保険額が足りないカード付帯保険 | クレジットカードミシュラン・ブログ

保険額が足りないカード付帯保険

 今では,年会費無料カードのNICOS提携カードやオリコ提携カード等の信販系を中心として,海外旅行傷害保険がしっかり付帯されているものも少なくありません。

 

 では,このカード付帯の海外旅行傷害保険はいったい使えるのでしょうか?

 

 クレジットカード付帯保険については,クレジットカードミシュランの「クレジットカードと海外旅行傷害保険」で詳細に記載しているので,是非,参考にして頂きたいと思います。ここでは概要版として説明したいと思います。

 

 個人的には,カード付帯の海外旅行傷害保険については,概ね使えると考えています。付帯保険は,カード付帯の場合,「死亡・後遺傷害保険」,「傷害治療費用保険」,「疾病治療費用保険」,「賠償責任保険」,「携行品損害保険」,「救援者費用保険」で構成されています。クレジットカードミシュランでも解説しましたが,実際に海外で保険を使わなければならないケースを考えると,お世話になる可能性の高いものとして「疾病治療」,「傷害治療」,「携行品損害」と「賠償責任」が上げられると思います。

 

 ただ,海外でレンタカーを借りて運転をする場合においては,更にリスクが高くなりますから,カード付帯保険内容では十分ではないと思われます。外務省のWeb Siteでは,アメリカでのレンタカー事故により,2,000万円を超える治療費がかかった例を紹介しています。

 また,海外旅行傷害保険の比較をしたSiteでは,盲腸手術を例にとって,国又は地域別に比較を行っています。

 

 最近の損保商品での海外旅行傷害保険は,治療・救援費用を合算して取り扱っており,実際に事故に遭い,救援費用がそれほど必要でなければ,細分化されていた頃に比べると,高額な保障を受けられる可能性が高くなっています。実際に標準的な損保商品を見ると,治療・救援費用は1,000万円以上が増えており,カード付帯に多い,疾病治療費:200万円,傷害治療費:200万円と比べると単純に5倍の差と考えてもいいでしょう。

 

 カード付帯での高額は,疾病治療・傷害治療費:2,000万円のアメックス・センチュリオン・カード,同:1,000万円のアメックス・プラチナ・カードが損保商品のスタンダードクラス以上ということで,一般カードや各社ゴールドカードを含め,一律低い補償額であることが言えるかと思います。

 

 だからといって,カード付帯保険は補償額が低くて使えないというように考えるのは早計です。疾病治療及び傷害治療費用は,複数のカードを持つことで合算することも可能だからです。200万円の保障しか付帯していないカードであれば,異なるカード会社のカードを5枚持つことで,1,000万円の保障を受けることが可能になると考えていいと思います。その他,注意する点として,どのカード会社がどの損保と提携しているのか,また,内容はどうなのか,確認する必要があります。

 

 例えば,オリコカードには,現地で治療等を行わなければならなくなった時,キャッシュレス・メディカル・サービス(提携先病院等において,立て替え払いをしないで済むサービス)により治療等を受けることができません。一方,このサービスが受けられる保険を付帯しているカードとしては,NICOSや銀行系カードの保険付きカードが上げられます。補償額が同じでも,サービス内容は異なっているので,保険が付帯しているから,内容はどこでも同じだろうと考えることは避けたいものです。

 

 カード付帯保険は,一般的には使えるサービスです。ただし,提携している損保会社及び内容については,カード会員側がしっかりとチェックする必要があると思いますね。