姿勢だとは思えません。そんな人達と、この私が一緒にダイブするなんて、考えられないことです。ナンセンスだと思います」


はきはきと大河内にそう言うソフィー。


大河内は、汀を車椅子に戻し、彼女の膝に小白を戻してから言った。


「この子達の解決した案件は、説明したとおりだよ。今現在、日本で一番確実な力を持っているマンンドスイーパーさ。どうか、仲良くしてやってくれないか?」


彼にそう諭され、ソフィーが眉をひそめて二人を見る。


大河内はその視線を無視して、汀に言った。


「フランスの赤十字から派遣されてきた、A級マインドスイーパーだよ。今回は協力して……」


「お断りします」


そこで、ソフィーが声を上げた。


医師たちがざわついて顔を見合わせる。


SPの二人にフランス語で何かを言い、しかし彼らに止められ、しばらく口論してから、ソフィーは向き直った。


そして、腕組みをして馬鹿にするように理緒と汀を見る。


「それでは、こうしましょう。私と、あなた達二人。どちらが早く患者の中枢を見つけることが出来るか、競争しましょう」


「ソフィー、何を言い出すんだ」


大河内が息をついて彼女の方を向く。


「今回は協力すると、契約書にも……」


「どうです? 競争、しませんか?」


ニヤ、と笑い、彼女はきょとんとしている汀に言った。


「それとも、二人がかりでも、私に敵わないんでしょうかね? 『特A級スイーパー』の高畑汀さん」


挑発的にそう呼びかけられ、汀は、そこで初めてはっきりとソフィーを見た。


そして眉をひそめて、彼女に言う。


「敵うとか敵わないとか、何の話をしているの?」


「実力に差があると、そう言いたいまでです。あなた達と、私には」


「面白いじゃないか。いいだろう。今回は競争だ」


圭介がそう言いながら、白衣を着て施術室に足を踏み入れる。


両手はポケットに突っ込まれていた。


「高畑……何を勝手な……」


大河内が止めようとしたが、圭介は柔和な表情でソフィーに向き直った。


「そんなに自信があるなら、一回挑戦してみてもいいんじゃないかな? フランスのマインドスイーパーさん」


「ドクター高畑……」


そこで、ソフィーは彼を汚物を見るような目で見て、吐き捨てた。


「元老院の子飼いと話すことは何もありません」


「つれないな。俺はただ、君を応援しようと……」


圭介はそう言いながら、包帯を巻かれた手を彼女に伸ばす。


ソフィーは怯えたように喉を鳴らすと、いきなり


「触らないで!」


と怒鳴って、その手を勢いよく振り払った。


「……ッ!」


圭介が顔をしかめて一歩下がる。


傷口を直撃したらしく、包帯にじんわりと血がにじんでいる。


「圭介……?」


不思議そうに、汀が口を開いた。


「どうしたの、それ……」


「……お前には関係ない」


「圭介に何をしたの!」


汀が大声を上げて、ソフィーを睨みつけた。


豹変した彼女の調子に合わせることが出来ず、ソフィーは言いよどんだ。


「わ……私はただ、振り払っただけで……」


「圭介に危害を加える人は許さない! 競争でも何でも受けてやるわ。あまりいい気にならないことね!」


「ふ……ふん! 大概じゃない。後で泣き面晒しても、私は責任を取らないから」


「二人とも落ち着いて……」


理緒がおろおろしながら汀を落ち着かせようとしている。


大河内はため息をついて、横目で圭介を睨んだ。


「……どういうつもりだ?」


小声で彼に問いかける。


圭介は柔和な表情のまま、口の端を吊り上げて笑った。


「いや、何。フランスのマインドスイーパーとやらの『性能』を見てみたくてね」


彼の呟きは、大河内の耳にはっきりと届いた。


「それだけさ」


そう言った圭介を見て、大河内は息を呑んだ。


彼が、どこか暗い、表情の読めない不気味な顔つきをして、ソフィーを見下ろしていたからだった。


ソフィーと汀が睨みあう。


圭介は柔和な表情に戻り、汀の頭を、血が出ていない方の手で撫でた。


「あまり怒るな。俺は大丈夫だから。じゃ、準備を始めるぞ」


「高畑先生! 本当に競争なんて……」


理緒に頷いて、彼は続けた。


「ああ、勝った方には、ご褒美をあげよう」



後編に続く。



バックナンバーは「こちら 」から!!



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