2016年8月

漆の乾燥に一番適した、気温25度以上、湿度70%i以上の季節は、日本では梅雨の時期しかありません。もし大きなモノ、例えば和太鼓、ジャンボジェット機、ご本尊などを漆で固めたいなら初夏から夏しか作業出来ない。小さいものは、ムロ部屋を作り湿度と温度を管理すれば周年可能です。ジャンボジェット機を漆で固める構想は止まってません。夏の4ヶ月と、準備期間の半年、移送費、漆材料、ケレンや副資材、諸経費、人件費、場所、胆管、倉庫、維持費、、、中古で1億円、初期軽費は漆だけで5千万円(機体の容積から表面積を割り出した場合)、本体別総工費1億円、仲介者が存在すればそれらにパーセントが相乗されます。作業員も漆に免疫力がある覇者でなければいけません。改造後は飛ばしません。飾っておくだけです。

それは、さておき。。

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材料は、なるべく買わない。買うことを意識すると上記のように極端になってしまうからです。ですから、100yenショップもハンズもホームセンターもできるだけ行かない。ひとつのモノを見ると、あらゆる角度から見てしまうので、ネジ1本でさえ無限に広がってしまうからです。

材料は買わない。革細工は続けますが、革は2年くらい購入していません。例外でSOUL KITCHENのイス用だけ購入しただけです。サンドペーパーもネジも、そして革も現在所有しているものが無くなれば終了です。

しかし、サンドペーパーは作れる、ネジだって作れる。接着剤も作れる。切断用具も作れます。

本当に何かを作りたい、やりとげたいならば、できる。

「出来ることを出来ないと思う、その気持ちが、出来なくしてしまう」

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新案楽器のサブパーツである独自性スピーカも今夏にはとうとう間に合いませんでした。ご依頼を頂いている作品も時間がかかると感じる方々もいらっしゃるかもしれません。

亀が笑顔で、こっちを向いてくれるまでどれだけシャッターチャンスの時間が取れるのでしょうか。ぼくは撮ると決めたらこっちを向くまで、そこを動きません。閉園になれば次の日も行きます。海外のエスメラルダは200才。言語の発達により情報を交換して長生きを続けてきた人間。


日が嵩む毎に、全ての依頼作品は頭の中で繰り返されています。楽器、日用品、喫煙具、ぼくに不可能はありませんが、時間も材料もカタチも全てお任せということでお受けしてます。

亀のように。


アディオス!

2016,8/7
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すべてに感謝するとは

テーマ:
「すべてに感謝するとは」

今日も銀行マンが、ぼくに会いたいと訪ねてきます。

もう4回目

すでに待合せの時間は過ぎています。
世間では、遅刻といいますが、4回とも定時には来ません。

お忙しいのでしょう。

待ってる間は、作業が止まります。

でも、足指を打撲したので、ちょうど冷やす時間ができた。
銀行マンがくれた貴重な時間。

足は、ウエッジウッドの食器が落下してケガをしました。
英国は何を生みましたか
日本は幸せですか
電車が遅れるとイライラしますか
電車は誰が運転してますか
電鉄会社の対応は如何でしたか
その電車はどうやって動いてますか
線路を長く長くひくのに誰が区画整理をしましたか
区画整理された土地は誰のものですか
土地はどうやって維持してきましたか
交通や情報伝達の方法は早くなりましたか
余った時間で何をしますか

ぼくは、余った時間で足を冷やします。

ありがとう。

何かを得たいなら、物々交換で良いですか
モノが無ければ、体力でいいですか
体力が無ければ知恵でいいですか
知恵が無ければお金でいいですか

そうですか、お金が良いんですね。
でしたら、少しお待ちください。

オフクロは一生懸命生きています

身内の基準はありません
友人も身内です。

全ての人が、ぼくに時間をくれました。
銀行マンも、電車も、親も、友人も。
国も、行政も、会社も
まったく知らない音楽家までも

すべてに感謝するとは、そういうことかもしれません。

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歌声の作りかた

テーマ:
うるしを塗る時、まず3時間くらい部屋を暖める。

漆の乾燥には湿度も必要なのでお茶も何杯も沸かす。
加湿器は昨年友人から頂いたものが役にたっている、真冬でも3時間で室内を真夏状態にできる。床暖房、加湿器、お茶、エアコン、全てフル稼働。カーテンに黄色い毛布もかける。



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漆専用のムロという大きな箱がアトリエに装備されているが、夏以外は、このムロの中で漆を乾燥させる。

ムロとは、風呂、室、など漢字も時代とともに変化した。ふろふき大根の、フロは、昔々、漆を扱う時、湯が冷めにくくするために、大根の煮汁を使用したところから、ふろふき大根と言う説もある。

簡単に言うと、漆は、湿度70%以上、温度25℃以上じゃないと乾かない。ヨーロッパには竹も漆も生息しない。

ムロを開けて、漆の表面乾燥を毎回確認する。

「くっそ!今日もダメだ!」

精神状態をもっともっと落ち着かなければ。

重々準備して、心を落ち着けて塗る。時間的には超絶早いが、漆塗りの工程の中で一番時間がかかるのは、表面の研磨だ。実は塗るより削る時間が何百倍もかかるので、数時間は集中しなければいけない。

失敗といわれるクモリの原因も、シワが入る原因も知っている。1mmの百分の一の薄さ10ミクロンの塗膜で、ムラなく塗るのも知っている。逆に古代芸術に無いであろうこのシワやクモリを利用する手法も発見したりもした。

それでも、なぜ、なぜ、漆は、俺の言うことを聞かない?


古代に無かったモノが現代にあるなら、漆も進化する。
あらゆるものを混合させ、あらゆるものに塗る。

鋼鉄と同じ硬さに仕上がる塗装膜面、自然界でコイツは、自己防衛の為に自分の幹(みき)表面のから樹液を出し、強烈な殺菌、硬度、浄化作用を繰返し、自分自身を守る。それが漆の木だ。

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やっと、気づいた。
5年やって、やっと気づいた。

クソッ!そうだったのか!

精神、室内、道具、季節、回数、互換性
それだけでは無い。

「おまえ、生きていた頃、そうだったのか!」

漆の素性だけでなく、塗る対象物の心も読まなければいけない。塗る対象物は自然界の木や皮や草木だけでは無く、マンメイド、つまり現代人が作り出したモノもある。

つまり、地球が生んでない、人が生んだもの。

たかが、楽器ひとつ、たかが、漆。

哺乳類は遺伝子の継続で生れたのでは無く古代生物学で知られているが、陸上で暮らしていた両生類に突然変異ウィルスが混入し、それに感染した生き物がさらに突然変異を起こし、次世代に哺乳類となった。

風邪はひかないと思っていたのに、風邪をひいてしまった俺は、突然変異になったかもしれない。発想と空想はどこにでもあり、就寝後の夢はまるで映画を1本見ているくらい複雑で詳細だ。誰にでもあると思う。

安全で健康に生きてこそ楽しいと、錯覚しているかもしれない。悩んでこそ人間の本質かもしれない。太陽は東から昇らない。突然、あなたを射す。梅の花が教えてくれる。

一杯の缶コーヒーが教えてくれる。
コーヒーは自分では飲まない。人にいれてあげるもの。
逆に人にもらったコーヒー、チョコ、材料、ゴミ、全てに愛に近いものを発見する。誰にでもあると思う。

ご一読ありがとうございました。

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