人間化するコンピュータ

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ついに先日、NHKの『クローズアップ現代』までもが取り上げた。


 番組では、米長元名人とコンピュータの対局を詳しく追って解説。なぜ負けたかを分析していた。

 どうやら、人間並みの学習能力を持つようになっていたからで、「鉄腕アトム」も夢ではない時代が来たという。


 米長さんは、前例のない指し方をし、過去のデータを使わせないよう工夫していたことがよくわかった。

 また、入玉をめざすなど、普通なら、悪手と思える手も指して、「大局観」において、《人間力》を見せつけようと指していた。さすが元名人である。


 そして、途中ではコンピュータは指す手がなく、意味のない手を繰り返していた。私なら、飛車が左右に動くだけなのでやっぱり、しょせん機械だよね、と思うところだ。

 しかし、それを米長さんは、困っているのではなく、自分が戦いを仕掛けた瞬間に、カウンターを狙う作戦をとっているのではないかと思ったという。そして、その通りだったのだ。

 じっと待って、相手がやってきたときに、カウンターを狙うという《人間的》な作戦を選び、わずかなミスを突き、コンピュータが優勢に立った後は、相手の差し手を正確に予想し、元名人は負けたのだった。


 米長さんが高齢で、弱くなっていたわけではなく、むしろ、コンピュータの指し手も研究し、それでも負けたから、やはりこれは事件だった。チェスの名人が負けてから15年。「将棋よ、お前もか」というところだ。


 局後「じっと待って指す棋風が、大山名人と指したようだった」というようなことを、米長さんは語った。


 一言で、コンピュータの性能がアップしたというが、実は多くの手を読めただけでなく、人間の思考に近づいたから勝てたというわけだ。


 う~ん。そのうち私の気持ちも読み取られてしまうのかなあ、と心配になってきた。 ガーン